沖縄の離島で悠馬は謎の石版を発見する。碑文は日本神話に似ているが、記された神々の名はムー語。地元の民俗学者サラや少女ナギサの協力で調査を進めるが、石版を狙う謎の組織の影もちらつく。悠馬は夢の中で古代ムーへと“飛ばされる”体験を繰り返すように
なる。
夢の中で悠馬はムー王国の巫女アマテや王子ラグナと出会い、滅亡寸前の王国の混乱に巻き込まれる。現実世界では、新聞記者カナエや恩師・佐伯の協力を得て、石版の解読とムー文明の痕跡を追う。ムーでは内乱軍のカグツチが反乱を起こし、王国は崩壊の危機に。アマテは神託を受け、ムーの記憶を“東の地”へ託す使命を帯びる。
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島の朝は、静寂とともに始まる。波照間島の東端、まだ人影もまばらな浜辺に、悠馬はひとり立ち尽くしていた。潮の香りが鼻腔をくすぐり、遠くでカモメの鳴く声が響く。彼の足元には、昨夜から気になって仕方のない岩場が広がっていた。
「……ここで間違いないはずだ」
悠馬は呟き、リュックからスケッチブックと手袋を取り出す。昨日、ナギサが興奮気味に語った“変な石”の話。最初は島の子供らしい無邪気な作り話かと思ったが、彼女が描いた絵には、明らかに人工的な幾何学模様があった。
「お兄さん、ほんとに来てくれたんだ!」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-07 06:13:11
83306文字
会話率:42%
城が焼け落ち、囚われた娘が生きるために選んだのは、異国への密航だった。潮の香り、異国の食卓、名も知らぬ星たち──そのすべてが、かつて知ることのなかった自由へと繋がっていた。これは、命を懸けて生き抜く一人の娘の、再生と恋の物語。
最終更新:2025-07-03 11:40:03
40681文字
会話率:48%
南国ルリハナ島へ向かう船が停泊する港は、朝の光に包まれていた。
セナは大きな鞄を抱え、早くも潮の香りに胸を膨らませていた。
同級生たちの笑い声、はしゃぐ声。幼なじみのリオは、荷物を軽々と肩に担ぎ、セナのほうを振り返って爽やかに笑う。
「や
っとこの日が来たな、セナ!」
セナは頷くものの、心の奥では別の高鳴りがあった。
(この旅で……伝えたい。でも……言葉にできない)
幼い頃に受けた、家の古いしきたりでかけられた「心の言葉を縛る呪い」。
恋心を口にすれば声が出なくなるという、それだけのささやかな魔法。
それが、今となっては重くのしかかっていた。
船が出航し、水平線が広がると、セナの不安はしばし潮風に流されていった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-29 17:37:05
5094文字
会話率:22%
遠い昔のものを見ていると
不思議な気持ちになる午後三時の頃
夏ばかりが梅雨に隠れて通せんぼ
通りゃんせの唄が聞こえる神社の境内には
誰もいませんでした
秘密ばかりが増えてゆく大人の机には
見知らぬ外国の煙草の匣
船町の街にはいつも潮の香り
背中だけが影になって
見知らぬ人のような父の姿折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-29 10:21:16
2813文字
会話率:0%
過去は問いかける
不思議の森は鎮守の森
注連縄の内側で神を守る狛犬は
夜になるとお面をつけて踊っているそうな
風の旅人は帽子の内側に
五億年前の林檎を隠していて
たまに刻を超えて
風を届けに行くらしい
船町の洗濯物は夏の香りすなわち潮の香
り
子供達のはしゃぎ声が
今でも響き渡る古き通り折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-24 17:00:29
2654文字
会話率:0%
連続した危険な仕事(ワーク)を終え、心身ともに疲れ果てた航宙士(スペースマン)のチャック・マツオカ。彼は次の仕事を探す前に、しばしの休息(ブレイク)を取ることを決意する。
相棒のAI・アイリーンの提案の中から彼が選んだのは、フルダイブ型VR
リゾート施設『オアシス・ダイブ』。そこで彼は、鋼鉄のステーション『タルタロス』の喧騒を離れ、仮想現実の中に再現された地球の美しい海辺へと意識をダイブさせる。
本物と見紛うばかりの太陽、潮の香り、そして優しい波の音。偽りの楽園で過ごすつかの間の安らぎは、チャックの張り詰めた心を少しずつ溶かしていく。
これは、過酷な宇宙で生きる男が手に入れた、ささやかで高価な休息と、明日への活力を描くショートストーリーである。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-20 01:17:06
2225文字
会話率:34%
1999年の夏。
中学3年生の佐久間大輝は、親友との喧嘩をきっかけに学校へ行けなくなっていた。
心を閉ざし、すべてに無関心になりかけていたある日、
母の提案で、亡き父の故郷の島で夏を過ごすことになる。
潮の香り、セミの声、古びた神社、そし
て島の人々
そこで大輝を待っていたのは、不思議な出来事の数々。
これは、“猫”と“神さま”に導かれながら、
少年が成長していく、ひと夏の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-05 19:51:05
1517文字
会話率:11%
一瞬だけ潮の香りが強くなり、風は涼しさを帯びて通り去っていく。
俺の瞳に映ったのは。
「ふふん〜……ふんっふふ〜♪……」
「っ……」
ラムネ瓶を片手に鼻歌を歌う、
天使みたいな女の子──。
『ただひたすらに眩しい、
二人の青春恋物語』
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-21 07:40:52
12363文字
会話率:25%
静かな港町に生きる老漁師ケアヴェと、彼の人生を共にした古びた木造船。長年の航海で傷つき、部品を交換するたびに姿を変える船と、その傍らで過ぎ去った日々を慈しむケアヴェ。ある日、彼は物置に眠る古い部品たちを見て、若き日の愛船を再建することを決
意する。
潮の香りをまとう古い木材、嵐に折れたマストの断片、針仕事の跡が残る帆布……。老船大工の手によって蘇ったのは、若々しい輝きを放つ、かつての愛船だった。しかし、そこに並ぶのは、すべての部品が新しくなった現在の船。姿は同じでも、その魂は異なる二隻の船を前に、ケアヴェは深く自問する。「本当に私の『船』は、どちらなのだろうか?」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-09 23:00:00
2096文字
会話率:13%
【本編は完結しました】
【※本作品は同名作品のリメイクとなり、こちらが本編となります】
彼女は激しい渦の中で、夢を見る。
優しい両親……貴族のような生活……大きなお城。
ふてくされた男の子……。剣を握る少年。
そして……
彼女の前に跪
く、数千もの『異形の化け物』達。
甘い血潮の香り……。巨大な漆黒の獣。
その瞳に映る……金色の猫。
そして彼女は目を覚ます。現代に生きる一人の少女として。
テンプレストーリーの中に何気ない顔で潜む『悪魔』の日常をご覧下さい。
通常パートとシリアスパートの落差にご注意ください。悪魔的描写がございます。
この作品は『悪魔公女 〜ゆるいアクマの物語〜』の第二部となります。
前作を知らなくてもたぶん大丈夫です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-26 00:00:00
792714文字
会話率:39%
本投稿では、創作詩 ”海辺のドッペルゲンガー” を発表します。我が家は海のすぐ近くにあります。休日の晴れた朝は、海岸を散歩します。青い海、潮の香り、波音、砂を踏む感触などすべてが癒しになっています。ただ、私は稀におかしくなってしまうことがあ
ります。ドッペルゲンガー(ドイツ語:Doppelgänger)とは、自分自身の姿を自分で見る幻覚の一種です。今回は、私自身の人生を振り返り、海辺での思い出のいくつかを詩に紡ぎました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-05 20:27:44
400文字
会話率:0%
「なるほど。私は今世では人間なのね」
子爵令嬢ミラ・オーウェンは、産声を上げた刹那に自身の前世を思い出す。
多くの兄弟達と共に、大海原への旅路を目指し、潮の香りを感じ、碧く煌めく波に飛び込む一歩手前で、儚い命を散らせてしまった、あまりにも
短過ぎる、ウミガメとしての前世をーーー。
自分だけ波を知ること無く死んでしまったあまりの無念さに、尋常で無い生への執着を抱いた結果、晴れてミラ・オーウェンとして転生を果たした。
ウミガメと違い人間であれば、今世は長生き余裕のイージーモード★イェイ……と思っていたのだが。
「いいかい?! 君はシャルロットの取り巻き……あ、シャルロットっていうのは悪役令嬢で、何かとヒロインを排斥しようとつっかかってくるキャラなんだけど……とにかくね!! シャルロットとは関わらないで!! 全ての罪を被せられて、オーウェン家は爵位剥奪のうえ、ミラは……俺の推しである君は絞首刑にされてしまうんだああああああ!!!」
ある日、突然現れたポールという謎の少年から、意味不明な、けれども聞き逃す事は出来ない話を告げられる。
ポール曰く、ミラの転生した今世は乙女ゲームの世界であり、このままだと学園入学後にシャルロットという公爵令嬢によって、18歳で処刑となる運命らしい。
人生を謳歌しようと思っていた矢先に、なんたる由々しき事態か。
ミラは強く決意した。
これはポールをガイドとして、是が非でも自身の命を守り、絶対に死んでなるものかと。
そして、ポールに問う。
「なぜ君は私を助けようとするの?」
「そりゃあ、立ち位置的にはモブだけど、ミラが俺の推し……ええっと、す、好きな子……だから……」
「なるほど。私のどこが好き?」
「あなた様の素朴で質素で個性の主張が激しく無い顔面が俺の性癖ぶっ刺さりカンストしているからでございます」
ミラは胸中で深く息を吐いた。
(はあ〜……顔面性癖ぶっ刺さりカンストしててマジで良かった〜)
前世ウミガメの子爵令嬢と前世ゲーム実況者の平民の男の子の愉快な破滅回避ラブコメディ。
※基本的にギャグです
※ハピエンになる予定です
※途中や後半でシリアスが入っても軌道修正するかの如くギャグが乱入します
※恋愛要素もありますが甘々では無いです
※更新頻度にはムラがあります
※気を付けてはいますが、誤字脱字あればご指摘頂けると助かります折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-28 00:08:36
11234文字
会話率:33%
麦わら帽子、潮の香り、まだ見ぬところへ
キーワード:
最終更新:2024-07-31 21:40:43
388文字
会話率:50%
勉強とか、成績とか、友人関係とか、担任との相性とか、家族との関わり方とか、そんな事を考えるのが嫌になって、だから1人になれる場所が欲しかった。
重い重い鍵の壊れた金属の扉。そこをゆっくりと開くと、少し開けた屋上に出た。フッと風が吹くと、微か
に潮の香りがする。開けた屋上にある古ぼけたベンチ。そこに少し腰をかけると、微かに人の声がしてきた。初めは校舎の中にいる人のものかと思ったが、どうやらそうではないらしい。確実に近くにいる。そう思って辺りをぐるっと見回してみたが、人が隠れれそうの場所が見つからない。やはり勘違いなのか?とそう思った時に、屋上の入口扉よりも上から声がした。
「あれ?ここに人が来るなんて珍しいね。お客さんかな?」
そう言った彼女のリボンは青色で一個上の先輩だと分かり……。
この作品は、僕が普段連載している「普通の男子高校生である俺の日常は、どうやら美少女が絶対につきものらしいです。〜どうやら現実は思ったよりも俺に優しいようでした〜」のサイドストーリーです。ちなみにこの連載作品を読んでいなくても、全然読めるようになっておりますのでぜひご一読ください。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-08 01:48:15
288154文字
会話率:51%
電話を終えると潮の香りがして…
最終更新:2021-10-16 22:32:42
1737文字
会話率:59%
遥果 <はるか> が差し出す傘に入る
夕映 <ゆえ> の甘く掠れた声。
奏多 <かなた> と抱き合うと潮の香りがしてくる。
ゆらゆら揺れて波の中。引きずり込まれ溺れていく。
三人が絡みあう、ひと夏の海辺の物語。
*この作品は、note、
カクヨム、エブリスタにも掲載しております。
©️水菜月2021.
この小説に掲載されている文章・写真・イラストの著作権は
作者水菜月に帰属致します。許可なく無断転載、使用、販売を禁止します。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-04 22:00:00
13579文字
会話率:16%
侵攻を信仰が阻む訓練兵・空軍・傭兵・老兵・闇の帝王。それ等の攻撃をかわし、海岸線に辿り着いた猛者達が語る負け戦。
故に私も語る事となった。
海を目指し夜明け前に走り出した自転車が入り込む幻想文学の世界から。
最終更新:2021-02-03 05:26:09
2333文字
会話率:5%
潮の香り。南海の孤島。
南の果ての、パラダイス。
ここはまさに、ユートピア。
最終更新:2020-12-11 21:50:29
4252文字
会話率:47%
コーヒーと潮の香りがする、トイレが近くなるラブコメです。高校生になり鎌倉に引っ越してきたばかりの少年『ソソグ』。彼は趣味のカフェ巡りの最中に尿意に襲われていた。必死に海沿いを自転車で走ると、サーフィンの練習をしている女の子を見つける。トイレ
の場所を聞こうとするがその瞬間、盛大にもらしてしまった。『ナミ』と名乗ったひとつ年上の小さな女の子は、引いたりせずソソグを助けてくれる。ナミは『サーフィンショップの娘なのにサーフィンができない』という秘密があり、今は秘密の練習の最中だったという。ひょんなことから秘密を共有することになってしまった。それからナミはソソグを自分のお店のバイトに誘う。ソソグはサーフィンショップでコーヒーを淹れることになった。お店のナミや店主、常連たちとの交流で、ソソグはコーヒーを淹れることについて真剣に取り組み始める。完結後は新人賞に投稿します。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-08-16 12:00:00
102167文字
会話率:29%
にゅう麺にまつわる父と子の物語
最終更新:2020-06-16 11:49:20
962文字
会話率:30%
※お知らせ※
題名の変更を検討中です。お手数をお掛けしますが、ブクマなどの対応をよろしくお願い致します。
昔から、おそらく私は人よりにおいに敏感だった。閑静な住宅街にたまにしか通らない車から出る排気ガスはお気に入りだったし、雨上がりの山の
、普通は臭いだろうと思われるにおいも好きだった。私はふとした瞬間に嗅いだことのないにおいがすると夢中になった。今思えば周りは気が付いていない事が多かったかもしれない。
もしかしたら私はなるべくしてなったのかもしれない。
※実在する人物や団体とは一切関係ありません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-01-15 20:31:19
69946文字
会話率:42%