「テレーゼ様、お覚悟はよろしいですか」
「……はい」
死刑執行人のアルバンさんが、女性かと見紛うほどのお美しい顔で私を見下ろしている。
後ろ手に縛られている私は、アルバンさんにそっと首を差し出した。
大丈夫、全然怖くない。
この人
なら、痛みを感じる間もなく私の命を絶ってくれると知っているから。
「では、参ります」
アルバンさんが聖剣ニャッポリートを、天高く掲げる。
「――あなた様に、魂の救済があらんことを」
ヒュンという風を斬る音と共に、私の意識は途絶えた。
「テレーゼ、ただ今をもって、君との婚約を破棄する!」
「――!」
目を開けるとそこは華やかな夜会の最中。
私の婚約者であり、我が国の王太子殿下でもあらせられるヨーゼフ様が、ドヤ顔で私に指を差しながらそう宣言した。
……ああ、また戻ってきちゃったか。
これでもう何回目かしら。
10回を超えたあたりからは、数えるのも億劫になっちゃった。
――何故か私は死ぬたびに、この場面まで時間が戻ってしまう。
何とかこの状況を打開しようと、あの手この手を尽くしてるんだけど、不思議と結果は毎回断罪エンド……。
一応私なりに頑張ってるつもりなんだけどなぁ……。
まあ、落ち込んでても始まらないわ!
今回こそは、断罪エンドを回避してみせるわよ!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-09-30 21:15:25
4690文字
会話率:53%
必要なものを必要な時に。
©2022 弓良 十矢
最終更新:2022-09-22 00:00:00
394文字
会話率:0%
今からおよそ五十年前、この世界に『門』が出現する。それはこことは違う世界『異界』へと繋がっていた。
そこから世界は、異界人と友好的な関係を築こうとする『友好派閥国家』、異界人をこの世界から排除し一切の関わりを断とうとする『強行派閥国家』、中
立的な立ち位置を崩さない『保守派閥国家』の三つに分断される。
友好派閥国家である日本の異界省執行人である高切真也は、ポーランドで発生した強行派閥国家との戦争による負傷で、アメリカで隠居生活を送っていた。しかし、日本の異界省により強制送還される。真也が戻った先には、こちらの世界の留学生として長期滞在をすることになった、異界賢者の娘、スノウ・ドラグリオッドが待っていた。
下された指令は、スノウ・ドラグリオッドの護衛。強行派閥国家のテロリスト達との戦いに身を投じていく中で、真也に秘められた過去が明かされていく……折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-09-19 19:46:41
51553文字
会話率:44%
貧乏商人エリオットは高利貸しアンナへの借金返済が迫っていた。
エリオットは返済の為、アンナと共に訪れた家で死体を発見する。
死んでいたのはエリオットに仕事を依頼した男。もちろん男の死により報酬は未払いに。
仕事の報酬がなくなり返済が出来なく
なったエリオットだったが、
アンナは死体の傍らにある阿片に金の匂いを嗅ぎ付け、
帝国自由都市マリアノフの阿片利権を的にかける。
「血か」
アンナの呟きが聞こえた。
足元に広がるぬめりは血溜まりだった。
「どういう状況だ」とアンナは続ける。
「困ったことになった」とエリオットはいった。
「お前じゃない、エリオット。お前の友達だよ」
「同じだ。困っていたみたいだ」
「過去形だな」
「もう過去の人だからな」
男が死んでいた。
元諜報員のアンナと元死刑執行人のエリオット。
共に知られたくない過去を持つ二人が都市に潜む金、阿片、宗教派閥の闇へと巻き込ま折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-09-07 02:11:03
211164文字
会話率:57%
初短編です。
残酷な描写があるため、R 15となります。
よろしくお願いします。
最終更新:2022-07-23 20:12:37
9583文字
会話率:49%
碓氷菊右衛門は死刑執行人である。これまでに数多の罪人の首を斬って来た。初めて斬ったのは愛した女の首であった。心を無にし、罪人の首の下におわす仏を斬るつもりで、その仕事をこなして来た。
ある日、刑場に一頭の暴れ牛が乱入する。その首を斬り落とし
た時、初めて首の下に仏は見えなかった。
仏無用で人を斬れるようになった時、菊右衛門の中で、人間として絶対に持ち合わせているべきものが壊れた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-07-22 07:34:46
5270文字
会話率:42%
かつて悪党を倒す正義の執行人は、なぜ、処刑執行人に身を堕としたのか。
合わせる顔を失くした男に待ち受ける結末とはーーーー!?
最終更新:2022-05-29 21:30:54
1325文字
会話率:39%
ローラは冒険者として相方のリアンと共に活動している。危険なクエストにも立ち向かい、完璧にこなしてギルドへ戻ってくる。
そんな二人は誰もが認める最強のパーティだ。しかし、そんなローラには別の仕事もある。それは裁判で極刑になったものを裁く執行人
。
ローラはこの仕事を笑みを浮かべながらこなし、落とした者の首を綺麗に包んで家に持って帰る。
極刑を笑顔で実行できるイかれた精神、死者の首に価値を見出し収集している事から、いつしか彼女は『骸集めの執行人』と呼ばれるようになった。
しかし、ある日いつも通り刑を執行していると、見物席から1人の男が逃げ出し、リザニウムという伝説上の石を使おうとするが、死んだ人物が生き返ることはなく兵士によって捉えられる。
使用されたリザニウムが偽物と思われていたが、実はそれが本物でありこの世界にまだ持っている人物が潜んでいる可能性があると知った王は、ローラとリアンに世界中を回ってリザニウムを回収して来るよう頼んだ。
リザニウムが蘇らせることができるのは人のみならず、古代の魔物や伝説上の魔物も蘇らせることが可能なのだ。
その石を回収し、世界を脅威から救うため2人は世界中を回る旅に出る。
この作品は「カクヨム」にも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-01-17 15:57:48
47611文字
会話率:38%
今日も、三途の川の渡し守エフのもとに、生者とも死者ともつかぬ悲しきワンダラーがやって来た。とある死刑囚の死刑執行を終えたばかりの刑務官・谷口淳(たにぐちじゅん)が、エフとこの国の死刑制度について語り合う長い長い夜の物語。今こそ死刑執行人の悲
痛な告白に耳を傾るべし。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-01-13 21:10:24
4303文字
会話率:45%
とある西の果ての国には、少し変わった物がありました。
『処刑塔』……それはかの国の象徴的存在で、塔で生まれ塔で死ぬ処刑執行人たちの狭い世界でした。
そして、国で捕まった犯罪者はその罪の重さにかかわらず『処刑塔』に送られ、秘密裏に刑は執行
され闇に葬られるという恐怖の代名詞でもありました。
これは
来る日も来る日もあらゆる手段で命を奪う、そんな昏い世界で生まれた一人の少女と
いつ生まれたのかも今となっては分からず、またいつ死ねるのかも分からない青年の
物語。
◇
第14回書き出し祭りの寄稿作です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-01-09 00:05:30
3754文字
会話率:44%
これまで1000人以上の罪人を斬り殺した【死刑執行人】シャルル。
1000を超える殺人の末、彼は常人離れした身体能力と精神力を手に入れた。
そんな彼の異常性を唯一見抜いたハルマン副校長によって、彼は特待生として超名門魔術学園【ユンフェルノダ
ーツ】に迎え入れられる。
シャルルは自分が『特待生であること』と『元死刑執行人であること』を隠し、処刑人メンタルと処刑人フィジカルで名門魔術校を生き抜いていく。
【第一巻発売中です!】折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-01-09 00:02:15
200228文字
会話率:46%
裏BDC(バトルドールコロシアム)で三指の実力を持つBDM(バトルドールマスター)にまで成長した聖玲也(ひじりれいや)は、"黒の執行人"の異名で裏の世界のBDM達に知れ渡っていた。
玲也はある筋の情報を手掛かりとして、二
つの目的のためにフィアーユ大陸内で有数のBDM養成機関であるエルゲスト学院に入学する。
最初はあくまでも情報収集の一環として入学したため、実力を隠しながら平穏な学院生活を過ごすつもりであった。しかし仲間との出会いや様々なトラブルに巻き込まれていくことで、その実力を発揮せざるを得なくなっていく。
一話辺り五千字前後を目安に書いています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-11-16 08:29:09
398236文字
会話率:46%
冤罪により殺人鬼に認定され死刑が確定した俺が生きるには死刑執行人になるしか無かった…
生きるか死ぬか…
壮絶なサバイバルが今始まる…
最終更新:2021-10-23 08:46:26
3092文字
会話率:88%
人間統制法という人口が増えず着たための間引き政策が作られた近未来の悲しき執行人の話。
最終更新:2021-09-28 17:00:00
3195文字
会話率:68%
私刑執行人な奴の話。
最終更新:2021-08-25 12:00:00
675文字
会話率:24%
平穏を愛する伯爵令嬢イレーヌは、婚約者である王太子リュシアンからやっと婚約破棄を言い渡された。
女にだらしないリュシアンは浮気し放題。面食いな妹アデルにまで手を出す始末。
アデルからは早く王太子を譲れと嫌がらせをされ、毎日うんざりしていた。
これで肩の荷が下りた――と思ったのもつかの間。
なんとふたりからやってもいない罪をかぶらされそうになってしまう。
そこへ現れたのは「執行人」のユリウス。彼は罪人を断罪することを許された唯一の公爵家当主で、人嫌いで罪を許さない冷酷な人物だとの噂である。
そのユリウスから言い渡された罰は、死刑。
絶望するイレーヌにユリウスは罰から逃れる方法があると持ちかけてくる。
「死刑がいやなら俺と結婚しろ」
ユリウスはなぜなんの得もない自分との結婚を望むのか、イレーヌは困惑する。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-25 10:07:43
8998文字
会話率:50%
死刑執行人の青年アダムスキーは、友人の頼みで異国から遥々やって来た食糧泥棒の獣人を捕まえることになり、更にはその獣人の処刑も彼が執り行うことに。しかし、過去に自分の手で処刑した前国王の遺言を頼りにしたのか違うのか、訳も分からず獣人を連れて逃
げてしまう。追手を振り切る為獣人の故郷を目指して逃避行する2人は、旅を続ける内に前国王の遺言の真意を理解していく.................。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-03 17:40:45
12723文字
会話率:61%
少年は、知らない世界への扉を開けたー。
最終更新:2021-03-01 16:34:15
2190文字
会話率:48%
不幸な少女が紫の猫に導かれ辿り着いた場所は……。 改稿中です。 一話から書き直しています。 めっちゃ不定期更新です。 感想大歓迎です。 小説家になろう、MAGNET MACROLINKでも投稿中。 ちなみに表紙は旧都なぎさんのものです。 元
【闇月ヒカルの手帳~ハッピーエンド執行人~】です。 長いので変えました。アルファポリス、MAGNET MACRO LINK、ノベルアップ+でも投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-24 01:01:42
15770文字
会話率:37%
『世界はタイムリープのループにハマっていた。
その周期はたったの5秒。
そう、世界は同じ5秒を延々と繰り返していたのである。
これだけ周期が短いと、結構な人数が気付いているのだが、たったの5秒では何も出来ずにいた』
を見て考えたものです。
悪役令嬢と呼ばれた公爵令嬢と、罪もない公爵令嬢を陥れた王子とその恋人の受けた報いです。
『婚約者を陥れ処刑した王子が、自らの言葉によって永遠をループする』
で書き足りない部分を、続きとして。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-11-03 07:07:29
317056文字
会話率:55%