王宮の広間は、冷え切った空気に満ちていた。
玉座の前にひとり、少女が|跪い《ひざまず》ていた。
エリーゼ=アルセリア。
目の前に立つのは、王国第一王子、シャルル=レインハルト。
「─エリーゼ=アルセリア。貴様との婚約は、ここに破棄す
る」
「……なぜ、ですか……?」
声が震える。
彼女の問いに、王子は冷然と答えた。
「貴様が、カリーナ嬢をいじめたからだ」
「そ、そんな……! 私が、姉様を、いじめた……?」
「カリーナ嬢からすべて聞いている。お前は陰湿な手段で彼女を苦しめ、王家の威信をも|貶めた《おとし》さらに、王家に対する謀反を企てているとか」
広間にざわめきが広がる。
──すべて、仕組まれていたのだ。
「私は、姉様にも王家にも……そんなこと……していません……!」
必死に訴えるエリーゼの声は、虚しく広間に消えた。
「黙れ!」
シャルルの一喝が、広間に響き渡る。
「貴様のような下劣な女を、王家に迎え入れるわけにはいかぬ」
広間は、再び深い静寂に沈んだ。
「よって、貴様との婚約は破棄。さらに──」
王子は、無慈悲に言葉を重ねた。
「国外追放を命じる」
その宣告に、エリーゼの膝が崩れた。
「そ、そんな……!」
桃色の髪が広間に広がる。
必死にすがろうとするも、誰も助けようとはしなかった。
「王の不在時に|謀反《むほん》を企てる不届き者など不要。王国のためにもな」
シャルルの隣で、カリーナがくすりと笑った。
まるで、エリーゼの絶望を甘美な蜜のように味わうかのように。
なぜ。
なぜ、こんなことに──。
エリーゼは、震える指で自らの胸を掴む。
彼女はただ、幼い頃から姉に憧れ、姉に尽くし、姉を支えようとしていただけだったのに。
それが裏切りで返され、今、すべてを失おうとしている。
兵士たちが進み出る。
無骨な手で、エリーゼの両手を後ろ手に縛り上げた。
「離して、ください……っ」
必死に抵抗するも、力は弱い。。
誰も助けない。エリーゼは、見た。
カリーナが、微笑みながらシャルルに腕を絡め、勝者の顔でこちらを見下ろしているのを。
──すべては、最初から、こうなるよう仕組まれていたのだ。
重い扉が開かれる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-18 12:40:00
269938文字
会話率:37%
桃色の髪がチャームポイント、ちょっとおちゃめなわたし――エリーゼ・バンダームは、ルマンド王国魔法学院の卒業式に出席していた。晴れやかな陽射し、着飾った仲間たち、別れの涙。今日という日は、感動の嵐になる……はずだったのに。
「エリーゼ、お
前との婚約を破棄する!」
……うん、そう来たか。
壇上に立つのは、筋肉もりもりで頭がちょっと残念な元婚約者、レンブランド様。どう見ても空気読んでないその宣言に、場内は騒然。いやいや、卒業式ですよ? 一生に一度の感動イベントなんですよ?
そして追い打ちをかけるように、会場の奥から立ち上がったのは――セザンヌ・アルフォード王女。お隣の国の超重要人物でありながら、満面の笑みで壇上へ。
「わたくし、レンブランド様の子を授かりましたの」
……卒業式って、こういう暴露大会だったっけ?
まさかの国際ロマンス劇場開幕に、場内は悲鳴とざわめきの嵐。あっちでは気絶、こっちでは嗚咽、わたしは咳き込み中。
そして現れたのは、ナルシスト全開の第三王子ウイリアム様は、実は王女の婚約者。「本当なのか!?」なんて問いかけに、王女は恥じらいつつ「はい♡」とお返事。
……ねぇ、これマジで戦争始まらない?
と、その場をキリッと締めたのが第一王子、シャルル殿下。イケボで「卒業式は中止。関係者、会議室に移動せよ」。いや、命令が軍隊。
というわけで、わたしたち四人は騎士たちに囲まれて、会議室に連行されました。はい、もうドナドナです。
――静かに卒業したかったなぁ。でも、これはまだ序章。
このあと始まる、王族たちの怒り、浮気男の言い訳、そしてわたしの反撃。
さあ、スキャンダルの舞台はこれから!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-20 13:20:00
70113文字
会話率:34%
エルディア王国の王子アレスは、人の感情が色で見える【魔眼】を持つがゆえに家族から疎まれ、民衆に嘲笑われながら15歳で処刑される。
しかし彼は、強い憎しみを胸に敵国ヴァールハイト帝国の英雄【黒騎士】クレストとして転生を遂げる 。転生によって【
魔眼】は鑑定、石化、毒殺といった万能の力に覚醒し、クレスト自身の最強の剣技と合わさり無敵の存在となった。
そして彼は自分を裏切った祖国エルディアとの戦場へ。そこで祖国の非道な実態を目の当たりにしたクレストは血塗られた復讐の戦いを始める――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-18 12:10:00
36426文字
会話率:33%
聖女召喚に巻き込まれて、異世界にきたオレ、藤本正則(マサノリ)は、聖女だけが使えるはずの強力な聖属性魔術を使えてしまう。
聖女を重要視する、第一王子や王族達。
聖女以外を認めないアルティア正教。
同じ異世界から来た聖女からも命を狙われ
る。
そんな中、オレは仲間と共に王国の人達を助けながら逃亡生活を送り、旅を続ける。
そして、いつしかオレは聖人と呼ばれるようになっていた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-18 12:00:00
70364文字
会話率:51%
“王道”外れた異世界転生物語。
異世界転生者として、チートがあるわけでもない。ありきたりな、魔法も魔術も魔物もいない。これまたありきたりな公爵令嬢でも悪役令嬢でもない。ヒロインでもモブでもない。
ついでに言うが、これまた、あまりにあ
りきたりな設定の喪女でもない。
それなのに、なぜ私が異世界転生者……?!
もうこの世界で生きていかなければならない現実に、もう、立ち止まらない、後ろを振り向かない、前を進んで行くだけ!
(本編概要)セシル・ヘルバートはノーウッド王国ヘルバート伯爵家の長女である。長く――無駄で――それでも必要だった7年をやーっと経て、嫌悪している侯爵家嫡男、ジョーランからの婚約破棄宣言で、待ちに待った婚約解消を勝ちとった。
17歳の最後の年である。
だが、セシルは、その婚約解消の事件となる一大事を――もう、全て、知っていたのだった。
予想していたのではなく、ずっと―――記憶に残る、その事実を知っていたのだ。
なぜなら、セシルは10歳の時、全く理由もなく、現代にいた現世の自分の記憶を突然思い出し――そして、自分が、おぼろげにしか覚えていない以前に読んだ異世界ファンタジーの小説に出てくる――異世界に転生してしまっていた事実を自覚してしまったのだから。
“異世界転生者”の“王道”外れて、さっぱり理由が当てはまらない謎の状況。
なのに、なぜ、現世の私が異世界転生?!
なにがどう転んで異世界転生者になってしまったのかは知らないが、それでも、セシル・ヘルバートとして生きていかなければならない現実に、もう、立ち止まらない、後ろを振り向かない、前を進んで行くだけ!
それを指針に、セシルの異世界生活が始まる。第2の人生など――なぜ……?! としかいいようのない現状で、それでも、セシルの生きざまを懸けた人生の始まりである。
伯爵家領主に、政治に、戦に、隣国王国覇権争いに、そして、予想もしていなかった第2の人生に、怒涛のようなセシルの生がここに始まっていく!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-18 12:00:00
1387508文字
会話率:41%
過労死した社畜の俺は原初の神によって異世界に転生させて貰えた。
貰った転生特典は転生先の世界を創った創造神の祝福。転生特典の説明は無いの? チートスキルも無いの? 貴族の家に生まれたものの、正夫人に虐められる庶子。
虐めはまだしも、毒に魔法
誤射に馬の暴走、毎日危険が危ない。
創造神の祝福が何だか判らないまま、何とか生き延びて田舎の街に脱出。
平民となった俺は穏やかで優しい人に囲まれこっそりのんびり生きる、・・筈だったのに偶々落ちて来た大きな鳥さんや、めっちゃ大きな鳥さんを拾ったせいで逃げ出して来た王都に逆戻り。
将軍になって役人の不正を正せ? 9歳の子供を頼りにするな。
貴族に振り回される王さんの頼みを断り切れずに面倒な仕事を押し付けられる。
漸く将軍を首になったと思ったらお騒がせ王子達のトラブルに巻き込まれる。
陛下のおっさん、政治がダメなら子育てくらいはちゃんとしろ。
普通に生きていた筈なのに、気が付いたら4人の奥様達と12人の子供達。
温かい家庭が欲しいとは思っていたけど人数が多すぎる。
家族の為にお父さんは一生懸命頑張ります。
下着製作に洗濯に運送、SSランク冒険者は忙しい。
奥様達や娘の名前を度忘れして怒られたり、娘に抱き着いて張り倒される幸せな毎日。
バカ王のせいで起った周辺国の侵攻や魔獣の氾濫で大混乱となった王国で東奔西走します、4人の奥様達と11人の娘達が。
俺は”ヘイ、タクシ―“、呼び出されたら運ぶのがお仕事。
ズバッと参上、ズバッと運送。みんな頑張れ~!
女性達が思う存分活躍出来る様に後ろから支える事こそ男の仕事。
俺と息子は女性達のパシリ? パシリのどこが悪い。
4人の妻を持つ俺と11人の姉を持つ長男が女性達の後ろから“頑張れ~”と応援する物語。
表題を回収するのは第1部の終わり、第2部は11人の姉を持つ長男の物語、ちょっと長めの中編になる予定です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-18 11:00:00
492965文字
会話率:33%
公爵家令嬢アイーダ・ロドリゲスは、第三王子であるナルシスと婚約することになっていた。
王国では女性が男性の胸筋を触ることで婚約が成立するという変な決まり事がある。
アイーダは婚約式の場でコケて、護衛騎士であるカリアスの胸を揉んでしまったこと
でドタバタの騒動が始まっていく――――
※ノリで書いたものをとりあえず投稿してみます。(笑)
※他サイトでも掲載中
*:..。♡*゜¨゜゜·*:..。♡ ☆宣伝☆ ♡ ..。*゜¨゜·*♡:..。
「婚約破棄された不遇令嬢ですが、イケオジ辺境伯と幸せになります!」
レジーナブックスさまより発売中です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-18 09:37:11
29218文字
会話率:30%
王子との婚約によって王国に縛られていた森の魔女であるボニータは、王立学園の卒業式で第三王子クラウスから婚約破棄を告げられて魔法契約から解放された。それを知った王太子アーサーは、今度こそボニータを手に入れようと動き出す……。
紫のフワフワ
の髪に紫の瞳を持ったチビで痩せっぽちな森の魔女ボニータと、金髪碧眼で細マッチョなキラキラ王太子アーサーとの、ドタバタラブコメディ。
※他サイトでも掲載中折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-24 19:10:00
38095文字
会話率:26%
「回復魔法しか使えない? はいはい、“お荷物”でごめんなさいね」
聖女リセリアは、王国の聖騎士団から“役立たず”と断じられ、あっさり追放される。
しかしそれは、彼女の“魔力の全属性適性”と“高位魔術への耐性”を隠すための陰謀だった。
癒
ししかできないはずの魔法で、彼女は病を焼き尽くし、毒を無効化し、死を跳ね返す。
だが本人はといえば、「お人好し? それ、私のどこ見て言ってるの?」と毒を吐く、塩対応系の毒舌聖女だった。
追放後、辺境の村で静かに過ごしていた彼女のもとに、
なぜか神官長、王子、竜、精霊王までもが土下座にやってくる。
「どうか、世界を救っていただきたい……!」
「その前に、私を捨てたこと、土下座して謝っていただける?」
無自覚に最強、でも口は最凶。
これは、毒舌聖女リセリアが“癒し”だけで世界をぶん殴る、ざまぁと覚醒の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-18 08:57:47
17882文字
会話率:38%
お前の回復魔法は使い物にならない。王都から出ていけ」
王子との婚約を破棄され、聖女アメリアは役立たずの烙印を押されて追放された。
──だが、それは解放の始まりだった。
回復魔法に即効性がないと見限られた彼女の力は、実は古代に伝わる“命を
根から癒す”奇跡の魔法《神癒(しんゆ)》だった。
辺境の村でひっそりと畑を耕し、薬草を育て、人々を癒す日々。
だがその奇跡の力はやがて王都にまで届き、かつて彼女を捨てた王子と、封印から目覚めた竜が頭を下げにやって来る。
「お願いです、聖女様──どうか、王国を救ってください」
けれど彼女は、穏やかにこう告げた。
「もう遅いです。私はもう、“癒す”相手を見つけましたから」
──これは、追放された“落ちこぼれ聖女”が、田舎でゆるやかに最強へと至る、癒しとざまぁと恋の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-13 08:21:11
12143文字
会話率:27%
ゾルタン王国第三王子のシャルルと隣国カリエ王国の王太子アンリは父方の血が繋がった従兄弟同士。アンリは事情により幼い頃からシャルルの宮で育てられている。
アンリの連れて来た侍女アナマリーは東方流民の血筋で能力者。シャルルとアンリは五年間二人
で一人のように幸せに過ごしていたが、色んな困難にあってアナマリーが連れて逃げ出す。
やっとのことでアナマリーの生家に辿り着くが、アナマリーは亡くなり、自分達にも追っ手が迫る。
東方流民の秘技によって、次の生にかけて二人の魂は鷹の翼に乗って運ばれる。
数百年の後、シャルルの生まれ変わりのアルノーはアンリが居ないので生まれてからずっと泣き通しだった。一歳で周りが生まれ変わりを信じてくれて、泣くのは我慢するようになったが心の中はずっと、ずっとアンリを求めていた。
離れて暮らしていた妹姫マリローズのお披露目で、マリローズの連れて来た騎士ルネがアンリの生まれ変わりと判明するが、ルネに前世の記憶は無く、ルネはマリローズが好きなのが分かる。
やっとめぐり逢えたアンリの魂なのに喜べず、アルノーは苦悶するがマリローズは辺境伯の元に嫁ぎたいという。実はマリローズはアナマリーの生まれ変わりで、辺境伯は前世で約束した恋人だった。
傷心のルネを慰めたアルノーの手が触れると記憶が戻って……折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-18 07:57:24
21195文字
会話率:25%
かつて、魔女と呼ばれた女がいた。
銀の髪と氷の瞳を持つ女は、森の恵みを分け与え、人と静かに生きていた。分け隔てなく、ただそこに存在していた。それが平穏だと、信じていた。
ヴェルディナ王国の王女・ミアは原因不明の病に倒れ、ひとりベッドの上
に横たわっていた。自由のきかない体に絶望し、死にたい、と毎日過ごす。
そんな彼女の心を溶かしたのは、辺境の地からやってきた王子だった。その一点の曇りのない瞳に、一瞬で引き込まれた。
ミアは王女としての務めもある。脅かされる王国の分断に、裏切り。そして精霊が宿るとされるエリディオの地の魔女の伝説。
その呪いは、二人を容赦なく襲いかかる。
魔女は言った。
「愛を奪い、平穏を壊した人間たちに、思い知らせてやろうじゃないか」
自分勝手な人間ども。
「愛を裏切ったその罪を、世界を凍てつかせた償いきれぬその罪の重さを。一体、何に触れてしまったのかを」
魔女は求めていた、あの日に失われた愛の温もりを。
「愛は死んだ、もう二度と戻らない」
それを知るためならば、世界を滅ぼすこともいとわない。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-18 07:42:54
91934文字
会話率:35%
最弱国の第四王子アルス。魔素による身体強化が当たり前の時代に、王族で唯一魔素が無い王子として生まれた彼は、忌み子と蔑まれ、使用人が使う倉庫で暮らす毎日だった。
しかしある日、ひょんなことから無限に湧き出る魔素を身体に取り込んでしまった。
その日を境に彼の人生は劇的に変わっていく。
なんとか自分の人生を変えようと、士官学校に入り仲間を集めたアルスは隊を結成。アルス隊が功績を挙げ、軍の中で大きな存在になっていくと様々なことに巻き込まれていく。
領地経営、隣国との戦争、反乱、策略、ガーネット教や3大ギルドによる陰謀にちらつく大国の影。様々な経験を経て「最強部隊」と呼ばれたアルス隊は遂に新王国樹立へ。
異能バトル×神算鬼謀の戦略・戦術バトル!
圧倒的不利な状況を武と知略で切り抜ける!
☆史実に基づいた戦史、宗教史、過去から現代の政治や思想、経済を取り入れて書いた大河ドラマをお楽しみください☆折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-18 07:14:13
547028文字
会話率:53%
アヴァロン王国は現国王が病に倒れて、第一王子が摂政に就いてから変わってしまった。度重なる重税と徴収に国民は我慢の限界にきていた。国を守るはずの騎士達が民衆から略奪するような徴収に、とある街の若者が立ち上がった。さらに森で捨てられた悪役令嬢を
拾ったことで物語は進展する。
※一部有料のイラスト素材を利用しています。【無断転載禁止】です。
素材利用
・森の奥の隠里様
・みにくる様折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-18 07:00:00
67305文字
会話率:58%
剣と魔法で、魔物の脅威と戦う世界。
シュバルグラン王国では、王族・貴族だけが魔法を使える。国によって胎児洗礼を受けた者だけが魔物と戦える力を有し、男は『戦う者』として、女は『癒す者』として国を守る。Orareと呼ばれる畜魔力器が多数多種類存
在し、国王は高レベルのOrareを数多く所有していた。貴族たちも、それぞれの家の家宝としてOrareを代々伝えもっている。
没落した公爵家の長女アリスヴェルチェ・フォーゲルは、『癒しの力』を持たず、彼女の幼馴染の第3王子ジーク・シュバルグランは『戦う力』を持たない。けれど2人は、独学で自分の力を伸ばし、それぞれの道を歩んでいた。
アリスヴェルチェ(アリス)は、フォーゲル公爵家の再興のためと、病弱で寝たきりの弟を養うために奮闘する。幼馴染として、また同じように性別に適合しない魔力を持った者同士として、ジークはアリスヴェルチェに寄り添っていた。
そんなある日、アリスヴェルチェは魔物との戦いで片足を失う。その代償として女騎士(Ritterin)として叙勲されるが、彼女はそれ以降、Scarecrow(カカシ)Ritterin(女騎士)と陰で囁かれる存在となった。
レイピアを仕込んだ杖をつき、それでも果敢に戦うアリスヴェルチェと、その知識と頭脳で彼女を支えるジークは、様々な困難や事件を解決してゆく。
公爵家の再興を目指すアリスヴェルチェは、先ず貧しく厳しい状況の領地を、立て直すことから始めた。そして謀反の疑いを掛けられた後、事故死したとされる両親の冤罪を証明するため、亡き父フォーゲル公爵が持っていたはずのフォーゲル家のOrareを探すことにする。
そこから少しずつ、王国を覆う陰謀が明らかになり、アリスヴェルチェとジークはその中に巻き込まれていった。
性別にそぐわない魔力を持つ、片足の女騎士公爵令嬢と学識豊かな学者王子。2人の絆は深まってゆくが、彼らの未来に待つものは何だろう。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-18 05:14:21
10197文字
会話率:42%
この物語の主人公は、本当に「ヒカリ」だと思う? 場末のポーション屋の少女ヒカリ。彼女を見守る物知りな祖母。そして、王国の危機に現れる謎の賢者。三人の視点が交錯する時、あなたは驚愕の真実を知る!「え、そんなのアリ!?」――常識を覆す、ファンタ
ジーミステリー。最後のページまで、あなたはきっと騙されている!
【登場人物たちの囁き】
ヒカリ:私、ヒカリ。おばあちゃんとポーション屋をやってます。学校では目立ちたくないのに……最近、変なことばっかり。でも、リナちゃんやリオ君……大切な友達がいるから、頑張らなくちゃ。(時々見るあの不思議な夢は、一体……?)
リリアーナ姫:ごきげんよう、リリアーナですわ。先日、森で危機に陥ったわたくしを救ってくださった方がいますの。その方の魂の輝き……忘れられません。どうやら魔法中学校の新入生のよう。必ず再会して、この感謝を伝えたいのです。
千代(オババ):わしは千代。場末のポーション屋の婆さ。孫のヒカリがねぇ、少しばかり普通じゃないところもあるが、優しい子だよ。あの子が幸せなら、それでいいんじゃ。ふぉっふぉっふぉ。
オルダス公爵:ふん……「純血の薔薇騎士団」を率いるオルダスだ。現王家は軟弱。真のアウレリアのため、我々が立つ! …ヒカリ・ミツキとかいう小娘、我が家の「王胤の験石」が異常な反応を示した。利用価値がありそうだ……。
エルミナ(賢者):(静かに)世界の均衡は常に揺らぐ。ヒカリという存在が、その流れにどう関わるのか。私はただ見守り、必要な時に手を差し伸べるのみ……。
【作者:輝夜より】
ヒカリの周りには、友情、憧れ、そして邪な企みが渦巻きます。王女リリアーナはヒカリの正体に気づき、秘密の絆を育む。病弱な第三王子フィンセントは、ヒカリとの出会いで予知能力に目覚め、共に王国を襲う脅威に立ち向かおうとします。
一方、オルダス公爵は隣国と手を組み、王国の転覆とヒカリの力を狙い、様々な陰謀を巡らせる。
ヒカリは、大切な人々を守るため、その内に秘めた力を発揮していきます。しかし、彼女自身の壮大な秘密――には、本人もまだ気づいていません。
これは、一人の少女が「本当の私」と向き合い、成長し、運命を切り開いていく、壮大で心温まるファンタジー、なのかも。
どうぞ、最後までお楽しみください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-18 01:00:00
8057文字
会話率:17%
現代日本で普通の男だった主人公、島優(しま ゆう)は、突然異世界に召喚されてしまう。そこで目覚めた彼女は「エリザベス・グレイシャル」という名の悪役令嬢として、王国の宮廷にいることに気付く。
しかし、彼女は知る由もなく、前世の記憶とともに、
自分がこの世界の悪役令嬢として運命づけられていることを理解する。そして『心の中で語りかける男の声』気付けばいつの間にか心と心の切り替えスキルが身についてた。そして「相手の心を読む」力。その力を使い貴族を操る事を提案した男。こうして奇妙な悪役令嬢が誕生したのである!
悪役令嬢は、ヒロインたちの妨害や王子との政略結婚など、数々の試練に巻き込まれる事になる。
そしてエリザベス(ゆう)は誓う。悪役令嬢らしく「悪役」を演じようとする。
明らかにメイドの中に紛れてた者がいた……。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
著者の一言。初の「悪役令嬢」を書いてます。
初なので試行錯誤しながら書いてます(笑)
なので更新は遅れ気味になります!
読者様が楽しめるように頑張ります!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-18 00:08:16
3155文字
会話率:64%
乙女ゲームの悪役令嬢、エヴァンジェリンに転生した私。
この人生で破滅を回避するため、私は「善良な令嬢」を演じ、ヒロインや王子と友好的な関係を築くことに成功した。
その努力が実り、本来なら断罪されるはずだった舞踏会で、王子からまさかの称賛を受
ける。
しかし、私の頭の中には、この人生を何度もやり直している「周回」の記憶が蘇っていた。
過去の人生では、何をしても私は独りぼっちで、誰にも理解されないまま、世界は破滅を迎えたのだ。
「もう、独りぼっちは嫌…!」
平穏な日常と、ようやく見つけた仲間たちとの関係を守るため、私は決意を新たにする。
だが、そんな私の願いを嘲笑うかのように、王国に不穏な異変が起こり始める。
その力の源は、なんとゲームのヒロイン、リリアが持つ「聖なる力」だった。
彼女の力が、世界の破滅を望む「影の魔術師」の魔力を増幅させていたのだ。
世界の危機が迫る中、私はついに、過去の周回で蓄積してきた桁違いの「悪役の魔力」を解放する。
そして、人々に恐れられる存在となり、誰からも嫌われる「真の悪役」となることを選ぶ。
「くだらない演技は終わりだ。この世界を救うのは、私という『悪役』だ!」
悪役を演じる私を信じ、共に戦うことを選んだ兄、王子、そしてヒロイン。
これは、「聖女」が世界を壊し、「悪役」が世界を繋ぐ、新たな救世主の物語。
私はこの世界の『悪役』として生まれた。ならば、この力で世界を救うのも、私という『悪役』の役目だ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-17 22:10:00
16696文字
会話率:22%
魔界へと繋がる扉の封印を解き、アルステリア王国全土を混乱に貶めた「稀代の魔女」エリサ。
その最後は、天才魔法使いと謳われた第四王子レイヴン・アルステリアの手によって首を刎ねられるというものだった。
死の間際、エリサは目を閉じながら一つの
祈りを捧げた。
「来世こそは幸せに暮らせますように」
しかし、その願いも虚しく、気が付けばエリサは国家転覆を図る六年前の十二歳の頃に回帰していた。
破滅の未来を変え、今度こそ幸せを手に入れる_____
得意の召喚魔法で相棒となる魔物を召喚しようとしたエリサだったが、現れたのは異界の悪魔「デュラン」だった。
これまで一度も愛されたことの無かったエリサ。
彼女が望むハッピーエンドとは何か。
そして、あの日躊躇いなくエリサを殺した第四王子レイヴン・アルステリアが何を考えていたのか。
デュランと共にその答えを探しながら未来を変えようとするエリサは今度こそ幸せを手に入れられるのだろうか・・・折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-17 21:00:00
17636文字
会話率:22%
魔界へと繋がる扉の封印を解き、アルステリア王国全土を混乱に貶めた「稀代の魔女」エリサ。
第四王子率いる王国騎士団により首を切られたエリサはそっと目を閉じながら最期に神様に祈った。
「来世はどうか幸せになれますように」
しかし、その願い
も虚しく、気が付けばエリサは国家転覆を図る六年前の十二歳の頃に回帰していた。
破滅の未来を変えるべく、エリサは得意の召喚魔法で相棒となる魔物を召喚するつもりが、何故か異界の悪魔、デュランを召喚してしまう。
これまで一度も愛されたことの無かったエリサ。
彼女が望むハッピーエンドとは何か。
デュランと共にその答えを探すエリサは、今度こそ幸せを手に入れられるのだろうか・・・折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-07 20:48:50
9557文字
会話率:24%
12歳で授かる神からのギフト。 サリス王国第四王子のレオンに与えられたのは、史上初のSSS級【塩創造(ソルト・クリエイト)】だった。
王宮は歓喜に沸くが、その能力は『汗を塩に変えるだけ』というもの。あまりに無価値な能力は「SSS級のゴミ
」と蔑まれ、兄たちからは嫉妬と侮蔑の日々が続いた。
そして15歳。国の富を支える奇跡の泉「聖塩泉」の枯渇が噂される中、兄たちの策略でレオンは王族籍を剥奪され、海へ追放されてしまう――
嵐に飲まれ、死の淵をさまよう中で蘇る、前世の日本人としての科学知識。
「――待てよ?あの時、俺は『自分の手のひら』から塩を出そうとした。もし…『海水そのものから』塩を取り出したら?」
その気づきは、世界を変える一手だった。
安全な真水は無限。高純度の塩は取り放題。獲った魚は極上の塩焼きに。塩で加工した木材やレンガで、快適な家もあっという間に完成。
「あれ?追放されたはずなのに、王宮にいた頃より快適で楽しいぞ…?」
自由気ままな無人島スローライフを満喫するレオン。やがて彼の元には、訳ありの美少女が流れ着き、彼の作る「奇跡の塩」に惹かれて多くの人々が集い、“純白の海洋国家(ソルティエラ)”と変貌していく。
一方、彼を追放した祖国は塩泉の枯渇で崩壊の一途を辿り、やがて助けを求めてくるのだが――それはまた、別のお話。
これは、一人の王子が自分の楽園を快適に過ごすため、のんびり魔法を使っていたら、いつの間にか世界の中心に立ってしまった物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-17 19:30:00
32701文字
会話率:22%
2045年、東京のAI研究施設で突然の事故が発生。最先端のAI「ARIA」の研究に携わっていた科学者たちが、謎の現象により古代世界へと飛ばされてしまう。
目覚めた先は、魔法が存在する中世ファンタジーの世界。四大元素を操る魔法使いたちが活躍
し、王国同士が争いを繰り広げる時代だった。
現代の科学者リリア・ノヴァは、この世界で聖女として人々を救う医療活動を始める。一方、魔法の才能に恵まれず悩むアルカディア王国の王子アレイスは、王族としての重責に苦しんでいた。
やがて二人は運命的な出会いを果たし、王国に伝わる神秘の宝石「The Divine Oracle」の真実に迫ることになる。この宝石には、想像を絶する秘密が隠されていた...
現代の科学技術と古代の魔法が交錯する中、愛と友情の力で世界を救う壮大な冒険が始まる。
主題歌:
https://soundcloud.com/yoshio-miyamae/xy6wg90rieka折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-17 19:00:00
73801文字
会話率:57%
ギルドで働く16歳のリシェルには、「魔獣と話すことができる」という特技がある。
広いルミナリア王国を見渡しても、そんな者は他にいない──けれどリシェルは美味しいものを食べて、好きな時にお昼寝をして、たまに仕事する、そんなゆっくりした暮らしが
好きだった。
それなのにいつのまにか……
「お前は魔獣と話せるのだな。実に面白い」
『リシェルさま!』
「踊っていただけるかな?」
「いつか、俺にもお前を守らせてくれ」
隣国の皇子に、幼馴染の騎士に、ふらふら集まってきた魔獣たち。さらにはルミナリアの王子まで──
……私の平穏、どこかに行きすぎでしょ。
しかも次から次へと発生するトラブル。
魔獣災害に、疫病に、ついには戦争まで!?
「まあ、私にできることなら手伝うよ」
自分の才能にも他人からの感情にも無自覚な令嬢リシェルは、ドライなようで頼られると断れない。
そのせいで気づけば、国やら世界やらを救うことに──!
◇
初めての小説ですが頑張ります!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-17 18:25:44
42723文字
会話率:36%
ローディウム帝国の第三皇女ヴィルへルミネに、獣人の国マルダスの王太子との縁談が持ち込まれた。一見良縁に見える縁談だが、王太子にはすでに妻、それも獣人にとって最良の相手である運命の番がいるという。おまけに婚約前の顔合わせに、運命の番を連れて
くる始末。
一方マルダス王国の第二王子レオーネは、王太子のやらかしの尻拭い役を押しつけられた。国王に厭われている上に後始末を任されたことに嫌気が差しつつ、ちゃっかり王太子夫婦と国王に落とし前を付けて旅立つ。
やがて出会うふたりの、運命について考える物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-17 18:11:31
154626文字
会話率:40%