中学二年生の二学期、家の都合で別所向(べっしょ むかう)は転校することになってしまった。
だが、いざ転校の当日、学校をでるやいなや〈一ヶ月前〉に時間をもどされてしまう。
この無限のループを脱出する条件は「いかないで」と誰かに引きとめ
られること。
平凡で友だちも少ない彼にとって、それはほとんど不可能のように思われたが……
※カクヨム ハーメルン にも掲載。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-15 16:52:29
151620文字
会話率:36%
ケンカ好きの不良、世良(せら)の体と、
幼なじみにふり向いてもらえない乙女、美玖(みく)の体が、入れかわった。
世良は三姉妹の中で育って「女」や「女体」を見なれすぎており、それでいて生まれつきのインポテンツだった。アレがたったことが
ないのだ。そのせいか性欲もなく、つねに彼は賢者タイムだった。
しかし、入れかわりのあと、美玖(中身は世良)のパンツを目撃して、なぜかギンギンにたってしまう。
はたして二人の運命は?
※ハーメルン にも掲載。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-25 01:45:45
96602文字
会話率:37%
とにかく彼女がほしい、高校二年生の小波久 正(こはく しょう)。
彼は容姿〈だけ〉は100点満点だが、そのほかが0点だった。
外見に中身がともなっていないことを見抜かれ、告白は成功しても、あっというまにフラれてしまう日々。
あると
き、幼なじみでもあり、親同士の結婚によって〈妹〉になる予定の、
伊良部 勇(いらぶ ゆう)のパソコンを借りる。
そこで見つけたものは――
※ハーメルン にも掲載。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-04 02:25:12
117363文字
会話率:37%
900年前、平安京に住む機織り女の香織は宮大工の四郎と結婚したが、四郎は仕事に行ったまま帰ってこず、香織は白髪になっても待ち続け、若い男の血を吸うことで若さを保っていた。時は流れ、妖怪と化して現代まで生き続けた香織は、今でも次々と恋人を取り
換えてはその血を吸って生きながらえている。ある日、香織は、900年間待ち焦がれている夫・四郎と瓜二つの男性、城崎と出会う……。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-03-27 12:27:49
665文字
会話率:0%
京都は長い歴史があります。
表の雅とは違うのはいつの世も同じです。
悲しい定の人もいるものです。
最終更新:2020-01-19 15:12:18
890文字
会話率:0%
「あの子(の中)には、二人いるんです。」
「二人??」
「分からないですよね。人格が2人いるんです。」
「襲われそうになった娘と家にいたって言った娘?ってことですか」
「はい。表現の仕方が難しいんですが。先ほど言った虐待を受けた娘が
、はるです。もう一人が、ちいといいます。そして・・・」
「そして?」
「二人は、姉妹なんです。」
「えっ?」
俺達が知り合った子は、どうやら複雑なことになっていたらしい。
でも、状況を聞いても驚きはしたものの突っぱねる要素は全くなかった。
むしろ家族になれればと思った。
そこから、二人との関係が始まる。
しかし、まだ家族になろうとしている蓮と響以外のメンバーには言えない重要なことがあった。
それはいったい・・・折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-23 00:00:00
82391文字
会話率:60%
海外で仕事をしている家族と離れて、日本に住んでいた健翔。
急に、妹の伊織が帰国するって連絡があり・・・・そこから物語が始まる。
伊織が、帰国した理由とは・・・・いったい。
最終更新:2023-09-18 22:00:00
1184561文字
会話率:78%
俺はとある国の騎士。
幼馴染である殿下に付く騎士だが、殿下から「とある女性を守って欲しいと」
その女性が、どこからかやってくるって聞いて驚いた。
その女性はいったいどこから・・・・。
見切り発車で、掲載始めました。
不定期更新予定。
短編になるか中編、長編になるかは今のところ不明です。
書ききれないと判断した場合は、削除する場合もありますのでご了承くださいませ。
続き気になると思われましたら、ブックマーク登録お願いします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-03 23:00:00
14540文字
会話率:62%
嵯峨野の月を書くことになったきっかけ
最終更新:2023-09-22 10:47:59
1435文字
会話率:4%
嵯峨天皇と空海が作った「日本」の物語─
この話は、本当の自由とは何か?を希求し続け1200年前の日の本で精一杯生きた人々の物語である。
この作品はカクヨムでも掲載されています。
最終更新:2023-09-18 16:46:34
731743文字
会話率:25%
嵯峨野の月で坊さん同士の男色シーン書いてもBL書いてるつもりなし。
(比○山に怒られそうなレベル)
メタSFヒーロー戦隊ものは書いてもファンタジー書いてるつもりなし。
と兎角、オタク文化への迎合を拒絶してきた面倒くさい人の30年間です。
最終更新:2022-01-07 13:21:52
1719文字
会話率:6%
主人公は呪われた破壊神。人類や神々とは敵対しています。何度倒されたとしても、何度でも立ち上がって神々に戦いを挑む、ちょっぴり可哀想な破壊神と魔女たちの物語。何度負けても、数えきれないほど奪われても。その度に強くなって一歩ずつ前進し、いつか必
ず大切なものを取り戻すため、ただそれだけのために世界を敵にまわし戦う。
【あらすじ】平凡な男子高校生、嵯峨野深月(さがのみつき)は、幼馴染の女の子と夜道を散歩しながらいい感じに告白する空気を作ったところで事故に遭ってしまう。
次に目が覚めたのは病院のベッド……ではなく、滅びかけた異世界。しかも世界の端っこにあるド田舎の開拓村だった。異世界人に転生した深月は、チート魔法を駆使して日本に帰るための旅を始めた。
あの時、言えなかった言葉を言うために、あの日、伝えられなかった気持ちを伝えるために。
挿絵あります。環境によっては重くなるかもしれません。ご注意ください。
読みやすいようするため改訂作業を続けています。途方もない量なので改訂作業いつ終わるか分かりませんが、コツコツやってます。九章の書き直し終わり、現在第十章あたりを改訂中。
舞台は剣と魔法の世界で、ラブコメなんですが世界はとても残酷です。第九章あたりから主人公が俺TUEEE、ヒロインは私TUEEEするので後半になればなるほど血が流れ、大勢の人が死ぬ表現があります。苦手な方はご注意ください。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-12 07:20:51
3191561文字
会話率:38%
私は、旅、特に京都に行くのが大好きです。しかし、ここ3年ばかり、コロナ禍で外出を控えていたこともあって、京都に行けていませんでした。
コロナへの規制も徐々に緩和され、「そろそろ行っても良いかな?」と思うようになってきた、2022年11月
のある日。私は職場から休日勤務の代休を言い渡されました。
急遽入った休日(※平日)。私は思いました。「そ○だ! 京都行こう!!」と!
これは、その時の旅の記録です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-01-25 07:50:09
22062文字
会話率:3%
人の世にあって人の世に潜み、人に害を成すもの––それを怪異と呼ぶ。
害なす怪異を討ち滅ぼすもの––かのものを術士という。
人の営みの側で術士を影から支える存在––裏方と称す。
古より人に似て怪異に非るもの––総称として妖と定義する。
人の
世の裏側で、人に害を成す怪異を討滅する術士たち。
協定を基に共闘する妖の力を借りて、何百年もの間一定の安年を維持していた。
しかし、『丸の内事変』を機に協定は崩壊し、一部の術士と妖によって術士の世界は管理されてしまう。
10年に及ぶ悪政は『鬼の一族の滅亡』によって終止符が打たれたが、多くの術士と妖を失う結果となった。
西暦2074年ーー京都、嵯峨野。
その地で確認された一体の式神によって、新たな動乱の幕が上がる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-23 23:58:53
19295文字
会話率:40%
朝、いつも通り起床した
主人公の嵯峨野レイト。
リビングにいくと、珍しいことに
姉、母、父の3人がテレビの前に集まっていた。
仕事に行かない方がいい。
と家族に止められるも、
稼ぐんだと振り払っていつもどおり勤務した
ところ、街の暴動に巻き
込まれてしまう。
噛まれて死んだかと思えば蘇り人を襲い始める者、死んだままの者。
そんな化け物に命を脅かされ毎日を過ごす主人公の行く末とは、、、
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-15 04:13:00
2437文字
会話率:33%
ある時、女の子に出会ったぼっちな俺。その女の子から持ちかけられてきたことは、異世界転移しないかということだった。いつかきっと魔王を倒す、脇道ずれずれな物語!この作品はノベロバにも掲載しています。
最終更新:2021-03-02 00:20:41
1738文字
会話率:65%
20歳のフリーター・堀田美咲は,ある日バイト先のカフェをリストラされてしまう。
生活がかかっているため早速次の仕事を探し始めた彼女は,ネットで「嵯峨野〈さがの〉よろず相談所」という怪しげな企業の求人を見つける。
何だかよく分からないまま,「
ここならすぐにでも採用されそう」と応募メールを送ると,その日の夕方に面接に来るようにと連絡がくる。
夕方,面接に向かう美咲の前に現れたのは謎の浮遊物。――実は彼女,妖怪などの類が見える体質だったのだ!
浮遊物に導かれて辿り着いたのは,大きな屋敷。その屋敷の主こそ,平安時代から代々続く陰陽師の若き末裔・嵯峨野大我(30)だった。
パソコンのスキルと実践空手3段の腕を買われ,美咲は助手兼ボディーガードとして,日給7,000円で嵯峨野に雇われることになり……。
妖怪・式神・呪術・超常現象――。これまでは「平凡」だった美咲の日常は,その日を境に摩訶不思議なものに囲まれた日々へと変わっていく――。
※エブリスタでも公開します。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-30 11:58:42
8755文字
会話率:28%
一年目(大文字、如意ヶ嶽):三十路の一人旅に京都に来ていた女医麻衣子は、満開の桜に粉雪が舞い散る、そんな不可思議な春先の清水寺へ通ずるねねの道で一人の中年男性植村と知り合った。旅先の気軽さから麻衣子は植村と行動を共にした。その後は別れ、それ
ぞれの生活に戻った二人であったが、その同じ年の大文字の送り火の日に、鴨川の橋の上で再会した。そして、「五年間、毎年この五山の送り火を一つずつ観るためにこの京都で会おう」と約束する。
二年目(妙法):二年目も再会した二人は、嵯峨野、保津川下り、竜安寺等京都旅行を楽しむ。植村は二十歳の時に自殺した自分の娘と、麻衣子は亡き父親と、お互いがそれぞれの思い出を重ね、一緒に居る内に次第に強く惹かれていく。
三年目(舟形):不倫の恋に落ちた麻衣子は、植村との恋愛感情の中で人の性の奥深さを知る。「私だって、女だから、自分の子供をこの手で抱いてみたかった」好きな人の子供が欲しい。女の性が麻衣子を動かし、その夏、女の子を身ごもる。
四年目(左大文字):出産を決意した麻衣子に突然の不幸が襲う。妊娠期間中に胃癌を合併してしまうのだった。妊娠合併中の胃癌は予後が不良である。胃癌摘出と帝王切開によるダブルオペレーションにより出産を乗り切り女の子、京子を授かる。同時に行われた胃癌の摘出手術も一時は成功したかに思われたが、転移巣が麻衣子の身体を徐々に蝕んでいた。
麻衣子と植村との人生の糸は複雑に絡み合っていた。麻衣子との会話の中から、麻衣子の母親は、実は植村は自分が学生時代に交際し不本意にも別れることになってしまった男性であることに気づく。そのことを知らないまま麻衣子は他界する。
五年目(鳥居形、曼茶羅山):麻衣子の母親は一人、京子を連れ五山の送り火を観に京都を訪れていた。麻衣子が果たせなかった五年目の鳥居形を観に来た。色とりどりの灯籠が交錯する広沢の池の畔に立ち、幾重にも重なる自分の人生を振り返る麻衣子の母親。鳥居形の五山の送り火の炎の奥に女の感情が激しく揺れる。そしてその時、広沢の池に架かる橋の上に、二人の姿をじっと見つめる植村の姿があった。
やっと自分の思いを託せる男性にめぐり合えた麻衣子であったが、五山の送り火の炎の様に、その限られた時間の中で悲恋に終わってしまった。しかし、そこには幾重にも織り重なる女の性の人間模様が隠されていた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-09-07 09:00:00
65212文字
会話率:38%
「写真を撮ってくれませんか?」
観光地に一人で居るとこういう依頼をされることがある。
京都嵯峨野にある竹の小径。
涼やかで和の美しさに溢れたこの場所も、一人で来るとなんと味気ない。
さっさと歩かなくてはならないと思った。
そうでもしないと、
彼女と二人で歩いた記憶が、つまらない物に書き換えられてしまう。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-06-18 21:00:00
4237文字
会話率:6%
京都嵯峨野の風景日誌と京北での糸鋸作業日記です。
最終更新:2017-01-05 22:04:27
3518文字
会話率:7%
この物語は嵯峨野を訪れた一人の若者が嵯峨野を巡り歩くうちにふと紫式部の歌碑を見つけます。歩き疲れ歌碑の前のベンチでうとうとし始めます。するとその石が若者に語りかけます。
『雲隠れの謎を解いてください。お願いです!でないと私はこの世に戻れま
せん』
可愛らしい女の子の声ですがとても真剣です。
「雲隠れの謎?」若者は起き上がります。すると・・・・・?
そこは平安の頃の嵯峨野。出家した源氏の庵の中でした。 折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-11-22 17:27:24
2375文字
会話率:18%
若林治は京都嵯峨野の小さな民芸品店の主で毎年買い付けに東南アジアや中国を旅しています。今年やっと念願の雲南省に行くことができました。上海まで船旅、義烏までバス。長沙まで夜行バス。空路昆明へ。今回の目的は大理古城から草木染め藍染の周城そして謎
の泉胡蝶泉を訪ねることでした。ところが私は胡蝶泉の祠でついうとうとと・・・・。目が覚めると私は城壁の上。向こうから蒙古軍が攻めてきます!
私は一目散に逃げ出しました。そして・・・・・?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-08-04 16:33:10
13667文字
会話率:28%
白血病にかかり、死んでしまった唯一無二の友、嵯峨野和泉。
剣道において全中一位というばけもの「だった」が不思議と柔らかい物腰の彼が、なぜか死に切れずに帰ってきてしまった!?
「僕は、生きたかった」
一度目のサヨナラの後で紡がれた温かい
時間を描いた「二度目」の話。
読後、きっともう一度大切な人に会いたくなる―――
そんなお話にしたいです。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-11-06 15:04:48
27373文字
会話率:50%
同じ高校の親友同士にしてカップルの神崎浩平と彩宮鈴香、伊達正彦と三枝明美は高校の卒業旅行に京都の嵯峨野へとお泊まりの旅行に出る。電電社にて突如、空中から現れた袴姿の浮き世離れした同年代の女性と四人は遭遇する。女性は記憶が不確かで影が無かっ
た。女性は『みちゆき』の為、嵯峨野にやって来て恋人とはぐれたと言う。超常現象に慣れた鈴香は、女性を「はいからさん」と呼び逢瀬を手伝うと言い出す。
不思議な嵯峨野探幽の始まりだった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-08-15 00:48:53
89621文字
会話率:44%
嵯峨野朱美(さがのあけみ)は探偵の松崎或(まつさきある)によって、高校の時から好きだった人への想いを断たれることとなった。それを恨んで、その探偵事務所で働くことにした。そこで働くうちに、徐々に松崎に惹かれていく。しかし、松崎にはなかなか
近寄れない雰囲気があり、そこに謎の青年熱海晃李(あたみこうり)が現れ…。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-01-04 22:30:05
12719文字
会話率:32%
十六歳の女子高生だった仲川聖美は、ずっと好きだった幼馴染に告白し、OKを貰えて舞い上がっていた矢先に事故に遭って死亡した。そして気が付けば異世界(剣と魔法の世界)に記憶を持ったまま転生していた。
どれだけ不幸!? と嘆いた事もあったが、
新しい両親は優しくてとても可愛がってくれたから落ち込み続ける事はなく、何とか新しい人生を歩み始める。ただ一つ問題はあったが。
その問題とは、生まれ変わった先の性別が男だった事である。前世での記憶がバッチリ残っている為、心は女。その矛盾を抱えながら、ハンネス・イル・マクワイアは冒険者になって出来た相棒、サイファーと共に魔物退治や護衛などの依頼をこなしていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-12-08 21:40:34
3916文字
会話率:15%
この度占いの館を開店いたしました。・・・異世界で。
訳も分からず突然異世界にトリップしてしまった加賀谷千穂。出会った優しい人々に助けられながら、王都に占いの店を出す。的中率が高いと人気が出た為、いつしか王様の耳にも入り・・・。
え? 世界
の命運が私の占いにかかっている? なぜにそんな事に!? 重すぎますよぉぉぉ!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-11-01 20:26:07
51022文字
会話率:48%
進堂歩夢、14歳。母親に似た美貌のせいで「学校一の美女」だとか「告られ率№1(男からの)」だとか・・・。鬱陶しすぎるんだよ! 僕は男だっつーの!!
ストレスを発散するために逃げ込むのはいつも夢の中。夢の中ならなんでも僕の思う通りにできる
から。空を飛ぼうが水の上を歩こうがなんでもこいだ。それが僕の力である。
でも最近、少し違和感を感じる事がある。まるで現実でも力が行使できるような・・・?
注:男から告られたりBLっぽい表現が出てくるかもしれませんが、BLではありません。主人公はノーマルです。一応コメディーで・・・。
本編は完結しておりますが、番外編をのせたりするので完結扱いはしておりません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-09-30 16:13:08
79033文字
会話率:39%
蒼海雪永は病院の一室で二十年暮らすことを余儀なくされていた。
毎年の桜が心の拠り所となっていた彼は、この年の桜が例年に比べ、格の違う美しさであることに気づき、六十年前に自らが想い馳せた少女のことを思い出した。
六十年前の三月下旬、雪永
は上司の紹介で知った骨董商に絵画教室の運営を持ちかけられ、公園の一角にある桜の木の下で開校する。
子供や老人に教える中、彼の会社を懇意にしている社長、衣沼誠も入会してきた。
ある日、誠の参加する教室に遅れそうになっていた雪永は並木道を走り抜けていた際、桃色の着物姿の少女、嵯峨野ほのかと衝突しそうになるが、自身の負傷と引き換えに無傷で彼女を抱きとめることに成功する。
互いに礼やらの言葉を交し合っていた矢先、彼女は彼の所持していた画材から教室の講師であることを見抜き、入会するためにやってきたと話す。運命の出会いを感じながら彼は入会を承諾し、彼女と共に公園に入った。
週に二度の教室は雪永の支えとなり、深まるほのかとの関係と展望を考え、絵画商へ自作を持ち込むようになる。有名な絵描きとなれば、夢のみならず彼女との未来が約束されるものと考えてのことだった。
しばらくして外国の画家協会員の目に留まり、画家の卵として活動を始めることになったが、彼女との交際を認めるように計らっていた誠が急逝してしまう。
一縷の希望を失った彼女は教室の退会を伝え、彼は最後に彼女の絵を描きながら助けに行くと誓った。
一ヶ月を経て、誠の夫人と画家協会員の力を借りて、ほのかの両親を救ったが、彼女は結婚してしまい、二週間後に彼女は新婚旅行先で命を落とし、遺品と手紙を彼に残す。
手紙には彼女の想いの丈と、人でないこと、彼の前に戻ってくることが綴られていた。
それから二十年を経て、画家として成功した彼は病に倒れる。
現代、病床にあった彼の耳にほのかの声が届き、再会の奇跡が成就されたが、想いを告げ、結婚指輪を渡した直後に彼は彼女に看取られて息を引き取る。
懸命な処置の甲斐もなく彼は亡くなったが、その病室の片隅では限りなく現実との繋がりが薄くなった姿の雪永とほのかが見守り、新しい肉体で病室を後にした。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-09-17 04:45:59
24273文字
会話率:36%
江戸時代。下っ端役者の淀五郎は、人手不足でいきなり抜擢されて、「忠臣蔵」の塩谷判官(浅野匠工頭)の役を演じることに。ところがやっぱり付け焼刃……切腹の演技で大恥をかいてしまいます。主演の座長から「本当に腹を切れ」と冷たく言われ、悩みぬいた淀
五郎は、舞台で座長を刺し殺して自分も死ぬ決心をしました。さて、芝居のゆくえやいかに。(*古典落語をベースに、自由に脚色しました)
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2011-12-16 08:34:52
14080文字
会話率:49%
忠臣蔵の芝居に出ていた役者・中村仲蔵は、せっかく出世したばかりなのに格下の「斧 定九郎」役をふられ、ふてくされます。が、女房・お吉の「今までに無いような定九郎を見せちゃくれませんか」の一言に発奮、妙見様へ7日間の願掛けに参りました。そして7
日目、雨の中で一人の侍と出会います……。江戸時代に実際にあった物語。(もともとは発表する予定の無い練習作だったので、参考にした講談そのままのセリフや展開がかなりあります。(汗))
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2011-09-22 22:02:18
7429文字
会話率:47%
一五六七(元亀元)年、織田信長は越前に侵攻。戦いは順調に進んでいました。しかし突然、義弟の浅井長政が叛旗を翻し、織田軍は進退極まってしまいます。信長は総撤退を決意しますが、勢いに乗って攻撃してくる敵に対し時間を稼ぐため、木下藤吉郎が全滅覚悟
で小人数を率いて死地の砦に取り残され ━━━ 歴史的挿話を自由に脚色した、映画用脚本の習作です。これも若い頃の作のひとつですが、今読むとちょっと気負いすぎてて恥ずかしい気も。(汗) 折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2011-07-28 04:18:05
19415文字
会話率:32%
『プールサイド井戸端会議』の続編。
間瀬と嵯峨野はどうなったの?
小河は!?など、気になったキャラのその後!
※pixivにて同名で掲載しております。
最終更新:2011-10-29 18:24:13
18043文字
会話率:50%