世界の誰もが与り知らぬ所で降って湧いた厄災が徒党を組んで人類に牙を剥いた。
魔物。魔族。獰猛で残忍なそれらは瞬く間に人類の生存圏を侵食し、世界は存亡の機に瀕することとなった。
脆弱な人類に残されたのは滅びの運命だけ。そんな人類を憐れ
んだ女神は救世主を遣わした。
勇者。魔を祓う絶大な力を持ち、幾度でも蘇る不屈の魂を持つ英傑。
彼らの目覚ましい活躍により魔は討たれ、人類は再び安寧と平和を取り戻した。
しかし、魔は完全に滅びることはない。救世の勇者の子孫は今なお人類の平和のためにその力を振るって下さっている。
勇者に感謝を! 女神様に感謝を! 子供なら誰もが聞かされる寝物語だ。
「つまり力があるし何度でも死ねるから魔物と戦ってこいってことだろ? 冗談じゃねぇ。クソみてぇなプロパガンダに付き合ってられっかよ」
あらゆる補助魔法を操る勇者の一人であるガルドは名声も賞賛も欲さない。民草の平和のための礎になるなど真っ平御免だった。
自由。厄介事を勇者に押し付けて民草が享受しているそれを、なぜ勇者である自分が得られないのか。そんな理不尽あってたまるか。
ガルドは頭に響く救援要請を知ったことかと棚に上げ、今日もスリと悪巧みに熱を上げる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-01 00:00:00
824521文字
会話率:40%
高校二年生の主人公は、大量のゾンビが地上を闊歩する雪と骸の過酷な世界に突然転移した
そこで彼は、天涯孤独で引きこもっている未熟なネクロマンサーの少女、シキと出会う。
『死ぬと新しい体で復活する』という謎の力を持つ彼は、能力を隠して生きてい
くことを望んだが、謎のネクロマンサー達が引き起こす事件に巻き込まれ、銃を手に戦うことを決意する。
何度死んでも立ち向かえ! 生まれた死体は味方になる!
ゾンビによって崩壊した社会。体も命がいくつあっても足りない世紀末に、不死の力を持つだけの無力な少年は生ける骸に抗うため、死をいとわずに戦う話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-07-28 13:25:47
83046文字
会話率:26%