2020/8/10(月)山の日 公開
最終更新:2023-04-04 21:49:23
932文字
会話率:21%
「8月17日の朝、子供は外に出て遊んではいけない」
長谷部涼太は幼い日、京都に住む祖父の才次郎からそんな話を聞かされたことがある。
夜空に赤々と「大」の字が灯される「五山の送り火」当日のことだった。
17日の朝に外で遊んではいけない
理由。
それは、恐ろしい姿をした鬼が出るからだ。
才次郎は終戦直後の昭和20年8月17日に血に濡れた鬼を目撃したという……。
その話を聞かされた10年後、涼太は大学進学のために京都に住むことになる。
才次郎はすでに故人となっていたが、涼太は祖父の目撃した鬼の正体を突き止めることを決意する。
協力者は、幼馴染の琴美と大学の同級生である香奈子、そしてフリーライターの砂川。
やがて涼太たちの前に、田中と名乗る男が現れる。
砂川の知人である田中は、鬼の正体の見当がついているようだった。
彼は涼太に「鬼の正体に辿りつくには、五山の送り火の歴史を調べる必要がある」と告げて姿を消す。
涼太たちが調べていくなかで、かつて一度だけ五山の送り火がおこなわれなかった年のあったことが分かる。
それは昭和20年のことだった。
五山の送り火とは、祖先の霊をあの世に送り返す行事。
それがおこなわれなかったため、霊が迷い出てきたのだろうか?
そしてそれを子供のときの才次郎が目撃した……?
その後、鬼を目撃したのは才次郎だけではなかったことが判明する。
だが、そのもう一人の目撃者は涼太たちと会う前に殺されてしまうことに……。
調査が行き詰まった涼太たちの前に、再び田中が現れる。
そしてすべての謎が彼によって解き明かされていく。
果たして「8月17日の鬼」の正体は……?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-11-16 05:00:00
148028文字
会話率:40%
一年目(大文字、如意ヶ嶽):三十路の一人旅に京都に来ていた女医麻衣子は、満開の桜に粉雪が舞い散る、そんな不可思議な春先の清水寺へ通ずるねねの道で一人の中年男性植村と知り合った。旅先の気軽さから麻衣子は植村と行動を共にした。その後は別れ、それ
ぞれの生活に戻った二人であったが、その同じ年の大文字の送り火の日に、鴨川の橋の上で再会した。そして、「五年間、毎年この五山の送り火を一つずつ観るためにこの京都で会おう」と約束する。
二年目(妙法):二年目も再会した二人は、嵯峨野、保津川下り、竜安寺等京都旅行を楽しむ。植村は二十歳の時に自殺した自分の娘と、麻衣子は亡き父親と、お互いがそれぞれの思い出を重ね、一緒に居る内に次第に強く惹かれていく。
三年目(舟形):不倫の恋に落ちた麻衣子は、植村との恋愛感情の中で人の性の奥深さを知る。「私だって、女だから、自分の子供をこの手で抱いてみたかった」好きな人の子供が欲しい。女の性が麻衣子を動かし、その夏、女の子を身ごもる。
四年目(左大文字):出産を決意した麻衣子に突然の不幸が襲う。妊娠期間中に胃癌を合併してしまうのだった。妊娠合併中の胃癌は予後が不良である。胃癌摘出と帝王切開によるダブルオペレーションにより出産を乗り切り女の子、京子を授かる。同時に行われた胃癌の摘出手術も一時は成功したかに思われたが、転移巣が麻衣子の身体を徐々に蝕んでいた。
麻衣子と植村との人生の糸は複雑に絡み合っていた。麻衣子との会話の中から、麻衣子の母親は、実は植村は自分が学生時代に交際し不本意にも別れることになってしまった男性であることに気づく。そのことを知らないまま麻衣子は他界する。
五年目(鳥居形、曼茶羅山):麻衣子の母親は一人、京子を連れ五山の送り火を観に京都を訪れていた。麻衣子が果たせなかった五年目の鳥居形を観に来た。色とりどりの灯籠が交錯する広沢の池の畔に立ち、幾重にも重なる自分の人生を振り返る麻衣子の母親。鳥居形の五山の送り火の炎の奥に女の感情が激しく揺れる。そしてその時、広沢の池に架かる橋の上に、二人の姿をじっと見つめる植村の姿があった。
やっと自分の思いを託せる男性にめぐり合えた麻衣子であったが、五山の送り火の炎の様に、その限られた時間の中で悲恋に終わってしまった。しかし、そこには幾重にも織り重なる女の性の人間模様が隠されていた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-09-07 09:00:00
65212文字
会話率:38%
「愛宕山に行きたいの」と言い出したのは、奈津美。
「五山の送り火、見たい」乗っかって来たのは、茉莉花。
お盆休みには帰省する、私。
くそ暑い京都観光が、始まった。
最終更新:2017-08-14 22:16:19
994文字
会話率:29%
主人公の高校2年生、御所院龍佳(ごしょいん りゅうか)は夏休みに京都の実家に帰省する。そこで迎えた8月16日の五山の送り火。
龍佳は京都御所の中に祀られている小さい神社に供え物をすると、突如彼の目の前が光った。
する
と、目を開けたそこには着物を着た自分と同い年くらいの少女が立っていた。後に少女は龍佳の先祖という事がわかり、同じ屋根の下で暮らす事になる。
しかしその少女にはある目的がありこの世界に現れた。
掟を破りその償いをするために・・・
自分の気持ちをうまく表現できない、ツンデレ幼馴染みに世間の影として生きる皇室の少女に囲まれた青春ストーリー。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-10-27 19:35:44
31890文字
会話率:63%
こんにちは、高野真です。また、お会いしましたね。
京都をはじめ上方では、8月にお盆の行事を行います。
盆の明ける16日に行われる「五山の送り火」は有名ですな。
何や最近は観光行事みたいになってますけど、
盆の入りのときには、その家その家で仏
さんをお迎えします。
お迎え火焚いて、お精霊馬用意して、お供えもんつくって。
さぁ、今日は盆の入り、亡くならはった人があの世から帰ってきます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-05-23 20:45:07
3248文字
会話率:19%
22歳になった私の恋の行方は、夏の祇園祭から五山の送り火へと流れていく。彼と私の未来は赤い糸で繋がっているのだろうか・・・。京都の夏は、私に大きな何かを残していった・・・。
最終更新:2009-03-21 15:15:37
8548文字
会話率:20%