深い霧の中、事故に遭った宮部郁が、江間、福地、佐野、菊田、寺下と共に辿り着いた先は、化け物のうろつく異界の森――祖父の故郷だった。
言葉も文明も環境も何もかもが異なるこの場所で、保護という名目のもと、彼ら‟稀人”の争奪戦を始める異世界人
を前に、どこで、誰と、どう生き延びる?
【ケース1:宮部の場合】
Q1.稀人だと――明かす? 隠す? どうやって?
A1.隠す。言葉が使えることを利用して、勘違いするよう仕向ける。
Q2.友達と協調――する? しない?
A2.人を化け物の生贄にして自分たちは逃げるという間柄を、そもそも友達と言わない。
Q3.向こうの知識を利用――する? しない?
A3.利用する。ただし、向こうの知識ではないと見せかける。
Q4.何になる――王様? 神様?
A4.一般人。王様も神様も面倒くさい。
Q5.こっちの‟幼馴染”を――頼る? 頼らない?
A5.頼らない。顔を見たらぶん殴るとわかっている権力者には近づかない。
Q6.向こうに――帰る? 帰らない? 誰と?
A6.帰る。どうしようもなく馬鹿なお人好しと、以前の稀人に育てられた子と。
――騙す相手は、自分を含めたすべて。
※舞台の性質上、残酷/グロ描写があります。※直接的・具体的な描写ではありませんが、登場人物たち置かれた環境や関係性の表現のため、性描写があります。※「カクヨム」様でも投稿中です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-17 21:49:06
754981文字
会話率:45%
水川泉美は小さな街でカフェを経営していた。独身アラフォーの泉美は婚活もボチボチ参加しつつ、充実した毎日だった。特に飼い猫のミャーとも仲良しだったが、突然、ミャーが話しかけてきた!普通に日本語を話してるネコってどういう事!?しかも迷いネコが事
件に巻き込まれ殺されたと訴えてきた。まさかと思いつつも、ミャーの言う通りに森へ向かうと、本当に迷いネコの死骸を見つけてしまう……。
泉美の幼馴染でもある牧師・藤河七道は「これは生贄儀式事件!」と騒ぎ始める。七道は陰謀論マニアの変わり者。そんな変わり者発言はどうしても信じられないが、次々と明かされるご近所の秘密にカフェ経営も大ピンチに陥ってしまう。そんな時、聖書のとある言葉が事件解決のヒントとなる事に気づき……?ネコとカフェ店長が謎を解く聖・コージーミステリ、ここに爆誕!※他サイトに公開中の作品のリライトバージョンです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-17 12:31:12
53786文字
会話率:50%
野々原華は、桃の有名な街で育った18歳の女子高生。時期はずれに実っている金色の桃を見つけて写真を撮ろうとしたところ、転んで気絶してしまい、目が覚めるとそこは森の中。手の中のスマホ以外何も持っていない華はそこで出会った老人、ヨネに村まで案内し
てもらう。けれどここはどうやら華が生きていた時代よりもずっと前の時代の世界で、日々の生活すら危うい。村長の息子である利市は親切にしてくれるが、ある日利市に恋をしている雪に、スマホを夜の森へと投げ捨てられてしまう。月明かりの下、必死にスマホを探す華に、低く艶のある声が問いかける。
「このピカピカ光る板みたいなのは、アンタのか?」
その声の持ち主は、毛先に向かって朱色の強くなる髪を持った美丈夫で。彼の姿を見た瞬間、とある言葉が頭を過ぎる。
——夜の森には行っちゃならん。鬼が出る。
気のいい鬼のお兄さん(のちにヤンデレ)×平凡なヒロイン
※R15は保険です折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-16 23:07:26
182390文字
会話率:51%
高校生の涼森 千隼は頭のおかしい幼馴染、天野宮 美納葉に無理矢理Vtuberにさせられ、あれよあれよと言う間にデビューする事に・・・・・。
加速する幼馴染の暴走と、それに手を焼く千隼、二人を取り巻くカオスな奴らの物語。
最終更新:2025-01-13 08:08:11
357157文字
会話率:49%
大陸最西部にある半島にある国。クリト王国。この国の北部の海に面した土地には大森林が広がっていた。森林の中心には山があり、その麓には洞窟がある。そこにはある生物の住処であり、ある噂があった。曰く、魔物なのに人の言葉を喋る巨鳥がいると。曰く、そ
の洞窟には様々な財宝があり、そこに赴くと巨鳥が武器と加護をくれると。曰く、強欲な者には死よりも恐ろしい恐怖を与えるという。そんな巨鳥にクリト王国の王子、ユギル・クリトは嘆願のために訪れる。彼曰く、今大陸全体で異常事態が発生しているという。彼はその異常事態の事態収束の協力を依頼しにきたという。鳥に転生してしまった主人公が生まれてから二百年という長い歳月を経て、ようやく戦場に赴くハイ・ファンタジー。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-05 14:43:31
929270文字
会話率:57%
好きなモノはタバコ、麻雀、甘いモノや辛いモノ。駆け引き。今住んでいるところは横浜のマンション。でも、実家は何処だったとか今何歳だったっけ?と興味が無いことにはとことん覚えが悪くて……自分は何者なんだろうか?毎日そんなことばかりを考えながら
過ごしているんだと思う。プロローグは、流れに沿ってヤクザの道に入ることになっちゃったところから。いろいろ物騒なモノを使うこともあるけれど、人間なんて簡単に死ぬときには死ぬモンだ。それが早いか遅いか、だけ。そんなとき、組員が襲われる事件が起こった。そして最期の言葉を聞いた俺は、この世界から、足を洗う。……その帰り道、俺には猫……に見えたのだが、人間を見つけた。今にも死にそうな野良猫っぽくて行く場所も無いんだろうか。ついつい、懐いていたアイツの顔が脳内にちらつくと自然とその細道でぐったりとしていた男を背負い上げて自分の住むマンションへと連れて行くことにした。ここからが本編のスタート……。
※激しめの表現があるわけではありませんが、作品上どうしても法律に違反している行為やブツが出て来ることがあります。そのため、15指定を付けさせていただきました。もちろんフィクションですので気持ちを静めてお読みいただけると嬉しいです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-17 09:27:23
30169文字
会話率:54%
全日本中学校バレーボール選手権。誰もがあの小さなボールを追いかけ、自陣のコートに落とさず、二人目の選手へと繋ぎ、スパイクの音を響かせていく。全国の頂点に立つために。誰も負けるために来たわけじゃない。勝つために。ただ、それだけを考えて試合へ
と臨んでいく。
ある年の準決勝。長野県代表の梓花(あずさばな)中学には今年注目のアタッカーがいた。全中に出るのは最後の年。中学三年生。その女子生徒は、梓花中学を優勝に導いていけるものだ、と周囲の人間たちは信じて疑わなかった。しかし、決勝を目の前にした準決勝の試合中に事故は起きた。事故だったのか、それとも今までの試合や練習による疲労の蓄積がここにきてあらわれたのかは分からない。ただ、はっきり言えることは、『今後、激しいスポーツをすることは不可能でしょう』という医師からの冷たく重い言葉だった。
そして高校へ。誰も自分のことを知らない地域へ。少しでもバレーボールというものに触れない地区で高校生活を。と考えていた女子生徒は一人の男子生徒と出会う。男性生徒と出会うことによって彼女はもう一度、否、今度は全日本バレーボール高等学校選手権で優勝を味わうために再びバレーボールと向き合うことになるのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-06 09:25:21
106240文字
会話率:52%
「夏風夏鈴って、名前の中にふたつも〈夏〉が入っていて、これでもかって夏を前面に押し出してくる名前でしょ。ナツカゼカリン。だから嫌いなんだ。この名前も夏も」
困惑する僕に、彼女は言った。聞いてもないのに、言わなくてもいいことまで。不思議な子
だな、と思った。そしてそれが不思議と嫌ではなかった。そこも含めて不思議だった。彼女はそれだけ言うと、また逃げるようにしていなくなってしまった。
※1 本作は、「ラムネ色した空は今日も赤く染まる」という以前書いた短編を元にしています。
※2 本作は、カクヨム、ノベプラ、アルファポリスにも掲載しております。
※3 以下の作品について、本作の性質上、物語の核心、結末に触れているものがあります。
〈参考〉
伊藤左千夫『野菊の墓』(新潮文庫)
ボリス・ヴィアン『うたかたの日々』(ハヤカワepi文庫)
堀辰雄『風立ちぬ/菜穂子』(小学館文庫)
三田誠広『いちご同盟』(集英社文庫)
片山恭一『世界の中心で、愛をさけぶ』(小学館文庫)
村上春樹『ノルウェイの森』(講談社文庫)
住野よる『君の膵臓をたべたい』(双葉文庫)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-15 18:00:00
100007文字
会話率:55%
〈「サーシェ」と言ったその言葉は、僕達ズミの民が神に祈る時の文句だ。〉
舞台は、魔道大国トレンティアによる侵略を受けた森深き国ズミ。民族の異なる二つの国の戦争の渦中……奇しくも両国の血をともに引く混血の孤児ヨンは、自らの出自を呪いながらも
レジスタンスとして武器を握り、憎悪と復讐の念を胸に決死の戦いへと身を投じていく。
そしてある時絶体絶命の戦場で奇妙な男に出会い、導かれ、共に死地をくぐることとなる――それは敵国であるはずのトレンティアの人間だった。
「お前、稀有な魔法の才能の持ち主だ。俺に魔法を教わる気はないか」――トレンティア人でありながらレジスタンスに味方して戦う謎の魔術師、パウルとの出会い……そこから物語は始まる。
祖国のため、復讐のため、野望のため、あるいは愛する者を守るため、奉ずる正義のため……誰もがそれぞれの信念や苦悩を戦火の中に燃やす、それは凄惨な命の応酬の世界。
その血塗られた道の上で寡黙な少年兵はしかし、多くの仲間と出会い、友と出会い、家族と出会い、時にすれ違い、時に愛を知り、共に自らの進むべき道を切り拓いていく。
これは戦時下の日常で多くの葛藤を抱え、乗り越えて進んでいく少年の成長譚、そして小さな英雄達が共に織り成していく叙事詩。
※
完成済み原稿を順次投稿しております。完結まで170話程度を予定しています。
舞台は剣と魔法のファンタジー世界ですが、異世界要素や魔物や冒険者は出てきません。ちょっと渋めの戦争&日常モノです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-21 22:56:06
1393344文字
会話率:34%
償い切れないほどの罪を犯した者は例外なくオークになる世界。
この世界のオークとは不老不死のからだを持ちながらも、永遠の飢餓感に苛まれ、食べ物を求めてさまよい歩き、時として人間や亜人種の村を襲う怪物です。
それぞれの目的のために旅に出たマリ
エと四人の仲間たちが出会ってから、だいたい約一年が経ちました。
五人は変わらず旅を続けています。
物語は「聖女と四人の騎士」「聖女と四人目の騎士」と続き、そこからマリエの選んだ相手によって、「緑の森のエルフ」(シルワ編)「花崗岩とどんぐり」(グラン編)「四つ葉の郷の物語」(フィオーリ編)の三つに分岐しています。
このお話しは、シルワ編の二つめにあたります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-25 17:01:10
397449文字
会話率:28%
聖女マリエとホビットのフィオーリ、ドワーフのグラン、エルフのシルワ、フェアリーのミールムの亜人種四人の一行は、森を抜けて旅を続けておりました。
これは、もしも、マリエの選んだ人が、フィオーリだったときの物語。
最終更新:2022-12-12 17:05:07
77632文字
会話率:22%
前の事件で悪徳地上げ屋ダイモングループの野望を打ち砕いたミエルだったが、しかしそれは彼らと利害関係にあった有象無象を敵に回すことを意味していた。このままではミエルに報復の魔の手が伸びるのも時間の問題だ。
そこでママは奇策を講じる。なんと
彼を死んだことに。そしてその思惑は見事的中、噂は一夜にして新宿界隈を根城にするアウトローたちの間に広まった。
万事順調、ミエルは夏休みを利用して緊縛師の高英夫とともにほとぼりが冷めるまでママの伝手がある関東平野の奥座敷に身を隠すのだった。
そこは鄙びたというよりむしろ寂れた温泉街、町に唯一のストリップ小屋では流れ着いた踊り子たちが客のまばらな舞台で踊っていた。その中にジュリアと名乗るダンサーがいた。緊縛ショーで責めら役を演じるミエルを見初めた彼女は町外れで再開発の危機に晒されているフクロウの森を守らんと自然保護団体を立ち上げる活動家でもあった。
そしてある夜ミエルはジュリアに連れられてフクロウの森を訪れることに。満天の星の下でのフクロウの大合唱にミエルは感動を覚える。しかしジュリアが守ろうとしているのはフクロウたちだけではなかった。
本作は新宿から舞台を移した番外編、全13話完結の中編です。温泉シーンこそありませんが、ちょっとエッチなイベントは用意されています。今回もまたミエルの活躍にご期待ください。
前の事件はこちらです。
「エスケープ・フロム・デーモンタワー ~ ミエルと晶子の救出、脱出、危機一発!」
https://ncode.syosetu.com/n7648ix/
そして男の娘探偵ミエルの原点はこちらです。
「メイド・イン・ドラッグ ~ 男の娘探偵ミエルの潜入大作戦!」
https://ncode.syosetu.com/n3965ig/
「エレクトリック・シープ・スキン ~ 明日葉晶子の勝負服」
https://ncode.syosetu.com/n1641ih/
併せてお楽しみください!
※本作はカクヨムにて公開、完結した作品です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-10 21:10:00
34797文字
会話率:53%
飛騨のお寺を巡って民話を採訪している女性民族学者が訪れたのは、飛騨高山と木曽福島のちょうど真ん中あたり、野麦峠の高山側にある苔むした古寺、信太寺(しのだじ)でした。
住職が淡々と語り出したのは、信太寺に伝わる昔話。
1匹の子狐の切ない物語で
した。
高山市国府町(こくふちょう)に伝わる『安国寺のきつね小僧』。
この悲しいお話に、有名な『葛の葉物語』のエキスを少し加えて創作しました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-09 21:31:37
3232文字
会話率:17%
◇
第二部のあらすじ
一月の事件から半年。
松永敬志の背後に迫る男がいた。その男は「そのうちお前と仕事するだろうな」と言い残して立ち去る。男が尾行していた二人の目的ははっきりしないまま時は流れるが、松永敬志は自らの目の前で事件が起きた時
、大きな決断を下す事になる。
◇
ファーレンハイトは(多分)現代ドラマです。
主人公の松永敬志と幼なじみの笹倉優衣香、そして同僚の加藤奈緒と葉梨将由の恋愛要素があるラブコメですが、コメディ、ブロマンス、お仕事など、カテゴリーがはっきりしないごった煮ストーリーは第一部と同じです!
第二部も楽しんで頂けたら嬉しいです。
◇登場人物◇
松永 敬志(まつなが たかし) 37歳
笹倉 優衣香(ささくら ゆいか) 37歳
加藤 奈緒(かとう なお) 34歳
葉梨 将由(はなし まさよし) 32歳
中山 陸(なかやま りく) 37歳
須藤 諒輔(すどう りょうすけ) 40歳
松永 玲緒奈(まつなが れおな) 41歳
飯倉 和亮(いいくら かずあき) 30歳
本城 昇太(ほんじょう しょうた) 32歳
相澤 裕典(あいざわ ゆうすけ) 34歳
野川 里奈(のがわ りな) 24歳
◇ファーレンハイト第一部はこちら
https://ncode.syosetu.com/n7699ie/
※改稿版です。
◇ファーレンハイト/Fahrenheit
この作品は他の小説投稿サイトでも公開しています。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-23 05:06:22
326279文字
会話率:41%
孤児院で育った少女・リチェルは、十二歳の時その歌声を見初められ隣国の貴族の楽団に引き取られる。けれども引き取ってくれた当主がすぐに病死した事で境遇が一変、日々屋敷と楽団の雑事をこなす下働きとして暮らしていた。
そんなある日、丘で隠れて歌って
いたところを一人の青年に見つかってしまう。ヴァイオリン弾きである青年は、リチェルにまた歌を聴かせてほしいと告げて──。
「俺はただ、君の歌が聴きたくて降りてきたんだ」
これはある目的で旅を続ける貴族のヴァイオリン弾きと歌うことを愛する孤児の少女の優しい旅のお話。
◇毎週土曜日、月4回更新予定。(第5土曜日はおやすみ)
◇原案でもある若野未森さんのとても素敵な挿絵がついてますので、挿絵機能は是非ONにして頂ければ^^
※このお話は19世紀末のヨーロッパをモデルにしたファンタジーです。地名や当時の政治・慣習等の背景を含め、多々フィクションが含まれます。
※時代背景などを反映した差別的な表現が含まれている場合があります。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-31 09:51:40
549308文字
会話率:38%
言霊を花として売る花屋「ことの花」。ある日、「ごめんなさい」の花言葉を持つ花を求めて高校生の客がやってくる。客、森川静佳は、軽い気持ちで口にした「死ね」という言葉のせいで母親が死んでしまったと思い込み、口がきけなくなってしまった。しかし、
歌を歌うことでなら言葉を発することが出来るとわかり、同級生の藤野梓らとバンド活動を始めるが、「死ね」の言霊は静佳につきまとい……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-30 00:00:00
133956文字
会話率:50%
様々な種族が共存して暮らす世界。
得体のしれない術者に、一夜にして滅された国を再建するため、なんでも願いを叶えてくれる『泉』を探す、亡国の王子エゼキエル。
彼は旅の最中、野盗に襲われていたところ、カスティと名乗る長身の女性騎士に助けられた。
カスティはロゴモールという種族の土人形で、彼女も願いを叶える『泉』を探しているという。騎士であった前世の記憶を頼りに、戦場で離れ離れになってしまった主王を探しているというのだ。
エゼキエルはカスティの境遇に自らを重ね、協力して泉を探す事になる。
しかし道中に立ち寄った国で、カスティがエゼキエルの故郷を滅ぼした張本人だと知り、加えてカスティは現在の雇い主の命令を受け、エゼキエルを殺しに来たと言うのだ。
エゼキエルは彼女に命乞いをし、願いの泉を探し出した後、潔く死ぬことを約束する。カスティも王子の言葉に心が揺れ、二人は旅を続けることになる。
旅路の中で、カスティを召喚した術者や、訳ありの商人、不思議な魔法使いに助けられ、エゼキエルは願いの泉を目指していった。
そして彼は自国を滅ぼした元凶が、生まれてすぐ母親と共に幽閉された、異母兄である事を知ることになる。
自分のような人間が、このまま生きていていいのか?
様々な人々の想いに触れ、苦悩し、嘆き、感情を分け合って、エゼキエルはついに『泉』がある森へ辿り着く。
だがその目前で、異母兄の魂が乗り移ったカスティが意識を奪われ、エゼキエルの前に立ち塞がるのだった──。
真面目で実直な人間の王子様と、自暴自棄だが割り切れない土人形女性騎士の、心の在処を探すファンタジー。
さぁどうぞ、楽園の始まりを知る、旅路へ。
※主要人物が死ぬ描写があります。ご注意ください。のんびり更新。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-29 22:23:37
49016文字
会話率:37%
ゴブリンの住む坑道から離れた森に住むリエル。
ゴブリンの両親と共に住む彼女は、実はゴブリン夫婦に拾われた人間の少女だったのだが、それを知らない仲間のゴブリンから「醜い化け物」と呼ばれ、その容姿をからかわれ虐められていた。
そんな日々の救
いは拾い集めた本や、自分の絵を買ってくれた旅人からもらった不思議な言葉の書いてある「綺麗な本」を朗読することだった。
そんなある日、出掛けた両親が戻って来ないことに不安を抱いて探しに行ったリエルは途中で出逢ったサイガと言う人間の男性と共に、坑道へ向かう。
そこには仲間のはずのゴブリンによって瀕死の状態に追い込まれた両親の姿があった。
それを見たリエルは激しい怒りとともに、自らの異変に気付く。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-29 08:39:59
18686文字
会話率:34%
妻子を亡くした下級武士の大森吉之助は、広い屋敷で一人食事をするのを辛く思っていた。そんなある日、少し目を離した隙におかずが消えるという珍事が起こる。野良猫だろうと軽く考えていたが、毎日続くことに堪らなくなって、待ち伏せをすることに。しかし、
そこに現れたのは猫ではなく、小さな女の子だった。自身のことを座敷童だという彼女に幸福を期待し、屋敷に留まるよう言う吉之助だったが――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-26 17:45:07
8439文字
会話率:25%
ありがた迷惑で異世界に転移させられてしまった僕は、所謂そうしたファンタジーの世界観が好きになれない。というよりも嫌いであった。
というのも、僕は生粋の現代人を自虐的に認めているから、朝は起きれないし、病気になるし、遅かれ早かれ精神がまい
ってしまうだろう。
ありがたいことに、そこは森の中でも荒野の上でもなく、都市国家ナントカであった。言葉は通じる。文字は読めない。やはり全然ありがたくない。僕はポリス的動物であるかも知れないが、そのポリスは絶対にこれではない。
さて、どうしよう。
……本当にどうするか。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-21 02:16:51
702文字
会話率:34%
田舎の村から上京して王宮兵士となって1年半……
まだまだ新人だったレイクは自身がスキルもろくに発動できない『無能力者』だと周りから虐げられる日々を送っていた。
そんなある日、『スキルが発動しない無能はこの王宮から出て行け』と自身が働いていた
イブニクル王国の王宮から解雇・追放されてしまった。
そして挙げ句の果てには、道中の森でゴブリンに襲われる程の不遇様。
だが、レイクの不運はまだ続く……なんと世界を破壊する力を持つ最強の竜種"破滅古竜"と出会ってしまったのである!!
しかし、絶体絶命の状況下で不意に出た言葉がレイクの運命を大きく変えた。
ーーそれは【竜族(ドラゴン)語】
レイクが古竜語を話せると知ったドラゴンはレイクと友達になりたいと諭され、友達の印としてレイクに自身の持つ魔力とスキルを与える代わりにレイクの心臓を奪ってしまう。
こうしてレイクは"ヴィルヘリア"と名乗り美少女の姿へと変えた破滅古竜の眷属となったが、与えられた膨大なスキルの量に力を使いこなせずにいた。
それを見たヴィルヘリアは格好がつかないと自身が師匠代わりとなり、旅をしながらレイクを鍛え上げること決める。
一方で、ドラゴンの悪知恵に引っかかったイブニクル王国では国存続の危機が迫り始めていた……
これは"無能"と虐げられた主人公レイクと最強竜種ヴィルヘリアの師弟コンビによる竜種を統べる野望を抱いた物語である。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-28 20:15:04
68432文字
会話率:52%
高校二年生となった森重 薫(かおる)には、今ではすっかり関わりのなくなった幼馴染がいた。
その幼馴染である松葉 陽彩(ひいろ)が突然薫の家に訪問し、彼の母によって薫の部屋で二人きりにされてしまう。
小さい頃は甘えん坊で、今ではすっかり無口に
なってしまった陽彩がとった行動は、薫の膝の上に座ること!?
本当はずっと両想いであったのに、ちょっとしたすれ違いから距離が出来てしまった二人。
その距離を埋めるように、甘えたがりの陽彩を薫がめちゃくちゃ甘やかしていくお話です。
テンションの高い薫の家族や疎遠になってから出来た友人に振り回されることも。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-05 15:35:06
50761文字
会話率:46%