十九世紀後半の英国。警察官の友人に頼まれリチャード・チェンバーは、とある地方から流出する、ティーカップの調査に向かった。
雨が降る蒸気機関車の中で、美貌の案内人・メアリー・ベネットと出会う。
英国紳士であり続けようとするリチャードと
、淑女扱いを要求するメアリー。
一つの事件が紳士と淑女を出会わせ、その奇妙な縁が、次の事件へと繋がる。
妖精に愛された皮肉屋エクソシストと、怪力ツンデレ人形。
奇妙な二人がバディを組んで、化け物や、組織と死闘を繰り広げる。謎が謎を呼ぶサスペンスホラーバトル。
義務付けられた紳士──The Obliged Gentleman(ジ・オブライジド・ジェントルマン)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-04-22 18:00:00
169457文字
会話率:52%
吸血鬼 (きゅうけつき、英 vampire):神話や民間伝承などに登場する架空の生物とされていたが、十九世紀初頭に実在が確認された。血を吸い栄養源とする。寿命は百年~百五十年だが千年以上生きる個体もあるとされている。犬歯から分泌される体液
を注入することで人間を吸血鬼に感染させることができるが実は感染力は非常に弱く罹患するケースは少ない。噛まれた場合はすぐに傷口を流水でよく洗い消毒薬などで殺菌し病院へ。 (Wikipediaより抜粋)
帰ってほしいと勇樹くんが言うから帰ってきた。部屋にいれてさえもらえなかった。昨日まで一緒に部屋でゲームやってたからそれなりにショックだった。勇樹くんと私は小学二年生で遊びたい盛りで仲良しで友達だった。ソーシャルゲームのマルチプレイで繋がっていた私と勇樹くんはぷつんと途切れてしまった。うちのよく途切れるWi-Fiよりも呆気なかった。理由は言ってくれなかったしそれらしき出来事に心当たりもなかった。心当たりもないくらいに自然に私はなんかやらかしたんだろう。でもその理由を改善する機会すら与えられないことにはちょっと腹立った。勇樹くんが何に腹を立てたのか知りたかった。そりゃ私はクエストクリアの目前で勇樹くんのキャラクターを爆殺してクリアアイテムを強奪するような女だし、趣味は落とし穴を設置して勇樹くんのキャラクターを嵌めることだ。ちょっといじめたら涙目になる勇樹くんが面白くて仕方なかった。おい、心当たりあるじゃねーか。でもあんただって涙目で結局笑ってたじゃん。これがあれか? いじめる方は楽しんでるけどいじめられてる方は不愉快だったんだってやつなのか。私の攻撃性で勇樹くんはひっそり傷ついてたの? そりゃ私本人には言いにくいわな。だって私は改善してくれって言われても多分また勇樹くんのキャラクターを爆殺するし、落とし穴に嵌めてもがいてるのを見てけたけた笑ってるのだ。
いろいろあって部屋に押し入ったら勇樹くんは布団被ってがたがた震えている。私は布団を引っぺがす。
そこには、
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-04-20 07:39:33
40456文字
会話率:48%
本作は、「もしも古代中国にモールス信号の様な二進符号体系が存在したら?」という歴史改編SFである。この世界観は、ギブスンおよびスターリング「ディファレンス・エンジン」からの借用だ。十九世紀半ばのロンドンを古代中国へ、コンピューターをモールス
信号にしてしまえば、もうあとの違いはない。但しモールス信号を送受信する機械が存在するためには、科学思想、数学、物理学、工学などを必要とする。また符号の送受信を行うための器具を作成、メンテナンスするための技術者、技術者を育成する機関なども必要になる。とても古代世界に揃えられるような代物ではない。そこで超能力かなにかによって、人間が電磁波を送受信できる設定を取り入れた。このアイデアは佐藤大輔「皇国の守護者」から借用している。人間が電磁波を送受信する能力を「導術」と呼ぶ。我々の世界で電磁波と呼ばれているのは「導術波」となり、導術を扱いこなせる人材は「導術士」と呼ばれる。これらの単語も「皇国の守護者」から借用している。何故導術がこの世界で必要とされたのか。幾ら激烈な戦争があったからといっても、即時通信手段を社会が必要とする描写が欠けていた様に思われる。
モールス信号と同じく、導術波にはトンとツーの二種類の信号しか存在しない。ここで中国独特の事情が関係してくる。漢字は数万種類も存在し、それぞれの読み方は決めっているわけではない。たかだか数十文字を符号化すればよい欧米とは事情が異なる。また広大な中国大陸では、一つの文字をどう発音するのかすら各地方ごとに異なる。そのため文章ではなく、単語の羅列を送受信することになる。結果、複雑な情報を導術で送受信することはできない。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-02-24 23:07:17
19252文字
会話率:34%
私立探偵アルフィーナは、ある日、困り果てていた異国の少年サエと出逢い、彼を助手として雇った。
自らも優秀な魔法使いであるアルフィーナは、不思議な力を持つサエや集まった仲間と共に、いくつもの大事件を解決して、世界を救った。
それから少し
して、彼女は友人の女性警官アルトを事務所に招き、これまでの事件の真相を、仲間が残した秘密を混じえて話しだす。
「ねぇ、アルト……私は、一人だけ救えなかったんだ……助けられなかったの」
*主人公は探偵ですが、推理や謎解きみたいなものはほとんどありません。
*R-15と残酷描写ありは保険で入れています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-12 12:15:21
66744文字
会話率:37%
シリーズ第二作。
19世紀末のフランスのような、だけど中近世の王政がある程度残ってしまった架空の世界に、美しくも気ままで不遜、何を考えてるか解らない凶暴な伯爵令嬢がおりました。
令嬢は時にはごく普通の、美男子に心ときめかせ恋の予感に恥じらう
乙女でもありましたが、時にはそんな自分をも全否定するような悪役を自ら演じようともしておりました。
これはゴシックロマンス小説。時に優雅に、時にミステリー、時にバイオレンス、時に甘く切ない、スラップスティックストーリーです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-12-05 12:30:09
312012文字
会話率:39%
「空を飛ぶ」
それは人間が長年抱き、追い続けている夢であった
青い空を鳥の様に自由に翔けることができたなら・・・と、思い描き
誰もが一度は考えただろう
十九世紀後半の欧州のどこかにあった小国「アルグステイン王国」その首都「マレクイエ」
そ
の路地裏に広がるスラム街に、一人の少年はごみを漁りながら日々を生きていた
少年の名前は・・・本人にはわからない。
彼の財産は、読めない字で書かれた自分の出生日と名前が書いてある紙だけ
ある日の事、いつも通りの生活を送っていた彼はその紙を落としてしまう
それを追いかけ踏み入れた先は、貴族が住まう区域
そこで、彼は自分の人生を大きく変える出会いを果たす
これは・・・
青い空に憧れ、のちに国から実力を認められる技師となる青年と
彼の背中を押し続けた一人の少女が叶えた「夢」と「約束」の物語
そして、技師の一生を辿る物語でもある折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-11-15 01:01:03
68618文字
会話率:58%
宇宙探検隊が偶然発見した文明のある星。
その星に迷い込んでしまったらしい人を探しに、未知の惑星と異文化コミュニケーションするお話です。
片や蒸気機関や電気炉が動きはじめ、ガラスの量産などがはじまっていて色温度を数式で説明し始めるなど
、基礎的な科学力がつきはじめたおおよそ十九世紀頃の文明。
片や民間に宇宙船や超高性能のコンピュータが当たり前のように存在し、ワープ航法が利用されている二十一世紀半ば頃の文明の邂逅のお話です。
エルフやドワーフ、獣人、魔族などのファンタジーっぽい見た目の宇宙人達や魔法が出ます。
※このお話はフィクションです。一部の専門用語や超常現象、科学の歴史、地球の文化や環境に関するような言及がありますが、実在の研究、テクノロジー、国、歴史、人物、文化などには一切関係ありません
※26話で完結の予定です
※R15表現は控えめですが『身体欠損・大量出血を想起させる描写』に該当する可能性があると思われるため。また、虐待を連想する表現があるため。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-11-01 01:00:00
123367文字
会話率:31%
※※作中の仕様により文字数が増えています。実際の文字数は表示の半分ほどです※※
ちょっと変わった現代。
とある新作VRMMOゲームの運営会社は、クローズドβテストをプレイヤーに実況してもらうことで改善点を洗い出すことにしたようです。
ゲームの舞台はおよそ十九世紀ごろ、蒸気機関と大量の鋼鉄を扱う設備が存在し、発電機の仕組みがなんとなく理解されている程度の科学技術を持ち、独自の魔法技術が存在し、街の外を魔物が闊歩する架空の世界。
プレイヤーの目的は開拓民となって広大な新大陸を探検、開拓することです。個性的な4つのジョブのプレイヤー、ノンプレイヤーキャラクターで協力しあって開拓を進めます。
とあるほのぼのまったり実況者が選んだジョブは戦闘に出れなそうな弱さ……。まぁ少しずつジョブ特性を掴んで楽しんでいけばいいか、と、街を歩き回り、たまに戦闘に巻き込まれたりしながら少しずつ街を良くしていきます。
他のプレイヤーやNPC、知識チートというよりは雑談力を発揮する視聴者達に助けられたり振り回されたりしつつ進展していきます。
という、のんびりVRMMORPG実況のSFのお話の予定です。
180話前後で完結の予定です。
※このお話はフィクションです。現代や歴史上の逸話をモデルにした言及が登場しますが、実在の歴史・文化・制度・テクノロジー・人物・団体・事件などとは一切関係ありません
※お使いのパソコン・情報端末は正常です。セリフに付いている数字の簡単な解説は8話にあります。
※登場人物の立場上、非常に誤字と判別がつきにくい表現が多数登場します。予めご了承ください。
※R15は表現は控えめですが『いじめ、自傷行為、殺傷行為の描写』『特異な薬物使用の描写』に該当する表現があると思われるため。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-12-30 02:00:00
545665文字
会話率:33%
十九世紀、イギリス
――ロンドンから外れた小さな農村に母と二人で暮らす少年ウィルは、のどかな日々と大切な親友と幼馴染に囲まれごく普通に過ごしていた。
大好きな母が、目の前で冷たく死んでいくのを見るまでは。
そして黒い魔法使いと呼ばれる、災
厄の大罪人アビスがウィルを迎えに来るその日までは。
アビスとの出会いから今までのウィルの暮らしは消え去り、ウィルは人間ではなく別の存在――永遠の命が得られる神の園『楽園(エデン)』の落とし子であることを突き付けられる。
人ならざる力を解放してしまったウィルは、その力を制御する為の手段としてアビスと使い魔の契約をすることになる。
表向きは魔法使いしかし中身はド人外級の力を持つウィルと、表も中身も不愛想楽園に呪われた大罪人アビス。
激動の時代イギリスで楽園の真実をめぐる魔法使い達の生き様が始まる。
妖精、悪魔、伝承、楽園、禁断の果実、魔法…
これは、オレ達魔法使い達の物語。
誰にも知られてはいけない、楽園へ至る罪の物語折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-08-09 18:47:24
26538文字
会話率:30%
どこにだって誤解というものは落ちている。
19世紀、ロイヤル・アスコット競馬に沸く6月のロンドン。
苺を買いにでかけたリチャードが声をかけたのは、倒れた人ではなく死体であった。
最終更新:2020-06-20 22:25:37
4338文字
会話率:44%
十九世紀のイギリス。産業革命により人々は繁栄を謳歌する……のは一部の金持ちだけ。
売女・盗み・酒飲みが闊歩するアンダーグラウンド『イーストエンド』に住む墓荒らしのジョーンズは同じ墓荒らし仲間のユーリ。
今夜は若い妊娠した女の死体を掘りに墓を
暴きに行ったが、鎖でグルグル巻きにされた棺には死体がなかった。
だが代わりにその目的の女の死体がゾンビとしてうろついていたのだ。
警察にしょっ引かれたジョーンズたちは裏とのつながりが欲しいホイッグ警部に頼まれて、大金と引き換えにゾンビ探しを行うことになった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-23 20:22:41
12187文字
会話率:54%
我の名はジョナトン・ノエ・ルチアーノ。
十九世紀、ビクトリア女王に飼われていたポメラニアンの末裔だとされる、由緒正しき血統書付きのお犬様である。ぴちぴちの三歳だ。
我の御主人とのゆるゆるな日常をちょこっとだけ語ろうと思う。
我は愛くるしいお
犬様だからな!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-04-19 13:42:18
5374文字
会話率:8%
南北戦争以前に開拓が始まったアメリカ合衆国の隣に浮かぶ巨大な島、フローディア大陸。そこには魔法や人ならざる者の存在があると噂されてきた。そして開拓から半世紀以上経った十九世紀末、西部同様悪党が蔓延るフローディアで『暁』と名乗る強盗団が徐々に
頭角を現し始める。元賞金稼ぎ、姿の見えざる賞金首、ギャンブラー、獣と恐れられる少女、そして赤い髪の青年。強盗団『暁』は新時代の夜明けとともにフローディアの大地を駆ける。
異世界×西部劇のバトルアクションクライムファンタジー(なんかもうめちゃくちゃ)マカロニウエスタンの血を引いてここに開幕。略称はやっぱりアカペラでお願いします。
なんか話が重かったりするので読み疲れたらこちらをどうぞ。「その少女、孤狼につき」https://ncode.syosetu.com/n0813ex/アカペラの中でもまだマシな方のヒロイン、ヴィジェと現代社会でまったりするだけのお話です。(まったりするだけとは言ってない)
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-04-04 23:02:18
438492文字
会話率:55%
十九世紀初頭のプロイセン・ザクセン地方を舞台とした「おね少女近代純文学」です。
※注(1)当時の社会状況、特に男女格差、そして(2)女性同士の恋愛感情の混じった友情が描かれます。百合なのかどうかは筆者にはわかりません。
最終更新:2020-03-06 12:02:10
109845文字
会話率:39%
十九世紀――ロンドンにて。
街の中心部には『塔』があり、それが巨大な蒸気機関として駆動している。
それを整備するのが自律行動する『機関人形』という存在であり、人々にとっては当たり前であった。
そんな街で暮らす少女――アイラ・コリンズは、父が
遺した『機関人形』を目覚めさせる研究を行っていた。
いつも変わらず、彼女が目覚めぬ日々を送る――そんなアイラの日常は、突如として崩壊した。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-01-30 06:00:00
6793文字
会話率:21%
時は十九世紀末――霧の都ロンドン。
いまだ人外の存在に脅かされるこの世界には、超常の力を持つ『異端者』と呼ばれる人々が存在している。
人形師の弟子ドロッセル・ガーネットもまたそんな異端者の一人だったが、ある事情から出来損ないの烙印を押され
てしまっていた。
そんなドロッセルはひょんな事から異界へと迷い込み、謎の青年に命を救われる。
名前も記憶も持たない青年の正体は、死者を元に作られた人形――レプリカだった。
なりゆきで青年と主従契約を結ぶ羽目になったドロッセルは大いに戸惑いつつ、彼に『ノエル』という仮初めの名前を与える。
がむしゃらな少女と、感情が希薄な人形――二人の狂騒の夜は、ここから始まった。
*カクヨムにも投稿しております。
© 2018 伏見七尾折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-11-15 00:00:00
122475文字
会話率:35%
異端と異形の渦巻く十九世紀――ロンドン。
賢者の石を巡る戦いの後、ドロッセルとノエルは傀儡師キャロルとともにせわしなくクリスマスの準備を進めていた。しかし、そこにバックヤードから異形出現の報せがもたらされる。
敵は変幻自在の異形――バルト
アンデルス!
暗い暗い地下トンネルの果て、人形師と人形は恐ろしい影を目撃する。
*カクヨムにも掲載しています。
© 2019 伏見七尾折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-11-15 00:00:00
116097文字
会話率:38%
舞台は蒸気によって動く演算装置――解析機関の発展によって人の魂が観測可能となった十九世紀ロンドン。解析機関に生命エネルギーを注ぎ魔術を出力させる《代入者》の少女、西園アンナはある時、他の代入者に襲われる少年リックを助けることとなる。
機関技
師であるリックは行方不明になった彼の恩師を探しているのだといった。護衛として彼の探索行に付き合うことにしたアンナは襲撃を退けながらロンドンを巡り、やがて二人は《代入者》の真実に向き合うこととなる――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-07-30 23:09:36
159934文字
会話率:36%
一八八八年、ロンドンを舞台に連続殺人事件が起こった。あまりに残忍な犯行にロンドン市民は恐怖し、その犯人を『ジャック・ザ・リッパー』と呼んだ。
バーを営む一人の紳士はある日、自らをジャック・ザ・リッパーだと名乗る少女に出会う。少女の腕は確
かで、人を殺すのに足る素質があった。紳士は少女を迎え入れ、ロンドンを裏から廻していく。
これは二人のJ・Mの物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-05-27 07:42:21
2369文字
会話率:47%
物語が始まる以前、この世界を律していたのは宗教と大自然、そして魔法であった。表題の物語本筋はこれよりはるか下った、私達の世界のほぼ十九世紀末~二十世紀初頭に当たる、古い力と、機械に代表される人間の知恵が一瞬均衡を保っていた(ように見える)時
代背景のもと《共和国》と隣国《教国》の間で展開する。
巨大な《教国》の驚異に対抗するため、《共和国》はその国力を総動員して、空飛ぶ戦艦〈共和制〉号、みなの通称『大空魔艦』を建造した。なぜ《共和国》はこのような異形の兵器の就役を急ぐのか? 実は、そのころその巨大な宗教国家である隣国《教国》では、国家と軍の改革に進展を見せた支配者『総主教』レノルトが死の床にあり、開明派の彼の各種改革に抗する旧い反動勢力が、再度権力奪取の工作を画策していたのだ。
物語はこの状況下、最新機械技術の粋である《共和国》の切り札大空魔艦が進空し、各種試運転を行う過程を、軍事・近代艦艇に門外漢の主人公であり魔法に通じたこの艦所属の従軍導法師シリルの行動・視点を追いながら進行する。人が手にした空といった新しい活動の場で、彼女はこの艦が浮き上がる瞬間に立会い、その後何者かが艦に侵入させた『サラマンダー(火吹きトカゲ)』対策に奮戦し、軍艦の大口径主砲の発射にたちあって驚いたり、その間に地上で酒を飲んだりする。明朗・闊達なシリルは新しい船ににふさわしい人物であった。
仮想敵《教国》は、伝統的に『神を尊ばない共和の人達を(武力)で改心させる』事に熱心で、ここでもし旧い派閥が権力を握ると戦禍が予想される。その《教国》旧派閥は、自派が長じている魔法に類する手段によって機械兵器の頂点たる大空魔艦を除去し、その事実で他派を恫喝、最高権力者『総主教』選出の場である『選挙』での票をとりまとめる、といった工作を画策していた。彼らは自らが持つ持つ古い力の象徴『ドラゴン』を大空魔艦にぶつける事を試み、様々な準備をすすめ始める。
一方、全能ではない《共和国》政府は、この局面で《教国》に対する軍事的威圧効果を期待し、試運転中の大空魔艦を《共和国》《教国》の国境が引かれている深い『森』の国境線近辺を飛行させる決定を下した。そこでついに。鋼の、人が造った大空魔艦と、生身の、過去が造り上げたドラゴンは、正面から激突したのだが------折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-02-27 22:03:58
124394文字
会話率:39%
十九世紀末、英国ノーサンプトン州。
ブルームフィールド准男爵家のメイドのジューンは、超悲観的かつ超卑屈な性格で、何事も悪いようにしか考えられない。ある日、大工見習いの青年ジョン・スミスと出会い、親しくなる。しかし、身分を偽っているらしい
ジョンのことが信じられず、結婚詐欺師ではないかと疑いを持つようになる。
一方、准男爵家の後継者ウォルトは、従順なジューンをいじめて、なにかと絡んでくる。二人の間には、五年前に交わしたある約束があった。
そんななか、実家に残してきた妹メイが、大怪我をしたと知らされる。駆け付けた病院で、ジューンは自らの過去を思い出す。このことは、ジョンには絶対に言えない……!
悲観的で卑屈なヒロインが、罪悪感を乗り越えて幸せになろうとするお話です。
ちょっぴりシリアスめの恋愛小説。冒険やバトル、魔法はありません。
※「カクヨム」「エブリスタ」にも投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-01-20 09:00:00
156360文字
会話率:40%
下町の母子家庭で育ったシェイラは、母を亡くして寄宿学校に入る。天涯孤独の彼女の心の支えは、入学前に勉強を教えてくれた、元家庭教師のナイトリー先生だった。ルームメイトに意地悪をされつつも、友達を作り、学院生活をスタートさせる。やがて、シェイ
ラの美貌は評判となり、男子生徒のアプローチを受けるが、心の中はナイトリー先生のことで一杯で……
十九世紀初頭のヨーロッパ風な異世界を舞台にした、若干シリアスめの恋愛小説です。冒険もバトルも魔法もなく、えんえんと恋愛がメインの物語です。
※「カクヨム」でも公開をしています。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-09-02 17:00:00
136946文字
会話率:47%
十九世紀末のフランスに、とある人形工房があった。オーナーの名は、レオン・カシミール・ブリュ。彼はある日の夕刻、一人の少年を拾った。少年の思いと、少年の人形をめぐる、幻想小曲集。
――おまえが作りたいお人形は、一体どんなお人形なの。
――マカ
オンに大きな憧れを抱く、小さくて非力な人形を。生から死へ、死から生へ、偉大な旅するマカオンに、成りきれない無力さを。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-11-28 19:00:00
6482文字
会話率:47%