輝かしいディンレル王国の歴史に、二つの光が灯る。才色兼備で正義感にあふれ、強力な魔力を秘めた第一王女アリス。3年後に生まれた、天真爛漫で姉を慕う第二王女アニス。2人は時に競い合い、時にじゃれ合いながらも深い絆で結ばれていた。奔放すぎる姉妹に
周囲は振り回されながらも、その輝きは王都リュンカーラを照らす太陽のようだった。
しかし運命の歯車は残酷に回り始める。王国に服属した東方のキルア族の中に、凛とした佇まいの若き戦士ヒイラギと、神秘的な雰囲気を持つ巫女の妹マツバがいた。処刑されかけた彼らをアリスとアニスが救ったことをきっかけに、王女たちとキルアの兄妹の間に予期せぬ交流が生まれる。
正義感の強いアリスと寡黙ながらも強い信念を持つヒイラギは、互いに特別な感情を抱き始める。それは王女と「奴隷」という決して結ばれてはならない身分違いの想い。周囲がその変化に気づき始める中、マツバが見たという不吉な「王国滅亡」の予知の噂が、王宮に不穏な影を落とし始めていた。
アリスの元に舞い込む他国からの縁談話。ヒイラギへの複雑な想いを隠し、王女としての責務を果たそうとするアリス。姉の幸せを願いながらも、見え隠れする王国の暗部や父王の苦悩に気づき始めるアニス。彼女たちの知らないところで、王国を蝕む陰謀が静かに進行していた。
煌びやかな王宮の日常の裏で、少女たちの純粋な願いは、やがて避けられぬ悲劇の渦へと巻き込まれていく。これは愛ゆえに全てを失い、そして世界そのものを変貌させてしまうことになる、魔王となる、ひとりの王女の物語の序章である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-30 21:02:08
94871文字
会話率:28%
あらすじ
村の広場に刺さっていた「光の剣」を抜いたことで、突然“勇者”となった平凡な村人の俺。だが周囲はあまり驚かず、日常の延長のように事態は進んでいく。そこに現れたのは、王国第一王女・リアノ=ルヴィア。彼女は剣の抜き手を“予言の勇者”と
信じ、なんと俺に即・結婚を提案してきた。
王都での訓練と生活に戸惑いつつも、次第にリアノとの距離を縮めていく俺。ある日、街中で出会った謎の占い師から「王国滅亡の予言」を聞かされ、二人は真相を確かめるため旅に出る。だが旅路の初日から異変は始まっていた――封印区域に現れたモンスター。剣を握り、初めて誰かを守るために戦った俺は、リアノの信頼を少しだけ手にしたのだった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-29 22:44:42
301382文字
会話率:23%
敵国に潜入して、国家を内側から崩壊させよ——
そんな極秘任務を受けたクロウが辿り着いたのは、自滅の構造を完備した“終わってる王国”だった。
王は優しすぎて税金を廃止し、
将軍は筋肉で地図を読み間違え、
令嬢は美術作品として人を燃やし、
商
人は火災と疫病を金に換えて悦ぶ。
──そして、7日後。
何もせずとも国は滅びていた。
これは、崩壊した国家をただ「観測」し続けたひとりの諜報員による、
国家終末ギャグ観察記録。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-29 08:45:57
9968文字
会話率:20%
「先詠み」と呼ばれる予知能力を持つ一族の末裔であるエルゼ。
小国の王女であるエルゼは、大国の皇子リヒャルトの手によって祖国が滅亡し自身も彼に殺される夢を見る。
家族や国を守りたいエルゼは「彼の妃になれば殺されないはず!」と、ちょうど届いたリ
ヒャルトの花嫁選考会に参加することに。
過去の出来事から心を閉ざしたリヒャルトには冷たい態度を取られるが、それでもめげないエルゼに少しずつ心を動かされていく。
運命を変えることばかり考えていたエルゼも、リヒャルトのことを知るうちに彼自身に好意を抱くようになる。
徐々に惹かれていく二人だが、エルゼを敵視する者の魔の手が迫って……。
大国の心を閉ざした皇子×小国のポジティブ王女、正反対な二人のラブストーリーです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-22 21:32:25
128913文字
会話率:31%
現代日本の記憶を持ったまま、見知らぬ世界で王女・フィリアとして目を覚ました宮樹愛衣。しかし、7歳の誕生日に祖国は滅亡。全てを失い、力だけを頼りに10年間をただ生き延びてきた。そんな彼女の前に現れたのは、祖国を滅ぼした国の若き皇帝。突然、彼の
護衛に任命されたフィリアは、祖国滅亡の謎を探るべく、皇帝の護衛として仕える日々を送ることに。それは、仕組まれた運命の始まりだった。これは、偽りの転生から真実を紡ぎ出す、神なき世界で目覚めた少女の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-19 22:41:02
58924文字
会話率:48%
星系間文明”テルシア共和国”の崩壊から40年―――機械人形(オートマタ)の”ルナ”は、超高密度居住区画の残骸に埋め尽くされた廃墟惑星、”惑星テルシア”にて目を覚ます―――。
直後、ルナは”自身の死の直前”に伝達された”最終指令”を受信。
何故、ルナは死の眠りから目を覚ましたのか?それすらも分からぬまま、その指令を果たす為、約1万6千kmに及ぶ旅路をゆく―――!
――――――――――――――――――
〈世界観〉
死を恐れ、永遠なる「生」を求むるあまり、半機械的に己を変貌させた有機生命体種族―――”人間もどき(ヒューマノイド)”。
創造者たる人類が身体を改造してまで追い求める「生」の何たるかを知り、それを享受する為、半有機的部品を取り入れた機械生命体種族―――”機械人形(オートマタ)”
ある時、この2つの種は「同一惑星を共有する知的種族」という共通的同一性のもとで結び付き、混ざり合い……新たなる文明と呼称出来得るものを形成した。
…
その名を”テルシア”。またの名を”テルシア共和国”。
星々の海に”真の世界帝国”を築き上げた”別の世界の地球文明”。
しかしながら…”諸行無常”、”盛者必衰”、”栄枯盛衰”、それがこの世の摂理たるもの。それまでの諸国家がそうであった様に、テルシアと言えど”摂理”に逆らう事は叶わず、テルシア共和国は終焉を―――いや、新たなる章を迎える事となる。
これは―――テルシア共和国滅亡後の”惑星テルシア”、
その”永遠なる廃墟”に囚われた、機械人形たちの物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-08 20:06:54
2004文字
会話率:9%
黒を高貴とする「黒民神話」が信じられ、黒民・灰民・奴隷の身分がある北の大陸。
長年栄華を誇った北の大国「キュプレム王国」が滅んだ。
王国滅亡の余波により、ある男が、謎多き「エラメンタ神国」に売られることになった。
男は貴重な黒民奴隷であり、
若年期以前の記憶が無かった。
神国の主に「神国は滅びの危機にあり、その記憶に国を救う鍵がある」と言われ、記憶を取り戻すために国で暮らすことになる黒民奴隷の男は、王国と神国の残酷な真実を知ることになる。
これは二つの国が滅び去るまでの数百年と数十日の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-30 19:48:16
11961文字
会話率:1%
10年前、突如現れた怪物たちによって一つの王国が滅びた。
その事件は大災厄と呼ばれ、多くの人々の心に消えない傷痕を残した。
物語の舞台は王国滅亡の後に生まれたリンドベル共和国。
未だ怪物の脅威は残っていたが、王国時代には無かった魔法
により、人々は平穏に暮らしていた。
それが偽りの平和だと、誰も気付いていなかった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-18 21:14:33
420972文字
会話率:54%
かの有名な魔導学院(マジックアカデミー)初等学院合格発表の日。そこには2位に200点以上の大差をつけてダントツ1位に輝く少女の名前があった。
”アイラ・フォン・ランカスター 聖属性”
その瞬間、ローズマリーの頭の中に膨大な記憶が流れ込んで
きた。車窓から見える街の風景、ラジオから流れる大好きな曲、芳香剤きつめの車の匂い、
そして、
何よりもハマっていた乙女ゲーム「とわの愛を君に」略して「君愛」
ここは乙女ゲーム「君愛」の世界の中だった。
これは、監禁エンドやらメリバエンドやら王国滅亡エンドやらを回避しヒロインをハッピーエンドに導くための悪役令嬢の奮闘の記録である。
―――
※悪役令嬢要素少なめかもしれません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-09 11:00:00
19760文字
会話率:10%
王国の第13王子カールは、王位継承権21位の庶子であり、何事もなければ歴史オタクのグズ王子として一生を終える予定だった。
しかし、第三王子と教皇が起こした反乱で、王国は滅亡。王族が虐殺されていく中、彼は天才的な戦略の才能を開花させて、最愛
の妹を守るため、歴史の表舞台へと導かれていく。
これは、祖国滅亡を機に、グズ王子が才能を開花せて、天下を取るまでの物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-29 23:06:09
45427文字
会話率:38%
通り魔に刺され命を落とし、異世界でレコンキーム帝国の皇太子エルターナとして転生した、俺。黒田慶樹。
え?帝国の皇太子!?転生ガチャ神引きじゃねえか!!!!やったぜ!!!
新たな生活を楽しんでいたが、隣国マレフィクス王国の
侵攻で国が滅亡
。俺は逃げ延び、新たな国を築くことを決意する。復讐を胸に秘めながらも、すべての種族が平和に暮らせる国を目指す旅である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-14 20:38:53
125330文字
会話率:27%
背景は異世界のローマ帝国——アノール帝国滅亡の五年前。
主人公アンナベスは異世界の原住民で、転生前は帝国の歴史に熱中する引きこもりの女子学生だった。彼女は悪魔と契約を結び、帝国を救わなければ地獄に落ちるという条件を受け入れた。
物語の冒頭、
アンナベスは次の状況に直面する:
兄であり前皇帝のジュリアンが禁衛軍に殺される;
国庫は借金で崩壊寸前、神殿と元老院は皇室に敵対的;
四面楚歌の状態で、すべての敵が死にかけている帝国から一部を奪おうと狙っている;
——これらの要素が揃った地獄のような開幕。
これは中国の小説の翻訳です、日本語はあまり上手ではありません、もし間違いがあれば大目に見て指摘してください。
ありがとうございました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-30 20:38:42
6205文字
会話率:10%
SF小説です。
琥珀銀河での架空歴史小説となります。
第3部構成
●ウルス即位まで
●春風戦争
●統一戦
外伝
●王太子誘拐事件
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この作品は、第1部「ウルス戴冠」です。
星暦993
士官学校を卒業した王太子ウルスは、
周りの予想を裏切って、軍属となる。
それと呼応するかのように、
琥珀銀河は、初めての国家間戦争時代へと突入する。
王を失い、滅亡への道を突き進むスノートール王国にて、
国の再起をかけて、ウルスは立ち上がる。
のちに春風戦争と名付けられる戦史の
スノートール王国滅亡から
ウルス戴冠までを綴る第1部。
救国の物語を堪能せよ!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-25 11:10:29
982757文字
会話率:12%
俺は異世界人、突如として別世界に転生した。
目の前には、裸のグラマラスな背中まである金髪美女が横たわっている。
口には猿轡を嵌められている。
「おお、一体なんだ、目の保養というか目のやり場に困るよ。
貴方はなぜ裸でいるんだ?」
俺は美女に
近づき、上着をかけてやり猿轡を外してあげた。
美女は息も絶え絶えに、俺に打ち明ける。
「私はこの王国の第一姫ですが、魔王が出現してこの王国滅亡と引き換えに魔王の花嫁に生贄として国から捨てられたのです。裸でいるのは私が自死を指せないためです。私はこんな辱めを受けて、もう消えて無くなりたい!もうすぐ魔王が私を迎えに来て寝屋をさせられるのです。どうか私のことなど、お気になさらず……貴方様は、早くお逃げください」
このままでは、貴方様にも危険が及びます。
姫はホロホロと涙を零した。
姫よ、事情は相分かった、
ならば姫よ、俺といっしよに行こう!
君は知らんだろうが、異世界が1つとは限らないんだぜ。
そう、異世界は他にもあるのだ。
俺と一緒に別世界へワープしよう!
姫よ、君とならば俺は、何処へでも行ける!
さあ、此処ではない何処かへ……
さあ、姫よ、どうか俺の手を受け取れ!
一応、一風変わった異世界転生モノです。
とても気軽でシンプルな短編です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-16 07:30:00
10846文字
会話率:33%
勇者アルスは長い冒険の末に魔王ラミアへ止めの一撃を与えることに成功した。しかしその直後、王の命令によりアルスは殺されてしまった。
アルスと共に旅をしていた聖女ミリアは、オワコン王国のやり方に絶望してとある計画を実行に移す。
「……こ
んな国、滅んでも仕方がありませんよね?」
二人はこれから因果応報により王国が滅びゆく様を、ただ見届けるだけの愉悦の一時を過ごすというお話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-02 22:30:00
11420文字
会話率:63%
春秋戦国時代のネタキャラ:春信君への転生。
史記で司馬遷に、『かつて秦の昭襄王を説き伏せて、身を投げて楚の太子を帰国させた輝かしい栄智を持った春申君が、晩年に李園ごときに翻弄されたときには老いぼれていたのだ』と後世で蔑まれるけど、知識無
双で歴史改変します。
頃襄王35年(紀元前264年)、楚国の頃襄王が病に倒れた直後からの転生開始。
秦国で太子完を逃がすのだけど……。
太子脱出作戦、邯鄲包囲戦、魯国滅亡戦、遷都、函谷関の戦い、対李園を、歴史を無視して突き進みます。
※当作品は「カクヨム」でも掲載しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-13 00:30:59
9998文字
会話率:27%
葛城玲は地味で売れない俳優。事務所の社長に勧められて受けたオーディションで売れっ子モデル/俳優の南条みつきが主演のドラマの端役を得る。ドラマの撮影が始まってからよく顔を合わせるようになる二人だがなぜかみつきは玲をみるとイライラして絡んでくる
。
実はみつきは前世で自分のために罪を被って処刑された玲(レイシャーン)と再び巡り合うため転生を繰り返してきたのだが、何度繰り返してもレイシャーンを目の前で死なせてしまう。
そのせいでこれが7度目の最後のチャンスなのにミシルカの魂はすっかりやさぐれてしまった。しかも現代日本に葛城玲として生まれ変わったレイシャーンは前世の記憶がないだけでなくいつもおどおどと先輩俳優の顔白を伺っている。そんな玲にみつきのフラストレーションはたまっていく。昔のレイシャーンはもっと明るくて自信に満ちていたのに。そんな時、レイシャーンをみすみす死なせてしまったことを悔いる同志たちが転生してきて二人のための舞台を作り上げる。皆で金と力を使いまくり今度こそ玲(レイシャーン)に正しい選択をさせ二人の魂を救うために奮闘する。
本人たちの望まないところで起きた王位継承権を巡る争いで陥れられ、ロンズディン王国王子レイシャーンは無実の罪で処刑される。その国内の混乱の隙をついた隣国ギルアドニアからの侵略でロンズディン王国は滅亡の危機に瀕する。レイシャーンを失って怒りと悲しみのあまり、自らの命を絶とうとしていたミシルカに不思議な声が聞こえてきた。
‟生まれ変わった世界で起こる悲劇を回避できたなら、この悲劇を防ぐ機会をやろう。お前にその覚悟があるのなら“
転生の度に失敗をくり返すこと7回目。現代日本に転生したミシルカ(南条みつき)はすっかり無気力になってしまった。また、不幸な人生を繰り返すレイシャーン(葛城玲)もネガティブ思考が身に付き、このままでは最後のチャンスも失われようとしてた。そこに新たに転生してきたのは、レイシャーンの盟友であるカーメイ国の王太子ゾリーク(佐伯剛)や神官長のだったドートリアニシュ神官長(渡利紘一)、そして腹心の部下であったダン.グレイド(楷ともや)など。彼らはロンズディン王国滅亡の悲劇をドラマ化し、葛城玲を巻き込んで記憶を取り戻し人生のやり直しをさせようと、やる気のない二人を叱咤しながら再生をかけた舞台が始まる。
カクヨムでも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-07 20:34:00
222786文字
会話率:1%
楽園ミディル国の王女『オリヴィア・ミディル』17歳は、隣国の皇帝陛下『カルロス・レオンハルト』19歳に婚姻を申し込まれる。
オリヴィアの兄で国王の『ウエル』は、悪評ばかりの皇帝陛下の元へ大事な妹を嫁がせたくないと大反対。王女の身代わりを
作り、ついでに暗殺を計画する。
しかし暗殺はばれてしまい失敗。ミディル国は滅ぼされ、オリヴィアも皇帝カルロスの刃が胸を貫き殺された。
死んだはずのオリヴィアは、なぜか半年前に時が戻ってしまう。
祖国滅亡の未来を知っているオリヴィアは、無茶な暗殺計画をやめさせるために、一度自分を殺した隣国カルロス陛下のもとへ嫁にいくが……?
やり直し王女が未来を変えようと行動し成長していきながら、宿敵のカルロスと恋愛感情を含んだ親密な関係になっていく物語です。
ひとときでも楽しんでいただけますように✧︎*。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-19 22:06:46
73790文字
会話率:42%
――俺に群がる令嬢たちに灸を据えろ。
辺境伯令嬢のリーザは、若き皇帝クラウスからの依頼にどう対処すべきか頭を悩ませていた。
今は皇后候補を選定するため舞踏会が開かれている最中だが、実は粛清皇帝の皇后は極秘裏に決定しているらしい。リーザ
に求められているのは、皇后筆頭候補を名乗って囮になり、彼女に危害を加えてくるようなバカな令嬢を炙り出して叩きのめすことである。
これが単純に殲滅すれば良いのであれば、「青の魔女」と呼ばれるリーザは、陰険な女たちを気持ちよく塵に変えていただろう。しかし今回は、あくまで「灸を据えろ」という範囲の依頼である。
そして相手は他家の貴族令嬢……つまり、変に恨みを買うような立ち振る舞いは、領地運営の面でも悪手なのだ。
「師匠だったらどうするかなぁ……」
彼女の師匠は、キリヤという名の元暗殺者である。
かつて「キリヤ傭兵国」を一代で築き上げた彼は、実子に国の運営を譲るとさっさと引退し、一人の傭兵として各国を流浪していた。そして旅の途中に立ち寄った辺境伯領で、リーザに様々な技能を叩き込んでくれたのである。
「パンツ集め。師匠がかつてビアンケリア帝国を一人で相手取り、翻弄した作戦……か」
リーザが頭に思い浮かべたのは、ビアンケリア帝国滅亡のきっかけとして歴史書にも残っている大事件――謎の大怪盗が数多のパンツ集めたという怪事件である。その犯人は何を隠そう師匠のキリヤその人であった。
弟子であるリーザは、そんなキリヤの技術を学び、受け継いでいるのだ。
「仕方ない。やるかぁ。青の魔女らしく、皇帝のために、令嬢たちの――パンツを狩る」
辺境伯令嬢リーザは、そう決意した。
※この作品は「皇后筆頭候補(代理) は、“粛正皇帝”の最愛を求めない。」および「暗殺者キリヤのパンツ集め」のクロスオーバー二次創作です。作者様より許可を頂いています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-20 10:10:42
28556文字
会話率:50%
強靭な鳥の脚を持つ少女、アルカイヤは数十年前に絶滅した異人類〝鳥人類〟の最後の生き残り。
滅びた己の母国や種族の歴史をたった一人でまとめあげ、考古学者となった彼女は学会の学者たちからは〝火喰〟と疎まれていた。
花と共に生まれ、花と共に生き
る異人類〝魔女〟。そんな魔女たちが住まう街、魔女街ペイタルを訪れたアルカイヤは、旧知の仲であり街長でもある魔女ボアンに「百年前に滅びた大国〝魔女の国〟の滅亡の原因を突き止めて欲しい」という依頼を受ける。
そして、ボアンによりアルカイヤの助手として紹介されたのは、さすらいの自称錬金術師ガヴィという、借金あり、人誑しの悪癖ありの軽薄男であった。
堅物な学者気質であるアルカイヤと、軽薄錬金術師ガヴィは時に互いを喰らい合いながらも、〝魔女の国滅亡〟の謎を紐解いてゆく。
これは、文明と歴史の象徴たる〝火〟をその身の内に宿した【軽薄錬金術師×人外学者少女】の「火喰」たちによる、世界の歴史と運命を変える異世界考古学冒険譚。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-05 16:23:02
38577文字
会話率:56%