わたしは、悟った。
好きな人と人生をすごそうなんて考えるのは、馬鹿げている、と。
わたし、アサレアには二回ほど死んだ記憶がある。
どういう因果か――もしかしたら、わたしの魔女の血がそうさせたのかもしれないけれど、わたしはどうやら、死
んだら過去に戻ってしまうようだ。
いつまでループが続くのかはわからないけれど、一回目の人生も、二回目の人生も、死んだ後に十六歳のわたしに戻っていた。
そう――一回目の人生では婚約者、二回目では夫だった男から、プロポーズされる一年前に。
そんなわたしの人生は、一回目も二回目も、思い出せばクソみたいな人生だった。
まず一回目、わたしは、大好きな男、エミディオを庇って命を落とした。
だが、これはまだいい。まだ、愛しい人を愛したまま死ねたから。
問題だったのは二回目だ。
一回目の人生で経験していたからか、運よく死を回避したわたしは、エミディオと結婚した。
順風満帆な結婚生活…のはずだった。
けれども結婚して三年目。
わたしは夫に殺された。
そして悟った。男なんて好きになるものじゃない。
入れ込むから傷つくのだ。淡々と、そう、いっそ嫌いなくらいがいい。そんな男を選んで、三度目の人生、今度こそ生き抜いてやろう、と。
愛や恋なんていらない。わたしは、死にたくないのだ。
そう決意したわたしは、三度目の人生をもう一人の男と生きることを選択する。
それは、わたしの大嫌いな幼馴染だった――
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-29 10:11:16
39397文字
会話率:30%
もう耐えられない!
隣国から嫁いで五年。一度も国王である夫から関心を示されず白い結婚を続けていた王妃フィリエルはついに決断した。
わたし、もう王妃やめる!
政略結婚だから、ある程度の覚悟はしていた。けれども幼い日に淡い恋心を抱いて以来、ずっ
と片思いをしていた相手から冷たくされる日々に、フィリエルの心はもう限界に達していた。政略結婚である以上、王妃の意思で離婚はできない。しかしもうこれ以上、好きな人に無視される日々は送りたくないのだ。
離婚できないなら人間をやめるわ!
王妃で、そして隣国の王女であるフィリエルは、この先生きていてもきっと幸せにはなれないだろう。生まれた時から政治の駒。それがフィリエルの人生だ。ならばそんな「人生」を捨てて、人間以外として生きたほうがましだと、フィリエルは思った。
これからは自由気ままな「猫生」を送るのよ!
フィリエルは少し前に知り合いになった、「廃墟の塔の魔女」に頼み込み、猫の姿に変えてもらう。
よし!楽しいセカンドラウフのはじまりよ!――のはずが、何故か夫(国王)に拾われ、ペットにされてしまって……。
「ふふ、君はふわふわで可愛いなぁ」
やめてえ!そんなところ撫でないで~!
夫(人間)妻(猫)の奇妙な共同生活がはじまる――
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-21 06:00:00
195661文字
会話率:28%
オレリアは18歳の時にコデルリエ伯爵と結婚したが、結婚初日からルクレールはまったくオレリアに興味を示さず、部屋も別々で初夜すら共にしていない状況だ。
結婚から二年たってもその状態は続き、オレリアはあるとき、ルクレールにかつて恋人がいたという
噂を聞く。身分が釣り合わず反対されて別れた恋人のことを、ルクレールはまだ想っているのだろうか。
もしそうなら、オレリアは密かに抱いているルクレールへの恋心を封印し、彼に別れを告げた方がいいのかもしれない。
そんな悩みを抱えていたオレリアはある日、怪しげな占いの店を発見する。
侍女は怪しいからというけれど、悶々とずっと悩み続けていたオレリアは、何でもいいからアドバイスがほしくてその店に足を踏み入れる。
そしてオレリアは「この先三か月で運命が決まる」という占い師の謎の言葉とともに一つの指輪を差し出された。月明かりにかざしてから指輪をはめて眠りにつけと言うのである。
半信半疑のまま、占い師に言われたとおりに指輪をはめて眠ったオレリア。
翌朝目を覚ましてみると――「え⁉ 姿が消えているの⁉」。
一方ルクレールは、オレリアが消えたと聞いて血相を変えていた。
オレリアの姿を探すも、夜になっても彼女はどこにもいない。
ルクレールは絶望し、オレリアの使っていた寝室に向かうと、そこには一通の書置きのようなものが。
「わたしは、ここにいます」
オレリアが残したメッセージから、透明人間になったオレリアとルクレールの奇妙な交換日記がはじまる――
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-22 12:00:00
56689文字
会話率:24%
武芸の名門、流派梁山泊を破門・追放の憂き目にあった落ちこぼれのロアは行く当てのない旅にでた。
国境を越え異国へと足を踏み入れたある日、傷ついた男からあるものを託されることになる。
それは「勇者の額冠」だった。
突然、事情も呑み込めないまま
、勇者になってしまったロアは竜帝討伐とそれを巡る陰謀に巻き込まれることになる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-29 10:10:00
1661221文字
会話率:62%
毒の雲海に浮かぶ錬金術の王国フィーロゾーフィア。
十四歳の女の子、不知火(しらぬい) 小夜子(さよこ)は、ある日ひょんなことから故郷である日本から異世界フィーロゾーフィアに転移してしまう。
そこで稀代の天才錬金術師・エチカに雇われ、彼
女の店を住み込みで手伝うことになるのだが、「記憶のなかに元の世界の情報があれば、送り帰せる」ということを知り、記憶喪失のフリをして過ごすことに。
そんなある日、小夜子は〈思い出し薬〉の材料を取りに行かされることとなり、優秀な錬金術師のきょうだいと共に〈リーマジハの森〉へ採取に向かう――。
※短編形式の長編小説です。
さる事情から日本に帰りたくない少女・小夜子の、フィーロゾーフィアでの日常を描いたファンタジー小説です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-29 10:00:00
179158文字
会話率:38%
宇宙にただようものの話です。
最終更新:2023-07-19 15:23:08
327文字
会話率:0%
どこにでもいる普通の高校生・日高直登。彼はそれなりに仲のいい姉と妹との日常、そして片思いのクラスメートとの順風満帆な青春を楽しんでいた。
しかし、そんな日常を揺るがす二人の存在が出現!!な、なんとそれは姉と妹……の友達!?
はい、大袈
裟かもしれませんが、その二人に日常を引っ掻き回されまくります……。
30000pv突破、ありがとうございます!
総合ポイント250突破、ありがとうございます!
ブックマーク50件突破、ありがとうございます!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-29 09:08:24
112765文字
会話率:60%
悪役令嬢に転生したけど、破滅フラグより国の終焉が怖い!?
七歳の誕生日、椅子から転げて頭を打った公爵令嬢ミシュリーヌ・ヴェルニエは、前の世界での記憶を取り戻す。
彼女が転生したのは、妹が遊んでいた乙女ゲーム『マドンナリリィ』の世界。しか
も、“悪役令嬢”であるミシュリーヌに転生……だが、記憶が確かであれば、妹はミシュリーヌが処刑はされるとは言っていなかった。一安心――と思いきや、このゲーム、ハッピーエンド以外だと国ごと魔物に滅ぼされる危機!?
けれど彼女は肝心のゲームをプレイしていなかった。ミシュリーヌがプレイしてたのは世界観だけ繋がってる別ゲーム『ペプロメノ叙事詩』。『マドンナリリィ』について知っているのは妹から聞いた断片だけ。攻略法もなぜ魔物が襲来するのかもよく知らない!
それでも、彼女は決心する。
「攻略対象とは距離を置いて、魔物に備えて剣と魔法を学び、性格もこっそり更生しよう」
それが、断片でもこの世界の未来を知る自分がしなくてはならないこと—そう感じたから。
これは、傲慢令嬢に転生してしまった少女が、“世界の終焉”と向き合う物語。――星彩の下で、運命に抗う覚悟を胸に。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-29 08:54:31
7826文字
会話率:29%
時は2060年。
漫画家を目指す”田中ゆり子14歳(18禁)”は、創作補助AI“クリエイト・オリジナリティ”と共に、プロの漫画家・イラストレーターを目指し、規制だらけの創作界隈に挑むのだが……
※18禁小説ではありません。
※重複投稿作品
最終更新:2025-04-29 08:06:10
11746文字
会話率:60%
陸上自衛隊→用意周到 動脈硬化
海上自衛隊→伝統墨守 唯我独尊
航空自衛隊→勇猛果敢 支離滅裂
高校を卒業し任期制自衛官として、海上自衛官になった早瀬百奈(18歳)は男性社会の自衛隊にあって、様々な試練に遭遇する。果たして早瀬は荒れ狂う荒
波の如く現れる試練にどう対応して行くのであろうか?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-29 07:56:03
10246文字
会話率:0%
マリナは子爵家の子女だったが家族の愛には恵まれなかった。
学園を卒業後、騎士団の事務で働いていた。
上司の紹介でカイルと結婚したが親には反対された。
結婚して幸せだったが半年後に辺境の地で隣国との戦が勃発する。
カイルもその地へ出征して行っ
た。
待っている間にマリナは妊娠がわかったが、出征した2ヶ月後からカイルからの手紙は来なくなっていた。
マリナの妊娠の報告の手紙への返信も来ない。
出征して1年半が経った頃、彼女の嘗ての上司が彼から預かったと言って離婚届を渡される。
離婚して3年後、カイルとマリナは街中でばったり会った。
マリナの離婚と再婚の物語
元サヤアレルギーの方はそっと閉じられる事をお薦めします。
✱作者の妄想の産物です
広い心でお読みください
※他サイトにも投稿しています折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-29 07:38:21
49196文字
会話率:30%
――異世界で地球の兵器が無双する。
主人公『海野大志』は、ある日不慮の事故で命を落としてしまった。
そんな彼の死に際を見た女神は、彼に異世界への転生を提案する。
転生することを決めた彼に与えられたのは【統帥】という、軍隊を編成することのでき
るスキルであった。
女神から異世界の紛争を止めてほしいとお願いされた大志は、【統帥】スキルを使って異世界に平和をもたらすことにした。
女神によって作られた体と、女神から与えられた新たなる名である『ルフレイ=フォン=チェスター』を携え、彼は異世界へと転生していくのであった。
異世界の大地を戦車が這い、海には戦艦や空母が堂々と艦隊を組み、空を戦闘機が駆け巡る。
ミリタリー好きなら一度は想像したことのあるような異世界で兵器が無双する物語が今、始まる。
※『カクヨム』にも同時投稿しています。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-29 07:30:00
1007432文字
会話率:31%
グレミィル半島と呼ばれし領土には、旧き時代より多種多様な種族が混在していた。
南部で暮らす純人種達――『人の民』。
北部に棲息する亜人種達――『森の民』。
大別して二つの民に分類される領民達は、互いに生活圏を隔てて対立し続けてきたが
英
雄ベルナルドが半島を統治する大領主に封じられたことを皮切りとして徐々に諍いは静まり、二つの民は融和への道を歩み出そうとし始めた。
然れど、英雄は焼却された。
冬の居城。多くの者にとっては突然に。謎と呪詛を撒き散らす怪死を以て、歯車が狂い出す。
英雄ベルナルドは、ハイエルフの妻との間に二人の子供を設けていた。
即ち、英雄とその妻が成した『人の民』と『森の民』による混血の双生児。
双子の姉、ノイシュリーベは父の持つ高潔な精神と大領主の座、そして母に似た脆弱な身体と莫大なる魔力を継いだ。
双子の弟、サダューインは父に似た優れた身体と脆弱な魔力、そして己の手を汚してでも二つの民の融和を願う母の理念を継いだ。
英雄亡き後の時代を託された双子達は半島で生きる者達を護る為に奔走する。
足元で燻る対立の火種。蔓延する呪詛。大国の思惑が絡み合い、やがて双子の絆を蝕み始めた頃、
一人の女性の亡命を受け入れることにより大きく物語は動き出す。
歪に絡み合った因縁と恩讐。半島が抱える紫棘の開花を以て、歯車は更に狂い尽くす。
其は後戻りの利かぬ宿痾の清算。
刻曜の翠擲<グラナグラム>は誰の掌に――折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-29 07:10:10
109601文字
会話率:30%
「ちいちゃん。あらすじデビューだよ」
「みいちゃん。こんなに嬉しくないことがかつてあったかな?」
「『かつて』って言うほど長生きでもないけどね。生後1年もないし」
「私たち、設定上は18歳じゃん!」
「設定上って、事実だけど……」
「っ
てことで、この作品はこんな話です!」
「あぁ、そうやってもっていくわけね」
「ふっ」
そう言って、田中千夏は満足げに笑うのでした。
※週一連載(予定)
※カクヨムにも連載しています折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-29 07:10:00
1704文字
会話率:89%
これは一見不純に見えて純愛な青春物語——
鷹村恭介は容姿が不良風なせいでボッチな高校3年生。
18歳の誕生日に宝くじを買ったら1等に当選してしまい急に億万長者に。
そんな彼はクラスメイトで生徒会長の柴乃宮霞が街中で見知らぬおじさんと、嫌々
ウリをしてそうな場面を目撃してしまう。
唯一高校で自分と話してくれた彼女に密かに思いを寄せている恭介は、どうにか彼女が自分を売らないで済むシンプルな方法を思いつく。
それは宝くじで得た金で彼女を買う事だった——
それをきっかけにふたりの関係は学校の人間関係や彼の人生さえも巻き込み大きく変化してゆく。
好きな人をお金で買う罪悪感に悩まされる恭介は、日々自分と葛藤しながらも懸命に彼女への本当の想いを伝えようともがく。しかし、霞も過去のとある出来事をきっかけに実は彼に惹かれていて……
思いもよらない彼女の意外な(ドスケベ)一面に日々タジタジになる恭介は、いつかこの歪な関係を抜け出し本当の幸せを掴めるのだろうか?
恭介と霞の甘くて幸せでとってもじれったい。ヤリそうでヤラない事も多い、ちょっとエッチな日々を描くほのぼのハートフルちょいエロ純愛ラブコメここに開幕!!
本作品はNTR要素は一切含まれておりません!健全純愛糖度高めのラブコメです!
ただし、表現の都合上少し不安になるような表現が初回数話にある場合があります。ほんの少しだけ我慢してね♡折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-29 07:10:00
30568文字
会話率:41%
今巷で話題となっているソーシャルゲーム。それにのめり込む一人の男性がいた。
彼はいつものようにガチャを回していると、何故か異世界へと招待されてしまう。
頼りになるのはスマホに入ったソシャゲガチャ。
排出されるのは便利な道具とチートな
装備と美少女キャラクター。
そして彼は、異世界最強の美少女軍団を作り上げることを目指す。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-29 07:06:54
1905062文字
会話率:43%
長編6作目です、前作までは「守」と「好美」の現実世界での過去の話を書いてきましたが、これからは「その後」としての話を書いていきたいと思います。
ずっと心の片隅にいた恋人の好美と異世界で再会した守、当時「真帆」という恋人がいましたが別の世
界に飛ばされて結婚していました。
そんな訳で再会した者同士で同棲する事になったという話です、ただ好美は異世界でかなりの起業家なので守にとってハチャメチャな生活が始まって行きます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-29 07:00:00
780184文字
会話率:62%
「お待たせしました」
「ありがと……お”っっ……! ア”ッ……!!」
俺のテーブルに注文していた三郎系ラーメンが置かれたその瞬間。
鼻に飛び込んできたのはニンニク臭ではなく謎の悪臭だった。
いったいどこからこんなニオイが?
様々な可能性
を考えた結果、ラーメンを持ってきたバンギャ風の店員。
そのワキの部分から香ってくるものだと判明した。
理由はわからないが、何かにつけて俺のテーブルにやって来る彼女。
その度に襲い来るニンニクよりも凄まじい彼女の臭い。
最初こそ食欲が無くなってしまった俺だったが、次第にその臭いにも慣れてきて……。
彼女の匂いに虜になってしまった俺は、ついに禁断の一歩を踏み出してしまう。
自分の体臭にコンプレックスを持つ彼女と、匂いフェチに目覚めてしまった主人公の結末やいかに。
※R18版はノクターンの方にあります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-29 07:00:00
20762文字
会話率:27%
「おまえとの婚約は破棄させてもらう」
そう言われて現在エリート街道を驀進中の婚約者に捨てられたFランク錬金術師のカレン。
自棄酒に溺れたカレンは、弾みでとんでもない条件を付けてとある依頼を受けてしまう。
それは『血筋の祝福』という、受け継い
だ膨大な魔力によって苦しむ呪いにかかった甥っ子を救ってほしいという貴族からの依頼だった。
依頼内容はともかくとして問題は、報酬は思いのままというその依頼に、達成報酬としてカレンが依頼人との結婚を望んでしまったことだった。
王都で今一番結婚したい男、ユリウス・エーレルト。
前世も今世も妥協して付き合ったはずの男に振られたカレンは、もう妥協はするまいと、美しく強く家柄がいいという、三国一の男を所望してしまったのだった。
ともかくは依頼達成のため、錬金術師としてカレンはポーションを作り出す。
仕事を通じて様々な人々と関わりながら、カレンの心境に変化が訪れていく。
錬金術師カレンの新しい人生が幕を開ける。
※アルファポリスにも投稿中。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-29 07:00:00
591705文字
会話率:43%
世界中の核爆弾が一斉に爆発した。
その影響で壊れてしまった世界。
瓦礫の街を歩くのは、鉄パイプを握りしめた男、鴉(からす) 。無双の強さを持つ彼は、生き残るためにただ進み続ける。
廃墟を襲う謎の影。 他者を狩る生存者たち。
そして、すべてを操る「何者か」の存在。
絶望と希望が交差する終末世界で、鴉は己のルールを貫き通す。 折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-29 06:55:20
9608文字
会話率:31%
病院のベッドで目が覚めた高城渚は、お見舞いに来た姉妹と出会い、記憶喪失になっていることに気付く。黒髪清楚系妹の姫野ホノカ、渚の恋人を名乗る金髪姉の姫野マリン。渚は記憶を取り戻すことは出来るのか……
最終更新:2025-04-29 06:40:00
10101文字
会話率:55%
「……俺、晃さんと出会えてよかったよ」
「みなとみらいが……きれい……。まるで……あの宝石、みたいだ……」
5年前に弟を何者かに殺された主人公が、弟の形見である『セレンディバイト』という黒い宝石を取り戻し、殺した男に復讐するサスペンス・ミス
テリーです。15万字の長編で完結保証。
骨董店の店主(32) × 記憶喪失の少年(18)
ふたりのブラザーフッド的なお話でもあります。
『BANANA FISH』『WILD ADAPTER』『龍が如く』あたりの作品がお好きな方はぜひ。
※ハードボイルドなので人は死にますが、読後感はあまり悪くないと思います!
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。また法律・法令に違反する行為を容認・推奨するものでもありません。喫煙は二十歳から!
【あらすじ】
5年前に弟を殺された過去を持つ橿淵晃は横浜中華街のはずれで骨董店を営みながら、遺体から持ち去られた黒い稀少石・セレンディバイトを取り戻すために裏で武器の売買をしている。
ある日、大岡川で女性の死体とともに多数の宝石が発見され、晃は現場から帰る途中で記憶を失ったホームレスの少年に出会い、行動をともにすることに。
消えた宝石と弟を殺した犯人の行方、失われた少年の記憶……。
真実が徐々に明らかになり、過去と現在が交差したとき。
少年は記憶を取り戻し、その銃口はまっすぐに晃へと向けられる――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-29 06:30:00
53326文字
会話率:47%
見知らぬ街で、なぜか懐かしい風を感じるときがある。
何も知らないはずなのに、胸の奥がふっとざわつく。
それは、名前のない記憶が呼びかけている証かもしれない。
少女は旅をしている。
行き先に特別な理由はない。
ただ、穏やかな日々の中を歩いて
いるだけ。
けれど、彼女には“ひとつだけ奇妙なこと”があった。
――自分の子ども時代を、まったく思い出せない。
16年分の記憶は日記のようにくっきりと残っているのに、
その前の時間だけが、まるごと霧のように失われている。
まるで“最初からそこに何もなかった”かのように。
そんなレンのそばにいるのは、
落ち着いた雰囲気をまとう女性。
どこか姉のようで、どこか影のある彼女は、
“過去を知っている誰か”のように見えた。
ふたりがたどり着いたのは、春風が吹く街。
古びた写真、奇妙なペンダント、見知らぬ誰かの言葉――
「前にも、あなたに会った気がするんだよ」
静かな違和感が、やがて確信へと変わる。
記憶、感情、そして“自分”という存在への問い。
――人は、記憶を抱えてどう生きていくのか。
――感情を失ったとき、何が残るのか。
――忘れられない記憶は、祝福か、それとも呪いか。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-29 06:30:00
22313文字
会話率:23%