俺は純文学が好きだ。
太宰治、夏目漱石、三島由紀夫。
有名な作家の作品は全て読んだ。
小学生の頃から高校を卒業するまで、一日の大半の時間を読書に費やした。
楽しかった。
周りの同級生が缶蹴りやテレビゲームをしている横で、ひた
すら本を読み続けていた小学生時代。周りがスポーツに恋愛にと青春している横で、本を読み倒していた中学生時代。周りが男子校特有のノリで騒ぎ、他校との合コンに精を出している横で、本を読み漁っていた高校時代。純文学を読む俺が一番人生を楽しんでいると思っていた。
そこになんの不満もなかった。
しかし、高校三年生になった時、俺に一つの欲が出てきた。
名作の感想を言い合いたい。
自分の好きな作品を読み解き、共に研究する同志がほしい。
そんな気持ちが現れたのだ。
そこで、純文学研究会を立ち上げようと決意した。
だが今の時代、純文学を読んでいる同級生など居なかった。
いや、同級生に限らず、大人でもなかなか居ないだろう。
近年、純文学作品の発行部数は右肩下がりに落ちている。
なぜだ?こんなにも面白いのに。
そこで俺は高校で研究会を設立するのを諦め、大学に望みを託すことにした。
大学なら、高校よりも人が多い。マイナーなサークルも多いと聞く。純文学研究会を設立することだって可能なはず。
俺は念入りに大学を調査し、なるべく人数が多く、サークルの数も多い大学を調べた。
そして見つけた。
その名も東京ケルビン千葉大学。
東京にあるんだか千葉にあるんだか分からない名前だが、この大学のキャンパスは神奈川県にある。そんなバカみたいな名前に引き寄せられる様に、バカな学生が集まる大学だ。
なにせ、創立者のケルビン・ムーアがとにかくビックなマンモス大学を創りたいという理念のもと、願書を出せば無条件で合格というトリッキーな合格基準を設定したせいで、日本中の馬鹿が集まったのだ。
大学の偏差値は40を下回り、ついたあだ名は「バカマンモス大学」。
在籍者数は50万人を超え、サークルの数も1000以上ある。
ここなら、純文学研究会を設立できるはず。いや、出来るに違いない。
俺はそんな希望を持ってバカマンモス大学へ願書を提出した。
この物語は、純文学研究会の設立を目論む主人公と少し変わった同級生達との交流を描いた純文学作品である折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-12-15 21:47:58
30749文字
会話率:29%
彼は太宰治の書いた走れメロスに憧れ、小中高と陸上部のエースだった。高校を卒業してからはプロのランナーだ。しかしまぁ、それは過去の話。
本来彼は20を超える大人だ。しかし、その日偶然見ていた夢の中の自分自身は、五歳程度のか弱い少年となっ
ていた。初めて走る事に興味を示したあの頃のままの姿だ。まぁ、夢の中なのだから何が起きてもおかしくはないが。
そんなことを考えながら、少年は夢をゆく。大人になるまでの記憶が乱雑に注ぎ込まれた夢の中で、彼は優雅に夢を散歩していた。一つのトラウマと対峙するまで。
走ることが好きだった少年が、足を失った夢だ。いや、夢ではない。本人にはハッキリと分かっている。足を失い、二度と走れない体になったのだと。
そんな寝覚めの悪い中、彼を優しく起こしたのは見ず知らずの、それでいて聞いたことのない言葉を話す女の子だった。
自分の知らない言語を操る少女を見て、彼は悟る。ここは彼のよく知る世界とは違う世界であることを。
俗にいう異世界だということを。
そんな、右も左も分からない異世界で、言葉すら伝わらないこの世界で、少年はゆっくりと立ち上がった。
どうやら、20を超えた、走ることすらできない体は元の世界へ置いてきたらしい。今の彼は誰よりも早く走れる五歳児だ。
そんな少年に、誰かが声をかける。
「あなたの名前は?」
少年は眉間に皺を寄せて答えた。
「僕の名前は……メロス」
彼の記憶の中には、本当の年齢と、走れなくなったトラウマと、『走れメロス』の題名しか残されていなかった。
その他の記憶を、すっかり無くしてしまっていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-07-28 22:20:42
425706文字
会話率:32%
太宰治の恥という作品を考察しました。
登場人物である戸田の行動だけをピックアップしたら違和感をおぼえたので、そこから太宰治の意図を推測してみました。そのまま読んだ以上の意味が隠れているかもしれません。
最終更新:2018-07-22 10:15:44
3639文字
会話率:0%
走れメロスの山賊にメロスを襲わせたのは王様ですか?という推理問題。
最終更新:2018-06-01 19:19:13
454文字
会話率:0%
太宰治作の不朽の名作「走れメロス」
とても陽気だった王ディオニスが大勢の人を殺し、変わってしまった理由とは……
最終更新:2018-04-04 21:12:12
689文字
会話率:37%
名画に立ち小便する気分で読んで貰えたら幸いです。
最終更新:2018-02-16 22:52:43
3382文字
会話率:44%
『メロスは激怒した』の書き出しで有名な名作「走れメロス」。
太宰治によって書かれたこの作品は、メロスが約束を守って、残虐な暴君ディオニスが改心して終わるのですが、それが無かったら一体どうなっていたのでしょう。
これは、メロスが間に合わ
ず、ディオニスの改心も無くなった「走れメロス」のその後の物語です。
出来るだけ、作者の書き方に近づけましたので、そこに注目してお読みください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-02-11 16:09:49
1444文字
会話率:30%
文豪といえば自殺。
そんなイメージがある人も少なくはないのだろうか?
実際、芥川龍之介、太宰治などの有名な文豪は、己の手によって命を絶っている。
では、何故彼らは自殺行為をしてしまったのだろう?
~・~・~・~・~・~・~・~
・~・~・~・
注意事項
文豪の考えを作者が勝手に推測しています。
文豪の小説名が出てきます。
これらのことが許せないという方は、ブラウザバックをお勧めします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-02-05 21:24:16
751文字
会話率:0%
私の行く先々に、姿を現す彼女の正体は。
太宰治の「人間失格」を想起するお話です。
最終更新:2018-01-21 12:02:50
790文字
会話率:17%
結婚願望が強い中島美礼《なかじま・みれい》は、毎回、付き合った男性から「必ず振られる」という結末を迎えていた。その際、美礼は「振られた報告」を元・義理の兄である大町幸直《おおまち・ゆきなお》に行っている。
しかし、今回は幸直の様子が少し
異なっていた。そして、今まで美礼に語った事がない自らの「女性が関わった話」を始める。そこには、太宰治の『富嶽百景』が関係していた。
太宰治の『富嶽百景』を小道具に使い、「男女間の関係」を描いたヒューマンドラマです。この小説内に登場する中島美礼の年齢は32歳。恋愛小説とは趣が異なる作品ですが、「大人の人間関係」を描いてみました。
この小説は【キーボードで紡ぐ文章達 橋沢高広】(http://www.geocities.jp/hashizawa_takahiro/)にも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-10-11 22:00:00
25917文字
会話率:23%
「古本屋で購入した『人間失格』。その本には線引きがされていた」
太宰治が書いた『人間失格』の文庫本を小道具に使った短編小説です。
実際に「線引き」がされた本を購入し、それを基に執筆しました。線引きの箇所、本の状態に関する描写等は事実で
す。
この小説は【キーボードで紡ぐ文章達 橋沢高広】(https://hashizawa.web.fc2.com/)にも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-03-20 20:50:05
1908文字
会話率:5%
「古本屋で購入した限定カバーの『人間失格』。その本には〈ある紙〉が挟まっていたのだが……」
太宰治が書いた『人間失格』の文庫本を小道具に使った短編小説です。
この小説は、【キーボードで紡ぐ文章達 橋沢高広】(http://www.g
eocities.jp/hashizawa_takahiro/)にも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-03-15 22:00:00
1727文字
会話率:8%
我はメロンを召した。
最終更新:2017-08-23 23:58:29
947文字
会話率:8%
おじいはボケていた。おじいには、昨晩の夕飯が解らぬ。
太宰治『走れメロス』のパロディです。
おじいさんが、娘の結婚式に出席するため病院を脱走し、走ります。
最終更新:2017-08-22 00:27:34
8223文字
会話率:33%
今年の「夏のホラー祭」では、以前から書きたかった宇宙人関連のテーマに挑戦してみました。
しかし、「企画内イベント」にも一応参加させて頂いています。
まず、子供たちがいなくなるという噂に関しては宇宙人によるアブダクションという仮説を
、そしてミラーハウスでの入れ替わりの噂に関しては宇宙人によるインプラントという仮説を、それぞれ当ててみました(どちらもだいぶゴチャゴチャしてしまっている上、ヒロインに全てのアトラクションついて言及させているため、その他のアトラクションについても使用とさせて頂いていますが……)。
なおキーワードに SF と入れさせて頂くつもりですが、それは何も、本作が SF であると主張しようという意図からではございません。高校・大学の文化部には有り勝ちな部、「SF 研」が舞台になっているからです。
それではよろしくお願いします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-08-02 18:24:44
19305文字
会話率:42%
太宰治「人間失格」リスペクト
20XX年 恥の何と多い人生か。
最終更新:2017-07-29 14:34:11
81681文字
会話率:21%
僕は束縛されている。
いや、ただ自分の感情を押し付けている子供なのかもしれない。
ある日僕は、親に全てを全否定された。
「夢がある。」「将来なりたい職業がある。」
僕はある日、精一杯の勇気を振り絞って親にそう告げた。
親は直ぐに眉間にシワを
寄せ、僕の頬を思いっきりひっぱ叩いた。
『パチン!』
大きな手がまだ育ちきってない幼い顔にぶち当たる大きな音。
僕の夢は作家だった。
人を感動させるような、読んでもらえた人を驚かせるような作家になりたかった。
だが、現実とは残酷なものだった。
僕には芥川龍之介や、太宰治の様な文才力を持ち合わせていなかった。
親はその事を知っていた。
もとより、出版されたとしても食っていけるかどうかも怪しい職業だ。
親は猛反対。
元々親の言うことに逆らえない僕はコソコソと1人小説を書くだけに留まっていた。
夏のあの日、あの時もし君に出会えなければ、僕がこうして小説を書くことなど夢のまた夢だったのかもしれない。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-06-21 14:02:09
8712文字
会話率:30%
描けば描くほど黒くなる。白は消え、色も消える。どうして、どうして……。私は、何色?
黒い絵しか描けなくなった少女の物語。
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こちらは無頼派の代表される文豪、太宰治さん、坂口安吾さん、織田作之助さんのお三方の生誕を記念する
小説です。そのため、前中後編で別れております。
太宰さんと坂口さんの誕生日が離れているため、中編の更新は大幅に遅いのですが、ぜひ見ていただければと思います。
なお、これは本人との関係は作品とは関係ありません。
また、生誕記念小説のシリーズ『私と紅茶と小説と』では、色々な短編小説を入れております。ぜひそちらもどうぞ。
前編の投稿日→6月19日
中編の投稿日→10月20日
後編の投稿日→10月26日折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-06-19 23:00:57
1685文字
会話率:13%
変わってしまった私と変わらない彼の話。超短編。
最終更新:2017-05-13 12:00:00
1906文字
会話率:48%
売れない作家の僕は彼女に食べてもらいたかった。
本が大好物の彼女に、ある日、僕は奇策を繰り出した。
最終更新:2017-05-12 17:28:27
2788文字
会話率:38%
話題の映画「君の名は。」の非公式スピンオフ。感動すること間違いなし!
最終更新:2016-10-10 00:06:54
1847文字
会話率:8%
もしも太宰治が異世界に転移したら。そのままです。気が向いたら長編で更新します。
最終更新:2016-10-07 05:45:55
1433文字
会話率:43%