守谷町—――かつて六つの森に囲まれ守られていたこの地では、宅地開発にともなって〝何か〟が目覚めようとしていた。
フォトグラファー・那須隼人は、タウン誌に掲載する写真の依頼を受け、中学の一時期を過ごしたこの町を再度訪れる。しかしそこは彼が知
る町ではなかった。
大規模な開発によって森は削られ、田畑と木々ばかりだった風景は整然とした住宅街へと変わっていた。
町を守ってきた森の消失とともに、不可解な失踪事件や怪異が相次いで起こっていた。
――そして三年前、隼人の恋人・藤原美月が姿を消したのもこの町でだった。
「谷には六つのもりさまがある。もりさまは村を守っている。もりさまに入ってはいけない。枝の一本も切ってはいけない」
古くから言い伝えられていた戒め。
森の神への供物〝しずめ〟の因習。
写真に写っていた〝写るはずのない森〟
過去と現在が交錯する中、隼人は郷土史家・見学の協力を得て村の真実へと近づいていく。
森に秘められた禁忌が解かれ、己の過去と対峙したとき、隼人が目にするものとは――
過去に葬られた因習と、悲しき闇が交錯する民俗ホラーミステリ折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-16 01:04:18
14467文字
会話率:19%
「石じじいの話」は、私が子供の頃(昭和40年代)に、石ひろいビジネスをしていた男性から聞いた話です。
彼は、山野を歩き、珍しい岩石や鉱物、化石、ときには動植物などを収集して、それを売って生活をしていました。
当時、すでに高齢でしたが、山を歩
いているのでカクシャクとしていました。
小学生の私が、石じじいが話してくれた経験談や言い伝えなどを家に帰ってからノートに書き残したものが大量に手元に残っています。親に言われて、綴り方の練習も兼ねていたのでしょう。これらの聞き書きの中から、話としてまとめることのできるものを書き出してみようと思いました。
それが、「石じじいの話」です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-15 23:10:28
251275文字
会話率:4%
怪談師と科学者と民俗学者の幼馴染3人がオカルトを語る人気の動画チャンネル、異世界オカルトチャンネル。ある日の撮影で3人は異世界に転移してしまう。チート能力もなにもない状態で異世界に投げ出されたものの、やることは変わらない! ゾンビと同じ飯を
食い、エルフの村の因習を暴き、メカドラゴンの都市伝説を追い、天使の信仰する神の正体に迫る。異世界は確かにあるっぽいけど、はたして幽霊なんてものは本当に存在するのだろうか? あなたのスパチャで答えを決めます!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-15 21:00:00
1106955文字
会話率:41%
※各話のジャンルと怖さレベル表示を行い始めました。 【タイトル】(ジャンル/怖さレベル(3段階)となっております。詳しくは 「ご案内」をご覧ください。
一風変わったフォークロア、新たな世界へ! いずれも、一話五分ほどの短編たち。どこから読
んでも楽しめます。
名著「遠野物語」に敬意を表し、作者の近所からあなたのおうちのご近所まで、民間に伝わる様々な怪談、都市伝説、噂話や不思議体験を収録した現代説話集です。 電車の中、休み時間、ふとんやベッドでのお供に最適! いつでも誰でもウェルカムです!
※2017/4/20 日間「ホラー」部門 1位を獲得しました!
※2017/4/22 週間「ホラー」部門 7位を獲得しました!
※2017/5/2 日間「ホラー」部門 同率1位を獲得しました!
※2017/5/6 日間「ホラー」部門 同率3位を獲得しました!
※アルファポリス様、ツギクル様にも掲載を開始しました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-15 21:00:00
9013128文字
会話率:4%
一風変わったフォークロア、あなたのもとにお届けします!一話完結の短編集なので、電車の中、休み時間、ふとんやベッドでのお供に最適! 作者の近所から、あなたのおうちのご近所まで、民間に伝わる様々な怪談、都市伝説、噂話や不思議体験を収録した現代説
話集です! いつでも誰でもウェルカムです!
2017/3/10 完結!
※2017/4/25 日間「ホラー」部門3位を獲得しました!
※2017/4/26 日間「ホラー」部門1位を獲得しました!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-03-10 22:56:32
37604文字
会話率:1%
昭和30年代前半。
上総のどこかの里山に茅葺屋根の古民家で暮らす娘さんがおりました。
田の神山の神である姫神様のお世話をしながら、狐の少年とともに昔ながらの道具を使ってのんびりと、ときには年中行事で季節を彩りながら穏やかな毎日を過ごしていま
す。
でも最近は毎晩村の青年医師が訪ねてきて、何やら変化がある様子。
はたして二人の恋の行方は?
ノスタルジック恋愛ファンタジーをどうぞお楽しみください!
――以下が好きな人におすすめです――
昭和、レトロ、郷愁、ノスタルジック、恋愛、人外、古民家、古道具、民具、民俗学、文化、風習、習俗、風俗、年中行事、信仰、儀式、儀礼、歳時記、村、里、山、田舎、料理
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-14 17:36:11
416314文字
会話率:40%
本作は、谷川健一の著書に書かれていた、とあるエピソードに着想を得ている。
「殯(もがり)のときに、死者の復活を願う光景は早くから見られた。伊波普猷(いはふゆう・那覇市出身の民俗学者・言語学者)によると、沖縄本島の津堅島では、人が死ぬと後生
山と称する藪の中に放ったが、屍が腐爛して臭気が出るまでは、その家族や親戚朋友たちが、毎日訪れて、死人の顔をのぞいて帰った。死人が若者であった場合は、生前の遊び仲間の青年男女が毎晩のように酒肴や楽器をたずさえて訪れ、思う存分踊り狂ったという。」
※後半にショッキングなシーンがあります。メンタルの弱い方は注意。グロ度★★★★★
※本作はコロンさま主催『酒祭り』企画の参加作品です。締切最終日の投稿にして、とんでもなく空気の読めない一作となっております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-11 18:00:00
14655文字
会話率:19%
燿(ひかる)は奈良市で民生委員を務める祖母に頼み事をされる。
というのも、三峰山の尾根のポツンと一軒家に住む独居老人、小坂の安否確認をしに行ってくれというのだ。
一路、ジムニーを走らせる燿。
雪山をなんとか無事、山小屋にたどり着き、小坂の
無事を確かめたのだが、到底引き返せないほどの吹雪に見舞われる。
小坂の勧めもあって、その晩は山小屋で泊ることに。
ぼたん鍋を食べ、熱燗を交わしながら、しだいに燿は小坂と打ち解けていく。
ところがである。
夜も深まったころ、玄関の戸を叩き、声をかけてくる謎の人物がいた。
小坂は息を殺し、だんまりを決め込んだので、燿もそれに従うのだった……。
※本作はしいな ここみさま主催「冬のホラー企画2」参加作品です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-30 17:07:21
10000文字
会話率:25%
舞台は近畿地方のN県T村武蔵地区。都内で不慮の死を遂げた姉、奈桜の葬儀を執り行った。
書置きに残された彼女のたっての願いで、武蔵地区の共同墓地で土葬することになったのだ。
寝棺を墓穴におろすと、あとは土をかぶせ、埋めるだけと、妹の沙月は思
っていた。
ところが一人の高齢男性が前に進み出、ライフル銃をかまえたから驚かずにはいられない。
なんと、いきなり墓穴めがけ発砲――。
都内で暮らす沙月には、はじめての土葬と、やたらと死者を甦らせない作法やら儀礼に戸惑うばかり。
それほど呪術を張り巡らせたにもかかわらず、埋葬したはずの奈桜は死霊となって甦り、都内まで帰ってきてしまったのだ。
家族は、それと対峙する。そして帰ってきたことについて問い質すのだった……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-24 23:00:00
20233文字
会話率:19%
大学生の篠宮友梨奈は、教授に頼まれて訪れた青森の寒村・徒来村で、村に伝わる奇妙な伝承の調査を始める。そこは不自然なほど老人ばかりが暮らし、外界から隔絶された空気をまとっていた……。探索を進めるうちに、彼女は「キリストの墓」と呼ばれる謎の聖
地へと辿り着き、同じく村の秘密を追う民俗学徒・和嶋研一と出会う。二人はやがて、村に隠された恐るべき真実……不死の契約に迫っていく。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-05-07 00:48:45
18357文字
会話率:48%
オレの名前は先島伸二。
オレはこの業界に入る前は「全然喰えないフリーライター」だった。
それがある日、山奥で不思議な婆さんに出くわして…なんておとぎ話みたいだろ?でもそんなおとぎ話、聞いてみるかい?
#民俗学 #ファンタジー #奇譚
最終更新:2025-05-05 01:53:44
7162文字
会話率:36%
禁酒法時代のアーカム。大学生の「僕」は、民俗学の教授と日本からの留学生・ヒナタと共に、裏路地のスピークイージーを訪れる。だがその夜、ひと口のカクテルが、ヒナタの無自覚な神話的本性と街の深層を静かに波立たせていく――。
最終更新:2025-05-03 23:00:00
7071文字
会話率:26%
1930年代、マサチューセッツ州アーカム。
ミスカトニック大学に通う主人公は、ある朝、日本からの留学生・ナガエと共に、民俗学の教授とインスマスへ向かうはずだった。
だが、駅に現れたバスの運転手は、ナガエの姿を見るなり絶叫し、彼らを残して車を
発進させてしまう。
「おかしいのは……どっちなんだ?」
霧深い朝のダイナー。異国の青年が語る夢の記憶と、食卓での無邪気な一言。
少しずつ“日常の輪郭”が揺らいでいく、一日の記録。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
アーカム,
禁酒法時代,
留学生,
異文化交流,
短編,
完結済,
静かなホラー,
ミスカトニック大学,
夢,
日常の異常,
AI生成
最終更新:2025-05-02 23:00:00
7983文字
会話率:24%
転勤族の一人娘白鳥ゆいるは御伽高校に転校してきた。
腰掛けの入部で文芸部に入るつもりで部室に入ると、怪しい教師やらブランド品を愛する先輩やら、友達になったしのぶ子につれられて民俗学からきた寄童とかいうものをさせられる羽目になった。それも禁断
の外典をひいてしまったからだ。その外典が何なのかもわからぬまま、ゆいるは転校生活を進めていくことになる。そこで様々な事件達に遭遇し成長していく。
恋も冒険も学園生活もごちゃごちゃになりながら進んでいくゆいる。ゆいるの禁断の外典はなにをするのか。未来はまだわからない。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-03 01:03:11
55973文字
会話率:54%
夢と現実のはざまで、私はいつも夢を見る――。
16歳になったばかりの日月揚羽は、幼少の頃から人には見えざるものを見、友としていた。何時からそうだったのか、子供の頃の記憶は曖昧で、よく覚えていない。
そんなある日のこと、揚羽は母親を亡くす。「
私が死んだらそこへ。あなたもそこに住んでいたんだよ」という母の遺言に従って、山奥にある『蝶塚村』にやって来た。
親戚もいるかどうかもわからない全くの未知の土地なのに、揚羽はそこに懐かしさを感じてしまう。到着早々途方に暮れていると、一羽の蝶が舞い降りる。揚羽蝶のような見た目をしたそれは、アゲハモドキといい、その村では『ゲガレの象徴』と言われており…?!
天女伝承と鬼伝承が混在するその村で、揚羽は様々な人と再び出逢い、朧気だった記憶が戻って行く。現代が舞台の、閉鎖された場所での物語です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-01 22:23:58
21600文字
会話率:52%
民俗学者の父親と共にアンデスの少数民族の里で暮らしてきた僕、麻生彩昂は高校進学の為に5年ぶりに日本へと帰国した。入学式から二週間遅れて登校した僕は、放課後の空き教室でふたりの少女に出会う。ひとりは初恋の幼馴染宮津みらい。そして濡羽色の髪の少
女真崎撫子。彼女はかつて僕にトラウマを与え、海外に渡る原因を作った人物だった。こうして僕は青春を取り戻し、癒されていく日々が始まった。※カクヨム様でも投稿しています。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-25 18:03:35
60873文字
会話率:44%
X年の8月の山で、異界に囚われたあと。
12月になってようやく、生きて帰って来てくれた津田さんと過ごす、残りの日々の物語。
最終更新:2025-04-20 14:01:07
17657文字
会話率:31%
『小野さんの異界グルメ』
今回も小野さんの案内で、異界グルメを探しに行きます。
あの有名なきさらぎ駅にも、美味しいものはあるのでしょうか?
今日の旅は静岡県 浜松市。
遠州鉄道 新浜松駅から出発して、きさらぎ駅へと向かいます。一緒にひととき
の旅へと赴きましょう。
・パーソナリティ:小野 篁(おの たかむら) 氏
・カメラ兼リポーター:夕月 舞(ゆうづき まい)さん
※オカルト小説マラソン参加:テーマ『きさらぎ駅』折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-10 00:41:41
4995文字
会話率:30%
退屈な現代社会と、立て続けに起きる不幸な出来事に嫌気がさしていた主人公は、神様のお使いの白蛇を助けたことがきっかけで、異世界・『現世』(うつしよ)へ迷い込む。
そこは、神や物の怪が見える、どこか懐かしくも不思議な世界だった。
白蛇の加護を得た主人公は、いくつもの僥倖(ぎょうこう)と不幸に翻弄(ほんろう)されながら、あんこ好きの巫女(みこ)や、不思議な術を使う少年など、たくさんの人と出会い成長しながら、元の世界へ帰る道、やがては自分の生きる道を模索していく。
やがて、この世界の大いなる深淵(しんえん)に触れることになるとは知らずに―。
白蛇と巫女と一緒に異世界『現世(うつしよ)』での摩訶不思議(まかふしぎ)ライフ、開幕!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-06 11:57:59
204053文字
会話率:40%
民俗学がテーマです。現実とファンタジーを繋いでいるのが民俗学だと思うのです。
最終更新:2025-04-05 12:00:35
4531文字
会話率:1%
『私は大張島の火口に神秘を見た___』
民俗学研究室に在籍するオカルト好きの大学生、流石夏未はその一文を頼りに大張島の調査へと向かった。
そして彼は島の少女と出会う。
それは、夏の暑い日の出来事だった____
全四話
最終更新:2025-04-05 10:00:50
70515文字
会話率:38%
――死者のレシピをカフェで出す、うちの神様はうまく泣けない。
稲葉和(いなば のどか)、20代半ば。民俗学系ライター兼編集の契約社員。
子供の頃から他人には見えない小さな神々や死者の気配を感じることができた彼女は、初めて自身の企画が通っ
た「神社巡り」の仕事に取り組んでいた。
しかし上司の異動を機に、取材先の綾白神社の事故は神の祟りだ、という記事のでっち上げを強要されるなどの、パワハラとセクハラに追い詰められていく。
そんな時、同じ力を持ち唯一の理解者だった祖母が生前、「困ったときに行くように」語っていた店の存在を思い出す。
そこは「一見さん歓迎、二見さん大歓迎」――黄昏時から深夜だけ開店する和カフェ「夜見」。
現世と常世の境にあり、常世に紛れ込もうとする人々に、失われた「死者のレシピ」を渡す場所。
営むのは黒髪の美青年――早瀬と名乗る消えゆく川の神と、彼の眷属の茜と澄の二人。
祖母のレシピを食べて勇気づけられた和は、男性客・斉藤の苦境を知り、死に別れた母親の「ちらし寿司」の再現を手伝いたいと思う。
ヒントとなる、常世の死者からの文は、熊笹の枝に付いた『かささぎの渡せる橋』、百人一首にも収められた和歌の初めだけだった。
和は早瀬と共に、和歌と伝承文学の知識を生かして、斉藤が母親から語られた七夕伝説の類型から、彼の母親のルーツとなる地域とレシピを探ろうとする。
一方で、早瀬が常世に毎日手紙を送り、「殺してしまった」友人からの返事を待ち続けていたことを知り……。
この話はPixiv、カクヨムにも掲載しています。
※描写その他、調整中です。また今後続編を掲載する可能性があります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-22 09:12:53
28290文字
会話率:45%
謎の多い縄文遺跡を推理する、不思議と旅のお話です。
星や民俗学の話が出てきます。
おまけに旅のおススメも!
最終更新:2025-02-11 15:10:13
8689文字
会話率:0%
時は明治。
医者を排出する久瀬家と、双子しか生まれない蒼月家。ただ一卵性の双子であるというだけで僕と兄は、蒼月家の婚約者として選ばれた。
「「私たちは蒼月蓮華でございます」」
視線の動かし方から、呼吸の回数まで全て同じな蒼月家の双子姉妹
。僕の兄は気味が悪いと言うけれど、僕は彼女たちを哀れだと思う。
「君が一人で呼吸を覚えるまで、何度だって口づけてあげる」
姉がいないと、妹がいないと、何もできない、呼吸もままならない、可哀想な双子。
僕の婚約者はそんな女の子で。
――だから僕は彼女を、蒼月家の双子にまつわる神代の因習から、解放する。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-09 18:17:56
91251文字
会話率:34%