▶「夢写師と黒い狐の廃墟録 ―光と影の記憶譚―」の前日譚
1994年、霧梁県・久遠木村。
霧深い山村に暮らす橋爪チヨは、“魂写機”という特別なカメラで人々の記憶と想いを写し取る「夢写師」だった。彼女は幼い頃に両親を亡くし、妹ルカとふたりで
写真館を営みながら静かに生きていた。
だが、村を覆う霧に異変が生じ、失われた記憶、薄れる写真、人々の心の影が村全体に忍び寄っていく。やがてチヨの前に九つの尾を持つ白狐――“シロミカゲ”が現れ、伝説の封印が綻びつつあることを告げる。
村を守るためには「九つの欠片」を集め、霧姫の封印を再び完成させなければならない。そしてその旅は、夢写師自身が自らの“感覚”を一つずつ差し出していく代償の旅でもあった。
光、色、味、音、手触り、声――そして、存在そのもの。
欠片を手にするたびに何かを失っていくチヨ。それでも彼女は妹ルカを、幼馴染の健司を、そして村の人々を守るために祈り続ける。
「わたしが消えても、写し世に想いが残るなら、それでいい」
祈りと記憶が交錯する写し世と現世。
やがて明かされる“影写りの巫女”の真実と、“七時四十二分”に込められた哀しき約束。
写真の中に封じられた想いは、時を超えて誰かの心に届くのだろうか――
これは、記憶と光を写す巫女が、愛する者たちにすべてを託して消えていく、静かで美しい喪失と再生の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-26 19:40:00
108947文字
会話率:27%
※残酷描写と念の為です!
英雄になりたかった。ただ、それだけだった。
けれど――“英雄は、孤独だ”という言葉の意味を、僕はまだ知らなかった。
高校生・朝倉遥斗は、放課後の図書室で一冊の古い本――《異端の書》を手にする。
その日から、世界
は静かに揺らぎはじめた。
裂けた口元に笑みを浮かべる魔人ロギュル。
彼は“物語の外”から来た存在であり、遥斗の願いを見透かしたように告げる。
「君がページをめくった時点で、もう物語の端役じゃいられない」
悪魔が現れ、現実が軋み出す。
ロギュルとの“契約”を通じ、遥斗は英雄としての力を得ていくが、同時に自らの存在もまた、ページの外へと侵食されていく――。
これは、
英雄になることを望んだ少年が、世界を救い、すべてを失い、
それでも祈り続ける者へと至るまでの物語。
物語の外で、君はまだ、見ているか?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-26 07:00:00
51963文字
会話率:23%
かつて星が輝いていた山あいの小さな村は、何十年も雲に覆われ、夜空から星が消えたままの世界となっていた。
村の大人たちは昔の星を語るが、子どもたちは絵本でしか星を知らない。
そんな村で育った少女・ユリは、亡き祖母が星に祈っていたという思い出
を胸に、星のない空に静かに祈り続ける。
ある晩、ユリは古井戸のそばで、不思議に光る石と「星は忘れられているだけ」という声に出会い、心から星の帰還を願うようになる。
十年の祈りの末、ついに空が裂け、一番星が現れる。
その光をきっかけに、村人たちの心にも忘れかけていた記憶と祈りが戻り、夜空には再び星が一つ、また一つと輝き始める折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-09 20:28:13
1189文字
会話率:10%
死にたがりが自殺し、悪役令嬢に転生。
最初は何が起こったか分かっていなかったが、後に此処が物語の世界と理解する。
ヒロインとの和解やバトルなど前世の記憶を頼りに今まで会ってきた大切な人達の幸せを祈り続ける。
だが、そんな少女は…。
最終更新:2025-01-28 20:46:19
1270文字
会話率:16%
愛してやまない、自分にとって神に等しい方の、どす黒い一面を見たら、貴方はどう思うだろうか?
幻滅する? 罵倒する?
けれども私は――。
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
今も昔も
ずっと苦しいままの方が、原動力である力の制御を間違えて、何かを壊してしまった時、責められますか?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-28 21:36:27
907文字
会話率:14%
レフィーナ・レイドリックは、レイドリック公爵家に生まれた。
レイドリック公爵家は、人を人とも思わない、奴隷を買うことが当たり前だと思っているおそろしい選民思想に支配された家だった。
厳しくしつけられたレフィーナにも、やがて奴隷が与えられる
。
言葉も話せない奴隷の少年に、レフィーナはシグナスと名付けて、家族のように扱った。
けれどそれが公爵に知られて、激しい叱責を受ける。
レフィーナはシグナスを奴隷として扱うようになり、シグナスはレフィーナを憎んだ。
やがてレフィーナは、王太子の婚約者になる。
だが、聖女と王太子のもくろみにより、クリスタルの人柱へと捧げられることになる。
それは、生きることも死ぬことも許されない神の贄。
ただ祈り続けることしかできない、牢獄だった。
レフィーナはそれでもいいと思う。
シグナスはレフィーナの元を去ってしまった。
もう、私にはなにもないのだと。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-21 20:55:44
19137文字
会話率:17%
アリシアは食堂の常連客のユウキに惹かれている。しかし、そんなある日、ユウキは勇者でこれから魔王を倒すための戦いにいくと言われてしまう。
彼の無事を祈り続けるアリシア。勇者が帰ってきたと一報があり、喜ぶアリシアだったが、彼が王女と結婚すると噂
を聞く。
失恋したと落ち込むアリシアだったが、彼が店にやってきてーーー
これは、異世界から転移してきた勇者と彼の故郷の料理を作る少女の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-22 17:32:38
9984文字
会話率:37%
悪女矯正計画番外編です。
登場人物の一人、リリィ視点のお話です。
本編未読の方はネタバレになるのでご注意ください。
最終更新:2023-08-29 12:31:56
3318文字
会話率:25%
大切な姉と妹、幼なじみが勇者の従者に選ばれた。その時から悪い予感はしていたのだ。
田舎の村に生まれ育った主人公には大切な女性達がいた。いつまでも一緒に暮らしていくのだと思っていた彼女らは、神託によって勇者の従者に選ばれて魔王討伐のために旅立
っていった。
旅立っていった彼女達の無事を祈り続ける主人公だったが……魔王を倒して帰ってきた彼女達はすっかり変わっており、勇者に抱きついて媚びた笑みを浮かべていた。
青年が大切な人を勇者に奪われたとき、世界の破滅が幕を開く。
恐怖と狂気の怪物は絶望の底から生まれ落ちたのだった……!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-05-12 08:01:43
11752文字
会話率:35%
少女が通う雪の森には、小さなキツネが暮らしている。
頼りなく震える身体、穴倉で丸くなる尻尾を、少女はいつも心配しながら眺めた。
無垢な少女は、ただキツネの幸福をだけを祈って、その姿を見守るのだった。
しかし、運命は残酷である。
キツネのさ
さやかな平和は、腹を空かせたオオカミに脅かされてしまう。
捕食者の出現に、揺れ動く少女の心――無力な彼女は、キツネの無事をひたすら祈り続けるのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-28 22:17:16
5956文字
会話率:1%
「わたくしがこの国の王女」。伯爵家の次女プリシアは家族仲良く暮らしていた。しかし親から告げらたのは、プリシアは、この国の王女。本当の家族ではないこと。そして命を狙われいることが。野心を持つ貴族が王国を乗っ取りそして居なくなった王女の命を狙う
。家族思いで優しい性格のプリシアは、悲しみになりながらも今まで育てくれた家族に別れ告げ隣国へ逃げることを決意。その道中、次客に襲われそうになった時ある人に助けられる。それは、留学のため訪れていた隣国の皇太子ユリアス殿下だった。そしてプリシアが密かに思いを寄せていたのだ。帰国するところだったユリアスは、すべての事情を聞きプリシアを導き共に隣国へ行く。安全のために王城でお世話になる。国王や王妃、その国の精霊たち支えられながら暮らしていく。そしてユリアスとの距離が着実に縮まっていくのであった。祖国の野心を持つ貴族がいつか終わり迎え平和を祈り続ける。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-02-18 17:29:08
45169文字
会話率:62%
二人の兄弟、天海と竜は未知の世界の森で目が覚め、そこで翼と角のある一人の女性と出会う。その世界は色に満ち溢れており、人々はその世界を「サジラスト」と呼ぶ。
その世界は彼らにとって過酷な試練しかなかった。それでも彼らは必死にもがき、生存を祈
り続ける。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-10-17 21:23:37
54838文字
会話率:38%
高い塔の上で聖女様はこの国の平和と安定、繁栄を祈り続ける。
私は聖女様のお世話係、今日も聖女様は昔、愛した婚約者の王太子に裏切られ
どうしてこの塔の上に閉じ込められることとなったのか私に語り掛けるのです。
まだたった12歳のほどの少女に見え
ましたが、200年以上もこの高い塔の上に彼女はいるのです…。そんな彼女の悲劇をお話ししましょう。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-07 20:07:08
1881文字
会話率:42%
魔法学園の先生は死んだ婚約者を思い続けて独身でいる。もう十数年もだ。
バカみたいと先生に対して私は言うのだ、幸せになってももういいと思うと。
だって私が先生をかばって死んだ婚約者だもの。
告げるわけにはいかない、だって私はまだ14。
あの時
とは違うもの、あなたは私の父と年がかわらない32。
幸せになってと祈り続ける私が暗殺者に狙われ前世絡みの事件に私は巻き込まれることとなるのだが?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-01 16:06:59
4413文字
会話率:57%
明日から大学生になる僕には親友が二人いる。話す順序が少しおかしいけど明るくて、一途な彼。年上とは思えないほど無邪気で温かく、彼と同じくらい一途な彼女。そんな二人は、理屈っぽくて正論好きな僕を誰よりも優しい言葉を遣う人だという。こんな風に言っ
てくれる彼らを、僕はこの世で一番温かな二人だと思う。だから、二人の幸せが続くようにと、いもしない神様に今日も祈り続ける。言ってはいけないこの気持ちを隠しながら…。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-03-04 22:09:49
65740文字
会話率:63%
ルシアは八歳の時に聖なる力があるとわかり、辺境の村から王都の神殿に聖乙女として連れて来られた。
それから十六年、ひたすらこの国のために祈り続ける日々を送っていたが、ようやく力も衰えてきてお役御免となった。
長年聖乙女として務めたルシアは、多
額の金品を与えられ、結婚相手を紹介してもらえることになった。
望む相手を問われたルシアは、何ものにも囚われることなく自由に大空を舞う竜騎士を望んだ。
しかし、この国には十二人の竜騎士しかおらず、その中でも独身は史上最年少で竜騎士となった弱冠二十歳のカイオだけだった。
歴代最長の期間聖乙女を務めた二十四歳の女性と、彼女より四歳年下の誇り高い竜騎士の物語。
三島 至様主催の『聖夜の騎士企画』に参加させていただきます。
某所から転載いたしますので、R15に変更させていただきます。
アルファポリスさんにも投稿しています。
無断転載は許可しておりません。
Reproduction is prohibited.
(C)2018 Kana Suzumoto折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-12-07 08:30:13
120579文字
会話率:42%
あんな辛いことがあったせいなのか、
叔母さんは変なネット小説とかハマってるみたい。
だけど、こんなふうに気持ちを打ち明けてくれた……
業務で受けたAED講習からヒントを得た話です。
貴方もぜひこの講習を受けてほしい。
この作品はカクヨム
と重複投稿をしています。
カクヨムにて初出の投稿日時は、2017年7月23日です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-10-18 11:19:24
1240文字
会話率:0%
主人公セフィーは、十五歳の頃、聖女になった。
セフィーは感情が、一切顔に出ない質である。いつも淡々としている、真顔の聖女だ。
王城に迎えられたり、第一王子と婚約したり、第二王子に想われたり、偽聖女なんかが現れたりしようと、セフィーはひたすら
淡々と、対応していく。
ついには国外追放をされてしまうも、いつも通り、淡々と対応した。
「たとえ追放されようと、なにがなんでも、私は聖女の祈りをやめません」
聖女は怒涛の数年間を、ひたすら淡々と、真顔でやり過ごす。
――けれど、淡々としているのは、見た目だけ。心の内には、年頃の乙女らしい気持ちがあって……?
(サクッと読める聖女恋愛。ざまぁと追放は香りづけ程度。世界観はゆるめです)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-06-27 22:09:40
16027文字
会話率:26%
カムナ皇国は7年前の戦を経て、平和な日々を維持していた。第197代カムナ皇国殿皇陛下「イザナ」。若き女性の殿皇として民を慈しみ、祈り続ける。しかし、その平和にも再び変化の兆しが見え始める。
一方、彼女と共に皇国を支えんと志す若き逸材達
がいた。7年前の一騎当千の活躍によって皇国を救った「カエン」。万学鬼(ばんがくき)と呼ばれる博学多才の「シラヌイ」。そして、若き逸材達を山の上から見守る謎多き人物「トウジ」。徐々にあらわれはじめる不可解な事象。彼らは次第にそれらに翻弄され、巻き込まれていく。
カムナ皇国と、彼らに待ち受ける運命やいかに―
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-03-10 17:45:06
10037文字
会話率:40%
中野家のダルメシアンの置き物は家族を見守る。
吠えることも、その場から離れることも出来なくても、ずっと中野家の幸せを祈り続ける。
決して気持ちが交わることはないけれど、『コロ』は願う。
それでも願う。
お願い、笑って?
最終更新:2019-08-16 17:51:39
5319文字
会話率:14%
この世の中では、神と人間は全く違うと言われている。
しかし、もし神も学校に通っていたら?
もし神もスマホを使っていたら?
もし神にも寿命の様なものがあったら?
この世の中の信者達はどうなるのだろう。
卒倒して神を冒涜し始めるのか。
この
話を信じながら、それでも神に祈り続けるのか。
はたまた、神は信じるのにこの話は信じず、狂った様に神に祈り続けるのか。
…そんなこと、知ったこっちゃない。
むしろ、そんなことを気にならない程、下界の信仰心は届いていないのだ。
それに、神だって一人や二人ではない。
それはそれは多くいるものなのだ、我々人間のように。
これから始まる物語は、下界には興味無いが、仕事として興味を持たなければならない…
そう、まるでこの世の中の社会人のような神々の、平々凡々な日常のお話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-07-04 01:38:58
15908文字
会話率:42%