騎士爵家 三男の私には、前世に於ける記憶が有った。 しかし、それを公言する事は無い。 余りに悲惨で、憂鬱な記憶。 出来れば、忘却の彼方に打ち捨てたい記憶でもあったからだ。
この国の辺境の騎士爵家の三男と云えば、家の為に献身を求められ、やが
て民の為に死す運命の元に産まれたと云える。 幸いな事に、私には持って生まれた『ギフト』があった。
よって、この『ギフト』を用い、騎士爵家の家長たる父、継嗣たる兄達の生残性を少しでも上げる努力をせねば成らない。
何故ならば、彼等は、私を愛してくれたから。 それが、唯一の理由でもある。
民草を護り、王国の安寧に寄与すると、壮大で殊勝で矜持に満ちた父や兄達とは違い、私にはそのような大それた信念は無い。 ただ、ただ、自身を愛してくれた者達が安寧に暮らしていける手段を求めただけだった。
だから、買い被りはよしてくれ。
私は、辺境の子であり、騎士爵家の三男で在り……
魔物、魔獣から民を護る存在でなのだから。
とある世界、とある国の、辺境の騎士爵家に生まれた漢の生き様と、心の在り処。 淡々と、一人称でお送りする、” 普通 ” の男の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-28 06:00:00
59618文字
会話率:26%
世界の誰もが与り知らぬ所で降って湧いた厄災が徒党を組んで人類に牙を剥いた。
魔物。魔族。獰猛で残忍なそれらは瞬く間に人類の生存圏を侵食し、世界は存亡の機に瀕することとなった。
脆弱な人類に残されたのは滅びの運命だけ。そんな人類を憐れ
んだ女神は救世主を遣わした。
勇者。魔を祓う絶大な力を持ち、幾度でも蘇る不屈の魂を持つ英傑。
彼らの目覚ましい活躍により魔は討たれ、人類は再び安寧と平和を取り戻した。
しかし、魔は完全に滅びることはない。救世の勇者の子孫は今なお人類の平和のためにその力を振るって下さっている。
勇者に感謝を! 女神様に感謝を! 子供なら誰もが聞かされる寝物語だ。
「つまり力があるし何度でも死ねるから魔物と戦ってこいってことだろ? 冗談じゃねぇ。クソみてぇなプロパガンダに付き合ってられっかよ」
あらゆる補助魔法を操る勇者の一人であるガルドは名声も賞賛も欲さない。民草の平和のための礎になるなど真っ平御免だった。
自由。厄介事を勇者に押し付けて民草が享受しているそれを、なぜ勇者である自分が得られないのか。そんな理不尽あってたまるか。
ガルドは頭に響く救援要請を知ったことかと棚に上げ、今日もスリと悪巧みに熱を上げる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-01 00:00:00
824521文字
会話率:40%
王様のはずのあんたは、まるで海老天だ。
最終更新:2024-10-25 07:00:00
459文字
会話率:0%
人類は凶悪な侵略者の魔手に脅かされていた。民草を守るため、王国に忠誠を誓った戦士たちの戦いの物語が幕を開ける。
最終更新:2024-08-25 07:36:16
1292文字
会話率:50%
紅殷は市中の人間に『昼行灯』と目されている放蕩人だが、その正体は芙颯国きっての巫覡にして現皇帝第三皇子・金簪仙君その人。
自分の元に届けられる前に握り潰されていく民草の声を自ら拾い上げるべく、今日も紅殷は己の御所である玉仙宮を抜け出し、『
暇人放蕩息子の紅殷』として市中をうろつく。
そんな紅殷が今回気になったのは、廃墟街に現れるという幽鬼の噂。噂の裏に表面から見える以上のきな臭さを感じ取った紅殷は、己の相方兼護衛兼幼馴染の晶蘭を引き連れ調査に出向く。しかし現場で遭遇した幽鬼に対処していくうちに、かつて玉仙宮が封印した『厄介事』の蓋を開いてしまうことになり……!?
祓魔の主従が行く、中華退魔奇譚!
※この作品は「カクヨム」で連載していたものを修正・改稿した作品です折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-08 22:00:00
106206文字
会話率:33%
架空歴史小説の中に転生した主人公は、悪代官の地位を得て、将来断罪される未来を回避するために動き始める。
癇癪を起こして民草を苦しめるお姫様。
悪巧みを企てる商人。
美波藩を我が物にしようとする家老。
断罪される彼らは本当に悪い
人なのか?
魑魅魍魎や陰陽術があるなら鍛えるよね?
これは悪代官と呼ばれながらも、架空の美波藩の代官として奮闘する話である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-07 12:00:00
58279文字
会話率:40%
貴様は神であることを捨て命に縛られ何を想うのだ。
世界図録に記された「大崩壊」
それよりも遥か以前のリードラン。
リードラン五国は互いに牽制しあい領土を奪い合う戦乱の時代にあった。
数多の蛮勇が散らした命。それを目の当たりにする民草は、
そのうちに英雄を求め、神を造り、そして崇めた。
祈りの言葉は諦めの言葉であった。
誰がために命を落とせと囁き、それは夢へとすげかわる。
戦乱の世とは、戦とは、謂わば心に抱えた病なのだ。
※本編は文字数が多いので本当にお時間あるときに是非。
※本作は、残酷描写|暴力描写|性描写 がございます。
これらが苦手な方はお気をつけください。
※本作は「カクヨム」「Nola」へも同様のものを投稿しております折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-31 16:30:15
50476文字
会話率:25%
少女は自らの恋も大切な人への思いもひた隠し、大好きなお嬢様が率いた家の名誉のため物狂い王妃として気狂い騎士と共に救民の旅に出た。
帝国奴隷『K.(ed) No.a36947Bf. D.C.P.E.I:25/10/145 I.G.D.P:
25/10/115』はいかにして夢見る国の気狂い王妃となったのか。これは骨の川に己の骨を埋め血を水とした民草たちの物語のひとつ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-25 01:00:00
14412文字
会話率:22%
辺境伯が長女アザリア・グロリエルは、死産した正妻の一人娘。存在を疎んじられた父と後妻によって軟禁され、十二歳まで侍女達に虐待され続けていた。
ある日顔にスープを浴びた際に蘇った記憶によって、自分は遥か昔、国崩しの大怨霊、桜花姫が転生した
存在であった事を思い出す。
更には創造神ディアドラ様によると今は雑に数万年の未来であり。
剣と魔法が世の中心となった時代であり。
魔王という不の感情の集合体で出来た、絶対滅ぼすべき悪があり。
私は魔王に殺されると、魔王に喰われて逆に吸収して世界を滅ぼすトンデモ存在になるのだとか。え?ぇえ?何それ突っ込み所多過ぎない?
私が見ていた死の夢は未来視の加護による予知夢?勇者を探して魔王を倒して、世界を私が救ってくれ?イヤイヤ情報量多過ぎますよ?!
私の目的は前世から抱えた両腕に宿る家臣や民草達の成仏、供養です!
彼らの冥福こそが目的であって、未来の命運とかどうでも良いんですけど!
新しい家臣とか民衆とか、抱えさせないで下さいよぉ!!
桜花姫の常識と超(怨念)パワーを元に、アザレアが(半元凶の)未来を救う!
片目腕無しの白髪美少女です!誰彼構わず魅了しつつ(本人の思い通りかには蓋をして)、何となくふわっと世の中を良い方向に変えてみせます!
……因みに私、乙女ゲーで言う悪役令嬢だって事を誰か教えてくれませんかねぇ?
ちょっとそこのまだ見ぬヒロイン?ちゃんと私の目ぇ見て?
私致命的な情報を、まだ知らないんですよ……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-31 20:00:00
198174文字
会話率:24%
2002年8月9日日本に大怪獣が襲来した。
状況把握に追われる政府、混乱する民草、空かない牛乳瓶。
混迷の中、謎に拡散される坂本龍馬のコラ画像。
問われるインフルエンサーの矜持とは。
羊飼いの資質とは…!
キーワード:
最終更新:2023-08-10 00:10:07
734文字
会話率:43%
聖女が世界からいなくなり、それにともなって回復魔法も消えてしまった。
人々の安寧のために回復魔法は必要であると考えた、ときの国王は魔法使いに研究と再現を命じた。
そして四百年、ある魔法使いの一族から、代々「聖女」が輩出されている。
回復魔法っぽいものが使えるだけのニセモノの聖女だ。
多くの民草には真実は知らされず、彼女たちを本物として崇めてきた。
しかし、ついに本物の聖女が現れる。
「王都に聖女が二人いてはおかしいから、ニセモノのお前は追放」
「えぇぇぇぇ……」
これは、辺境に追放されてしまったニセモノの聖女ユイナールが、たくましくスローライフを送る物語である。
ざまあ? ゆーて私らの一族も、国民騙してきた共犯だしなぁ。
※毎週火・金曜日に更新します。
更新時刻は午後8時くらいです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-27 20:06:11
118467文字
会話率:30%
フランチェスカは侯爵令嬢でありながら、わりと不遇な身の上だった。
父であるロング侯爵と前妻との間に生まれたフランチェスカは後妻に入った継母が男児を産んだ事により、嫡女としての立場が崩れ去る。
そしてまるで厄介払いをされるかのように当時第二王
子であったレンブラントの筆頭妃候補として王宮に上げられた。
以来レンブラントとフランチェスカは王子と妃候補として共に成長し絆を深めて来た。
しかしレンブラントの兄、王太子が夭折した事により二人を取り巻く環境は激変する。
王太子となったレンブラント。その事により彼は数名の妃候補を選び、互いを競い合わせ始めたのだ。その中で勝ち抜いた賢く強かな令嬢を王太子妃にすると宣言して。それはフランチェスカにはもっとも不利な条件であった。唯一の後ろ盾であった父も亡くし、その立場が盤石なもので無くなっていたからだ。
フランチェスカはレンブラントにとって自分はなんの価値も無くなった…という事を理解し、誰にも告げずに密かに城を出て行く。そして隣国の市政でひっそりと暮らしていたフランチェスカ。このまま民草に紛れ、慎ましくも穏やかに暮らしてゆくのだと思っていたのに……何故か王宮に連れ戻される。
レンブラントのお荷物になりたくなくて離れたのに、何故か彼はフランチェスカを離してくれず……しかも精霊文字の翻訳をする様にと言い付けられてしまう。
生来のんびりした性格のフランチェスカ。こうなったらもう一生文書保管室の住人でもよいと、王宮内に吹き荒ぶ嵐を他所にマイペースに翻訳作業の日々を送るのであった。
そして気がつけば……?
毎度毎度のご都合主義、ノーリアリティのお話です。
モヤモヤによる血圧上昇にお気をつけ下さい。
作者の悪癖としましてかなりの誤字脱字があると思われます。
「ひょっとしてこうかな?」と正しい言語を脳内変換しながら読む可能性が大いに有りマス。
そこのところをご理解して頂きながら読んで下さると助かります!
アルファポリスさんでも同時投稿します。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-12-30 20:00:00
57319文字
会話率:37%
中国、後漢王朝末期──政治腐敗から各地で蜂起した黄巾党が民草を脅かしていた。漢王室の血を引く涿郡涿県の劉備は、志を共にする関羽・張飛とともに桃園に義を結び、救国の大望を胸に乱世の荒波に立ち向かう。
沛国の曹操、呉郡の孫堅、綺羅星の如くに出現
した英雄たちが、擾乱を契機として覇を競い、やがて天下は魏・呉・蜀の三国に分裂。184年の黄巾の乱から、280年の孫呉滅亡まで、丸々一世紀に渡る群雄達の興亡、鎬の削り合い、忠義と我欲、愛と憎しみ、峻烈なる人間模様を描く。
明代の通俗小説、三国志演義の抄訳。たまに挿絵つき!
※当作はエブリスタ様にも掲載しております折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-12-20 00:00:00
219045文字
会話率:34%
雷を纏う片手剣を手にした剣闘士が闘技場に現れる。
雷を神の怒りと恐れ、敬う民草が見せる反応は様々。
彼に憧れる子ども。文献に沈んだ魔法体型に興奮を見せる学者。彼で儲けようと考える闘技場。闘技場に縛られた神の使徒を救出せんと息を巻く教会関係
者。新人に憤りを感じるベテラン剣闘士。家に帰りたいと枕を濡らす異界出身の男。
"魔法剣"と呼ばれる剣闘奴隷と、彼を取り巻く物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-12-12 23:39:01
113627文字
会話率:21%
人類は、繁栄と衰退の象徴だ。
苛烈な戦争を行い、時たまに訪れる安寧を噛み締める。
壮絶な人生は、他者の糧となり。
空虚な人生は、他者に踏み躙られる。
笑顔の裏では、刃を掲げ。
怒りの裏で、微笑みを流す。
千差万別、十人
十色の考えを他者に強要し。
時たまに妥協もする。
力こそ正義であり、弁舌こそ民草を動かす。
より強い自分が優先され、弱き者こそ力を使う。
理解できぬ万象に怯え、究明し、愚弄する。
それをまだ知らぬ竜のお話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-11-22 15:51:19
4552文字
会話率:32%
時は明治、市井の中に蠢く異形を日夜民草の預かり知らぬ内に討滅する男と支援する秘密部隊。
男には取り戻すべき過去に向かって化け物共を屠りながら現在を奔る。
最終更新:2021-12-17 19:43:10
47847文字
会話率:44%
*注意
こちらの作品は、作者が昔執筆していた作品。
傭兵物語〜純粋なる叛逆者〜の設定を流用、練り直しした新たな作品です。
レン・ガーランドは、シェイン王国が国家事業として、魔物を討伐する為の強化された人間『勇者』として生まれ、勇者
として育てられた一人である。『勇者』とは、遥か昔から人間を殺戮する、不定、異形の化け物である『魔物』と互角に渡り合う為に開発した兵器『魔導機』を扱わせる為、王国が何百年も、様々な異種族と交配を重ねさせ作り上げた、人でありながら人を超えた存在であった。
レンは勇者見習いとして訓練を積む傍らで、首都近郊で魔物の討伐も成し遂げる実力を持っていた。
しかしある日、首都近郊では現れない大型の魔物に襲撃され、危機に陥ったところを、一人の少年に助けられた。
名前はユート、ユートは体内に魔物を飼い慣らし、自らの力として扱う外法にて魔物を狩る者『魔狩人(まがびと)」であった。魔狩人はその外法から民草には虐げられており、国も民として扱っていない、魔物と同義の存在とされていた。
魔狩人に助けられたという屈辱に打ちのめされながらも、その凄まじい力には閉口し、認めるしか無いとレンは項垂れる。
そして、訓練校に復帰したレンに、再びユートは現れた。王国は近年、魔物達が更なる強さを持つ事になり、遂に魔狩人達を戦力として招致する事となり、その一人としてユートを訓練校にて通わせ、監視しつつ、魔物討伐の任を任せる事になったのだ。
何の因果か、同じ班員に配属された若き勇者と若き魔狩人。
互いに背を向け合う仲なれど、敵は同じ。
これは、復活であり、復讐であり、一新である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-11-26 00:23:04
82622文字
会話率:47%
俺が受肉を幾度繰り返そうとも、この世から争いが絶えることはない。
空と大地の間に生まれし全ての生命は、より多くを求め、より高みを目指して、飽くことなく愛し合い、殺し合い、喜劇と悲劇を垂れ流す。
そんな世界に辟易としながらも、天秤の女神と
の約定に縛られた俺は、今回も渋々と受肉を承諾した。
神の意志の代行者として、弱きを助け、強きをくじく。
この基本理念に従っていれば、いずれの種族も滅びることなく世界の成長曲線は緩やかな上昇曲線を描き、民草にそこそこ崇められて天上の女神もご満悦。
そして、天秤の均衡は維持される。
そう、全ては粛々と、滞りなく処理されるはずだった……
【長編 No.2】執筆期間 2017.4.11 〜折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-10 17:00:00
71272文字
会話率:37%
時は戦国、時は激動の時代。
魑魅魍魎が跋扈し、群雄野盗が割拠して、民草が困窮し、末法の世に弥勒菩薩の降臨を願う時代、兄を支えて天下を狙った軍師の物語。
最終更新:2021-07-13 21:31:49
643文字
会話率:84%
才能皆無な主人公と才能溢れる王女が初めて出会ったときから――物語は始まる。
あるところに一人の女の子がいました。
女の子は王女でした。
王女はお転婆でしたがとても優しい子でした。
花を愛でて、傷つくことを恐れ傷ついた人に手を指しのばす…
…そんな人でした。
しかし王女には剣の、ヒトゴロシの才能がありました。王女は嘆きつつも、平和のため、民草のためにと剣を振るい国を豊かにするために戦っていきます。
そしてある村の青年が騎士を目指していました。魔獣と呼ばれる化物に村が襲われたときに助けてくれた騎士様に憧れを持つようになり、剣の鍛錬を始めました。
しかし彼には才能がなかった。一度剣を振るうことすら遅く、他の者には到底敵いやしなかった。
彼は体を鍛えることにしました。
しかし、それでも誰にも敵いませんでした。
そこで彼は魔術で騎士を目指すことを試みてみます。……当然ですが魔術とはごく限られた存在にのみ扱えるものです。
彼には才能がなかった。もしかしたら、別の才能があったかもしれない。ですが騎士になるための才能は皆無でした。
それでも諦めきれず、魔術と剣。この2つを磨き続ける。
どうして、自分には才能しかないのか。
どうして、自分には才能すらないのか。
そんな2人は次第に交流を重ね、互いの苦労を知りいつの間にか惹かれ合っていく――折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-03-07 23:59:28
110321文字
会話率:46%