遠い昔のものを見ていると
不思議な気持ちになる午後三時の頃
夏ばかりが梅雨に隠れて通せんぼ
通りゃんせの唄が聞こえる神社の境内には
誰もいませんでした
秘密ばかりが増えてゆく大人の机には
見知らぬ外国の煙草の匣
船町の街にはいつも潮の香り
背中だけが影になって
見知らぬ人のような父の姿折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-29 10:21:16
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小径に差し掛かった処で死人とぶつかる
嗚呼、此処は宿場町だった
格子の間から怪し気な瞳が幾つも幾つも幾つも
目玉が何個あれば地獄へ行ける
黄泉比良坂に逢いたい人がいるんだ
先生、死体は八百屋さんでいくらで売ってますか
懐かしい夏は亡者の懐
に隠されている
墓場で花一匁
櫻の匂いは死の香り折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-01-03 11:13:11
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