小説家になろう 勝手にランキング
小説家になろう の 非公式 ランキングです
純文学ランキング 151~200位
「あんた元刑事だってね」
金は支払った。後は取引した物を受け取ればいい。三枝は眉を顰めて自分の手元を見た。デパートの紙袋に包まれた小包。
それを握っているのは自分だが、取引相手の李もそれを離そうとしない。力を込めて引っ張ったが、相手は渡す気がないようだ。
簡単なオツカイだった筈だ。
中国マフィアに金を渡し、拳銃二丁と交換。
わざわざガキでも出来る仕事を三枝に押し付けた顔見知りの男の顔が脳裏に浮かび、苦々し気に言葉を吐き捨てた。
「う
るせえな、金は払ったろうが」
「質問に答えてくれ三枝さん。あんた元刑事だろ?従兄弟が捕まっているんだけど、どこの刑務所にいるか教えて欲しいんだ」
「いい加減にしろよ李」
「やだね、ツテはきっとあるはずだ。そうじゃなきゃあんたが元刑事だってことをみんなにばらすよ。そうすれば三枝さん困るだろ」
「昔の話だ。大体こんな所に落ちてきた奴にコネなんかあるもんか」
「ふん、役に立たないクズね」
「なに」
三枝はハッ、と息を詰めた。李は卑屈に笑いながら肩をすくめる。
「ヤクザという言葉、クズという意味だろ。バー、ジュウ、サン。ギャンブルでクズの数字、それを自分で名乗るのは自分がクズだっていっているのと同じじゃないか。クズと言ってなにが悪い」
今日は月がやけに明るい。
三枝は胸の中から靄のような悪意が這い出てくるのを感じている。
カーラジオからは折りしもベートーベンのピアノソナタ第14章「月光」第三楽章が流れていて、三枝の心を暗鬱とさせた。
なにか、悪い予感がする。無人の港は音楽と波音を空しく響かせた。
※ハードボイルドな小説が書いてみたくて書いてみました。
元警官のやくざとオカマの恋愛もちょっと書いていますが特に性的な事はありません。
軽快な会話主体だと思います。
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芽衣子は2つの夢を見た。
化学実験室と、それから、狭まる自分の部屋。
中学二年生の琴音は同級生で従妹の麻理恵から、塾の講師白田と付き合っていることを告げられる。やがて琴音は麻理恵の男女交際に協力するようになる。麻理恵の禁断の恋のゆくえは? そして琴音の本心とは?
※作中道義的に問題がある描写や触法行為が描かれますが、この物語は法律・法令に違反する行為を推奨・容認するものではありません。よくご理解いただいてからお読みくださるようお願いいたします。
カクヨムにも同内容で掲載しています。
ベランダの窓を叩き破り、風と共にナイフを構えた強盗が押し入ってきた。
息がつまるような格闘の結末は。
「マイ湯呑みフキン」における謎が解き明かされる列伝、ついに開幕!!
157位 湊
この小説は日記である。自分の思想を露出することによって快楽を得る異常な思考の人間の書いた駄文である。しかし、私はヘンタイというわけではない。学者を気取って書き連ねているが所詮は素人。容赦願いたい。
あらすじ、なんていうほどの内容もないです。
昔、ミクシィに載せたことのあるものを引っ張ってきました。
祖父が亡くなり、その祖父が営んでいたジグソーパズル店を継いだ若き店主。
どうにか慣れ始めた生活の中で、余裕が生まれ始めた彼の心は、今、日々抱く疑問で飽和状態にあった。
知っているようで知らなかった祖父の事、亡くなる直前のその様子の意味、訪れる客が皆一様に疲れている様、住居部分にある白一色のジグソーパズル、何故か店内に散らばり客に拾われまくるその白いピース、それなのに何故か自分だけは店内で白いピースを見つけられない謎、そして・・・。
訪
れた少女が押しつけてきた、ジグソーパズル。
ジグソーパズルを売る店の店主にジグソーパズルを押しつけ、完成させてくれと頼んで去っていた少女に押し切られ、作り始めた風船の絵柄のパズル。
そのパズルを完成させていくうちに、散らばっていた疑問は一つの形を作り上げ始め・・・、やがて彼は、象られたその形を知る事になる。折りたたむ>>続きをよむ
163位 地蔵
伊豆の峠に鎮座するある地蔵の話。四季折々に訪れる様々な客と、峠の天辺にある甘味処を中心とした何気ない日常を切り取った物語です。
金曜の午後にカフェで1人の女の子と相席になった僕。
彼女のその顔は・・・
コンプレックスというレベルを超えた、女の子の宿命と数十分の間向き合うことになった。
陽の当たる場所に居たいと思った――そう望んでいた柴田杏癒には恋人がいた。
だが先の見えぬ未来に不安と不満を抱える中で、ひょんな事から佐伯依人という男と知り合う。
実に杏癒と佐伯はよく似ていて、直様2人は互いの理解者となるが、とある事件が2人の仲を裂く
そこから展開される4人の恋と2人の行方
結果愛憎となった2人の関係と結末は
(星空文庫から抜粋 星空文庫様にも投稿済)
ー君のいない場所で、僕はどうやって生きればいいんだろう
【死にたがり風情シリーズ】
死んでしまった。
愛する彼女が、死んでしまった。
彼女の死と、私の死は、結び付くのだろうか。ああ、そうだ。きっと、結び付くだろう。
私は抗えない。この定めから、運命から。
彼女の死は、前兆に過ぎなかった。
「君」はある山奥の湖畔で行われている野外ダンスパーティーの最中、そこに自分がいるのに気づいた。本当は危うく、あぶくのように一瞬しか存在しなかったはずの「君」は、そのパーティに満ちる音楽に、グルーヴに誘われて、この世界に居続けることになったのだった。そして、虚無より現れた「君」は、その湖畔で次々に行われるパーティの中で、自分が何者なのかを探しながら日々を過ごす。「君」を「何者」かにしようとする「世界」に翻弄されながら。
ストーカー男子の友達を高校生が見つめる『尾行セット』。
ある街の通行人たちが奇妙な出来事と遭遇する『火と千円札』。
明け方少年たちが物思いに耽る『夜には背ものばしてみるよ、つまんないよ』等、全77編。
(読み切り形式の短編集なので、どれから読んでもいいようになっています。)
何がとは言いませんが、男性のあなたは道行く美人の「あれ」が透けて見えれば、と思ったことはありませんか? あなたにも声が聞こえると良いですね。私は遠慮したいですが。18歳以下の方も安心して下さい、全年齢対象ですよ。だって……まあ、読んでみて下さい。
少年は、一人の少女と共に森の中を彷徨い歩いていた。
手元にあるのは、たった一つのパンのみ。詰まるところ、二人は親に棄てられたのだ。
何故、僕たちは棄てられたの?
答えなど知らない。
そんな時現れたのは、自らを"団長"と名乗る燕尾服の男。その男に助けてもらう代わりに、二人はある仕事を課された。
それは、"人を殺すこと"と"サーカスに出演すること"の二つ。
二
人を待ち受けていたのは、閉鎖されたような空間の邸での、仲間との暮らし。酷過ぎる二つの仕事に加え、過去の記憶も消された少年に残されたのは、暗殺の仕事だけだった。折りたたむ>>続きをよむ
「思い出したか? 鬼が、俺たちが、どれほど残虐な生き物なのかを」
僕は下着どろぼうの戸名川と体育館にいた。ブルーシートが敷かれた一面の床には、女性下着がまるで路上販売のように整然と並んでいる。ただし、そこには下腹部を覆うパンティーだけがあり、胸部用下着のブラジャーは一枚たりとも存在しない。一千を超えるパンティーの厖大な数量に唖然としている僕の傍で戸名川は落ち着きを払い、あろうことか床から一枚のパンティーを拾い上げようとする。僕は慌てて腰にある棒でその手を叩いて阻止するが、戸名川は平然とした様子を崩すこ
となかった。それに対して僕の心はめくるめくパンティーによって乱され、反省の態度を見せない戸名川に過剰な暴力を振るってしまう。棒による殴打に晒され、血に塗れていく戸名川。しかし瞳は、まるで心中を見透かすように僕に向けられていた。秘部を暴き立てるようなその視線によって、パンティーにまつわる僕の記憶が呼び覚まされていくのであった。折りたたむ>>続きをよむ
クラスメートと共に異世界に集団転移した飛田飛呂彦が与えられた特殊能力はワープ。
ワープの概念を持たない異世界側担当者によって、能力名を「ワープア」と読み上げられてしまい、一同の失笑を買った事から深く異世界と級友を憎むことになった。
(元々貧困家庭育ちで学内で浮いていた)
異世界リソースを如何に日本円に交換するかに腐心する飛田少年の物語。
むかしむかし冥(メイ)という国には5匹の瑞獣と呼ばれる存在がおりました。
為政者の元に姿を現し、神の声を聞くことが出来る巫女と共に国を繁栄に導くのでありました。
しかし、その存在は時に国に牙を剝く。
治世を収める皇帝が愚帝であった場合、災いをもたらすことがあるのだ。
時は過ぎ、瑞獣が姿を見せなくなってから400年の月日が流れた。
今の冥国は止まない嵐に見舞われていた。
この国を収める皇帝を父に持つ王女 美杏(メイアン)は神への祈り
の最中に神の声を聞くことになる。
自分が神の巫女であるならばやらなければならぬことがあると次期国王である兄に頼み、将軍である白次(ハクジ)と言う男を護衛に連れて瑞獣を探す旅に出ることを決意したのだった。
恋愛が主題なわけではないのでジャンルを純文学にしました。
一応中華系ファンタシーを目指す予定です。
細かい設定などは目を瞑っていただけると幸いです。
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twitterお題『#百合小説版深夜の創作60分一本勝負』で書いてきた作品をまとめていきます。
「他人に無関心な俺が言うのも、説得力に欠けるかもな。まあ、屁理屈だ。それに、単純に物事が進まないことくらい分かってる。それでも、今の状況はどうかと思うけどね」
未来を悩む、美大生 卓の愛猫エイルは一体毎日毎日どこに出かけているんだ…?エイルが卓にもたらす幸運とはなにか。素晴らしいオッドアイの猫エイルの秘密とは。
大江健三郎の『新しい人よ眼ざめよ』に導からて、新たな懐かしい物語、おそらく理解不能な……
我輩は猫である、名前はヤッサン。主に夜中に町を徘徊するのを好む。
そんな我輩の夜の散歩の楽しみ方を授けよう。(朝と夜シリーズ)
高校教師が一人の女生徒を好きになってしまって煩悶する小説です。
美しいという感情は、誰かを想って紡ぐ言葉は、恥ではなく綺麗なものではないでしょうか。
これは、人生に絶望した一人の男の物語。
2013年の作品です。
この作品は他のサイトにも投稿しています。
人々から忌み嫌われてきた少女――キキョウは山に籠もり続けていた。そんなある日その少女の元に一人の少女が現れる。その少女はキキョウに優しくし、仲良くなる。そして「また会おうね」と約束を立てるのだった。キキョウはその少女との再会を待ち遠しにしていた。
来年はもう三十路
できれば早くに結婚と出産をしたい
それなのになかなか結婚に踏み切れない年下彼氏ともう2年も付き合い続けている
そんなどこにでもいるような一人の女性の日常
私の彼氏はハイスペックだ。高学歴で、高収入で、イケメンで、そして何より折りたたみ式だ。
具材が集まり、ひとつの作品となるのです(*´-`)
チェリーブロッサムがブルームし始めるといつも俺は彼女をリメンバーする。
今、国はお金に困っていた。
借金が膨れ上がり、もう返せないような金額になっていた。
そんな中、出された政策は「消費税100%政策」だった。
『あの丸いのが国技館かい』『彼方の白い燐火箱の行列が吉原だよ、どうだい公園にウヨウヨする人間共の小さいこと、 まるで姐虫だね』
果物シリーズ今回は蜜柑。松子は窪みに指を深く差し入れ、それを皮ごとさくと二つに割る。手代がそうして食べていた。
「お友達になってください!」
『鴻池静枝』は気になっていた同級生の女の子『戸島真琴さんに友達になってもらいたくお手紙を渡した。真琴の返事はOKだった。静枝は喜んだが、真琴との距離が急激に迫ったとき二人の間で、ある誤解が生まれていた……。