長く栄えたラヴェンブルク王朝の世は、斜陽の時を迎えていた。
時の皇帝アウレリウス3世はディオザニアの領土を大きく拡張し、大運河を建設、国の発展に大きく寄与したが、相次ぐ戦役など諸政策により国家の財政は苦しくなる。
財政難を解決するために新
たな税を設置したり、爵位・官職の売買、贖罪《しょくざい》制度(金銭を支払うことで刑罰を逃れる制度)などを導入し、宮廷は財政の健全化に成功するが、その為に道徳は地に落ち、政治からは公平性が失われていった。
自分たちの利権のために国を動かすようになった官僚たちの中でも、宰相ユリウス・ボエモンドを始めとする5人の豪商は権勢を極め、『五国柱』と呼ばれるにいたる。
金権政治の蔓延に民衆は大いに怒り、深い憤りが国に渦巻いた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-06 22:19:01
17769文字
会話率:29%
◆◆あらすじ◆◆
頭を打った王妃のカタリーナは、前世の記憶を取り戻す。前世での彼女は『猛悪の大魔女』と呼ばれる大魔法使いだった。
「鏡よ鏡。この世で一番美しいのは誰?」「王妃様です」
膨大な魔法の知識がある今だからこそ、いつもしているその鏡
への問いかけで気付く。回答と同時に鏡が放ったのは、洗脳魔法のたぐいだった。今の彼女なら、洗脳を解くことも容易だった。
「真実の鏡ですって!? 人の好みで変わってしまう美しさの順位に、絶対の真実なんてあるわけないじゃない!」
鏡は決して嘘を言わないと、これまでカタリーナは思っていた。だがそれは、鏡の洗脳によって、そう思い込まされていただけだった。
愚女と蔑まれていたカタリーナが、それ以降がらりと変わった。白雪姫への意地悪を止めただけではなく、継母として彼女に精いっぱいの愛情を注ぎ始める。
実母を亡くしたばかりの孤独な幼い子を幸せにしようと、カタリーナは力を尽くす。
そしてこの国は、貴族が利権目当てに跋扈し、王妃が洗脳されるほど酷い状況だ。カタリーナはまた、国の建て直しも決意する。多くの貴族から利権を奪い取らなくてはならない。当然、妨害も入るだろう。
「うふふ。問題ないわ。邪魔する人は、全て討ち滅ぼしてしまえば良いだけですもの。前世でしていたようにね」
猛悪の大魔女は、その絶大な力を今世でも振るうことに決めた。
◆◆更新計画◆◆
最初だけは更新多めですが、書きためた分を使い切ったら更新は三日に一度程度の予定です。完結は2024年1月中の予定です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-04 17:09:30
203803文字
会話率:19%
五度目の世界大戦に見舞われた地球。政治家や軍事政権が何世代にも渡り、戦争を続けることで得られる利権などの為に、本来の目的や意味を失った戦争を続けている。そのような時代の潮流の中で、国家という共同体の概念はいよいよ形骸化し、市民達により世界中
に名も無きスラム街や自治区が樹立された。ある日、日本国の自治区「洲ガモ」の喫茶店「人参房」のマスター、ウサギマスクのバニ沢は、バイトの滝川(年齢・性別不詳)と共にいつも通り暇な営業時間を過ごしていたが、店に突如飛び込んできた、怪しげな謎の少女を保護する。その後すぐに、謎の黒い影が地面から染み出してきて、店の窓を破壊して襲いかかってきた。黒い影の正体こそ、大戦で猛威を振るい始めた兵器、“フロイト”。滝川がモップで抵抗するも、あっけなく敗北。絶体絶命の状況で、フロイトに飲み込まれそうになった少女は、バニ沢にある言葉をかける——。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-13 01:30:05
32136文字
会話率:54%
数多の世界は人同士が醜く争い、殺し合ったせいで消えていった。そんな世界を見てきた神々は、人々が殺し合いをしない世界を創ろうとした。しかし、競争心や闘争心を無くせば人は成長せず、殺人を神の力で禁止したところでいずれは破綻する。
「なら、安全に
殴り合いができればいいんじゃね?」
ある神が発した一言で、新たな世界が誕生した。
夫婦喧嘩から国同士の利権の奪い合いまで、全てが『闘技』と呼ばれる戦いで決着をつける世界。闘技は世界中の人々から愛され、その強さを競うリーグ戦も開催されるようになった。いつしか『競技者』と呼ばれる闘技のプロフェッショナルまで生まれた。
これは、『競技者』を目指す一人の少年の物語、なのか?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-29 19:12:50
125437文字
会話率:48%
医療保険点数という利権。
削ろうとする政府。
そこに、一介のWEB作者が自己の感情論で語ってみた (`・ω・´)ゞ
最終更新:2023-11-24 07:00:00
413文字
会話率:0%
もしも、源義経が兄である頼朝を討伐したら?
もしも、明智光秀が本能寺の変を起こさなかったら?
もしも、幕末の江戸幕府が黒船を撃退したら?
そういった歴史のズレが日本を極東魔界として世界に恐れられる【日ノ本七支星共和国】として転生させた。
武士・忍者・陰陽師が天皇の下で国を動かし、妖怪と共存し、少子化問題や食糧自給率低下問題を解決、メイドインジャパンやクールジャパンが世界中の若者を虜にし、世界覇権を握った新たなる日本は第二回東京オリンピックの経済効果による第二次高度経済成長を期待していた。
しかし、代々、四十八都道府県(淡路島を含む)の代表者である四十八人の防人【四十八県士】がその経済効果による利権を手にし、各々が望む新たな日本社会創出を目論み、第二戦国時代が勃発しようとしていた。
全世界を己が郷土色に染め上げようとする埼玉と群馬、経済と覇権の独占を企む大阪、暴力と任侠で世界最強の日本を目指す福岡、自然への愛とアイヌ一族の誇りに懸けて戦う北海道、そして、世界掌握という護国を成し遂げる為に暗躍する裏日本。
さらには、北方領土や台湾を狙うロシアや中国、世界覇権奪還を目指すアメリカやドイツが介入し、世界情勢は混沌と化す。
そんな野望の渦中に東京県士の弟ととある日系アメリカ人の少女が挑む。
※日本以外でもアメリカや中国、ロシア、ヨーロッパ諸国、中東、アフリカ、ラテンアメリカ、アジア諸国も歴史改変され、国力も強化されています。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-23 17:53:46
7674文字
会話率:40%
二十歳年上(連れ子あり)の婚約者に先立たれました。
息子の補佐を頼む、と遺言を残されたエレナだったが、二十歳の息子リオンは、継母になる予定だったエレナを良く思っていない様子。
「じゃあ、実家に帰っていいですか?」
「駄目だ」
これは、
二十六歳にして行き遅れてしまったエレナが、元婚約者の息子で幼馴染のリオンと共に、領地内で起こる問題を解決したり放置したり、利権を貪ろうと群がる親族を薙ぎ倒したりしながら、絆を深めて行くお話です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-15 19:17:29
26220文字
会話率:29%
警察、権威主義機関を斬奸し大日本を復建する
旧皇道派から國體護持、愛國、軍人精神を正式に引き継ぎ、崇徳大天皇の御稜威のもとに利権、金権主義者を討伐する
最終更新:2023-10-09 02:04:21
778文字
会話率:0%
父親に頼まれた手紙を王宮にいる現王ロイ・アーノルド陛下に渡して帰る。
ただそれだけのはずだったのに……。
手紙を読み終えたロイ陛下から思いもよらない話をされて―――
私、これからどうなっちゃうの!?
田舎町に住むミレイ・シグナルドが、過去
の出会いをきっかけとして、現王ロイ・アーノルドの婚約者になるというお話です。
利権により現在の婚約者としての地位を獲得しているダリアへのざまぁや、急な立場の変化によりぎくしゃくしてしまうロイとの恋愛模様など、出来得る限りの王道を目指したつもりです。
全部で8000字ほど、最後はハッピーエンドですので、手軽にお読みいただけると幸いです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-07 06:00:00
8604文字
会話率:58%
17年前、世界を震撼させた魔王オディウムは勇者たちによって倒された。
オディウムを倒した英雄ティム・モルフェウスは恋人であったエリスに「必ず帰って来る」と約束を残して、魔王ごと自身の身を滅ぼした。
平和を取り戻した世界から魔王の脅威は
無くなったが、天敵のいなくなった王都ミラグロは近隣諸国を軍事侵攻するなどして、新たな紛争や軋轢を量産していた。
そんな中、ミラグロが魔石の利権欲しさに漆黒の森へと攻め入った際、異常な強さの美少女ダークエルフであるレイン・ハンネマンから返り討ちに遭う。
レインは漆黒の森を守るために王都ミラグロの皇妃エリスを誘拐しようと目論むが、彼女を目の前にした時、存在しないはずの記憶が蘇る。
失われた記憶。それを思い出したその時、運命の歯車は動き出す。
果たして、敵国に転生してしまった英雄は仲間を守れるのか?
そして、永き時を経た2人の約束の行方は……?
月狂四郎が送る、直球勝負の転生ファンタジー。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-30 22:00:00
98454文字
会話率:26%
食品のみならずインフラも値上げに、ありえない猛暑に増税の大予感の上に苦しむ庶民を尻目に与党議員は利権をむさぼり海外旅行を楽しむニホン国。熱中症他で増大した死者の相手をする奪衣婆のもとに、地獄の書記官がやってきて……
最終更新:2023-08-02 22:36:16
5757文字
会話率:83%
気象異常に地震頻発、異次元の円安、ステルス値上げに苦しむ庶民より、あまりにも下劣で稚拙な行為でついに側近を辞めざるを得なくなった息子チュンタロウを心配するニホン国キジダダ総理だったが…
最終更新:2023-05-31 23:59:01
3670文字
会話率:68%
ニホン国で、キジダダ首相率いる与党ジコウ党の賛成多数により国民の個人情報すべてを集約したマイマイナンバーカードの作成と携帯が義務付けられたが、その結果、与党ジコウ党と利権でつながりがあるといわれる派遣会社や広告会社幹部の身に降りかかったこと
とは…折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-24 21:09:31
4247文字
会話率:73%
マイナ保険証について、医療事務的視点から色々とお話します。
最終更新:2023-07-21 21:00:00
3626文字
会話率:2%
物語は、「東京失踪事件」後の日本へと私たちを導きます。主人公の誠抵抗(中学生時代に異世界に夢中だった中二病の少年)は、現在の日本の首都(横浜)に住んでおり、そこで学校に通うことになります。生徒の能力に応じてA(最高)からF(最悪)まで階層化
された国費のエリート学校(横浜紋章学園)
A ―この教室の生徒は、後戻りできないほど才能を開花させに来た超人的存在で、イレギュラーな生徒は必ずこの教室に入る―
B ~天才と限界突破の中間地点~
C ~この教室には天才や多才な人はいるが、それ以上の凡人はいない~
D ~才能に恵まれず、平均的な生徒の大半がこの教室に行き着く~
E ~平均的な成績の普通の人~
F ~幸運で入学した者達と、才能はあるが問題児達の最低最悪の底辺集団~
多くの努力、幸運、そして隠れた才能のおかげで、誠はBの教室にたどり着き、そこでクラスメイトが別の世界の人々であること、そして高校時代の自分の妄想がそれほど空想的なものではなかったことに気づきます。
誠は高校三年間を過ごす中で、異世界の超常現象の背後にある陰謀や地政学的利権などに巻き込まれていくことになる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-30 15:22:43
18137文字
会話率:14%
「人を殺した時の罪悪感? 罪の意識だあ? 笑えるぜ。そんな言葉はなあぁ、私達の世界には無い。人間、ブッ殺すつーのなら、大した事ねーだろうがよおぉ。買い物行くとか散歩するのと大差ねーだろ。私達みたいなのは呼吸するようにやるんだよ」
犯罪者
が集う港町。
そこはマフィア達が牛耳る犯罪都市と化していた。
港町で姉をマフィアに誘拐された少年が姉の奪還を依頼した相手は、前代未聞の大量殺人鬼のカップルだった。
架空の現代EU(ヨーロッパ)風異世界が舞台。腐敗した利権、汚職まみれの警察、腐敗した政治を”正義”の最強殺人鬼が討伐する!
テロリストである最強殺人鬼がマフィアの集団をぶっ殺して回る!
サイコサスペンス系・超能力バトル、クライム・アクション開幕!
※資料集めに難航していますので、不定期更新となります。楽しみにしてくださっている方、真に申し訳ありません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-30 02:19:12
406747文字
会話率:31%
約二千キロの面積を有するクレーターは、十数メートルの鉄骨によって封鎖されていた。
クレーターの中には、様々な地域から集められた、移民や難民、犯罪者や障害者や政治犯などが流刑にされている。
この街は、各国からの放射性物質の廃棄場所となっており
、放射能汚染に晒された場所である。
此処は様々な地区が存在しており、カジノ街があり、利権を貪るマフィアの対立が存在し、違法薬物や幼児売春、残酷な処刑などがまかり通っているモラルの荒廃した『悪徳の街』と化していた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-11-08 10:39:44
95185文字
会話率:31%
この世界では、今日も魔物による被害が起こっていた。
夜毎現れる魔物と呼ばれる大型の獣。
その姿は狼や猪、熊や大型の猫の様な物まで居た。
獣は夜になると現れ、城壁の外にいる者を襲っては喰らっていった。
それはここ数年で現れる様になったが、い
つから居たのかは分からない。
気が付けば、戦場で戦う兵士等を襲い始め、やがては寒村部で大きな被害を与えていった。
戦争
元は我が国が行った人民合同計画なる侵略戦争であった。
”全ての人間は、法の下に平等であり、我が国の法の下に争いも無く平和に暮らすべきだ”
そんなスローガンを掲げ、軍部が強硬に他国へと侵攻を始めた。
最初は我が国の科学力の前に、多くの国が平伏した。
国民を守る為、或いは己の利権を守る為、多くの小国を吸収したいった。
負ける気などしていなかった。
全ての国が一つになり、我々の崇高な思想の下に、平等で幸せな暮らしが出来る。
数ヶ月前までは、私もそう思っていた筈だった。
彼女に出会うまでは…。
これは私と彼女が如何にして、愚かで醜い戦争に加担し、死を覚悟したか書き綴った物語です。
叶う事なら、誰か人目に映り、この戦争の終結に結び付いて欲しい。
今はそう願うのみです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-29 17:00:00
146075文字
会話率:49%
ある日、聖都アキバに発生した"リアルの裂け目"!
異次元人、時空海賊、科学ギャングの侵略が始まる!
秋葉原の危機に立ち上がる美アラサーのスーパーヒロイン。
ヲタクの聖地、秋葉原を逝くスーパーヒロイン達の叙事詩。
ヲトナのジュブナイル第1
33話"エリア52.5"。さて、今回はUFOの極秘実験場と噂される空軍基地跡に球電が出現、落雷に直撃された女性か死亡します。
球電の正体は、開発中のUFO、落雷は同じくプラズマ兵器と判明、背後に渦巻くスタートアップの利権、国同士の思惑を解明し、事件は解決するのでした。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-28 20:02:41
18628文字
会話率:71%
「悲劇の王妃」は孤独と絶望のうちに短い人生を終えた。
幼くして海の向こうの異国に嫁ぎ、粗暴な夫やその愛人に悩まされ、幼い息子を残して息絶えた──小国の王女アンナリーザがその「前世」を思い出したのは、お見合い用の肖像画を見た瞬間だった。「彼
女」を見殺しにした前世の夫が、転生した彼女に求婚して来たのだ。
また売られるような結婚を強いられるのかと絶望しかけるアンナリーザだが、今世の父や兄は優しかった。
「可愛い娘を二十歳も年上の男の後妻などやれるものか」「私も父上と同意見だ。断ってしまえ」……生まれ変わって初めて知った家族の愛に、アンナリーザは決意する。この幸せを守ること。今の家族のため、前世の記憶と知識を利用することを。前世の婚家は発見されたばかりの新大陸で、上手く立ち回れば交易は莫大な利益を生むはずだった。前世の息子の行方を知ることもできるだろう。
前世の夫だけでなく、前世の実家も新大陸の利権を求めてアンナリーザに忍び寄るが、今の彼女に過去に対する情はない。「もう二度と、流されて利用されるだけの人生は送らないわ!」転生した悲劇の王女は、「今」の人生のために奮闘する。
カクヨムにも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-25 21:11:29
309882文字
会話率:42%
1990年代から2000年初頭にかけて、爆発的に流行した
「ぱちんこや」というギャンブル。
その規模は、20兆円市場にまで膨れ上がった超巨大産業であり、通常の業界では有りえない売り上げ・粗利益を叩き出していた。出世・年収・男と女、そして巨大
利権に群がる公的組織や人間たち・・・・・
主人公が働く店舗で遭遇する、様々な人間関係・社内恋愛・出来事・事件。
これは、若い主人公が「男女平等・実力主義」の職場環境で成長する中で「現実」がどのようなものかを思い知る姿を描く、社会派ストーリーです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-02-26 02:03:33
12858文字
会話率:28%
「みるたまり」の続編です。
小学五年生の修一君が住むちょっと田舎の町の外れをバイパス道路が通ることになりました。
工事を巡り、利権や嫉妬が町民に広がります。町民の話し合いの夜、集会所外の闇に「みるたまり」が現れ、町民から溢れた穢れをむさぼり
はじめました。
<みるたまりとは>
人の穢れを食う妖怪です。鳥居の前のよどんだ場所などにいて、穢れを漁っていますが、飢えると歩いている人を襲います。本編の主人公、修一君が小学三年生の時、みるたまりに襲われたことがありました。修一君の祖父が、清めた土で澱んだ水溜まりを埋め、滅ぼしました。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-02-06 23:19:09
3238文字
会話率:29%
大陸地図において山脈に囲われ隔離された世界。
この世界は外界では扱われなくなった魔法や姿を消した精霊の類が未だに存在する。
精霊と獣が住まう木国《スレイス》
神霊鬼族が住まう火国《アイラック》
地鉱種族が住まう土国《アスガルド
》
有翼種族が住まう金国《ブルタニア》
水棲種族が住まう水国《ウルネル》
この五国をもって五行世界《ごぎょうせかい》と言う。
太古の昔、この五国は自国以外の存在を認めず、お互いに干渉はせず、時には争いを繰り返していた。
そんな中、異世界から迷い込んだ一人の勇者によって五行連合が成立する。
勇者は五芒星のように五国を結んだ中央に街を作り各国の代表を集め住まわせた。
文明の発達に差があった状態ではあったが、各国の長所を共有することにより連合の技術力と文化度は一気に上昇した。
いつしか街は拡大を続け、国と見紛うほど大きくなった。
大きくなればなるほど各国は利権を争うようになり、連合内の関係は悪化していった。
戦を恐れた五国の王達はこの地を勇者に治めさせることに同意した。
名前のなかったこの国は闇魔法を操る勇者の功績を称えられ人々に呼ばれるようになった。
『大いなる闇の加護』を受けた国『レイオン』と。
栄華極まれば衰退のみ
万事築き難く壊し易し
人は往々に至高を求め
己の無知無能を解せず
他者の意見を受入れず
破滅への道を歩み行く
幾度も幾度も歴史は形を変えて繰り返す
果して終焉へと歩み始めたこの国で
愚者達は連鎖を阻めるのだろうか…
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-01-20 15:07:59
149768文字
会話率:47%