俺の名前は中原康太
何処にでもいる普通の高2男子だ。
俺には幼馴染と呼んでも差し支えのない彼女がいた。
いた…そう、過去形だ。
今はアレを幼馴染とか友達とか彼女とか思いたくもない。
吐き気すら感じる汚物だ…。
そんな幼馴染だった女の名前は音無音夢。
音夢には俺から告白して彼女になってもらった。
向こうも喜んでくれていたし、まさかこんな事になるなんて思っても見なかった。
彼女は元々自分をブス、デブと思い込む極度の被害妄想持ちで自己肯定
感が極端に低い人間だった。
だが実際の彼女はそれとは真逆、少しの手入れだけで見違えるレベルの隠れ美少女なのだ。
しかし自己肯定感の低い彼女は自分を卑下し続ける。
俺はそんな彼女を幼い頃からずっと支えて来た。
だからそんな彼女にとって俺は唯一の理解者だと、そう思いこんでいた。
しかしそんなのは俺が勝手に思っていただけの幻想に過ぎないのだと痛感する出来事に直面する事となる。
ある日の夜、コンビニで痴女の様な姿の彼女を目撃してしまい、しかもその後ろでニヤニヤと薄ら笑いを浮かべるチャラい男の命令?でとある用途に使う''何か"の入った”箱"を購入していたのだ。
それが何を意味するか、わからない程俺は無知でも純粋でも無い。
現実を受け止められず半ば放心状態のまま家に帰り着くとそこには先ほどまでチャラ男とコンビニにいたはずの幼馴染彼女がいた。
彼女は言う。
「あ…こうちゃんだ……あれ…?こうちゃんもしかして私の事……見えてる?」
と。
当人いわく気付いたら自分が2人に増えていたらしい。
幼馴染は分裂していた。
陽キャな性格のアイツと、陰キャな性格の音夢に。
行く宛のない音夢は俺の部屋に入り浸って(取り憑いて?)しまうのだった。
そうして始まったのだ、俺と音夢の奇妙な同棲生活が。折りたたむ>>続きをよむ