松江市の小学校の閉校式。
二十年ぶりに帰郷したさおりは、幼馴染の直樹と再会する。
タイムカプセルの中から出てきたのは、子どもの字で書かれた一枚の紙だった。
「たなかさおりと、おとなになったらけっこんします」
二人はそれぞれ、家庭を持っている
。
夫との会話は減り、妻との距離は広がった。
誰かのせいでもなく、ただそうなった。
宍道湖のほとりを並んで歩きながら、さおりは気づく。
この人の隣にいると、忘れていたものが、また見える。
許されない恋だと、わかっている。
でも、眠っていたものが、目を覚ます。
二人は悪くない。家族も悪くない。
だから、静かに、深く、痛い。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2026-04-15 18:00:00
48433文字
会話率:15%
感情をうまく言葉にできないまま二十七歳になったSE・沢井燈と、感情に蓋をすることが習慣になった契約社員・緒方紗江。
二人が出会ったのは、終電一本前の乗り過ごしだった。
「乗り過ごしましたね」「そうですね」——それだけだった。
それから少しず
つ、給湯室で、社食で、雨の日の帰り道で、言葉を交わすようになる。大きな事件は何も起きない。告白シーンもない。ただ、沈黙が苦でなくなる瞬間があって、言えなかった一言が口から出る瞬間があって、怖くて引いてしまう夜があって、それでも戻ってくる朝がある。
感情を持て余してきた二人が、足元の言葉で互いを確かめながら、「今ここにいていいと思っています」と言えるまでの、秋から翌夏までの一年の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2026-04-15 12:00:00
27407文字
会話率:23%
声を失った男性との純愛。
深夜ラジオ『音の縁側』を担当するディレクター・藤沢彩、三十二歳。
ある日から、番組に毎週手紙を送ってくる男性リスナーがいる。
声よりも先に届く準備の音が好きだと書く。音が消えた夜に、番組の沈黙が聞こえたと書く。その
言葉は、彩が長いあいだ忘れていた場所に、静かに触れてきた。
ある深夜、局のロビーに現れた男が手紙を差し出した。スマートフォンの画面には短い文字。
「神田諒です。迷惑でしたか」
彼は声を失っていた。二年前の事故で。
言葉を持ちながら、声を持たない男。
声を扱いながら、大切なことを言えずにいた女。
代々木公園のベンチで、手紙と沈黙と、短い言葉の交換が重なるたびに、二人の距離は静かに縮まっていく。
声のない愛が届くまでの、静かな物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2026-04-10 18:00:00
55543文字
会話率:8%
敵軍司令官の愛人として潜入していたテラ軍中尉リラ。
侵攻計画を知った彼女は、祖国へ帰還し、顔と名前を変える。
だがそこで出会ったのは、
“問題児”と呼ばれ軍を追われた元軍医――ルーク。
飄々としたその男は、
滅びた王族の血を引く最後の
末裔だった。
彼の中に眠る力――星脈。
それは、敵の神経支配を無効化する唯一の鍵。
惹かれ合う二人。
だが敵司令官ゼノンは、
かつての愛人リラを取り戻すため地球侵攻を開始する。
祖国は彼女を差し出そうとし
ルークもまた軍から切り捨てられる。
追い詰められた二人に残された選択は一つ。
――結婚し、子を成すこと。
二人の遺伝子が結びついたとき、
星脈は覚醒する。
愛か、祖国か。
過去の男か、未来の命か。
銀河を揺るがす戦争の中で、
彼女が選ぶのは――折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2026-04-15 18:00:00
14284文字
会話率:31%
惑星を渡る戦乱の時代。
滅びた王家の血を引く軍属医師・ルークは、自らが“王”である運命を知らぬまま生きていた。
一方、最前線で戦ってきたオメガ軍の女性兵士・リラは、
星脈と呼ばれる宇宙に遍在する未知の位相波に選ばれ、彼の子を宿す。
星脈
は、王と妃、そして次代の命を守るために目覚める力。
だがその覚醒は、宇宙に新たな争いを呼び寄せてしまう。
追われるふたり。
裏切り、政治、惑星破壊兵器。
守るために差し出された犠牲の先で、
ルークは王として覚醒し、リラは母として選択を迫られる。
これは、
滅びから始まる再生の物語。
星に引き裂かれながらも、なお繋がろうとする命の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2026-03-04 12:00:00
161761文字
会話率:42%
彼は理想の彼氏を演じ、私は期間限定の風俗嬢として生きる――二人の心はどこへ向かうのか
悪徳マルチ集団に騙され借金を抱え、大手IT企業の営業職から風俗嬢へと転身した青樹知夏。バイセクシャルである自分の特性と営業スキルを武器に、瞬く間にトップ嬢
へと上り詰める。さらに店舗の事務スタッフも兼任し、二足の草鞋で駆け抜ける日々。
そんな知夏の前に現れたのは、性欲を持たない彼女を持つ白川優太。理想の彼氏を演じながら、満たされない欲望と孤独を抱える彼に、知夏はどんな影響を与えるのか――。
欲望と孤独、そして想いが交錯する、大人の恋と成長を描いた物語。
※前作「あなたの腕の中で性と向き合う」に主要人物の物語を追加、加筆修正した物語です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2026-04-15 06:00:00
30477文字
会話率:38%
戦国時代、その武勇から「鬼柴田」と恐れられた猛将・柴田勝家。彼がその荒ぶる魂を唯一捧げたのは、主君・信長の妹であり、絶世の美女と謳われたお市の方であった。
物語は、勝家がお市への秘めた想いを隠し、不器用な「道化」を演じて彼女を笑わせようと
した織田家臣時代から幕を開ける。愛する人を他家へと送り届ける断腸の護衛、燃え盛る小谷城からの決死の救出劇。そして、ようやく夫婦として結ばれた越前・北ノ庄での、雪のように静かで温かな日々。
しかし、乱世の非情な運命は、二人を北ノ庄城の紅蓮の炎へと追い詰めてゆく。三人の娘を脱出させ、死を「祝言」へと昇華させる凄惨な儀式。炎に包まれながら二人が交わした「来世」の約束は、四百年の時を超えて、現代の東京へと繋がっていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2026-04-14 22:06:33
15883文字
会話率:22%
あのとき、ちゃんと理由を聞けばよかった。
曖昧なまま終わった恋。
嫌われたわけでも、喧嘩したわけでもない。
ただ、なんとなく終わった。
——はずだった。
数年後、偶然その理由を知ることになる。
これは、
知らなくてもよかった本音と
、
それでも知ってしまったあとの話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2026-04-14 21:17:54
1152文字
会話率:15%
部屋を片付けていたとき、一通の手紙が出てきた。
書いたまま、出さなかったラブレター。
あのとき渡していれば、何か変わっていたのか。
それとも、何も変わらなかったのか。
これは、
伝えなかった気持ちと、
それでも消えなかった感情の話。
最終更新:2026-04-12 22:11:51
1180文字
会話率:4%
彼女がいるのに、他の人と手を繋いだ。
最初は、ただ話しやすかっただけ。
ただ一緒にいるのが楽だっただけ。
だからこれは浮気じゃない、と思っていた。
でも——
一度でも「これでいい」と思った瞬間から、
全部、言い訳だったのかもしれない
。
これは、
ちゃんと終わらせなかった男と、
ちゃんと終わらせた女の話。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2026-04-12 07:50:35
1096文字
会話率:18%
三度、同じ男に裏切られた。
それでも私は、彼を選び続けた。
そして迎えた四度目。
私はようやく、選ばないという選択をする。
これは復讐の物語ではない。
誰かを裁く物語でもない。
静かに離れることを選んだ、一人の女の物語。
最終更新:2026-04-14 21:10:00
61360文字
会話率:24%
男女の恋愛を描いた4つの作品を1つにまとめている。
40代、30代、20代、10代と、年代はそれぞれ違うが、初恋のようにピュアなやり取りもあり、人生の酸いも甘いも知った大人の恋愛模様から若さ故の甘酸っぱい恋をお届けする。
最終更新:2026-04-14 21:00:00
38606文字
会話率:56%
七年付き合った恋人に振られた翌日、二十九歳の営業職・佐倉美咲の人生設計は突然白紙になった。
仕事は順調。それなのに、未来だけが消えてしまった。
失意のまま迎えた出社日――
会社で“冷徹で合理主義”と恐れられる神谷部長に呼び出される。
「
俺の恋人役をやってくれないか」
それは、ある事情から始まった期限付きの恋人契約だった。
感情を見せないはずの彼は、なぜか美咲にだけ優しく、距離が近い。
仕事として始まった関係。
踏み込んではいけないはずの感情。
――契約が終わる頃、失うのは恋か、それとも自分の心か。
失恋から始まる、大人のじれ甘オフィスラブ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2026-04-14 20:38:08
12943文字
会話率:33%
伊織がある朝、目覚めると19歳の自分の身体に戻っていた。
そこは、かつて絵里奈と暮らしていた古いアパート。
煙草の匂い、散らかった部屋、そして――まだ未来の痛みを知らない20歳の絵里奈。
かつて見た夢のような感覚に戸惑いながらも、伊織はす
ぐに気づく。
これはただの夢ではない。
彼女を守れなかった過去を、やり直すための“機会”なのだと。
かつて甘えてばかりだった自分。
絵里奈がどれだけ孤独に耐えていたかを知っている今だからこそ、伊織は静かに誓う。
「もう二度と、あの未来を繰り返させない」
今、絵里奈と歩んでいる世界も大切で幸せだった。
だが、唯一の心残りが、あの若き頃の自分自身の過ちだったのだ。
彼女の無垢な笑顔に胸を締めつけられながら、伊織は、誰にも聞こえない誓いを胸に刻む。
――これは、守れなかった過去を抱えた男が、もう一度、愛する人の未来を守ろうとする物語。
伊織と絵里奈、さらに二人に関わる人も巻き込んだ、壮大なタイムリープの世界が幕を開ける。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2026-04-13 21:40:00
146414文字
会話率:28%
伊織は、生きる意味を見失ったまま、会社からの帰り道を歩いていた。
離婚してから、何年が過ぎたのかも、もう正確には覚えていない。
ただ、仕事を終えて家に戻り、また翌日を迎えるだけの毎日だった。
冬の夜気は冷たく、街灯の下で吐く息が白く揺れ
る。
駅へ向かう足取りは、もう習慣のように勝手に前へ進む。
金曜の夜だけは、駅構内や駅前の居酒屋で一杯やって帰る。
それが、今の伊織に残された、唯一の楽しみだった。
――この夜、
二度と会うことはないと思っていた女性と再会するまでは。
徒歩十五分の道のりを、
伊織はまだ知らない。
自分の止まっていた時間が、
もう一度動き出そうとしていることを。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2026-02-23 20:24:11
267717文字
会話率:32%
婚約中の彼に浮気され、失望していたOLの香川梓。
そんな中、本社からのリーダーとして高城修弥が赴任してくる。
はじめは冷たくて嫌なやつだと思ったが、本当は優しい修弥に惹かれ、付き合うことに。
そして、なんと彼が時期社長だったという事
実が発覚する。
戸惑う梓だったが「住む世界に違いはない」修弥は変わらぬ愛を注いでくれる。
しかしある日、彼の政略結婚の話が持ち上がり……!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2026-04-14 20:10:00
25853文字
会話率:28%
全71話
橋本香、23歳。
昼は地味子な派遣社員。
だけど夜は……銀座のクラブの売れっ子ホステス、珠奈。
ストレス発散の為のクラブで働いていることは、誰にもヒミツ。
だけどある日やってきた、超イケメンなお客様、井上一哉、28歳
。
強引だけどどこか惹かれてしまう彼と、つい一夜を共にしちゃったら……。
なんと彼は、海外留学から帰ってきた、社長の息子だった!!
副社長に就任した彼はあたしに気づき、イジワルな罠をしかけてきて……。
「もっとオレ好みの女になれよ。
昼も、夜もな」
心もカラダもとろける、ハニートラップ。
こんな罠にかかったら、あなたなら、どうする……?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2026-01-04 19:20:00
157413文字
会話率:22%
2026年ホーチミン。社長職を譲った62歳の尚人は、自分の高層ビル最上階で『空き部屋の声』を聞く。異様な冷えと水音、返事の断片は1986年を指し、失踪した叔父と、行方不明の女の影を呼び戻す。昭和の横須賀に立つ22歳の尚人は、名簿を武器に電
話をかけ、土地を小口で押さえ、資金を積み上げる。起動キーの欠けた送信機は逆アセンブルで開くしかない。看護師との関係、解析者の真理子との駆け引きが、仕事の選択を揺らす。謎解きと不動産の実務が並走する現代サスペンス。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2026-04-14 19:00:00
274198文字
会話率:44%
東京の街で出会った二人の男――
田島と三上。
まるで正反対の彼らに出会い、
紗江の日常は少しずつ色を変えていく。
近づいたり離れたりする距離。
言葉にできない想い。
それぞれの人生が交差するとき、
三人の関係はどこへ向かっていくのか
。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2026-04-14 16:34:53
12904文字
会話率:34%
不妊と診断された私のもとへ、夫が「養子だ」と連れてきた赤子。
私はその子を十二年、実の子として育てました。
学院入学の家系魔法の照合を、三日後に控えた朝。
私は地下書庫に積んだ十二年分の家計簿を、一冊ずつ、開き直したのです。
――日付は、
すべて、答えを出しておりました。
その子は、夫と、私の親友が、私の知らぬ間に授かった子でございました。
私は微笑んだまま机に向かい、筆を執ります。
離縁状ではございません。育てた十二年分の記録と、その子の本当のお母様への、手紙でございました。
――これは、「母」という言葉を一度手放した女が、百人の子の母として生まれ直すまでの、静かな物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2026-04-14 16:00:30
41112文字
会話率:23%
退職した王立裁判所第三法廷記録官グンネル・ヴァト、六十二歳。
北部の自宅で、彼女は十二夜にわたって古い裁判記録を一人で書き直している。三十二年の勤務で立ち会った、四十一件の重い判決。
そのうち十一件で、彼女は判決文の余白に書けなかった真
実を抱え続けてきた。
毒殺未遂とされた薬師令嬢、王子に剣を向けた剣士、敵国に通じたとされた翻訳者――判決の言葉と、彼女が記録席から見ていたものは、いつも食い違っていた。
十二夜目、最後の綴りに彼女が書くのは、誰の事件でもなく、自分自身の選択の記録である。北方の沈黙の修道院から届いた一通の手紙が、彼女に書く意味を初めて与える。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2026-04-08 12:30:27
49732文字
会話率:11%
「愛なんて、ただの脳内物質のバグよ」
ターゲットを百発百中で落としてきた『別れさせ屋』のプロ、美玲。
今回の依頼は、重すぎる幼馴染の愛から逃げたい崖っぷち女子・香奈からのSOS。
余裕で引き受けた美玲だったが、ターゲットの誠司は想像を絶
する「脳筋一途男」だった!
誘惑しようにも、ターゲットは時速20キロで爆走して近づけない。
お色気作戦を仕掛ければ、酸欠で倒れたところを「お姫様抱っこ」で猛ダッシュ救送される始末。
「あかん……酸欠のせいか、本気で惚れてもうた……!」
理論派のプロが、物理的な純愛に完敗!?
逃げる幼馴染、追う脳筋、そして酸欠で恋に落ちたプロ。
三人の終わらない「全力疾走(ラブコメ)」が今、幕を開ける!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2026-04-12 21:10:00
12077文字
会話率:35%
この作品は、「婚約破棄を宣言した王子、国家レベルで止められる」の外伝作品となります。
必ず本編を先にお読みください。
国の存続を揺るがしかねなかった婚約破棄騒動。
あの物語の中で、王という重さを知った少女は、何を思うのか。
浮気相手のミレ
イユ視点の外伝となります。
※この作品は生成AIを使用して作成しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2026-04-12 19:10:00
1653文字
会話率:10%
彼は、いつも目を逸らす。
好きなのに近づかない。
触れたいのに距離を取る。
本気になるほど、逃げてしまう。
いわゆる“回避型”の男だった。
本作は、回避型男性の繊細な心理と葛藤を丁寧に描く、大人の恋愛物語です。
揺れない彼女と出会い
、
逃げることでしか自分を守れなかった彼は、少しずつ変わり始める。
しかし、父の入院をきっかけに帰省した彼を待っていたのは、
支配的で感情的な母との再会だった。
過去と向き合うこと。
愛されることを受け入れること。
逃げるのをやめること。
目を逸らしながら本気で恋をしている男が、
覚悟を決めるまでの物語。
そしてこれは――
回避型に恋をしてしまったすべての女性へ贈る、再生の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2026-04-12 09:34:37
108658文字
会話率:8%
百年を生き、大往生を迎えた百合江。
目を覚ますと、彼女はエルフとして生まれ変わっていた。
森の民と鋼の民が争う世界で、
彼女は敵国の王太子レンヴァルトと出会う。
その男は――
かつて戦場で失った初恋の人と同じ名で呼ばれていた。
前世の
記憶を抱えたまま、
エルフとして生き直すことになった彼女。
これは、
百年を生きた女性が、森と鋼の運命の狭間で
もう一度恋をする物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2026-04-12 08:30:00
39893文字
会話率:29%
ふっと目が覚めた夜。
開いたままのノートに、見覚えのない筆跡で綴られた言葉。
誰が書いたのか分からないのに、その優しさだけが胸に灯る。
静かで温かい、ちょっと不思議な一夜の物語。
「20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をす
る」の番外編です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2026-04-11 21:00:00
1113文字
会話率:3%
16歳の初恋も、30歳の大人の恋も――
誰かを想う気持ちは、いつだって真剣で、少しだけ不器用。
年齢も職業も異なる女性たちが織りなす、恋のかけらを集めた短編集。
ときめき、切なさ、そして勇気。
あなたの心にも、きっと誰かの恋が響きます。
最終更新:2026-04-11 11:30:00
175629文字
会話率:46%
病院で看護師として働く美結(みゆ)は、夫と「仮面夫婦」を続けながら、良き母・良き妻という役割を淡々とこなす日々を送っていた。
ある日、職場で指を怪我した美結。紫色に腫れた指を見せても、夫は「知らんがな。大げさだな」と冷たく吐き捨てるだけだっ
た。
家事と育児の「機能」としてしか扱われない絶望の中、美結のスマホを震わせたのは、職場の同僚である瀬戸からの悲痛なほど過保護なメッセージだった。
「絶対に病院を受診してください。仕事なんて休んで」
互いに既婚者でありながら、家庭で「異性としての価値」を見失っていた二人は、惹かれ合うように秘密の関係にのめり込んでいく。
離婚する気も、家庭を壊す気もない。これはただ、息の詰まる現実を生き延びるため、互いの渇きを潤すための「生存戦略」。
夫が気づかない死角で、今日も私は女を取り戻す――。
現代のセックスレスや夫婦の闇を描く、切なくも甘いの大人の恋。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2026-04-10 21:00:00
55193文字
会話率:29%
令和の会社員・松井耕作(四十歳)は、ある日突然、神隠しに遭う。
気がつけばそこは昭和三十年代の荒川区・町屋。スーツ一枚、現金はドル紙幣一枚だけ。
記憶を頼りに辿り着いたのは、北千住の袋小路に佇む小料理屋『冬凪』。
カウンター五席、都電の振動
だけが届く静かな店に、令和でも見知った顔の女将――須田冬子がいた。
無職・無戸籍・住所不定。どん底から這い上がろうとする耕作を、冬子は淡々と、しかし確かに受け入れていく。
皮革職人の功ちゃん、洋品店主の謙三さん、流しのギター弾き比呂ちゃん――昭和の下町の人情に包まれながら、耕作は新たな居場所を見つけていく。
だが、冬子には過去があった。新橋の不審死事件、銀座のバー、首筋の消えない傷跡……。
そして耕作には、いつか令和に戻されるという避けられない運命があった。
昭和と令和、七年間の静かな愛の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2026-04-09 08:00:00
15149文字
会話率:24%