第一章 人と獣は交われない
ある村で奇妙な事件が起きた。それは、狼に似た獣に村の人々が次々と殺害されていく、というものだった。その村の伝説にある怪物の伝承があった。目撃者は怪物の容姿を事細かに説明した。
牛のような巨体、尖った鼻、胴体
は太く剛毛で覆われている体。前身は赤みがかった毛に覆われており、背中には黒いぶち模様があったという。
そして、その伝説から数百年後に、伝承を模したような類似の事件が再び繰り返されるのだった。その怪物事件に二人の刑事が挑む。
第二章 名前のない獣たちは……
『人と獣は交われない』で現れた、犯人の過去。ある街で規則性の見られない、無差別殺人事件が起きていた。メディアはこぞって、事件を取り立て、面白おかしくはやし立てた。首の頸動脈を切断する犯行スタイルから人々は、『ジャック・ザ・リッパーの再来』と名付けた。
殺人鬼を追う刑事、犯行を繰り返す怪物、裏路地を拠点にスリで生計を立てるストリートチルドレン。三視点で描かれる、名前のない獣たちの物語。
終章 人に焦がれた獣のソナタ……
殺人鬼と刑事の物語はこれにて終わる。
殺人鬼は刑事にある頼みごとをした。
刑事は忌み嫌っていたはずだった、殺人鬼の頼みを交換条件で聞くことにする。
そして、成長したストリートチルドレンたちも、昔の過ちと向き合うときがきた。
昔からの因縁、因果が絡み、そして今まとまり、終わりへと動き出す――
この作品は、フィクションです。実在の登場人物、団体とは一切関係ありません。
この作品は『カクヨム』でも連載しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-01 21:00:00
881806文字
会話率:36%
魔法と剣の世界で、騎士団長をしていたアーサー。
とあることをきっかけに、自称神を名乗る謎の生物に異世界転移させられる。
転移させられた世界は───なんと、現代の日本!?
右も左も分からない彼は、神に言われた通りの場所へ向かう。
そこにはそれぞれの理由や経緯はバラバラなれど、同じような境遇の元異世界住民の仲間たちが居た!
騎士であったアーサーは、剣技を磨く以外に生きる術を知らない。
しかし大家からは無慈悲にも家賃を払うよう、取り立てられる日々。
そして大家から紹介されたバイト先は───まさかのブラック企業だった!
鬼のように怖い女店長の容赦ない蹴りや拳にも、理不尽なクレームやクレーマー相手にも、彼の騎士道は決して負けない!
己の掲げる騎士道を貫きながら、この理不尽な世の中を不器用ながらも生きていく。
そんな彼の、逆・異世界転移物語である!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-12-20 20:40:06
1000文字
会話率:52%
男性向けのラブコメのヒロインは絶世の美女であることが多い。
これはある意味必然とも言える。
誰もが羨むような美女を彼女にしたいというのは男子共通の願いだろうから。
もちろん僕だって美女が嫌いな訳じゃない。
――が、僕が何より萌えるのは、『
少女漫画の主人公風の女の子』だ!!
決して美人とは言えないけれど、親しみやすく一緒にいて安心する女の子。
そんな良い意味で素朴な女の子にこそ、僕は激しく萌えるのだ。
――そしてそんな僕の今の推しが、隣の席の|楠木《くすのき》さん。
――楠木さんは二つ結びにした黒髪に、ちょっとだけ太い眉毛。
スタイルもお世辞にも良いとは言えず、どちらかと言うと幼児体型に近い。
そして運動全般が苦手で、勉強もあまり得意ではないという、ハッキリ言って取り立てた長所が何もない女の子だ。
――だがそれがいい!!
その『普通さ』にこそ、僕は国宝級の価値を感じる!
まさしく楠木さんこそが、僕が求める理想の『少女漫画の主人公風の女の子』なのだ――。
……でも少女漫画の主人公である楠木さんの相手役としては、僕みたいなモブ男は相応しくない。
――楠木さんに相応しいのは高身長のイケメンでサッカー部のエースという、少女漫画に出てくるヒーロー役みたいな新庄君だ。
新庄君はいつも楠木さんにアプローチをかけているし、きっと二人は両想いなのだろう……。
――が、何故か楠木さんと新庄君の映画デートに、僕も参加することになり……!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-12-18 21:09:29
4407文字
会話率:39%
はっきり言おう。
エフィは決してこのように令息達に囲まれ取り合いをされるような器量ではない。自分で言うのも虚しいけれど、容姿も中身も取り立てて取り得のない田舎領地の男爵令嬢である。
今の立場が相応しくないものであることは、あのように嫉妬の
目を向けられるまでもなく、誰よりも理解していた。
それが何故こんな傾国の姫のような扱いを受けているのかと言えば。それはこの国が聖女に行った仕打ちのため。
偏に彼等の自業自得である。
物語の外側で生きてきた平々凡々な令嬢エフィが幸せになる話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-12-02 21:53:31
21978文字
会話率:63%
地方貴族ヴァルハラ領。そこの御用商人サクセスは、日本人の転生者だった。幼馴染の聖女に借金を取り立てるが、あまりにも悲惨な財政を見かねて、前世知識を生かして内政に協力する。領内格差、領地を狙う隣の領の領主、領を襲う災害などの危機を乗り越えて、
ついに魔法学園に入学した二人に、王国の王子や公爵令嬢が接近してきてー。御用商人と主人、債権者と債務者の立場逆転ラブストーリー。果たしてサクセスは、聖女を守り通すことができるのか?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-10-22 20:31:55
106248文字
会話率:52%
借金取りの瀬川勇史《せがわゆうし》が借金の取り立てに向かった先にいた人物は、なんと異世界の神さまだった。
借金だらけの神さまは『魔族の皇帝に支配されそうな世界を救ってくれたら、借金は千倍にして返してやる』と信じられない事を言い出した。千倍
にするとその返済額は五十億円。
神に選ばれた者だけが持つ『加護』の力を与えられ異世界転移した勇史は、転移先で同じ『加護』の力を持つ超絶美少女と出逢い、なんと一緒に世界を救う旅をする事に!
五十億円を回収すると誓った勇史の前には、次々と強敵が現れるが『加護』の力で切り抜けていく。
これは最強の借金取りが、仲間と異世界を救い借金を回収する剣と魔法のファンタジー。
※第一話に表紙絵があります。
※第二十七話に挿絵があります。
ただいま、改稿作業中の為、物語に矛盾する箇所があるかも知れません。ご容赦ください。
この作品は『カクヨム』『アルファポリス』『magnet』でも掲載しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-10-05 00:01:27
168817文字
会話率:47%
『祓い屋ささら』はあなたを困らせる幽霊、妖怪を(物理で)祓います!
悪霊退治を専門とする祓い屋の仕事をする女、ささらはビビりで泣き虫でちょっと守銭奴な……幽霊をぶん殴って除霊する霊能者である。
助手であるタヌキの妖怪の少女、突然依頼を
持って突撃訪問する兄、家賃を取り立てに来るヤクザ顔の大家。そんな周りの人たちに囲まれながら、ささらは今日も幽霊に悲鳴を上げつつ拳を振るいます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-08-11 08:00:20
411532文字
会話率:63%
成長が遅いこととイギリス人と日本人のハーフであること以外は取り立てて言うところのない少年、春斗。
彼はある日から、怪しい雑貨店の店主と異世界を渡り歩かなければならなくなった。
その日を境に転がり落ちていく自らの運命に
彼は打ち克つことができ
るのだろうか。
これは、勇気と努力の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-06-29 23:05:23
3099文字
会話率:34%
見習い鷹使いのニヌムは、クマに襲われて引退を余儀なくされた祖父に代わり、都でひらかれる鷹匠の催しに参加することになる。そこで才能を見出された彼女は、都の鷹匠の弟子として取り立てられた。
ある日、決してヒトには飼い慣らせないとされる、猛獣狩り
の神鳥〈双睛〉(そうせい)が都に運ばれてきた。なんの因果か〈双睛〉の世話がかりとなってしまったニヌムは、思いがけず双睛と意思の疎通がとれるようになってしまう。それが、やがて国の命運を揺るがすことになるとは知らずに――。
※『カクヨム』『ノベルアップ+』でも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-06-29 18:25:04
25512文字
会話率:23%
ボッチで妄想好きな主人公の日常を描いております。アホ可愛い妹にノーパンで暮らせと言ったり、金髪セレブな美少女に二度もごめんなさいされたり、取り立てて変なところのない普通の男子高校生の日常です。朝起きて定刻通りに学校に通い、目立つことなく波乱
のない一日を終える……そんな凡を旨とする彼の前に転校してきた彼女が現れて?! とかそんなん。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-06-18 09:52:48
100124文字
会話率:29%
Z「PB黒字化は問題となる災害時に財政余力を付ける為に必要なのです。ちなみに、コロナウイルスなどは問題になどならないのでPB黒字化目標はびた1年延長しませんし、致し方なく発行させられた国債は2025年までに絶対に取り立てます。コロナ倒産?
増税の悪影響? だからなに?」折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2020-05-06 22:18:48
2758文字
会話率:0%
友人から車をもらい、いろんな冒険をする男の物語。スリル満点の運転は度肝を抜かれる。ドリフト。ヒールアンドテゥー、レイトブレーキングなど技は盛沢山!バイクの運転テクニックは達人だが運転免許は取り立てほやほや・・・こんな奴にカーバトルなんてさ
せて大丈夫!?ぎりぎりな男によるギリアクションコメディー!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-03-22 03:22:49
2771文字
会話率:36%
そこは、かつて至高の存在が創り出した理想の世界。
『神』と呼ばれるモノたちが、すべてを創造し、育み、慈しんだ。
そこは、やがて創り出されたモノたちによって混迷を極めた戦乱の世界。
『人』と呼ばれる存在たちが、自らの欲望と傲慢とエゴによ
って創造主たる神に反旗を翻した。
そこは、ついに神々が滅んだ放逐された世界。
加護も無く、救いも無い。あるのはただ、永きに渡る闘いによって荒廃した世界とそこで生き続ける人たち。そして―――――
今もなお、自らが至上たらんとする者たちの愚かしさだけであった。
八代 奏(やつしろ かなで)、二十八歳。
ごくごく普通の、ありふれた生活を送っているにすぎなかった単なる一般市民。彼を言い表せる言葉はそう多くない。
なぜならその人生は平坦そのもので、取り立てることが何一つ無かったからだ。
そんな彼にある日訪れたのは、人生初の大きな『谷場』。急勾配の坂を転げ落ちるように不運や災難が重なり続け、行き着く先はなんと異世界!?
しかしそこで彼を迎えるのは山場も山場の絶頂期。偶然出会った見目麗しい美女は、何故か奏を『御主人様』と呼んで片時も離れようとしないのだった―――――折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-01-13 10:00:00
135375文字
会話率:41%
神が作ったダンジョンとその周りにある神の子どもたちと冒険者が主役の街「ヘルファイヤー」
そこにいる一人の男の子と可愛くて胸が大きい神様の話
え?なんかにたようなアニメみたことあるって?
何大丈夫。こっちの冒険者は売春宿のツケだの借金
の取り立て屋なんかをやってる。
訴えられない程度のオリジナリティってやつはあるってもんさ
※ダンまちのアニメみた衝動でダンジョン攻略もの書こうと思って書いたんですが、なんかこれができたんですよ折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-12-23 21:56:12
8876文字
会話率:50%
勇樹和幸は取り立てて特徴のない、どちらかと言うと平凡よりも下の方の容姿をした男子高校生なのだが、幼馴染の可愛い彼女である染島愛理と、美人と評判の母親である勇樹美幸との三人暮らしで、周囲からは羨むような高校生活を送っていた。
しかしそんな彼に
はある秘密があった。彼は実は……異世界から転生してきた勇者と呼ばれる存在だった。
これは、転生してきた勇者が必死に日々を生きる、そんな何でもない日常の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-12-20 23:09:29
8125文字
会話率:35%
高椿ありすは三十路の誕生日を目前に、我が人生の不運を嘆いていた。
幼い頃から真面目だけが取りえで取り立てて褒められる部分もなく、才色兼備な姉との雲泥の差に開き直って生きてきた。幼い頃から本が好きで、いつしか趣味で小説を書くようになる。
殆ど誰にも読まれる事もなく、コンテストに応募してみても箸にも棒にも掛からなかったが、妄想を書き連ねる間は現実逃避が出来て楽しかった。唯一の癒しの時間だった。私立の文系大学を卒業後、人と接する事は嫌いではなかった為、ドラッグストアの販売員として就職。三年間勤めて副店長となる。
それから五年ほど月日が流れ、明日で三十路の誕生日を迎える日となった。副店長のまま、彼氏無し、取り立てて良い事もない……けれども、自分が趣味で書いていた小説を仲間だと思っていた一人に盗作され、何食わぬ顔でコンテストに応募、受賞した事を知ってしまう。設定はそのまま、世界観とキャラの名を変えただけのもので、文章も殆どが剽窃されたものだった。しかし、声をあげても、殆ど誰にも読まれてもいない自分の事など、擁護してくれる人がいる筈もなく……。やり切れない思いを抱えながら自宅でヤケ酒を煽っていると、そのまま意識を失い……
気がついたら異世界(?)にいた。そこはファンタジー的な魔法に満ちた特殊な世界らしい。ありすは前世(?)の記憶があるまま、生まれたばかりの赤子に……。それもセレスティアラと名付けられた、|彩光界《さいこうかい》を束ねる王族の長女として生まれたようだ。最高の地位、魔術、才能、知能、教養、マナー……ありとあらゆる事に秀でていたが、たった一つ、難点があった。顔が醜かった。その部分を隠しかつ補うべく、ありとあらゆる教育が施される。
一方、妹は姉ほど多才ではなかったものの、格別に美しい容姿に生まれ付いた。よって、地位を目当てにセレスティアラに近づく男達も、妹を見た途端心変わり。だが、前世でも姉妹格差だった上にモブキャラだった彼女は打たれ強さを武器にその地位を確固たるものにして行く!
隣国、|花緑界《かりょくかい》の王子とセレスティアラは幼馴染だ。秘かに彼に恋心を抱いていた。嬉しい事に彼は婚約者候補となった。けれども彼は浮かない表情で……。更に追い打ちをかけるように、父王の愛人に男の子が生まれる。その子に王位を継がせようと、魔の手が忍びよる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-11-26 21:00:00
5446文字
会話率:31%
《完結しました》 太古、神々は地上に住む力を持たない生き物達、ヒト、ケモノ、トリ、サカナなどに嫁や婿を贈った。その子孫は全て固有の力を持った新たなる人種となり、この網目状の陸地に散らばった。種族間での交配は可能だが、その子孫への形質は片方し
か伝わらず、またその地形より盛んな交流は長らく行われなかった……
サヤは辺境の国の少しお金持ちの家の奴隷だった。取り立てて能力の無い自分がどこから来たのか、そして、どこへ行くべきなのか、サヤは知らない。
世界を股にかけ仕事をするエラスノ万事屋《よろずや》と出会い、サヤの時間は再び動き出す
56話完結まで書き終えていますが、校正しながら投稿しています
※アルファポリス様《真実露見版》を、18禁表現ありで先行掲載、完結済折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-10-16 19:42:28
180049文字
会話率:58%
自動車修理工場を営む善田修は、追われていた。
『オラァ! いるのはわかってんで! 出てこいやあ!』
ギャンブル依存症の父親がこさえた借金のせいで、家計は火の車。ついに借金取りが工場まで取り立てにやってきて、修は絶体絶命のピンチを迎える。
「神様仏様、どうかお助けください……!」
『――その願い、聞き届けましょう』
修の前に突如現れた、“自称”女神様。彼女の斡旋で、修はスキル『人間工具』を手に異世界へ出稼ぎに行くことに。
異世界で出会った少女、ライカの営む『マイヤー工房』に住み込みで働くこととなった修は、知識とスキルをフル動員して“異世界修理工”として活躍していく――。
「――あれ? そういえば、どうすれば元の世界に帰れるんだ?」
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-09-11 12:00:00
250776文字
会話率:43%
あるとき《物語》が探偵事務所にやってきて、私の物語の最初の嘘を暴いて欲しいの、と言った。
我らが私立探偵事務所は、探偵である僕と、助手兼魔法使いのポム子ちゃんの二人によって運営されている。密室殺人事件の解決、迷い猫の捜索から赤毛組合なる
謎の団体の調査まで探偵的な悩み事なら何でも請け負う探偵事務所だ。
さて依頼もなく二人でしりとりをして時間を潰していた昼下がり、ドアがコツンコツンとノックのような音を立て何か公共料金の取り立てか幻聴かと訝しがりながらドアを開けるとそこには、中学生くらいの《物語》が立っていた。そして冒頭の台詞を言ったのだ。
「私の物語の最初の嘘を暴いて欲しいの」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-07-31 22:46:33
9762文字
会話率:46%
半グレ生活を送っている鈴村圭佑はカネに困っていたとき、イタリアンレストランの不始末の被害にあい、それにつけこんでカネを得ることに成功した。しかし、その肉体的代償はひどく、手当を受けなければいけないほどであった。そこに若い女性が手を差し伸べて
くれたおかげで何とか目指す場所まで帰り着くことができた。幼少のころから育てられた養護施設である。そこには姉の様な存在の瞳美が離婚して戻っていた。圭佑にとっては姉の様な存在でもあるが、美しい瞳美は圭佑の初めての相手でもあった。
ケガが治った圭佑の元に仲間内の信夫が「兄貴が探しているぞ」と声をかけに来た。要はギャンブル負けのツケが貯まっている若旦那に取り立てろということであった。圭佑、信夫、そして兄貴分の恭次は裏で賭けポーカーを開いており、それがすっかり稼業になっていた。冷酷でカネと女にしか興味を持たない恭次はカードに細工をする胴元として、周辺の小金持ちからカネを巻き上げ、支払うことができない奴からは女を取り上げていた。
ツケが貯まってなかなか支払わない若旦那を恭次は大勝負で最後の追い込みをかけ、たまったツケを倍増させて支払いを強要した。支払えないことがわかると、若旦那の婚約者を売り飛ばす算段に出て、若旦那に無理やり女を連れださせる。圭佑は瞳美が再婚の為の見合いをしたことを知り、イラついていた。待ち合わせ場所の海岸に圭佑を先頭として、三人が赴く。顔を見知っている恭次が間違いなく若旦那の婚約者であることを確認した。同時に、圭佑もその顔をみて驚いた。
圭佑の傷の手当てをしてくれた、あのときの若い女だったのである。圭佑は恭次の前に立ちふさがり、この女だけは見逃してほしいと頼むがあっさりと断られる。圭佑は腹を決めて恭次との対決を選んだ。ナイフの扱いに慣れている恭次に追い込まれるが、最後に捨て身で恭次の胸に信夫から受け取ったナイフを突き刺し、気を失って倒れ込んだ。病院で目を覚ました圭佑はおぼろげな記憶の中で、瞳美が見合い相手の元に嫁ぐことを知り、警備のすきをついて脱出し、あの帰る場所へ向かった。
自分のブログにも掲載していますhttps://potesara.work/hikagemono/折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-07-12 15:20:57
29937文字
会話率:43%