海辺の街に住む、ごく普通の女子高生・磯野恵(いその めぐみ)。
少しマイペースな彼女がある日、不思議な虹色の大波に攫われ、気がついたのは魔力の影響で巨大な生物たちが闊歩する、危険な『魔境』――西大陸の砂浜だった。
そこで恵が目覚めたのは、
なんと全てのカニと心を通わせる不思議な能力。
しかし、彼女の鑑定スキルには、なぜか【コメツキガニ:食用可。素揚げにすると香ばしくて美味】なんて、余計な情報まで見えてしまい……!?
言葉も通じない(最初は)カニたちは、恵のことを「なんかすごく大きくて、なんかすごく好きな生き物」と本能的に認識。
善意100%で美味しい砂をご馳走しようとしてきたり、小さなハサミを振りかざして一生懸命に彼女を守ろうとしたり。
そんなカニたちとの、ちょっとズレてるけど心温まる交流が、今はじまる。
賢い宰相役のミコちゃん(ミナミコメツキガニ)に、元気な親衛隊のコメちゃんズ(コメツキガニ)。
やがては騎士や用心棒も加わって、彼女の周りはいつしか「カニ王国」の様相を呈していくことに。
これは、一人の女子高生が意図せずして甲殻類の「女王」となり、やがては海の王や覇者である二人の「転生蟹」をも巻き込んでいくことになる、ささやかで壮大な(?)異世界スローライフの記録。
「カニさん、今日の晩ごはんはなぁに?」
読めばお腹が空いて、心がほっこり癒やされる。
浜辺で繰り広げられる、カニカニ、スローライフ、ここに開幕!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-16 21:10:33
15552文字
会話率:43%
異世界にクラスごと召喚されたかと思えば、毒入りのご馳走を振る舞われた主人公ーーー柊木 凌心(ひいらぎ しのはる)は、意趣返しを胸に王宮から逃げ出すことを決心した。
最終更新:2025-06-30 09:03:57
6388文字
会話率:17%
どこにでもいるOL、天宮美香は、愛猫の黒猫ルナと過ごす休日の昼下がり、突如として異世界に召喚されてしまう。期待された「勇者」としての素質は皆無、魔力回路すら持たないと判明し、国王からは「無能者」の烙印を押され、わずかな金と収納袋だけ渡され城
を追放されることに。
絶望に打ちひしがれるミカだったが、その時、彼女の腕の中で震えていたルナが、信じられない変化を遂げる!漆黒の毛並みを輝かせ、なんと二足歩行、そして人語を話し始めたのだ。さらにルナは、ミカとスキルや身体能力を共有できる【学習共有(マルチタスク)】、離れていても意思疎通ができる【念話共有(テレパス)】、そして魔法を自在に操る【黒猫の魔術師EX】というチート級の能力を覚醒させる!
「アタイが、あなたを守るから…」ルナの力強い言葉に、ミカは新たな決意を固める。異世界での放浪生活が始まった矢先、彼女たちは森で魔物に襲われる馬車と、その中にいた美しきフローラ王女と遭遇。ルナのまさかのメイド姿への変身と、ミカの覚醒した魔法で危機を救った二人は、王女の誘いを受け、帝都アトラスへと向かうことになる。
無能と蔑まれた少女と、最強チート猫(時々、可愛いメイド)の凸凹コンビが、異世界で紡ぐ冒険と絆の物語、開幕!
果たして、ミカとルナは、この広大な異世界でどんな「ご馳走」を見つけるのか?そして、彼女たちの旅の先に待つ運命とは──?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-25 17:07:08
13143文字
会話率:49%
【コミカライズ3巻 2024/3/1・小説2巻 2024/3/15 発売】僕は思い出した。前世では腐女子と呼ばれる存在であったこと。今生きているこの世界が、当時やっていたBLゲームの世界であることを。それに……兄が主人公じゃないか!!僕得人
生過ぎる。
ただ、残念なのは『ゲームの本編終了後』の状態だったことだ。リアルタイムで見れなかった神の悪戯、残酷すぎるこの仕打ち!
でもいいです。事後も美味しく頂けるし、兄と結ばれなかった攻略キャラを観察してご馳走を探します。
……それが間違いの始まりになるとは。僕は忘れていたのだ。自分は兄に似ているということを――。
【※ 注意点 ※】
・webはNL・BL両方有り
・文庫①②巻、商業作品はBLオンリー
・Webとコミカライズの内容は同じではありません。それぞれお楽しみ頂けると幸いです。
◆KADOKAWAビーズログ文庫アリス様より書籍化。
◆ComicWalkerとニコニコ漫画、pixivコミックにてコミカライズ連載始まりました。
◆YouTubeチャンネルアンジェンテ様にてコミカライズ①巻がボイスコミック化折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-24 00:00:00
833951文字
会話率:35%
通称タンタン沢に住むヨシゾウ爺ちゃんの家に遊びに行くと、茸と川魚でつくった最高に旨い鍋をご馳走してくれる。
そして何故か爺ちゃんはその鍋を『タヌキ汁』だと言う。
タヌキの肉なんか入ってないんだけど?
最終更新:2025-06-22 15:10:36
2927文字
会話率:56%
傭兵カインは、宿の全焼を機に、常人なら誰もが避ける「訳アリ」の豪邸を破格の値段で手に入れる。幽霊の巣窟、呪いの魔道具、謎の魔力溜まり。そんな絶望的な問題を「ご馳走」として楽しみながら解決していくカインの元に、銀髪の家政婦リリアが現れ、彼の日
常は一変する。しかし、その平穏は長くは続かず、屋敷に眠る古代の遺物を狙う謎の組織との戦いが始まる。これは、訳アリ物件から始まる、少し不思議で壮大なファンタジー。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-21 00:01:44
83680文字
会話率:32%
東京下町月島の、もんじゃ焼き屋の娘、明希。
彼女が店を閉めようと掃除をしていると、路地裏に騎士が落ちているのを見つけた。
成り行きで店に連れて行き、もんじゃ焼きをご馳走することに。しかし、もんじゃ焼きは、日本人でも見た目が苦手な人も居る、
外見で損をしているB級グルメだった。拾われた騎士アルバートも、もんじゃ焼きの見た目におののいている。
異世界騎士に美味しいって言ってもらえるかな?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-15 02:09:02
7534文字
会話率:43%
めっちゃ満足した人生でした。
もう孫も抱けたし、言う事ないし。
なのに何でか異世界転生!?
しかも乙女ゲームの悪役令嬢!!?
もうお母さんゆっくりさせてよ!?
いやむしろおばあちゃんをゆっくりさせて!?
転生だの魔法だの恋愛だの婚
約者だの、も〜そーゆーの、ホント大丈夫なので。
親に迷惑かけず、若者見つめて第三者で生きていきたい。
むしろ結婚とか恋愛スッ飛ばして孫抱きたい。
なのに気が付けば国宝級イケメンに囲まれて、見てるだけで充分満喫ご馳走様です。
頑張れ若人。お母さんは…いや、おばあちゃんは温かい目で青春を見守ってるよ。
でもちょっとまって!あなたそれでいいのかしら?
人様に迷惑かけちゃ駄目でしょう?
人間我慢も大切よ?若いからって迷惑かけて良いわけじゃないのよ?
ちょっと人の上に立つ人がそんな態度じゃ誰もついてこないわ!!3Kやらすなら、まずは率先してやってからよ!…3K?あら最近は言わないのかしら?
わたしの夢には老婆心が仇となる。
はー…しば漬け食べたい…
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-13 20:00:00
1782064文字
会話率:60%
昔々、わ人たちは遠い西の国にいた。寒い冬が続いてみんな食べ物もなく凍えていた。悪い龍がたびたび現れて竜巻を起こし、海の水が天に吸い上げられ、海は干上がっていった。わ人たちは魚が捕れなくなって困っていた。わ人たちが遠くなった浜辺へと出かけた
時、海の女神さまが現われて、わ人たちに干上がった海を歩いて渡り東の地に向かうように勧めた。
わ人たちは海の女神さまの言葉に従い、東へと向かうことになった。長い長い旅が始まった。わ人たちの行く手にはサラルたちが待ち受けていろいろな悪さをして、わ人たちの歩みを止めようとした。わ人たちはそれを何とか追い払い、東の国へ進んでいった。長い旅のおわりにわ人たちがたどり着いた東の国は、果実の多い森が広がり暖かい海に色とりどりの魚が群れていた。わ人たちは海の女神さまに感謝し、その東の国で暮らし始めた。
しかし、長い年月が過ぎ、わ人たちがもとの西の国や長い旅を忘れかけた頃に異変が起こった。突然、西の大きな火山が大爆発を始めた。炎を上げる火の川が麓を埋め尽くし、森は焼け果て、大量の灰が空一面に吹き上がり太陽は姿を消した。灰は地上に絶え降り積もり、森や草原の獣はいなくなり海も白く濁り魚はいなくなった。わ人たちは灰に埋もれ何処に進むことも出来なくなった。しかも山から火を噴く恐ろしい龍が現れ、わ人たちに襲いかかった。わ人たちは濁った海の中に逃げ込むしかなかった。陸に戻れなくなったわ人たちは溺れて海の底へ沈んでいった。
深い海の底に沈んでいったわ人たちは、そこで思いがけない世界を見る。深い海の底は青い空の下、暖かい風が吹き、緑の草原に花が咲く楽園だった。そこは海の女神の国だった。海の女神の国の人達は優しくわ人たちを迎え、見た事もないご馳走を出してくれた。助けられたわ人たちは、海の女神の国で幸せに暮らすことになった。あっという間に一年が経ち、わ人たちは、海の上の国に戻って様子が見たいと、海の女神にお願いした。海の女神はこれを許し、すぐにわ人たちを海の上の浜辺に戻してくれたが、その土地はやはり灰に埋もれ住めるところではなかった。わ人達が困っている様子を見て、海の女神は今度は海岸に沿って北へ向かって進み、ずっと北にある大きな湖を囲んだ土地に行って、国をつくるように勧めた。わ人たちは海の女神の言葉通りに東の国を離れ、海岸沿いに北へ向
かって旅をはじめた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-05 17:09:01
49044文字
会話率:5%
豊穣の神が営むおむすび処のメニューは1つ。店主の思い出の味のみ――。
大学進学を機に田舎から都会に上京した伊勢山莉亜は、都会に馴染めず、居場所のなさを感じていた。
とある夕方、花見で立ち寄った公園で人のいない場所を探していると、キジ白の猫
である神使のハルに導かれて、名前を忘れた豊穣の神・蓬が営むおむすび処に辿り着く。
自分が使役する神使のハルが迷惑を掛けたお詫びとして、おむすび処の唯一のメニューである塩おにぎりをご馳走してくれる蓬。おにぎりを食べた莉亜は心を解きほぐされ、今まで溜めこんでいた感情を吐露して泣き出してしまうのだった。
店に通うようになった莉亜は、蓬が料理人として致命的なある物を失っていることを知ってしまう。そして、それを失っている蓬は近い内に消滅してしまうとも。
それでも蓬は自身が消える時までおにぎりを握り続け、店を開けるという。
そこにはおむすび処の唯一のメニューである塩おにぎりと、かつて蓬を信仰していた人間・セイとの間にあった優しい思い出と大切な借り物、そして蓬が犯した取り返しのつかない罪が深く関わっていたのだった。
「これも俺の運命だ。アイツが現れるまで、ここでアイツから借りたものを守り続けること。それが俺に出来る、唯一の贖罪だ」
蓬を助けるには、豊穣の神としての蓬の名前とセイとの思い出の味という塩おにぎりが必要だという。
莉亜は蓬とセイのために、蓬の名前とセイとの思い出の味を見つけると決意するがーー。
蓬がセイに犯した罪とは、そして蓬は名前と思い出の味を思い出せるのかーー。
※アルファポリスにも掲載しています(四片霞彩名義)
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-04 21:50:00
123301文字
会話率:50%
『パンの耳の揚げパン耳』は、昭和の商店街の片隅にある小さな家庭を舞台に、母親の手作りおやつ「パンの耳の揚げパン耳」を通じて描かれる家族の愛と記憶の物語です。主人公・健一は、忙しくても家族のために料理を欠かさなかった厳しくも深い愛情を注いだ母
親との日々を回想します。
貧しさの中で育ちながらも、母の手から生まれる揚げパン耳は、どんな高級なお菓子にも代えがたい「家族の絆の味」。反抗期、別れ、結婚、そして妻を失った喪失感——人生の節々に現れるこの揚げパン耳が、健一とその娘・由紀の心を繋いでいきます。
「耳も手をかければご馳走になる」という母の言葉に象徴されるように、本作は人生の端っこにあるものの尊さを丁寧に描き、読者の心に静かな感動を残します。三世代を通じて受け継がれる“味”が紡ぐ、温かくて切ない家庭の物語です。
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-05-28 19:42:14
5339文字
会話率:37%
僕、田中蓮(たなかれん)には毎日一緒に帰る後輩がいる。
隣の家に住む桜井美月(さくらいみつき)。生徒会の仕事が終わるのを待って、一緒に帰って、美月の家で夕飯をご馳走になる。
そんな日常がもう当たり前になっていた。
でも最近、美月が男子に告白
されることが増えて、僕の胸の奥がざわつく。この気持ちは一体何なんだろう?
「蓮くんはどんな子がタイプなの?」
美月に聞かれても答えられない。だって、僕が好きなのは——
「実は私も、気になる人がいるんだ。でも、その人は私のことを友達だと思ってる」
美月の恋愛相談を聞いているうちに、お互いが話している「好きな人」の正体に気づいてしまった僕たち。
寂しがり同士の僕らが見つけた、一番自然で一番特別な関係の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-23 16:25:18
7275文字
会話率:62%
俺の一年後輩に魚谷優実(うおたにゆうみ)という奴がいる。
外見は美少女で性格だって基本的には悪くないのだが、一つだけとてつもなく大きな欠点がある。
それは鯖推し……いや、鯖狂いだということだ。学食では鯖味噌定食一択だし、コンビニでは鯖
缶を買う。
ふりかけは鯖振りかけ。そんな優実は昔から俺にいかに鯖が素晴らしいか熱く語って来るのだが勘弁して欲しい。
だって俺は鮭推しなのだ。大衆魚の頂点は鮭にこそふさわしいというのが俺のポリシー。というわけで
俺、魚住竜人(うおずみたつと)と優実は犬猿の仲。
周りは「夫婦喧嘩やってーら」などというけど、優実にいつしか鮭の素晴らしさを伝えるために
口論をする毎日。そんなある日、口論が発展して「先輩の鮭料理と私の鯖料理。対決しましょう」
そんな羽目に。こうなったら優実に究極の鯖料理をご馳走してやる!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-01-30 22:06:57
3301文字
会話率:52%
幼馴染だったけど結婚してすぐの新婚!ってときに彼・ベンは徴兵されて戦場に行ってしまいました。戦争が終わったと聞いたので、毎日ご馳走を作って私エミーは彼を待っていました。
1週間が経ち、彼は帰ってきました。彼の隣に女性を連れて…。曰く、困って
いる所を拾って連れてきた です。
私の結婚生活はうまくいくのかな?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-06 08:38:45
9925文字
会話率:55%
鰻重は、何ヵ月に一度ぐらいで。
じつに、ご馳走なんですよ。
最終更新:2025-04-06 21:45:08
200文字
会話率:0%
菜摘は事務職OLだ。金曜日の夜、ささやかにご馳走を食べるのが幸せ。そんな時、ちょっとした不便さを感じ、ライフハックを調べると……。ささやかなライフハック短編小説集。※一話完結形式の短編小説集。
最終更新:2025-04-06 19:34:05
7866文字
会話率:39%
夫と幼い息子のために、主婦は今夜も美味しいシチューを作る。柔らかく煮込まれた肉の奥深い味わいに、家族は幸せそうに微笑む。
穏やかな日常の裏に隠された、静かな狂気の物語
最終更新:2025-01-29 13:02:25
1822文字
会話率:43%
料理好きの高校生:神田哲(かんだ・てつ)は、クラスメイトのお嬢様:高峰彩芽(たかみね・あやめ)をナンパから助ける。
お礼として、彩芽の実家が経営する高級料亭『はな森』でご馳走してもらうことになった哲。
その際にトラブルが発生したので、
哲は『はな森』の手伝いをする。
働きぶりを買われた哲は『はな森』から誘われてバイトをはじめるが、なんとバイトは住み込みであり、彩芽と同居することになった。どうやら哲は、彩芽の家族に気に入られたらしい。
それ以降、哲の親、彩芽の家族・付き人、バイトの先輩、友達など、いろいろなひとが哲と彩芽を近づけようとするようになった。
哲は気づいていない。哲との恋を成就させるため、彩芽が根回ししていることに。
恋するお嬢様に外堀を埋められまくる甘々ラブコメ、はじまります。
※カクヨムにも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-23 06:24:15
113240文字
会話率:42%
「エリーゼよ、光栄に思うが良い。赤髭公爵の次の奥方として、お前が指名された。出発は明日の早朝だ! わはははっ」
「嘘でしょ、お父様! 何を仰るのですか!?」
愉快に笑う父ビリーに困惑し、エリーゼは驚愕しながら尋ねた。
エリーゼは没落した
伯爵貴族の令嬢だ。
それでも父伯爵は王宮勤めをしているから、今まで生活が困窮することはなかった。
既に領地と先祖代々の邸は売り払われているが、その分の資金の一部は父伯爵の懐に入っているから、贅沢しなければ当分は暮らせる状態にはある。
言ってみれば父の代での経営の失敗で、爵位以外を手放したようなものだった。
「どうして私が婚約者に? 私にはマイケルがいます。赤髭公爵に嫁ぐことは出来ませんわ」
ビリーを問いつめるエリーゼに、義妹のロリータがマイケルの腕を組んで姿を現す。
「そんなの大丈夫よぉ、お義姉様。私がマイケルと添い遂げますからぁ」
「すまない、エリーゼ。そんな訳なんだ」
ばつの悪い顔をした婚約者だが、義妹に胸を押し付けられて時々そちらを見てニヤケている。最低だ!
「な、なんでエリーゼとマイケルが? 嘘でしょ?」
「もう後戻りなんて出来ないわ、公爵様との約束だもの。今日はご馳走にしたから、たくさんたべましょ。ね、エリーゼ」
義母のアルラウネが喜色満面にお祝いしようと騒ぎ立てたことで、父が私を金で売り払ったと予想が着いた。
テーブルいっぱいに並ぶご馳走と、ロリータの着ている真新しいドレスと義母の大きな宝石の付いた指輪。最近まで家にはなかったものだ。目をそらす父を私は睨み付けた。
もうやってられない。
このご馳走は私を売った金で買ったものだろう。根こそぎ食い尽くしてくれるわ。
「ガツガツ。グビグビッ。っくううっ、美味しいわ!」
「まあ、下品ねぇ。エリーゼったら」
「本当よ。マイケルの前なのにそんな姿見せて、良いのぉ?」
もう貴族のマナーなんて、いらないわ。
マイケルなんてもっといらない。
だって明日死ぬかも知れないもの。
右手にフォーク、左手になみなみにワインを注いだグラスを持ち食べまくる。
「いやぁ~、私の分がなくなっちゃう」
義妹のブリッコ口調を目でギッと睨み付け、気にせず猛烈な勢いで食べまくる。文字通り最期の晩餐として。
そして翌日、赤髭公爵の邸へ向かうのだった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-07 11:11:58
7488文字
会話率:24%
「結婚しよう」と言ったのは彼だった。
いわゆる、ゲーム結婚だ。
彼とはオフ会などで数回会ったこともあるし、ゲーム内では同じギルドに所属していて、それなりによく知っていたので「いいよ」と彼女は答える。
それから。
2人のリアル結婚を
知ったギルドマスターが「こっちでも結婚式やろうよ」「せっかくだからお祝いしよう」と言った。
日付は新パッチ〈ノウアスフィアの開墾〉が導入される日。パッチ導入の1時間前だ。
その日、丁度オンラインだったギルドメンバー達と、セレモニーらしきものを行った。
仲間達は以前有った〈ジューンブライダル〉の衣装や装備アイテムやらを色々集めて、|結婚衣装《ウェディングコスチューム》と|結婚指輪《マリッジリング》を彼女と彼に渡す。
彼女は「ありがとう」と嬉しそうに|結婚衣装《ウェディングコスチューム》に着替え、彼も「わざわざする必要ありますか」と澄ました態度だったけれど、|結婚衣装《ウェディングコスチューム》に着替えてくれた。
ギルドメンバーの作ったケーキやご馳走を並べて、みんなに祝福してもらって。スクリーンショットも撮った。
さああとはパッチの追加を待つだけだ、なんて状態だったのに。
気付いたら、ゲームの世界に居た。
※この作品は橙乃ままれさんの「ログ・ホライズン(N8725K)」の二次創作作品です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-21 12:25:24
99797文字
会話率:38%
昔、ローランド国という所に、ロルフという王子が居た。ロルフはとても魅力的だったので、若い娘はみな王子と結婚したがった。中でも、隣国のカイゼル国のイザベラ王女は、自分が一番ロルフの花嫁にふさわしいと思っていたが、ロルフが選んだのは、町娘のマ
リナだった。イザベラは嫉妬と悲しみで城にこもり、気が狂ってしまう。それから数年後、ロルフとマリナの間には子どもが生まれ、ロルフは王になるが、戦乱に巻き込まれ、2人とも死んでしまう。その際、子供だけは逃したという噂があるが、真偽は不明。一方、狂ったイザベラは魔女になり、全ての恋人たちを憎み、恋人たちを引き裂く魔術の研究を続けた。悪い噂は段々と広まり、城は魔女の住む城と呼ばれるようになった。
それから100年後、戦乱に巻き込まれずに生き延びた山間の貧しい村に、タイガという少年と、リィナという娘が住んでいた。2人は好意を寄せ合っており、タイガがリィナの誕生日に、市場で買った首飾りをプレゼントすると、リィナが突然カエルになってしまう。長老に相談すると、魔女の呪いかもしれないと教えられる。こうしてタイガはカエルになったリィナを連れ、元に戻す方法を探す旅に出る。
情報収集の為に、まずは旧ローランド国に向かった二人だが、盗賊にリィナごと荷物を盗まれてしまう。そのピンチを救ったのは、女盗賊のアリーだった。アリーは義賊で、悪いやつからしか盗らないという。タイガたちはアリーにご馳走し、旅の目的を告げると、魔女の宝が欲しいとアリーが仲間になる。その後、街で情報収集し、魔女の城への関門、迷いの森を目指す事にする。
(第1部 ここまで)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-29 18:37:56
30871文字
会話率:64%