その男は暗く黒くどこまでも深く染め上げられた外套に身体をすっぽり隠していた。
頭巾から見え隠れする双眸の瞳もやはり黒曜石のように黒く、左腕の鱗籠手は黒鋼で背中の両手剣の刀身、柄、全てが黒鋼だ。
幾重もの剣戟のなか白刃を受け流し叩き返してきた
籠手。その傷跡は死合う相手に幾度も死を呼び込んだことを伺わせた。槍襖を食い破るよりも多く首を跳ねたであろう黒鋼の大剣は切先から柄まで鋭く、黒光の珠が滑り落ちた。
世界はあまりにも曖昧で境界線が朧げとなった。
リードランを放浪するアッシュ・グラントは空を眺めそんなことを考えた。
今日この日を迎えるまでの出来事がそう思わせたのだ。それは昨日のことでもあったし、気が遠くなるほど昔の話でもあった。アッシュ・グラントの名を含む英雄譚は幾つかあったが、その始まりは百年以上も前になる。だから決定的にコレがといえる譚はなかった。いやどちらかと云えば、それを考えることが面倒だったのかもしれない。ただ漠然と曖昧さと朧げさを頭の片隅に置いておければ良かった。
今は行方をくらました友を探しダフロイトへ到着をしたばかりだ。
そちらに力を注ぐべきなのだ。
だから息を大きく吸い込み、アッシュ・グラントはダフロイトの南大門を静かにくぐった。
※本編は文字数が多いので本当にお時間あるときに是非。
※本作は、残酷描写|暴力描写|性描写 がございます。
これらが苦手な方はお気をつけください。
※本作は「カクヨム」「Nola」へも同様のものを投稿しております折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-07 01:45:11
1002094文字
会話率:31%
人間を凶暴化させるウイルスが全世界に蔓延して三ヶ月、地上の覇者は人間から感染者へと移り変わった。警察、自衛隊は壊滅し政府機関は機能停止。文明は崩壊しわずかな生存者が息を潜めて暮らす中、少年は廃虚と化した街で一人生き延びていた。感染者の目を盗
み、部屋の一室に引きこもる生活。しかしある日出会った少女によって、少年の生活は一変することになる。(注:第二部からご覧になっても楽しめると思います)
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-07 01:26:16
1193684文字
会話率:32%
人は死ぬために息を吐いて吸っている
低俗な考えで自らも地獄に帰そうとする
キーワード:
最終更新:2025-03-06 19:10:12
213文字
会話率:0%
息を吸って吐いたら
胸が痛んだ
呼吸がもくもくと煙って
なにもしないまま
死ねと告げているよう
キーワード:
最終更新:2024-12-19 00:03:33
383文字
会話率:0%
西暦2098年、11月……皇都廣島に、早過ぎる冬が訪れる。終わりの見えぬパラレイドとの戦争が、人類同盟の敗北で終わったばかりだ。世界が平和の訪れに安堵し、歓喜に沸く力さえ失った中……確約された悲劇は迫る。
既に仲間は大半が生死不明、愛機
さえも失った。
だが、終わったままでは終われない!
あらゆる人類が知った、パラレイドの真実!
戦争の終結と共に、人類同盟は滅びた……
今、摺木統矢は逃亡者、指名手配の戦争犯罪人。
冬を迎える皇都の片隅で、彼は息を殺して機会を待つ。
未来を、明日を取り戻す瞬間を、待ち続ける!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-06 16:23:53
19540文字
会話率:30%
思春期まっただ中のバジリスクの女の子は、強烈な毒息を持つがゆえに周囲から「お口くさーい」と敬遠されがち。
自分でもどうにかしたいと悩んでいた彼女は、伝説の泉とハーブを頼りにブレスケアに挑戦することを決意する。
森の奥へ足を運び、毒を和らげ
る手段を試行錯誤するうちに、草花が枯れなくなるほど息はマイルドに。
しかし、その一方で本来の防御力でもある毒を失うのは危険だと気づき、板挟みの思いに揺れる。
そんな中、白い鱗のバジリスクが現れ、彼女に毒息の勝負を持ちかける。
恐る恐る挑む中で芽生える不思議な感情。
毒も恋も、簡単には手放せない。
自分らしさを守りたい乙女バジリスクの、等身大の青春折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-06 06:00:00
5566文字
会話率:23%
村外れにある「ペットセメタリー」と呼ばれる動物の墓地から、かつて撃たれた小狐のごんが血塗れの姿で甦ります。
村では家畜や人々が襲われ、荒々しい惨劇のあとが次々と見つかるようになりました。
兵十は子どもの頃に助けられた思い出を胸に、怪物と化
したごんの救済を願いますが、村人たちは恐怖に駆られ、武器を手にして追い詰めようとします。
やがて満月の夜、森の開けた場所で、血に染まったごんと対峙した兵十は、かすかに残るごんの優しい面影を感じ取り、その命を抱きとめます。
壮絶な闘いの末に静かに息を引き取ったごんを、村人たちは今度こそ穏やかに葬ることで、失われていた思いやりを取り戻してゆくのでした。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-21 23:18:48
2855文字
会話率:7%
カトレアは名門貴族の夫人でありながら、将軍の息子リオンと危険な逢瀬を重ねていた。
二人はそれぞれに別の相手と結婚しており、公には決して許されぬ関係である。
だが、その燃え上がる思いを抑えられず、誰も近づかない極悪ダンジョンの最下層に密会の場
を求める。
高レベルの冒険者すら尻込みする凶暴な魔獣や呪術師の亡霊、巧妙な罠がひしめく極限の空間。
それでも二人は、それぞれ別の入り口から危険を冒して中層を突破し、幾多の試練を乗り越えて合流する。
交わす言葉は少なく、ただ先へ進むしかない。
それは命を落としかねない恐怖と隣り合わせの禁断の愛の冒険。
周囲をはばかる立場を忘れ、深い闇に包まれる最下層で、束の間の安息を求め合う。
激戦の末に見つけたその小さな休息だけが、偽れない愛を許す唯一の場所だった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-24 07:05:39
2772文字
会話率:19%
これも黒の毎日のスピンオフ作品in異世界です
東京都内の病院で、みゆきと言うアイドルを推していた90歳の田中おじぃ。おじぃは、病院で、息を引き取り異世界転生した。
冒険中、推しのみゆきに似ている弓使い。
なぜおじぃはこんなにもみゆきを推して
いるのか。
今ここから認知症おじぃの冒険が始まる!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-05 20:52:26
29319文字
会話率:86%
世界の災厄であるザクラを倒したサクラ達。
サクラは世界を知る為には旅に出た、そして数年後戻ってきて家で仲間であるシックス達と休息を取っていたのだが突然空が黒く染まっていた。
サクラはまた何かあったのではと元凶を倒す事に。
サクラはこの
平和なハルマ大陸を救えるのだろうか…………。
私が………いえ、リュウがみんなが好きな大陸を破滅させたりしない。
必ず、倒して見せる!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-05 10:13:02
25135文字
会話率:53%
たった十数年しか生きていない私だけど、長年向き合っていて、どうしてもお前が居ないとだめなんだ! という趣味があるんです。
摂取しないと死にます。
※こちらの作品は、しいなここみさまの「フェイバリット企画」参加作品でございます。
最終更新:2025-03-05 08:30:00
1973文字
会話率:0%
夜の闇が深まる中、森の小道を一組の夫婦が急ぎ足で進んでいた。女性は腕に小さな包みを抱き、男性は周囲を警戒しながら歩を進める。時折、遠くから犬の遠吠えと人々の怒号が風に乗って聞こえてくる。
「早く、レイラ。彼らが追いついてくる」
紫がかっ
た黒髪の男性、ザイルは妻の背中に手を添えた。彼の目は暗闇の中でわずかに赤く光っている。
「でも、アルトを…このまま置いていくなんて…」
レイラは腕の中で眠る幼子を見つめた。わずか三歳のアルトは、母親の温もりに包まれ、何も知らずに安らかな寝息を立てている。その小さな額には、かすかに紫がかった産毛が生えていた。
「他に方法はない。俺たちが一緒にいれば、アルトは常に危険にさらされる」
ザイルの声は強く聞こえたが、その瞳には深い悲しみが宿っていた。彼は息子の頬に触れ、小さく震える指で愛しい顔の輪郭をなぞった。
「あの戦争さえなければ…」
レイラの言葉は途切れた。五年前、人間と魔族の間で勃発した大戦は、両種族の間に深い溝を作り出した。人間たちは魔族への憎しみを募らせ、魔族の血を引く者たちを容赦なく追い詰めていった。
魔族と人間の間に生まれた少年が大人になっていく物語です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-05 04:30:20
49107文字
会話率:52%
帰り道のバスに現れる自称先輩の御伽さん
隣に座っては虚言を息を吐くように言ってくる
さて、今日はどんな虚言を吐くのか
キーワード:
最終更新:2025-03-05 03:44:24
4783文字
会話率:44%
――〝孤高の眠り姫〟
それが彼女に付けられたあだ名だった。
流れるようなポニーテールに、汚れを知らぬ真っ白キメ細やかな肌。
いや、美辞麗句さえも必要ないかもな。
目にした誰もが絶世の美女と認めることだろう。
しかし
、そんな彼女には常人とは違う一つの大きな特徴があった。
彼女は〝全ての人を拒絶する〟のである。
見た目が良ければそれだけで彼女の周りには男女共々集まってくるはず。
……まるで角砂糖に群がるアリのごとく。
しかし、それすらも決して受け付けることはなかった。
眠り姫は今日もまた、己の世界の中でくぅくぅと寝息を立てていらっしゃる。
だが、そこに馬鹿電波ツインテールと変態秀才腐れ縁野郎も加わって……!?
「……見るな、寝にくい」
「美佳は先輩のことが大好きなんですーッ!」
「でも僕は可愛いモノが大好きなんだ。それはもう、蜂蜜塗って食べちゃいたいくらい」
あ、いや、なんだどうした畜生め。
平和な日常はどこに飛んでいっちまったのか。
どいつもこいつもキャラが濃すぎる。
……さすがの俺でもお手上げかもしれん。
天の神様よ、いるなら今すぐ降りてこい。
ワンツーパンチを二、三発噛ましてやるからさ。
「畜生め、お前ら少し黙ってろぉおッ!!?」
喜劇、純情、時々涙。
今から紡ぐは、そんな温かな恋物語。
――――――――――
こちらの作品は『第12回ネット小説大賞』に
エントリーさせていただいております。
よろしければブクマや感想や星評価などで
やんわりと応援していただけますと幸いでございます!
読者の皆様にじっくりとお楽しみいただけますよう
始めのうちは毎日3話ずつ公開いたしますっ。
それでは何卒っ!
よろしくお願い申し上げます!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-04 01:01:07
119877文字
会話率:16%
「これは、成るべくしてなった事だと思う」
そう言った彼が口にしたのは豆乳だった。
「俺がのんびり筋トレに励む事が出来る環境を手に入れる事は!」
「何言っているんですか、貴方は」
引っ越しの途中に立ち寄った食堂にて。思わずツッコミを入れてきた
幼馴染みに笑う。
「だって、ずっと気にしてんじゃん。都から俺を引き離す事になったって」
「それはそうですが……。貴方はムキムキだろうが脳筋だろうが王族です。辺境の領地に移るとは」
「はいはい、止め!何か貶された気もするが、感謝してるんだ、ホント。俺だけだったら城から出られてないかもしれない」
それを聞いて彼女は溜め息をついた。本当、いつもほしい言葉をくれる。この男は。
「それにしても、よく彼女たちが着いてくる気になりましたね。自称執事はともかく」
彼女の視線の先には母親と2人の子供が和やかに料理を食べている。その横のテーブルに着いているのが、自称執事の美丈夫と彼らのもう1人の幼馴染みだ。
「そろそろ拠点変えようと思っていたから、丁度よかったんだって。俺の影響なくなるし。だから、成るべくしてなったって思ってる。王位継承権云々関係なくな。ともかく王都脱出お疲れ様」
「貴方こそ」
「俺は馬車の中で腕立てと腹筋していただけだからなぁ」
「そういえばそうでしたね。流石に引きました」
「仕様がないだろ、暇だったんだし。……ん、何かアイツ酔ってる?」
そう言って視線を向けた先は幼馴染みの男。何故か手から水を噴出させている。
「ちょっと!何でお酒飲んでいるのですか!?」
子供たちは喜んでいる。が、彼は普段ならこんな事しない。
「水芸しない!床が濡れる!自称執事、なぜ止めない!「無理」って、最初から諦めるなぁぁっ!」
布巾をひっ掴み、そちらに駆け寄る彼女。
それを見ながら平和だなー、と彼は思った。
--と、いうメンバーでお送り致します。やんごとなき筋肉アニキとその護衛で幼馴染みの筋肉ダルマと幼馴染みのインテリ令嬢、王子様な外見の美中年、母親な料理人とその子供のウサミミフードと義理の息子の辺境のんびり生活(ただし筋トレ重視)。恋愛なんてない!チートもない!あるのは楽しい筋肉生活だけだ!!
筋肉の筋肉による筋肉のための隠遁生活 (スローライフ)、開幕します。
「明日は俺、馬車に乗らずに走るから」
「止めて下さい!」
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-04 01:00:00
619688文字
会話率:36%
人もまばらな、真夜中のファミレス。
『ボツ。』
『うがーッ』
毎回繰り返されるこのやり取り。
頭を抱える天パ女と短く溜息を吐く三白眼男。
二人の間の机に広げられた幾枚もの――裸体の男性の絵だった。
少女漫画家と編集者のお話で
す。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-03 21:49:20
3418文字
会話率:52%
ある日、突然天使たちさらわれました。
大魔王ルシファーの娘であるリファは何故か気づくと大天使たちに拉致され
しばらく天界で過ごすことになり
あぁ、早く魔界に帰りたい‥‥‥‥
そんなことを思いながらリファは今日もため息をつくのであった。
最終更新:2025-03-03 21:46:35
848文字
会話率:58%
あの世とこの世を線路で結ぶ死神鉄道。冥府線と現界線を走り、行き来する夢幻列車を管理する死神、紅桜は日々回ってくる膨大な仕事量に鬱屈した毎日を送っていた。
ときには部下の尻拭い、ときには乗客とのトラブル対応。更には上司からの理不尽なクレー
ム。増えるだけの仕事の山を前に、今日も紅桜はため息をつく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-03 17:40:18
24458文字
会話率:42%
公都に設立された公立学園、通称「アカデミー」
設立以来、不肖の卒業生しか排出・・いや輩出できないポンコツ施設は最後通告を受けて窮地に立つ。
そんな事とは無関係に今日もギルドで依頼をこなし金を稼ぐ少年シオン。
久しぶりに財布に余裕ができ、心
にも余裕が持てた今日の良き日に面倒な話が舞い込んでくる。
「君、良い腕してるね。冒険者になる気は無いかい?」
「いや、もうすでに冒険者ですから」
「そうか、いや大したもんだ。君ならきっと良い冒険者になれるよ」
「いや、だからすでに本職だって」
「そうかそうか。で、冒険者になる気は無いかい?」
・・・おかしい。ちゃんと共通語を話しているのに一切話が通じない。
なり振り構わないアカデミーの必死な願いにシオンはため息をつく。
「わかったよ。じゃあ話だけは聞いてみるよ」
この事態・・・どうしてくれようか。
少年の物語が少しずつ動き始める。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-03 07:00:00
998828文字
会話率:49%
青年リュートは傭兵団「銀狼の群れ」のメンバーの一人だった。
傭兵団は人類を守る組織の一つで、基本荒くれ者の集まりだが、この傭兵団だけは仲間うちの絆意識で「家族」を形成し、時には小馬鹿にしあい、時には全力で助け合うなどの他の傭兵団では見ること
のない特徴を誇っていた。故に、誰もが仲間内で「裏切り」が発生するとは思ってなかった。
ある日の出来事、仲間の一人にお酒をたらふく飲まされたリュートは深く眠ってしまった。
翌日、目を覚ませば拠点には火の手が上がっていて、外に出ればたくさんの仲間が地面に倒れている。
その中で息をしている者は無く、遠くから聞こえる剣戟の音に導かれて近づけば、団長と仲間の一人であるガーディが戦っていた。
ガーディのそばには謎の四人組と、小脇に抱えられた妹がいて、リュートはすぐさま裏切りが起こったのだと理解した。
リュートは妹を取り戻そうと奮闘するがそれは叶わず、瀕死の重傷を負って谷底へ落とされてしまった。
しばらくの後、リュートが目を覚ませば、そこは病室だった。
彼は全てを失ったと理解した時、彼のそばに学院長と名乗る人物が現れた。
その人物は彼の事情を聴くと、彼に提案した。
リュートを学院所属の傭兵として雇う代わりに、君が求める妹の情報を集めて提供することを。
それを受け入れたリュートは、その人物が妹の情報を集めている間、後の未来に起こる魔物の大襲撃を防ぐために各地に派遣した生徒を呼び戻す依頼を受け、その人物達を探しに旅に出る。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-03 06:29:43
392239文字
会話率:28%
雷を纏う片手剣を手にした剣闘士が闘技場に現れる。
雷を神の怒りと恐れ、敬う民草が見せる反応は様々。
彼に憧れる子ども。文献に沈んだ魔法体型に興奮を見せる学者。彼で儲けようと考える闘技場。闘技場に縛られた神の使徒を救出せんと息を巻く教会関係
者。新人に憤りを感じるベテラン剣闘士。家に帰りたいと枕を濡らす異界出身の男。
"魔法剣"と呼ばれる剣闘奴隷と、彼を取り巻く物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-03 06:00:00
117863文字
会話率:21%
「相変わらずしけた面だな」
セシリアの婚約者、ローレンスは冷たい表情でいつもそんなことを言う。
今日も昼食の誘いを断られ、セシリアは無表情のまま、その場を後にした。
だが。
「ああ、セシリア! 君は今日もなんて美しいんだ……!
実際
のところ、彼は大大大好きな婚約者のセシリアに素直になれないだけのポンコツ令息だった。
「いつも彼女を見ると好きすぎて上手く喋ることができない、変な憎まれ口を叩いてしまう」と嘆くローレンスに、侍従のマークが大きなため息をつき。
「手紙でも書いたらどうです?」
と提案。
それにローレンスは「いい案だな!!」と飛びつき、手紙を送ることになる。
ただし、……送り主の名前を、空欄にしておいて。
「何で空欄にしてんですかあんたは」
「枚数が多くなりすぎた上に書いてる言葉が恥ずかしすぎて無理だったんだよ!!!!」
タイトル通り、好きな子に対して全然素直になれないアホの令息ローレンスと、いつも無表情を保っている婚約者セシリアの話です。
ギャグです。多分。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-02 19:06:49
8997文字
会話率:44%
息をするように嘘をつく王子エリックと、嘘が嫌いな辺境伯令嬢ソフィアは、王命により婚約者同士となった。魔女の呪いにより、嘘をつくたびに本心を暴露してしまうエリックは、「僕の心は君だけのものだ」と告げた直後に「いちいち嫉妬するような面倒な女は嫌
いだ」と吐き捨てる。
※全8話です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-02 16:30:49
37802文字
会話率:29%