南町奉行池田播磨守頼方(いけだはりまのかみよりまさ)が下す裁断についての、江戸市民たちの評判がすこぶる良い。大見得を切って正義を振りかざすような派手さは無いのだが、胸にジンと染みる温情をサラリと加える加減が玄人好みなのだと、うるさ型の江戸
っ子たちはいう。
池田播磨守頼方は、遠山の金さんこと遠山景元の後任の町奉行だ。あの、国定忠治に死罪を申し渡した鬼の奉行として恐れられていた。しかし、池田が下す裁断は、人情味に溢れる名裁断として江戸市民たちの評判を呼んでいく。
取り立て屋の市蔵が死体で発見される。
調べが進むと、小間物屋「奄美屋」の番頭清二が、借金の取りたでで市蔵に脅され理不尽な要求をされ、止むに止まれず殺したことがわかった。
世間は奄美屋に同情する。
果たして、播磨守の裁断やいかに。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-24 19:44:48
36279文字
会話率:43%
江戸風味。
妖怪と仲良しの若旦那についていく小間物屋の丁稚の少年桜吉のちょっと不思議な日常の話。
たまに更新。都度完結とします。
妖怪はちらっと登場しますがあまり恐怖系にはなりません。
最終更新:2023-10-25 00:00:00
46728文字
会話率:52%
「お耳」の続編です。赤狐が退治された後、戸田大隅守忠囿は自らも治療に専念する一方、お仙を書院に預かります。お耳は、毎日お仙のもとに看病に通いますが、その途中で美しい娘に出会い、小間物の注文と銭を預かります。品物を届けに行った玉造稲荷で不思議
なことが起こりました。
今回のお話は、戸田大隅守忠囿の上屋敷で起こった怪異の謎解きです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-04 19:41:28
6110文字
会話率:37%
享保十年、大坂玉造稲荷下の猫間川西詰に、堺屋という小間物屋があり、一人娘はお耳と呼ばれています。時同じくして、城代戸田大隅守忠囿の上屋敷では、夜毎に怪異が起こり、家臣が次々と高熱で倒れるという事件が発生していました。
最終更新:2023-05-27 21:23:32
5218文字
会話率:21%
妖達の世界「日ノ本」
その世界は 一つの権力の中心である黄帝・麒麟を帝に据えた【京】を中心に、北は玄武の【奥州】 、東は青龍の【江戸】、西は白虎の【四國】南は朱雀の【阿蘇】と4つ都市があり、その周りにさまざまな国が連なる世界となっている。
その世界の『江戸の片隅』に住んでいた、鼬と楓の木の精霊、二人のお話。
(短編です)
アルファポリス様にも乗せてあります。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-25 11:38:08
8137文字
会話率:53%
小間物問屋の一人息子である佐之助は幼い時に人のように着物を着こなした大きな化け蛙と知り合った。この化け蛙、名前を青柳(あおやぎ)と言うのだが、他人から見るとたいそうな色男に見えるのだという。家に居場所のない佐之助にとって腐れ縁の親友ともいえ
る青柳だが、二人の関係はお互いの立場から微妙なものだった。
周囲と噛み合わない佐之助。謎の多い青柳。
佐之助の辿る運命の途、青柳が担う使命とは。
※現実日本ではない架空日本が舞台、架空の江戸時代です。
※残酷描写と15Rは保険です。
※2007年以前からGotm@ilさんの小説サイト部門で公開していた作品です。
※詳細という名の言い訳は活動報告にて。
※ホラーまで行かず伝奇とも言えないのでキーワードに怪奇と入れました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-19 22:45:26
89466文字
会話率:29%
ある雨の夜、村人から理不尽な暴行を受けて殺されたその男は、ゾンビとなって村人にフクシュウ・・・あれ? ちょっと違うな? とにかくゾンビ・・・ノフクシュウの話です。
※この話は、私の連載小説「女子高の問題教師と40人の変態たち」第16話に出
てくるエピソードから派生した作品です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-29 04:22:11
8319文字
会話率:46%
背負った大きな籠をいつもより陽気に揺らして、テララは今朝もせっせと小山へ拾集に来ていた。
人っ子一人、草花さえない広大な荒野を、村から毎朝生活に必要な食糧やら小間物やらを拾いに来るのが少女の日課だ。
荒野に佇む一本の巨大な聖なる樹「母
大樹」。
雲を突き抜け、青い空一面に伸ばした枝下に積もる恵みの小山から必要なものを拝借し生活に充てる。それは少女が生まれるよりもずっと前から変わらず続いている何の変哲もない村の常識だった。その……はずだった。
籠を一杯にして姉を喜ばせてあげよう。そう意気込んで肉片の山に立ち寄り、今晩のご馳走を求め肉山の奥へ手を伸ばしたそのときだった。
――ナニカニ、ツカマレタ。
その瞬間、今まで経験したことのない凄まじい激痛が少女を襲う。軋む腕にたちまち視界が歪む。
肉塊の奥底。日の光も当たらぬ暗く湿った影の中。銀に揺らめく瞳が少女に喰らい付くように睨んでいた。
ソレとの出会いが不運にもテララを、その世界に息づく者たちを、この世界の虚像を暴く修羅の道へと誘ってゆくこととなる。
これは、"ヒトのカタチ"を苦しく、切なく、暴力的に描く物語――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-06-06 19:00:00
244537文字
会話率:45%
細い路地にひっそりと佇む名もない小さな店。その扉を開けた少女は、不思議な世界と出会う。
※個らぼwikiさん主催「絵描きと物書きのコラボ企画第一回」参加作品
https://wiki3.jp/SousakuColabo/page/107
最終更新:2019-07-23 20:04:06
5660文字
会話率:59%
江戸時代、小間物屋の二代目、竹蔵は愛妻お富に先立たたれて悲嘆にくれていました。
心配した両親は、武家の娘、お宮を後添えに迎えます。
先妻との子宝に恵まれないことに悩んでいた竹蔵は、今度こそと子づくりに励みます。
ところが、生真面目な竹蔵は毎
夜のごとく二度、三度とお宮を責めたてます。
とうとうお宮は根をあげて、どうにかしてほしいとお姑さんに相談をいたしました。
相談を受けた竹蔵の母は、一計を案じます。それは……折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-05-05 09:42:29
7012文字
会話率:18%
幽霊騒動から二ヶ月、家族団欒が出来ないと拗ねる喜助に、相変わらずな柴一、家事に勤しむ賢治、酒目当てにひょっこりと来た連達のもとに、糸井小間物問屋の丁稚奉公の少年が糸井さんからの伝言を伝えに来た。
最終更新:2017-10-06 21:23:38
21894文字
会話率:53%
江戸末期の日本。大樹と呼ばれる世界の妖(あやかし)、喜助は、幻と言われている妖怪、刀取りに襲われた村から子供を助ける。
明治一四年、助けた子供、柴一と暮らす喜助は糸井小間物問屋から、幽霊騒動の依頼を受ける。
最終更新:2017-03-31 20:55:02
81213文字
会話率:57%
日本橋通二丁目で小間物問屋を営む長門屋の番頭・為三は、ある男の帰省に遭遇する。
それは長門屋にとって、招かれざる客。勘当された先代当主の一人息子、又助だった。
ならず者となった又助を恐れた為三は、谷中天王寺裏の萩尾道場を訪れるのだが――。
用心棒斡旋仕り候 シリーズ第三弾!
※この物語はフィクションです。実在の人物・団体・地名とは一切関係ありません。
※この物語は、「巷説江戸演義」と題した筑前筑後オリジナル作品企画の作品群です。舞台は江戸時代ですが、オリジナル解釈の江戸時代ですので、史実とは違う部分も多数ございますので、どうぞご注意ください。また、作中には実際の地名が登場しますが、実在のものとは違いますので、併せてご注意ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-09-16 18:47:39
6531文字
会話率:49%
あしはらにある町、枝都(えど)に住む小間物屋の養女楓(かえで)は、あるとき色素を持たない若者、桐午(とうご)と出会う。この出会いが、怨みを胸の奥底に秘めていた楓の運命を大きく変えてゆく。
**一話が一万字を超えるとても長いものがありま
す。五千字以上の話も複数あります。ご了承ください。
**以前、別名義にて某小説賞に応募をし(て落選し)た作品を改稿したものです。 折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-06-28 17:00:00
66182文字
会話率:34%
「もう絶対に離しません。あなたはずっと、私のもの……」 呉服屋の娘杏(あんず)とそこで働く奉公人の柊(ひいらぎ)。二人は友のように親しく接するほど仲が良かった。ある時、近くにできた小間物屋の若旦那が杏の父が経営する呉服屋と親しくなるため頻繁
に出向くようになる。その度に杏へお土産をくれるので、杏はお礼がしたいと言い、柊を連れて買い物に出かけた。しかしなにやら、柊の様子がおかしくて……? 身分も性別も超えた禁断の恋愛物語。きっとあなたも、彼女の罠に嵌められる。 ※百合要素を少し含みます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-12-24 09:16:27
4454文字
会話率:65%
小作の子である喜作は、十歳になったら奉公に出された。
田舎者の喜作ば、不器用だが素直である。
叱られると、次には失敗しないようコツコツと努力を欠かさなかった。
奉公に出たことを、喜作はむしろ喜んでいる。なぜなら、読み書きも算盤も教えてもらえ
るからである。
文字や計算を覚えるのに夢中になった喜作は、遊びや買い食いの誘惑に負けず毎日の仕事に追われた。
奉公に出て十年、喜作は手代に昇格し、出入り職人との折衝も任されるようになった。
ここでも喜作の素直さが役に立ち、とかく気難しい職人が喜作を気に入り、可愛がってくれた。
手代になって五年。喜作の番頭修行が始まった。
番頭の座が現実のものになりかけたとき、喜作は恋をした。
住み込みで女中奉公に来ていた「みつ」は、無口で無愛想と評判である。
歳は十四で、無愛想では決してなく、陰日向なく働く娘なのである。
江戸者の荒い話し方が苦手な喜作は、みつと話すととても癒され、所帯をもちたいと願った。
が、奉公人同士の色恋沙汰はご法度。主人は、所帯をもつことを諦めるか、店を出てゆくかと難題をつきつけた。
悩んだ末に喜作はみつとの生活を選んだ。行くあてがみつからぬまま日だけがすぎ、喜作は途方にくれた。
しかし、一度は番頭にと見込んだ喜作を惜しんだ主人は、小間物の行商を勧めた。
喜作は、江戸市中ばかりか近在の村々にまで小間物を売りまくった。自前の店をもつために。
みつも通い女中として働いた。
はたらいて、働いて、喜作は店持ち商人となった。
かねてから喜作を可愛がってくれていた職人たちも、喜作の持ち込む難題を見事に解決して値の張る売り物を作ってくれる。それが評判となり、商いが軌道にのると、喜作は御家人株を買って武士の身分を手に入れた。
ところが、故郷に錦を飾るという当てが外れ、出役を命ぜられることになった。
金の力で武士になったことを快く思わない役人により、喜作は稽古と称して責め折檻を受ける毎日が続いた。
あまりの惨さに、明日は目が覚めるなと願いつつ、今日も目が覚めてしまう。
ウーンと伸びをした喜作は、着古した羽織の袖や、幟をたてた道具箱を目にする。驚いて見回せば、そこは柔らかな草原で、喜作を穏やかに見守るお地蔵さんがいた。
そして、気持に変化があったのか、喜作は早仕舞いをすることにした。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-11-29 09:47:27
5985文字
会話率:23%
とある町で小間物屋を営んで居りますが、同郷らしき方が居る勇者様御一行が来町されました。
是非ともウチの店に御寄り頂き、懐かしき故郷の話をしたいと思うのですが……。
最終更新:2013-12-31 13:21:54
13581文字
会話率:30%
<玲瓏宮の小雪より転載>
――七つの村の墓土を集めて埋め、三千の人がそれを踏んだら血で捏ねて千の人形を作る。
それを煮るとひとつだけ溶け残りの人形がでる。
それが何でも望みを叶えてくれる人形神になる――
知人にそう聞いた通り、人形神
を造り上げた、江戸の小間物屋・玖肆屋の丁稚のお話
ホラーというより勧善懲悪モノ色が強いと思います折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-01-17 17:38:20
11310文字
会話率:27%
新江戸時代で異世界から仕入れた珍しい品を販売しております。一行詩を結晶化した飴、アストロ灯、虹を生み出す猿、黄金の左団扇、サラマンドラの尻尾など。気になる品がありましたら、お立ち寄りください。(サイト掲載作品の改訂版です)
最終更新:2013-01-14 04:02:55
60154文字
会話率:33%
-山寺の和尚に相談事を持ち込んだ小間物屋の若旦那は、他人の女房に惚れていました--。
最終更新:2012-05-15 23:24:01
2803文字
会話率:0%
江戸物人情物に初めて挑戦いたしました。よろしくご購読願いします。
「何すんだよ!」
そう叫ぶと同時に志乃の右手が新之助の頬を張った。
新之助は能面のように表情を消して、志乃の上に覆いかぶさってきた。再び新之助の頬が激しい音を立てて鳴
った。何度も何度も乾いた音が響いた。衿からぐっと差し込まれた新之助の手に志乃の乳房が鷲掴みにされる。
「まったく娘みてぇな身体をしてやがる。親父は、この身体を抱けなかったことにまだ後悔してるんだぜ」
逃げようとしても上に乗られた新之助から志乃の自由は奪われたままである。
裾を割られて新之助の腰が志乃の中へ落ちてきた。「やめな!」と強気に応戦していた志乃の声が「やめて……」と哀願するように変わった。
新之助が力を込めた。
志乃は息を強く吸い込み仰け反った。
抗うのに無我夢中で時間の経緯がわからなかった。ただ下腹に熱いものが注がれて、志乃の体を嵐が通り過ぎた。志乃の頭が混乱し、心を殺されて放り出された。
「赤ん坊から腰の曲がった年寄りまで、深川の女という女たちを全員取り込んじまうよ! 門仲に目障りで邪魔っけな小間物屋があるけど、潰しっちまうよっ!」
大広間に集めた八十名の男達を前に志乃が立ち上がった。茜屋の五つ紋をあしらった黒羽二重を着た志乃の勢いに、臙脂の鮮やかなお仕着せ半纏の男達が一斉に野太い気合の入った返事で座敷の空気を振るわせた。
--でも、覚えているだろ? あたしゃ容赦しないよ。約束だ。あんたのこの店を潰して見せるからね。悔しかったらかかっておいで。
茜屋は、浅草は花川戸にある呉服商である。志乃はそこのひとり娘である。
法師蝉が時雨れた夏の終わり、越後から出てきた仙吉が茜屋で奉公を始めたのは、志乃が十になった時だった。
そして二人の夢は茜屋を江戸一の大店へのしあげることと一緒だった。しかし、はからずも志乃の茜屋は総力を挙げて、仙吉の深川に出した小間物屋を潰しにかかった。
それは志乃の生きてきた証にほかならなかった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2011-07-19 18:14:02
83102文字
会話率:36%