王宮の地下深くには、 “迷宮”が広がっている――その正体は、膨大な歴史書が無数に並ぶ「王宮文書館」。その最奥部には、初代国王アルベルト=アステニアによる建国の歴史を記した『王国創始記』全54巻が厳重に保管されていた。
文書館長マシュー=コー
ネルは、国の礎を広く民に伝えるべく、それを5巻構成に再編纂した『王国創始記リバイバル』を刊行した。
本好きの少年レイン=オリバーは、偶然、『王国創始記リバイバル』を手に取る――それが、彼の数奇な運命の始まりだった。
本を手にしてからしばらく経過したある日、レインと幼馴染3人の元に、王宮から突如、招待状が届く。王宮に向かった彼らを待っていたのは、王国の深奥に潜む謎と、未来を揺るがす出会いだった――。
歴史の迷宮に足を踏み入れた若者たちが王国の真実に迫っていく冒険と成長の物語が、いま幕を開ける。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-24 18:43:39
125466文字
会話率:26%
これは、西遊記の沙悟浄を主役にした、彼の思い人である三蔵と出会うまでの話。
天界の将、捲簾大将(けんれんたいしょう)にはずっと昔から気にかけている人がいた。
その人は人間で、幾度となく転生を繰り返している。
ある時は漁師、ある時は僧。
その人の何度目かの転生のとき、捲簾大将は偶然その人と出会い、その人の存在を強く意識するようになった。
しかし人の世は激動。
そこは戦、天災など、常に困難が降りかかる世界。
捲簾大将がその人に会おうとしても、すでに骸になっていることがほとんどで、捲簾大将はその骸から頭蓋を取り出し首飾りのように連ねて保管していた。
いつか再び出会う時が来るようにと願いを込めて。
そんなある日、捲簾大将は西王母主催の蟠桃会にて、警備をすることになり、養子の青鸞童子(せいらんどうじ)と連れ立って蟠桃園へ。そこで、ドジを踏んで西王母の怒りを買い、鞭打ちの刑ののち地上へ堕とされてしまう。
人の世界に堕ちた捲簾大将だったが、これを好機としてずっと気にかけていた人を探すことにした。
だが傷だらけの体は思うようには動かなくて……。
人の世界に堕とされた捲簾大将は、果たして無事、白骸の持ち主と再会できるだろうか。
※BL臭はありますが、BLではありません。BL未満で
す。しかし書いていく中でBL展開になったらBLタグをつけます。
※古典文学『西遊記』をベースにしています。
※無断転載を禁止します。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-24 18:32:39
443344文字
会話率:45%
物語の舞台:『運命の図書館』と『境界の街メドゥーサ』
遥か昔、世界には知識を司る神々が築いたとされる巨大な建造物があった。人々はそれを**『運命の図書館(ライブラリウム・ファタム)』**と呼んだ。図書館は広大なダンジョンのように階層をなし、
それぞれの階層には、失われた魔法、未知の技術、そして世界の真実が記された書物が無数に保管されていた。しかし、図書館は特定の存在にしかその扉を開かず、辿り着いたとしても、書物を手に入れるには試練を乗り越えなければならない。
一方、その図書館の入り口を守るように栄えているのが、**『境界の街メドゥーサ』である。この街は、かつて世界を救ったという『契約の勇者』**の子孫たちが暮らす場所とされ、彼らは特別な力『鑑定眼(マナ・サイト)』を持つと信じられている。しかし、彼らの「伝説」は風化しつつあり、街の人々は半ば諦めにも似た日常を送っていた。彼らの『鑑定眼』は、他者の能力や魔法の適性を見抜く力ではあるものの、その詳細を読み解くには『運命の図書館』に眠る『識者の書』の力が必要だとされている。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-24 18:00:00
59544文字
会話率:33%
愛と憎しみ、希望と絶望。時空を超えた戦いが今、始まる。
2025年、ロンドンに住む平凡な一家、マクレーン家。父ティム、母メアリー、そして3人の子供たち、アール、ヴァージニア、ジュディ。
週末の家族旅行へ出発した彼らを、突如異変が襲う。
不
気味な霧、異形の赤い粒、そして異常な音。
平穏な日常は、一瞬にして悪夢へと変わる。
混乱の中、一家は2037年の荒廃した未来へとタイムリープしてしまう。
そこは、ナノマシンと呼ばれる技術の暴走により、世界が崩壊した後の世界。
人類はわずかに生き残るのみで、怪物化した生物が跋扈する絶望的な光景が広がっていた。
謎の女性レイナの導きで、人類最後の砦「セクター7」へと辿り着くティム一家。
しかし、そこもまた安全な場所ではなかった。
少ない食料、過酷な労働、そしてナノマシンに侵された人々。
セクター7での生活は、想像を絶する厳しさだった。
しかし、そんな彼らの前に、記録保管者ハーヴェイが現れ、衝撃的な真実を告げる。
ナノマシンの起源、大崩壊の真相、そしてティム一家がタイムリープしてきた理由。
彼らは絶望的な未来で、希望を掴み取ることができるのか?
これは、タイムリープ、ナノマシン、ディストピアというSF要素を巧みに組み合わせ、人間の業、愛、そして希望を描いた物語である。
2025年3月から6月まで掲載した「灰の彼方へ(旧版)」の改訂版です。
冗長な部分をカットして、文字数を16万字から約11万字に減らし全面的にリライトしました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-24 17:10:00
53646文字
会話率:40%
2025年、ロンドンに住む平凡な一家、マクレーン家。父ティム、母メアリー、そして3人の子供たち、アール、ヴァージニア、ジュディ。週末の家族旅行へ出発した彼らを、突如異変が襲う。不気味な霧、異形の赤い粒、そして異常な音。平穏な日常は、一瞬にし
て悪夢へと変わる。混乱の中、一家は2037年の荒廃した未来へとタイムリープしてしまう。そこは、ナノマシンと呼ばれる技術の暴走により、世界が崩壊した後の世界。人類はわずかに生き残るのみで、怪物化した生物が跋扈する絶望的な光景が広がっていた。謎の女性レイナの導きで、人類最後の砦「セクター7」へと辿り着くティム一家。しかし、そこもまた安全な場所ではなかった。少ない食料、過酷な労働、そしてナノマシンに侵された人々。セクター7での生活は、想像を絶する厳しさだった。それでも、住民たちの間には絆が生まれ、互いに支え合いながら生きていた。ティム一家も、新たな隣人たちとの交流を通して、セクター7での役割を見つけ始める。しかし、そんな彼らの前に、記録保管者ハーヴェイが現れ、衝撃的な真実を告げる。ナノマシンの起源、大崩壊の真相、そしてティム一家がタイムリープしてきた理由。それは、過去を変え、未来を救うための希望だった。レイナの死、そして彼女が残した言葉を胸に、ティム一家はエリザとの戦いに挑む。過去を変え、未来を救うために。彼らは絶望的な未来で、希望を掴み取ることができるのか?これは、タイムリープ、ナノマシン、ディストピアというSF要素を巧みに組み合わせ、人間の業、愛、そして希望を描いた壮大な物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-29 22:04:09
162974文字
会話率:34%
仲間だと信じていた英雄パーティに僕は捨てられた。
理由は僕のスキル【アイテムボックス】が、この世界では「ハズレ」で「役立たず」だったから。
足を砕かれ、ダンジョンの最深部で災害級モンスターの生贄にされた僕。彼らは僕が苦労して運んだお宝だけ
を奪い嘲笑いながら去っていった。
――だけど彼らは知らなかった。
そのゴミスキルが、世界の理を覆す『レベル10』の奇跡であり、時間さえも停止させる力を持っていることを。
そして彼らが放った最強の魔法でさえも「保管」できるということを。
これは、全てを奪われた僕がたった一つのスキルで偽りの英雄たちに復讐し、やがて本当の伝説になるまでの物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-24 11:58:44
25545文字
会話率:25%
僕の考えた最強ホラーの短編、長編、いろいろな題材を保管する。
応援やフォローお願いします。
あると本当にうれしいです。
最終更新:2025-07-24 05:00:00
240114文字
会話率:16%
大陸中央に位置するヴィーチェ帝国は、10年前、隣国アウトランド王国の侵攻を受け、これを撃退、さらには王国に壊滅的被害を与えていた。復讐に燃える王国の再度の侵攻に備え、帝国では秘密裏に「国土防衛計画」が作成される。この計画は、防諜のため立案し
た軍人4人の記憶によって保管されていた。
一方、王国では、この「国土防衛計画」の存在を抹消するため、4人の暗殺を目的として特務機関「傾国」が結成される。「傾国」一のエージェント・ファルは、早速判事(裁判官)見習いとなるために帝都に赴く途上のアンゼリカ・フランセルを暗殺し、自らがアンゼリカに成り代わって裁判官となる。そして、「傾国」エージェントにより殺されていく4人の軍人の殺人事件を担当し、真犯人が有罪とならないよう、隠蔽活動を行うのであった。
※作中の司法制度は、すべて創作です。現代日本の司法制度とは何ら関連はありません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-21 20:00:00
21064文字
会話率:38%
ガラハイド国と〈天の民〉軍との攻防戦に勝利し、ガラハイド国を後にしたカナンとエイデン。ふたりは、半ば強引についてきた予言者レディ・マリエルと彼女の護衛の騎士スヴェアと共に、〈地の民〉の全ての貴族と聖王家の家系図が保管されている系譜図書館を訪
れる。その目的は、カナン以外の七賢者の血を引く者を探す為であった。
しかし、エイデンが危惧していた通り、他の〈地の民〉国々が、辺境の小国にすぎないガラハイド国が強大な〈天の民〉軍を殲滅した「秘密」を探り出し、その力……すなわちカナンとアリアンテを手に入れようと動き出していた。
そして、〈天の民〉側もまた、ハランの最高位にして〈庭園〉の守護者テンペランスが、〈地の民〉でありながらアリアンテを持つカナンの存在に注視していた。
さらに、カナンの周囲にはアニガン卿の影もちらついて………折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-20 12:39:35
117048文字
会話率:37%
若き眼科医新井信二は、ある日の休日。道端で奇妙な物体を拾った。家に持ち帰って眺めたところ、その物体は一見ライターのような物体であったが、奇妙な事に見た事もない文字が書かれているうえ、不思議な事に傷一つなかったのである。不審に思ったが、しばら
く家で保管する事にしたのだが……。
やがて世界は、少しずつ変わり始める……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-19 22:00:00
41073文字
会話率:23%
第二次世界大戦がヨーロッパで勃発した1939年末、日本では突如して巨大建築物が出現した。
国立国会図書館と書かれた建物には2020年までの書物が保管されていた。
陸海軍、政府は隠ぺいを行い、未来を知ることとなった軍部はもはや回避できない状況
となっている対米戦争を、未来の技術・知識を用いて勝利へ導こうと考える。
帝国の未来は、どっちだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-19 18:00:14
119595文字
会話率:29%
――この遺体、誰のものでもないんです。
ある日、身元不明の遺体が“返却対象”として保管された。
申請者は五名──皆、それぞれの「故人との関係」を証言する。
だが、どの証言も少しずつ異なっていた。
異世界転生した“死人探偵”羽鳥翔一が挑む
のは、
“死んだはずの男”の名前をめぐる、静かなミステリー。
記録に残せぬ者たちの、“記憶”の物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-17 00:00:00
7016文字
会話率:44%
エンダルジア王国は、「魔の森」のスタンピードによって滅びた。
錬金術師のマリエラは、『仮死の魔法陣』のおかげで難を逃れるが、ちょっとしたうっかりから、目覚めたのは200年後の錬金術師が死に絶えた世界だった。
スタンピードで出現した迷宮と、魔
の森を管理するために王国跡に作られた迷宮都市には、ポーションは数十年前から保管されている劣化した物しかなく、超供給不足で値段は高騰。
ポーションを作れる都市で唯一の錬金術師になってしまったマリエラが、こっそりポーションを販売したり、迷宮都市での暮らしをのんびり楽しんだりするお話です。
☆★☆KADOKAWA/エンターブレイン様より4巻とコミックス1巻 9/1同時発売です☆★☆B's Log COMICSでコミカライズ連載中!☆★☆TVCM第2段を作成して頂きました! 今度はジークverです。→https://youtu.be/QLXE8LgvYCs youtubeにUP頂いておりますので、よろしければご覧ください。第1弾マリエラverはコチラ→https://youtu.be/ip30XatO6_8 ☆★☆折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-12 20:00:00
1334641文字
会話率:29%
魔法具のアクセサリーを作っているルクレアは。王都に出てきて叔父と一緒に城へ魔法具を納品しに行ったところ、カイネス殿下と出会う。カイネス殿下は初対面なのにルクレアの作った魔法具を気に入ってくれたようで、ルクレアも初めて会ったような気がしない。
ルクレアが王都に出てきた目的はもう一つ、城で保管されている大きなサファイアの宝石を見ること。念願かなって宝石を手にしたとき、どうやら数百年まえの幽霊に乗り移られたようで体が勝手に動くようになってしまった。ルクレアとカイネス殿下のお話です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-11 21:57:53
37356文字
会話率:40%
書庫は深く、蔵書は果てなく、そして広報の仕事は……終・わ・ら・な・い!!
架空世界『エルセリア』に存在する、蔵書持ち出し禁止&年4回のみ一般公開という超・閉鎖型の知識保管庫『ウルオール図書館』。
そこに新しく配属されたのは、司書資格を
得て学校を卒業したばかりの新人!?
クイズ企画に分類法の解説、謎の司書たちの小言まで。エルセリア世界のSNSを活用した広報活動の裏側では、知識と創作の交差点が広がっていた。
これは、とある広報担当者の奮闘と、エルセリア世界の深みへと読んでいる『あなた』を少しずつ引き込む物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-03 16:00:00
6027文字
会話率:50%
ウルオール図書館内に掲示されている分類番号の一覧です。図書館内ではお静かにご利用をお願いいたします。
また、図書館内での魔法の使用は禁止されています。ウルオール図書館は、人類の共同保存図書館であり、ここの保管されている書籍が世界で最後の1冊
ということがあります。皆様のご理解ご協力をお願いいたします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-14 14:14:03
817文字
会話率:0%
紫峰灯、恋人なし、友達少し、無趣味でひきこもりがちの二十三歳、社会人二年目。
高校卒業前から両親にお見合い結婚を強要されていた灯は、大学合格を期に実家から逃げ出そうとする。しかし、当然に両親は灯の逃走を許してはくれなかった。紆余曲折、灯は「
両親からの援助は受けず、一人で生活できなくなったらすぐに実家に帰る」という条件の元、どうにか実家を出ることに成功する。
大学を卒業し、社会人になってからも両親の束縛は続いた。「両親に仕送りができなくなったら実家に帰る」という新たな条件が追加され、灯は実家に戻りたくないという一心で仕事に明け暮れていた。
そんな彼女は、ある日、成り行きでストーカーに襲われていた美丈夫を助ける。灯が助けた青年、潮木大河は人懐っこいゆるふわビッチでゲイのモデル。衝撃の出会いから、灯と大河が親友と呼べる関係になるまで時間はかからなかった。
大河の兄で歪んだブラコンを突き通す海洋生物学者の潮木流星は、弟と仲の良い灯に目をつけ、騙すかたちで自分の仕事の助手になるように仕向ける。
その仕事というのは「人型異生物保護管理機構」、通称「異保管」の雑務手伝い。さまざまな特性を持った人間に似た人間ではない生き物――異人の生態を守るという秘密裏の仕事だった。
灯は流星の思惑通りに彼の助手という立場に収まり、同じく異保管に所属する絶世の美貌を持ったオネエの人魚、ネルとともに仕事に当たることになる。
しかし、流星から灯に課せられたのは異保管の業務だけではなかった。流星は灯が金銭的に困っていることを助ける引き合いに「弟と人魚が恋に落ちるのをとめてくれ」と願い出る。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-01 07:30:00
213592文字
会話率:45%
荷物持ちの『収納』スキルは無能だと、勇者パーティーを追放されたアルト。
しかし、そのスキルは絶体絶命のピンチをきっかけに、あらゆるものを容量無限・時間停止で保管できる最強の『次元倉庫』へと進化を遂げた!
魔物も、ダンジョンも、伝説の武具さ
えも丸ごと“収納”できるようになったアルトは、ソロ冒険者として成り上がっていく。
一方、荷物持ちを失い苦戦する元パーティー。
彼らが血眼で目指すダンジョンの宝を根こそぎ独り占めにしたアルトに、今更「戻ってきてくれ」と泣きついても――もう遅い!
無能と蔑まれた少年の、痛快無比な“ざまぁ”ファンタジー!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-30 08:00:00
12079文字
会話率:24%
この作品はカクヨムにて執筆したは良いものの投稿しなかった話をまとめて放り込んだものです。途中で投げ出したものだけが入っています。
どなたでもパクって小説の執筆に役立ててください。できればその旨を匂わせてくれると尚嬉しいです。
最終更新:2025-06-29 00:00:00
49497文字
会話率:32%
私が、保管するの、ただの辺鄙なものがたり
そこに愛はなく、侮蔑もなく、敬愛も侮辱も恋心も嫉妬もない。
ただ、貴殿らに伝えられるのは生きるということだけだ。
君たちにはどう見えた?
何が見えた?
わたしの言いたいことは分かるかね?
伝わらない
よ、知る由もないよ。
だって、君たちは「 」なんだろ?
救いたいから救うのか?
自己の保身のために人を救うのか?
でも、……死ぬのは少し怖いかもな。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-20 23:22:49
3273文字
会話率:18%
──プログラム外の記憶シリーズ、続編。
アニマヒューマノイドを治した精神科医……ジャズと名乗るアニマヒューマノイドの言葉は、マコがひっそりと行った活動の一端が、人知れず広まっていることを示唆していた。
診察を進める中で、ジャズが働
くアミューズメント施設「ファンタイムプレックス」での異変、そして彼が目撃した「不審者」の存在が浮かび上がる。警備スタッフの騒ぎ、そして施設のイメージにそぐわない謎の男──その銀髪の人物が振り返った一瞬、マコは息を呑む。拡大された映像に映し出されたエメラルドグリーンの瞳は、マコの記憶の書庫に保管されていた一つの名を呼び覚ました。
再び動き出す運命の歯車が、マコを新たな謎と対峙させる。ジャズの抱える症状は、単なるバグなのか、それとも──?
物語は今、再起動する。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-15 12:00:00
43742文字
会話率:56%
この作品は前作「人類は孤独ではなかった――タイタン探査が明らかにした新たな知性との邂逅、そして旅立ち」の続編です。
本作から読み始めても、まったく問題はありません。
むしろ、ここを起点にして、後から前作を読み直していただくことで、時間軸を遡
るように物語を再構成する読み方も可能です。
22世紀半ば。
人類は土星の衛星タイタンにおける探査活動中、メタンの海の底で静かな文明を築いていた種族――エリディアンと出会う。
彼らは人類とはまったく異なる認知体系を持ちながらも、共鳴というコミュニケーション方法により人類との意思疎通に成功した。
エリディアンは、土星の表層を覆うストームセル(雷嵐)に宿る微細な秩序と意識の兆候を読み取り、さらに巨大な惑星――木星においては、はるかに進化した知性が潜在している可能性を示唆した。
人類とエリディアンは共同で木星へと赴き、そこで半覚醒状態にあった超高度知生体「オメガ」を覚醒させる。
覚醒したオメガは、自らを含む銀河各地のストームセルが構築してきた超知性ネットワーク――ヴォクス・インフィニタの存在を明らかにする。
そしてその記憶の中から、恐るべき事実が浮かび上がる。
――銀河中で、数多の知的種族が忽然と「失踪」している。
それは数百万年から数億年というタイムスパンで幾度となく繰り返されており、理由も痕跡も残されていない。
これは、かつて人類が直面した「フェルミのパラドックス」、すなわち「なぜ人類は宇宙で知的種族に出会わないのか」という疑問に対する、現実的かつ深刻な答えかもしれないと人類は気づきはじめる。
オメガは語る。
この謎に迫るには、銀河に分布するヴォクス・インフィニタの「ノード」――すなわち、半覚醒状態にある超高度の知性とその無限の記録の保管庫を次々と目覚めさせ、情報を統合していくしか道はない。
そのためには、「扉」と呼ばれる時空構造の亀裂=ゲートウェイを通じて超光速でノードに到達する手段が必要だった。
オメガはこの技術の実現可能性を示し、人類とエリディアンは協力して、生きた宇宙船「コヒーレンス・アーク」を建造した。
3隻のアーク――ARC-1「アルファ」、ARC-2「リュクス」、ARC-3「ノヴァ」は、それぞれ異なるノードへと旅立っていった。
それは、知性という存在の存続そのものを賭けた、銀河規模の探索のはじまりだった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-11 22:00:00
107967文字
会話率:25%