独身の頃の俺は1Kのアパートで初中、訳の分からない金縛りに悩まされていた。眠りに就いて数時間もすると金縛りがやってきて、えもいわれぬ悪寒に心身が支配され、奈落の底に引き摺り込まれるような物凄い恐怖に強襲される。
俺は落ちたらお終いだと必
死に頭を振り捲って抗い、冷や汗を掻いて眼が覚める。これでは辛い日常を生きることで疲弊した心身を眠りで休めることもできやしない。
ある時ふと、そう大したこともない人生、いっそのこと夢の誘惑に身を任せて奈落に落ちてみるのも一興かなと考えるに至る。
万年床に就いて数時間後、想定通りの金縛りが襲ってきて、ゾクゾクっとする悪寒が走った。
「来たー!」
極度の恐怖の中、俺はヤケクソで、「殺すなら殺せや」と心で叫んで、頭を振って抗うこともせず、従容として身を任せた。
一度落ちてみると、「あれっどうってことないやないか!」
てっきり、心臓麻痺で死にでもするのかなと思っていた俺は力が抜けた。それ以来、金縛りはピタッと収まり、悪夢もなくなった。
撃ち殺される場面でも、断崖絶壁から突き落とされる場面でも、おどろおどろしい幽霊が眼前に現れる場面でも、俺にはそれが夢だと分かるようになってしまった。だから、平気で銃で撃たれてやるし、崖から落ちてやるし、刺されてもやるし、幽霊には質問してやる。どうせ夢だし死にやしないしどうもない。
こうなれば俺にとってもう夢は現実逃避の駆け込み寺だ。どこででもただ眠りさえすれば安らぎをくれる。俺はドリームコントロールができるようになってしまった。
このことが俺に小説のヒントをくれた。『夢界の創造主』だ。
俺は理不尽な仕打ちに耐えながらの仕事、障害者の人生から逃避するかの如くブログ小説を書き始めた。そのブログに仙人が住み着いて、俺に言う。
「ご主人様は我々B界の創造主様でございます。このB界にいらっしゃりさえすれば何でもご主人様の思いのままでございます」と。
俺は即座に答えた。
「なら、1973年の世界に行って凶悪志願の真知子に会ってみたい」と。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-05-04 19:28:17
308508文字
会話率:62%
坂梨渚沙(さかなしなぎさ)は父方の祖母の跡を継ぎ、大阪市南部のあびこで「たこ焼き屋 さかなし」を営んでいる。
そんな渚沙には同居人がいた。カピバラのあやかし、竹子である。
堺市のハーベストの丘で天寿を迎え、だが死にたくないと強く願った竹子は
、あやかしであるカピ又となり、大仙陵古墳を住処にしていた。
そこで渚沙と出会ったのである。
「さかなし」に竹子を迎えたことにより、「さかなし」は閉店後、妖怪の溜まり場、駆け込み寺のような場所になった。
お昼は人間のご常連との触れ合い、夜はあやかしとの交流に、渚沙は奮闘するのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-11 21:38:04
101613文字
会話率:40%
二年前、異世界の存在が公表された。魔王と吸血鬼の血を引くタケオ・フォマルハウトは、念願の一人暮らしをする条件として、とある伝説的なシェアハウスの管理人をすることになる。その名は『荘厳荘(そうごんそう)』。日本に二つしかない交流特区に存在する
異世界人たちの駆け込み寺。そこで彼は異世界マクマティカからやってきた腹違いの妹たちと同居することに!?
「ピカレスク・ニート」「ふるさと納税のお礼品は異世界嫁たちでした」に続く魔法世界(マクマティカ)シリーズ第三段! ここに堂々の開幕!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-14 07:00:00
1318321文字
会話率:41%
クランドール王国の3番目に大きな市、セポール。
この街の路地裏には少女の営む雑貨店があった。
普段は文字通り雑貨をあつかっている彼女だったが、実は裏の顔がある。
ひそかに囁(ささや)かれているアングラじみたウワサ。
それは、彼女が無理難題
を引き受けて解決する"トラブル・ブレイカー"であるという事。
犯罪や害意、悪影響、自分に危害の加わらないもの以外なら原則としてなんでも受ける。
困った人々がやってくる駆け込み寺でもある。
……と聞くと、とんでもないオーナーに思えるが、実際は何の変哲もない少女である。
桃色のミドルヘアに透き通った白い肌、ちょんとした鼻にあどけない唇、そしてちんちくりん……。
これはそんなちょっと変わった少女の営む「シエリアの店」のお話。
「シエリア、17歳、いきます!!」
果たして彼女は無理難題を完遂(かんすい)することが出来るのか?
難題解決少女奇譚(なんだいかいけつしょうじょきたん)のはじまりはじまり!!
※毎日更新で午後8時前後に最新話をアップしていきます。
同時連載
「後悔の残る決断なんて僕はしたくないから」
もよろしくお願いします!!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-17 19:46:15
95607文字
会話率:23%
我輩は無職である。無職だから職はまだ無い。転生者、転移者の駆け込み寺、無職寺の居候をしている。
最終更新:2023-04-15 18:00:00
10314文字
会話率:67%
山間の小さな町で暮らす秋(あき)
家は町のささやかで面倒くさい相談事を一挙に引き受ける駆け込み寺であり、秋は先祖が道楽的に開いた店の店長だ。
町の東西南北に小さな公園がある。そこは人ならざる神の領域。
秋は店長兼そこの案内人を務めている。
連れて行くのは…
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-02-24 22:03:36
7198文字
会話率:42%
恋に迷った時、そして恋に傷付いた時、人はなぜか街角の小さなBARへと足を進めていく。恋の駆け込み寺『LA・BAR・SOUL』へと向かって......
この物語は、仕事一筋だった美人エリート営業ウーマン結衣(ゆい)が、一夜にして恋に敗れ
、更には事件にも巻き込まれてしまうと言う、とにかくてんやわんやの一夜から大逆転劇を演じてしまうたった6時間を描いた作品です。
涙あり、笑いあり、怒りあり、そして嫉妬あり、陰謀あり、推理あり......とにかく、あらゆる要素をふんだんに詰め込んだ少し長めの短編小説を是非ご堪能下さい。
きっと、純真無垢な主人公、結衣(ゆい)のことを、みんな好きになってしまうと思いますよ。
今夜は大好きな琢磨(たくま)君と特別な夜を過ごす筈だった。なのに、『俺達、もう終わりにしよう』......突如そんなLINEが届く。
う、嘘......そ、そんな......
長い一夜の物語は、そんな悲劇からスタートするのでした。
※ ※ ※ ※ ※ ※
今回、表紙は蒼耀(ソーヨー)さんに描いて頂きました。
下記リンクより、蒼耀さんの素晴らしき筆捌きをご堪能下さい! 感動しますよ!
Special thanks 蒼耀 san!
@soyo_sta
(※なお、同表紙イラストの著作権は蒼耀さんに帰属します。無断転用、転写は禁止とさせて頂きます)
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-05-17 00:00:00
52206文字
会話率:41%
読み切り作品です。
ここから話が始まっていく導入部分的な意味合いもあります。
でも続きは今の所書いていません。
あらすじは仏教が支配する世界で山奥の小さな孤児院(駆け込み寺)で生まれ育った主人公が世界の悪に立ち向かっていく話です。
楽しんで
いただければ幸いです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-05-08 12:00:00
12359文字
会話率:31%
『“理不尽な悩み事”相談に乗ります』
大きな看板は出してない、ホームページもない。ただ、その言葉がメニューの片隅にそっと書かれているだけ。
それでも、運良くクチコミでこの事を知った依頼人が、今日もやってくる。
法で裁けない、警察も動
いてくれない、そんな理不尽に巻き込まれた弱き人々の最後の砦。現代の駆け込み寺は、東京下町の路地裏にひっそりと佇む、古書カフェの中?
美貌の超毒舌女顔美少年と、元科捜研のお姉様(?)。
そんな異色コンビが綴る、本日の事件録や如何に。
※この作品はフィクションです。実在の人物、出来事、法律などには一切関わりはありません。
※『カフェ・不破古書店の裏稼業録』の改稿版です。
当該作品を元にはしていますが、改稿版ですので全く別作品と思って下さい。
主人公と世界観だけが同じです。
※File.1のみ、ピクシブにも同時掲載中。
※エブリスタにも同時掲載中。
※第六回ネット小説大賞、一次通過作品。
©️和倉 眞吹2017- .
禁止私自转载、加工 禁止私自轉載、加工
この小説の文章の著作権は和倉 眞吹に帰属いたします。許可なく無断転載、使用、販売する事を禁止します。
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287637文字
会話率:51%
この世とあの世の狭間にある、境域。
そこへは、自殺と言う形で生を断ち切ろうとした魂たちが、転送されてくる。
自殺に至る経緯を聞き、悩みを取り除いて元の人生にお帰り頂く――それが、彼ら『境域カウンセラー』の仕事だ。
悩める魂たちの駆け込み寺
の一つ『喫茶・冴凪』にも、今日のお客がまた一人――。
※この物語はフィクションです。
登場人物、地名、学校名等は、現実のものと一切関わりはありません。
※エブリスタにも同時掲載中。
※Case.3は、拙作短編集『NGクロニクル』収録の一遍を元にしています。
©️和倉 眞吹2018-.
禁止私自转载、加工 禁止私自轉載、加工
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201655文字
会話率:51%
『“理不尽な困り事”探してるんです』
それが依頼の合い言葉。
看板なんて出してない、ホームページもない。それでも、運良くクチコミで合い言葉を知った依頼人が、今日もやってくる。
法で裁けない、警察も動いてくれない、そんな理不尽で厄介
な事件に巻き込まれた弱き人々の最後の砦。現代の駆け込み寺は、東京下町の路地裏にひっそりと佇む、古書カフェ店の中――?
お悩みを(ちょっと荒っぽく)解決してくれるのは、名目上バイトの超毒舌女顔美少年と、店主で元刑事のお姉様(?)。
異色コンビが違法スレスレになりながら鮮やかに綴る、本日の裏稼業録や如何に。
※本作はフィクションです。
実在の出来事、事件、法律、人物その他とは一切関係ございません。
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©️和倉 眞吹2016 .
禁止私自转载、加工 禁止私自轉載、加工
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126266文字
会話率:42%
人生に疲れた、人前で泣けない女、沙希。駆け込み寺に駆け込みます。
最終更新:2020-09-15 15:56:59
466文字
会話率:0%
どんなときも、なにがあろうと万事助けてくれる駆け込み寺、それが「よろずサポートセンター」。
そんな容赦なきサポートの向こう側に見える景色とは……。
※この作品はブログ【泣きながら一気に書きました】にも掲載しております。
https://
tmykinoue.hatenablog.com/entry/2020/05/20/181021折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-21 16:42:50
1359文字
会話率:0%
突然ドアが開いたとおもったらヤクザが抱えられてやってきた。
「今すぐ立てるようにしろ、さもなければ──」
「脅してる場合ですか?」
ギックリ腰ばかりを繰り返すヤクザの組長と、治療の相性が良かったために気に入られ、ヤクザ御用達の鍼灸院と
化してしまった院に軟禁されてしまった女の話。
※アルファ、カクヨムでも投稿してます。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-01-13 18:34:42
191423文字
会話率:45%
【秋月忍さま主催 和語り企画参加作品】
──時は元禄。
町人文化が花咲く江戸時代。
大御所家康公の終の住処である駿府の城下には、一風変わった奉行所がありました。
その名は「駿府裏町奉行所」
主に扱う事件は、へんてこな事件ばかり。
合縁
奇縁に導かれた若き武士清瀬小太郎は、裏町奉行所の門を叩くのですが……さっそく事件に巻き込まれてしまいます。
昼行灯の与力、性癖もとい個性の強すぎる先輩、その他様々な人?たちに囲まれた小太郎。
果たして、波乱と笑顔に満ちた小太郎の辿りつく先は……地獄か極楽か!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-11-12 00:01:24
16347文字
会話率:40%
勇者パーティーの僧侶リュードは敵前逃亡した勇者に置いて行かれ魔王軍の捕虜になってしまう
魔王軍による拷問やひどい扱いを覚悟していたリュードであったがそんな事は一切なく…
捕虜になった僧侶リュードと人情味溢れる魔王軍構成員によるほのぼの日常
物語!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-12-31 11:30:06
5944文字
会話率:73%
この作品はあくまでファンタジーであり、実在の刀剣や、武将とは関係の無いものとなります。
ただ、刀剣の描写が今後ある場合の伝法(刀剣を作る際のレシピみたいなもの)に現われる特色などは、現存の文献などを参照し表現したいと思います。
女子大
生となった山崎まつりは、放課後帰宅途中、見るからに寝不足と疲労オンパレードな青年、土方勇と出会う。
彼の落し物と思われるマッチを拾ったことから、その職場である刀剣店兼研磨所観月堂と出会ったまつりは、持ち込まれる刀剣を見るうちに、その魅力と、刀剣研磨師、研ぎ師の技に魅せられ、通うようになる。
そして観月堂はただの研磨所ではなく、刀剣たち、付喪神の駆け込み寺で、憩いの場。
ただの人斬り包丁が、現代で生き抜くには癒しが必要!
刀も人もストレス社会の現代。これは癒し処の物語、かもしれない。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-12-11 01:15:53
2345文字
会話率:32%
この地球には、たくさんの来訪者がいる。
それは、異星人であったり、異世界人であったり、異次元人であったりと、実に多種多様である。
いつしか地球人は、一つの定義を作り、彼らをこう呼ぶようになった。
現在の地球とは異なる場所から訪れた人々――異
訪人と。
あらまほ市に、赤色レンガのレトロなビルがある。
そこは知る人ぞ知る、特別困った異訪人の駆け込み寺であった。
玄関扉の横に、カントリーなデザインの看板が立ててある。
その看板には達筆な字で、こう書かれていた。
『黒瀬特訪探偵事務所』
※完結済みです折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-06-21 18:00:00
31637文字
会話率:46%
街の一角にぽつんと建っている探偵事務所『浅川探偵事務所』知る人ぞ知る駆け込み寺だ。
コーヒーとジャズをこよなく愛する探偵とその助手、不動千秋(主人公)が仲間達の助けを得ながら街の事件を解決する!!
最終更新:2016-02-01 22:27:59
21787文字
会話率:57%
私立虹色学園に入学した高校一年生の神城拳は喧嘩やカツアゲに
明け暮れる札付きの悪だった。
神城の実家は寺で困った人間の手助けをする「駆け込み寺」としての
役割も果たしていて、町の人々からかなり慕われていた。
父親の仁は神城の将来を本気で心
配していて月に3万のお小遣いを渡す代わりに
駆け込み寺の一員として働く様に命じる。
神城は金のためだけに引き受け、様々な問題に強引で破天荒なやり方で
立ち向かっていく。
更に時同じくして、神城の実家でしばらくの間、とある事情で預かることになった
同じクラスメイトの冷淡美少女の「階堂姫子」や5年ぶりに再会した
幼馴染の「桜田詩織」を始めとする様々な人間を巻き込んでいき、
ちょっぴり変わった青春活劇が始まる!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-07-05 15:12:47
1773文字
会話率:0%
かつて、多数派である人類から排撃された存在、『人外』。
迫害から逃れた彼らは小さな集落を築き、身を寄せ合い、慎ましやかに暮らしていた。時たま、自分たちと同じように追われてくる人々を匿い、逞しく生きてきた。
そんな集落も、やがて時代の波に飲
まれ、揉まれ、現在では世界最大の駆け込み寺と化していた。
犯罪、迫害、そんな理不尽から逃れてくる、吸血鬼、妖精、サイボーグ、神、普通の人間。来る者拒まずを貫いた結果、そこは混沌の坩堝、収集のつかない魔女の大鍋へと成長する。
世界一危険で世界一安全なその街に、一つの事業所が存在した。
『本条生活相談事務所』。暇が常の小さな事務所に、一つの騒動と一人の少女が舞い込んでくる。
戦え、『本条生活相談事務所』! 騒動を収め少女を守り、たまには街に貢献するのだ!
※しゅにち様に素敵なイラストを作成していただきました。
本文内に3点、挿絵として挿入してありますので是非ご覧ください。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-02-27 01:03:11
192930文字
会話率:41%