速記の神が天神様の守備範囲なのかについては諸説あってしかるべきである。
最終更新:2024-08-06 06:58:04
281文字
会話率:0%
今は昔。美濃国、国司の娘に、菫野といふ幼き姫ありけり。
野に在りて、罠にかかりし狐を助けたまふ。狐、姫の優しき心に感じ入り、その恩義に報いんと、妖しの技を持って、姫に強力を授けん。
――それから数年後。
かつて菫野の母がお仕えして
いた桐壺更衣。その更衣の遺児である女二の宮、桜花内親王にお仕えしてみないかという誘いが菫野にかかる。
女二の宮は、十四歳。同母の兄、安積親王と仲良く暮らしておられるが、やはり母を恋しがっておられるとのこと。
年の近い菫野なら、姉のように接することでお慰めできるのではないか――という期待。
「絶対、ぜったいに、何があっても強力のこと、知られてはなりませんよ」
そう、母に強く念を圧されたのに。
「あなたも、十六。素敵な公達に見初められて、幸せな人生を掴み取るのです!」
なんて言われてきたのに。そのために、豪華な衣装を用意してもらったのに。
初出仕の日。「心配だから」とついてきた、狐の狐太を追いかけて木に登ってしまった宮の愛猫。それを助けるためにウッカリ強力を披露してしまい?
その上、イケメン安積親王にバッチリ見られて、笑われて?
内裏で働く女房として、美しい絵巻物のような世界で、ときめく物語のような恋をくり広げるはずだったのに! もしかしたら、素敵な公達が付け文なんか贈ってよこしてくれるかもって期待してたのに!
初っ端から、期待も希望もベッキリ圧し折られた菫野。
こんな強力女房、誰が好きになってくれるっていうのよ。
「まあまあ、ドンマイ、ドンマイ」
次があるさと、孤太が心のこもらない慰めをくれるけど。
わたしは、ここで幸せな恋をしたいの! こんな強力なんていらないのよ!
華やかな宮中でくり広げられる、平安「剛力」恋愛物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-31 17:00:00
115538文字
会話率:35%
夏の窓辺は入道雲の見えるあの部屋で
夢ばかり見ていました
沢山のお墓の真ん中で
赤い糸を小指に結ぶおまじない
お地蔵様が雨に打たれて泣いている
その涙が赤い血のように見えたのは
十四の夏の頃
あの神社に行って狐の尾が隠れている
境内裏の小屋
には
夕方になるとおかめのお面を被って舞う人々折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-18 09:18:22
3735文字
会話率:20%
ある日に、お雛様はダンボール箱の中で目覚めた。
お雛様はお内裏様が苦手である。
そうこうする内に、ひな祭りの日がやってきた。
外に久々に出られたお雛様は?
最終更新:2024-03-03 20:02:45
1201文字
会話率:35%
千佳は、雛人形がお内裏様とお雛様の男女の番であることに、今年になって初めて気が付いた。
彼女は成長していく自分の肉体に気色の悪さを感じていた。
最終更新:2024-03-03 10:11:13
2881文字
会話率:14%
貴族たちが、この世の春を謳歌する平安時代の王都。
妖の血を半分引く青年陰陽師・安倍晴明は、半妖であることに悩みつつ、陰陽師としての務めに励む。
そんな中、内裏では謎の幽鬼(幽霊)騒動が勃発。
その一方では、人が謎の妖に喰われ骨にされて見つか
るという怪異が起きるのだが…。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-13 10:00:00
149738文字
会話率:32%
龍神の清浄な気によってあやかしの跋扈する外界とは隔てられた霧ノ国。
桔花(きっか)はそこで花楽師を生業とする齢十七の少女であった。しかし結年祭(としゆいのまつり)の日、内裏で行われる大祓の儀で花楽を奉納していたところ、ふとした拍子に面が外れ
、千年前の鬼女であり悪女と恐れられる紅の君のように真っ赤な相貌が露わになってしまったのである。
桔花はすぐに捕らえられて牢に入れられたが、そこへ謎の青年が現れ、桔花をあやかしの跋扈する外界へと連れ出す。青年の名はシヅキ。あやかしの住む黒尾の地にて社を構える祭神であった。
――これはちょっとやさぐれた花楽師の少女と一見冷たそうだが実はぽやんとしている神様の話。
※この話は以前、なろうとカクヨムに途中まで掲載していた「かくりよの笛吹き娘」を大幅に改稿したものですが、構成や設定をだいぶいじったのでほぼ別物となっております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-01 01:54:15
54823文字
会話率:29%
友を訪ねた。
なんだ、曰く付きの代物か……、はて……。宮様といえば。ああ、花屋敷にお住まいだった姫宮様のことか?話を聞かせろよ。少しは涼しゅうなるかもしれぬゆえ
ああ。そうだ。その宮様のことさ。美味かったすももの礼に話してやろう。だが、
内裏が絡むゆえ他言無用だぞと。 席に戻った奴の話が始まる。
ゆるりと立ち昇る線香の煙は素直に天に向かう。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-10 12:42:31
5304文字
会話率:38%
恋とはなにかも知らぬまま、十歳で光少将の妻となった左大臣家の末姫、揺羅。幼く純粋な彼女の心が踏みにじられるのに、さほど時間はかからなかった。やがて時が経ち、薄暗い邸の中ですっかり心を閉ざしてしまった揺羅の前に現れたのは、わがままな幼い姫君と
、そして───
平安時代を舞台にした、ひとりの少女が大人になるまでの物語。不定期更新です。
(たぎつ瀬:とどまることを知らぬかのようにあふれ出る激しい想い、の意)
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-02 08:00:00
234854文字
会話率:39%
すでに婚期を逸した権大納言家の二の姫 結子。ただひっそりと家族の影で暮らす彼女の心の中には未だ、八年前、まわりからの反対によって手放し、失った想いが後悔と共にくすぶり続けたままだった。そんな彼女に訪れた、思いもよらぬ再会───
ジェイン・オ
ースティン作『説得 Persuasion』をもとに、日本の平安時代へと舞台を移して書いた翻案物です。2015年6月7日、完結いたしました。
しばし、平安の恋の物語をお楽しみいただければ、と思います。(カクヨムの方にも掲載させていただいております)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-06-07 08:46:13
235436文字
会話率:40%
楽しいデート中に、悪い魔女の謀略で強制タイムスリップ。訪れた平安京の内裏で、「紫式部」を名乗る女性から歴史の真相を知らされ、驚愕せざるを得ない。ミステリアスで胸ドキ、「秋の歴史2022」参加のショートストーリー。
最終更新:2022-10-07 20:12:51
9073文字
会話率:63%
清水舞花は人気のない神社の境内裏手でうずくまっていた。幼い頃から内向的なためいじめられ、社会人になった今でもそこから抜け出せなかった。死にたい、そう願う夜の神社で一人でいると、不意に気配を感じる。
顔を上げれば紺色の着物を着た女性が立っ
ていた。女性はゆっくりと近付くと、透き通るような声で語り掛けてきた。
「もしかして、私が見えるの?」
これはそんな二人が織りなす再生の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-07-31 22:54:28
42456文字
会話率:56%
『古代』×『SF(少し不思議)』×『オリエンタルダークファンタジー』
|周波数渡航者《フレクエンティア・トラベラー》の一族に生まれた主人公、桂 香砂《けい こうしゃ》がやってきたのは、数ある地球の中でも、古代から中世の文明レベルの地球
にある慶安時代の葦原国。
香砂はその類稀なる力を見込まれ、望んでもいないのに|羽林《うりん》という武官にとっては花形ともいえる部署に所属し、皇帝家とその住居がある内裏を護る日々……のはずだった。
京《みやこ》を魔の者たちから守っていたはずの太門《たいもん》が何者かによって破られ、そこからあふれ出した妖魔《もののけ》が人々を襲いだしたのだ。
香砂《こうしゃ》は武闘派の親王たちと共に、連日妖魔退治に駆り出され、意図しない功績を積み重ねていく。
なるべく人とかかわらないように生きていけるよう頑張っていたのが水の泡。
そんな矢先、さらなる事件が起きる。
戦闘後は焼き払うはずの妖魔の屍を、持ち帰っている不審な人物を目撃してしまったのだ。
それが始まりだった。
香砂は不審人物を追いかけたその日から、内裏のみならず、国を巻き込む仄暗い陰謀と策略の中へと放り込まれていく。
果たして、すべてを解き明かすことはできるのか。
家族を巻き込むことなく、黒幕を突き止め、決着をつけることはできるのか。
人とかかわることを嫌い、出来ることならば家の布団の中で読書をして過ごしていたい。
そんな引きこもり気質でコミュニケーションがへたくそな主人公が、闇深き謎を馬鹿力と魔法で解決していく少し緩めのオリエンタルダークファンタジー、はじまりはじまり。
※ノベルアッププラスでも連載中折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-29 20:42:42
82509文字
会話率:40%
西暦2019年の大学講師である野寺義憲はある日、自宅にある謎の機械の誤作動にメイドの高瀬美月と共に巻き込まれてしまう。目が醒めると、そこは摂関政治の極初期と分類される天徳四年九月、平安時代の半ばだった。何故か自分が官位を貰っていることを知っ
た野寺は、もう現代に戻れないことを覚悟して一つの決意を固める。それは、藤原氏を押し退けて自らが摂関に……
「えっ、出世なんてする気無いよ? 下手に目立って藤原氏に睨まれたら、まともに生きていけないもの」
──これは、激動の平安中期を当たり障りなく過ごそうと奮闘する男の一代記である。
©️2020 一条中納言従三位藤原朝臣公麿折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-12-06 21:00:00
79869文字
会話率:54%
鎌倉幕府が設立する間、政治の中心とされた場所を『平安京(現:京都府)』と呼ぶ。
そしてその『平安京』が政治の中心とされていた時代を≪平安時代≫と称されていた。
平安京は東西南北を“東に青龍”“西に白虎”“南に朱雀”“北に玄武”の
《四神相
応(しじんそうおう)》により京の人々は悪しきもの達から守られていた。
しかし、ある時を境にその力が衰え始めると京の都は悪霊が徘徊する魔の都と変貌した。
それは人の心の憎しみ・恨みが悪霊と化した憎悪の塊でもあった。
そんな中、京の都を守る為に内裏に建てられた場所があった。
その場を“陰陽寮(おんみょうりょう)”
邪悪なる悪霊を除霊し京の人々を守るべく様々な方術・占い・天文・時・暦等を学ぶ場所である。
その場所の中には多くの役職があるがその一つとして“陰陽師”があった。
そしてこの陰陽師の中でもとりわけ強い霊力を持ち、主上からも厚い信頼をもたれた者がいた。
その名を
《安倍晴明》
この物語は安倍晴明と晴明が操りし十二の式神、そして親友である源博雅と共に京の都に
蔓延る悪霊との激しい攻防を描いた作品である。
と...カッコよく書けばそうなるであろう。
しかし、この安倍晴明は真面目で妖艶という従来の安倍晴明の枠からかなり外れている。
とにかくめんどくさがり屋の上に口調は悪いは、自分より上の者には外面良く、やりたくない事
にはとことん手を出す事はしない。お陰で本来自分をサポートし助けてくれる式神たちからも
非難の嵐。
それでも自分の性格を改めようとしない晴明。
「一体、おれが何をした!!」
と式神たちとのケンカも日常茶飯事。
ド派手な狩衣を好み、髪色も黒髪に白メッシュという奇抜さ。
それでも晴明の元には、除霊相談が後を絶たない。それは安倍晴明という男が陰陽師界の最高峰
として君臨し続けているからなのである。
これはそんな安倍晴明と個性豊かな式神たちと晴明を慕う源博雅の一風変わった物語なのである。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-09-05 11:16:15
36001文字
会話率:32%
昴宿殿の女御、蓮華に仕える女房の鈴鹿は武家の娘。他の女御に比べて身分の低い蓮華がいじめられているのに日々悪戦苦闘していた。
そんな中、蓮華が懐妊する。
帝の寵愛篤い女御の懐妊に、他の女御とその実家が騒めきだす。
北斗殿の女御、蝉時雨は右大臣
家の姫。
恒星殿の女御、蛍風は左大臣家の姫。
帝には蝉時雨との間にできた皇子しかおらず、蛍風との皇子を亡くしている。
蓮華を寵愛する帝は、中宮を誰に据えるのか?様々な憶測が内裏を飛び交い、ついに呪が蓮華に襲いかかる……!
「呪? 夢でも見てたんじゃないですか」
呪も妖も、目に見えないモノは信じない! すべては物理で解決する!
そんな鈴鹿と陰陽師・晴縁の織り成すサイキック・アクション・ラブコメここに開幕!!
いきなり自分の職業全否定された晴縁の恋の行方は!?
*全話書き終わっています。全十話、一日一話更新。のんびりお楽しみください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-08-15 07:00:00
39426文字
会話率:49%
建武元年の秋、内裏の上空に一羽の怪鳥が現れたという。
鵺の再来の如きこの巨鳥は、「いつまで、いつまで」と鳴いた。
最終更新:2019-07-07 01:30:26
3061文字
会話率:39%
内裏で良くも悪くも有名人な主鷹司の少女、鶴喰。彼女が最も慕い、尊敬する幼い中宮の少女、琥珀が、人殺めの咎に問われることになってしまった。有り余る絡繰の知識を用いて、琥珀を救い出せ!
最終更新:2019-06-16 08:49:08
14448文字
会話率:62%
山道を歩いていたら千年昔の関東に来てしまった主人公アキラ。足利荘の屋敷に拾われた彼は戸惑い苦しみながら半年を生き延びたが、アキラにも、平安時代中期の関東平野にもやがて春はやってくる。
時は摂関時代、国風文化の盛り。地方では律令制の行政官
である受領がはばをきかせる一方、武士たちは勢力を拡大し続けていた。田畑は荒廃し、庶民は麻しか着るものが無く、生まれ変わりを信じ、挨拶も敬語も、儀礼は内裏の中にしか無い時代だ。
平安時代の真ん中の一見平和に見える東国に、波乱の予感がアキラにも感じられるようになる。血と暴力、悪鬼と疫病、風雅と迷信、貧しく不潔な平安の世をアキラは成り上がり生き抜く。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-03-17 21:22:11
551597文字
会話率:23%
本当にあった雛人形の怖い話。心臓の悪い方は読まないでください。――次にやってくるのは、あなたのところかもしれない……。
最終更新:2019-03-13 10:51:29
3085文字
会話率:29%
政界にも大きな影響を与えると言われる内裏家。
その娘である妃奈と交際し、結婚を望む男が一人。
結婚の条件は一つ。
3月3日に、彼女に会うこと。
雛飾りを模した様々な試練を乗り越え、男は愛する女性を迎えにいくことができるのか。
最終更新:2019-03-03 21:16:52
8314文字
会話率:32%