世界の誰もが与り知らぬ所で降って湧いた厄災が徒党を組んで人類に牙を剥いた。
魔物。魔族。獰猛で残忍なそれらは瞬く間に人類の生存圏を侵食し、世界は存亡の機に瀕することとなった。
脆弱な人類に残されたのは滅びの運命だけ。そんな人類を憐れ
んだ女神は救世主を遣わした。
勇者。魔を祓う絶大な力を持ち、幾度でも蘇る不屈の魂を持つ英傑。
彼らの目覚ましい活躍により魔は討たれ、人類は再び安寧と平和を取り戻した。
しかし、魔は完全に滅びることはない。救世の勇者の子孫は今なお人類の平和のためにその力を振るって下さっている。
勇者に感謝を! 女神様に感謝を! 子供なら誰もが聞かされる寝物語だ。
「つまり力があるし何度でも死ねるから魔物と戦ってこいってことだろ? 冗談じゃねぇ。クソみてぇなプロパガンダに付き合ってられっかよ」
あらゆる補助魔法を操る勇者の一人であるガルドは名声も賞賛も欲さない。民草の平和のための礎になるなど真っ平御免だった。
自由。厄介事を勇者に押し付けて民草が享受しているそれを、なぜ勇者である自分が得られないのか。そんな理不尽あってたまるか。
ガルドは頭に響く救援要請を知ったことかと棚に上げ、今日もスリと悪巧みに熱を上げる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-30 00:00:00
969401文字
会話率:41%
人類は魔王軍と血みどろの戦争を続けていた。
魔王が死んでも新しい魔王が生まれ、勇者が死んでも新しい勇者が生まれ、終わることなく、果てしなく永遠に――。
だがある時、魔王は自軍を解体して姿を消した。
玉座に「探さないでください」と書き置きを
残して。
それから2年。
平和になったとある田舎の村に、賢者を名乗る青年が住み着いていた。
村人の手助けをしてお礼に食料を分けてもらい、庭では苺を育ててのんびり暮らす彼の元に、ある日、一人の少女が訪ねてきて……。
「賢者様! お知恵を拝借したいことがあります! ……って、魔王!?」
「勇者だよね!? 君、勇者だよね!? こんな田舎に何しに来たの!?」
すったもんだの末に、元・勇者をかくまうことになった元・魔王だったが……!?
※この作品は「カクヨム」にも同時掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-04-28 18:00:00
105607文字
会話率:43%
ごく普通の高校生 秋夜は突然チート付きで異世界に飛ばされた!そしてその一時間後……チートスキルによって魔王を倒した。スキルも能力もそのまま日本に帰った秋夜は決意する。「チートで高校生活を楽しもう」と。秋夜は異世界と日本を行き来しながら、チー
トを振るう!異世界転移の主人公に現代で能力の無駄遣いをして欲しくて書きました。異世界転移のテンプレは入れていきたいです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-12-05 06:05:00
192212文字
会話率:31%