すべてを持って生まれた少女は、最初から“すべて”を見下ろしていた。
平安の闇に生まれしその存在は、神でも人でも鬼でもない。
その名は後に「酒呑童子」と恐れられることになるが、
生まれ落ちたその瞬間から、彼女はただ“退屈”と共にあった。
力も、知恵も、美貌も、生きる術も、誰よりも先に得た。
だが、そこには“心を震わせるもの”が存在しなかった。
殺し、焼き、壊しながら彼女は探し続ける。
自らの命すらかけられる、たった一人の“強者”を。
だが戦場の果てで彼女が見つけたのは、
誰よりも弱く、誰よりも愚かで、それでもなお——
命を懸けて向かってくる「人間」だった。
これは、破壊者がほんの一瞬だけ「人間になりたかった」物語。
鬼哭の山に咲いた一輪の残花、その記憶を、今、語ろう。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-19 12:19:24
24217文字
会話率:15%
人類最後の希望だった勇者一行は、激闘の果てに魔王とその四天王に敗北した。
それから一ヵ月。自称平々凡々普通なヒュームである、少し独特の思考回路を持った少女エルザは、特に咎なく魔王の生贄に捧げられることとなった。そうして送られた魔王城で、
何故か魔王に気に入られたエルザは、生贄兼客人兼ペットという訳のわからない境遇に置かれてしまう。
自分以外は全て魔族という異色の環境の中で、時に命を狙われながらもマイペースな生活を送るエルザ。
しかし運命の歯車は――物語はエルザに容赦なく試練を突き付ける。
これは“己の人生”に翻弄され続ける一人の少女が書き記した、取り留めない日記帳の物語である。
【第七章 連作短編集編】
これは日記帳の狭間に消えた物語。積み重ねて寄り添って築き上げて、そして自ら手放した幸せの記録。
供養として語ろう。弔いとして飾ろう。それが今の私に出来る、ミルーエへの、そして“私”へのせめてもの償いなのだから。
……いやでもコレちょっと小っ恥ずかしすぎるんですけど、クーリングオフできませんか?
聖剣『諦メロン』
※ ※ ※
この作品は章ごとに脚本や構成に意図的な変化を加えています。
そのため、初期の話と最新話ではかなり雰囲気が異なっていたりするのでご注意ください。
各章ごとのジャンル
一冊目【ほのぼの日常編】
二冊目【逆異世界転生編】
三冊目【ダークファンタジー編】
四冊目【ラブコメ編】
五冊目【冒険活劇編】
六冊目【怪奇ミステリー編】
七冊目【連作短編集編】 ← いまここ
八冊目【バッドエンド編】
九冊目【大団円編】折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-18 13:11:22
3300734文字
会話率:25%
ーー美しいもので無くていい。
この話にプロローグはない。
プロローグも、章分けも、間章もない。
リセットもない。
逆行もない。
過去は過去のまま。
悲劇は悲劇のまま。
それでも語ろう。
これが、五十嵐(いがらし) 煉牙(れんげ)と
いう一人の魔法使いの人生なのだと。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-15 00:00:00
46049文字
会話率:39%
誰も伝えなかった。
誰も話さなかった。
当事者は語ろうともしなかった。
これは世間に知られることのない裏のお話。
最終更新:2025-04-14 19:44:52
15294文字
会話率:44%
輝鑑読みの講談師、語るに曰く――。
時は太陽暦に直して二千百四十二年。但馬に稀代の英傑が生まれようとしていた。
男の名は、垣屋続成。彼はのちに大陸の皇帝にまで上り詰める伝説の大英雄であった。
だが、その続成とて当初から英傑であったわけでは
ない。彼もまた、幼少から無敵の軍神というわけではなかった。
だがそれでも、彼は最強と言いうる名将であった。
今宵は、彼の前半生を彩る一級史料を紐解いてみたいと思う。
その、書の名は「輝鑑」。自叙伝に近い体裁を取ったその書は、公的記録であると同時に、一級史料に相応しいだけの確たる反証を受け止められる名著である。何せ、ツッコミどころが物語という体裁を取ったことと続成特有の方言は多少なりとも誇張されているのではないかというところだけであったというのだから、推して知るべしである。
そしてこの輝鑑に乗せられた垣屋続成の前半生は、おおよそ現在の我々からは知る術のない、波乱に満ちたものであった。齢八十を超え、畳の上で死したとは到底思えない、危難の連続であった。
それでは皆様、お立ち会い。初代富良東皇帝にして、かの伝説の聖君の一生を語ろうぞ!
〽とざい とーざい これに口上を勤めまするは神前成潔なる者にて候 とざい とーざい……
※当作品は、ノベルアッププラスにて一度完結した物語の改訂版です。
※当作品は、本HP[小説家になろう]の他にKADOKAWA様のHP[カクヨム]にて同時掲載されております。
※当作品は、だいぶ前(だいたい7年以上は前)に公開した、「播州公書記」という作品の正統進化版と位置付けております。「播州公書記」は一度なろうさんを退会した関係上閲覧できませんが、よしなに。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-13 00:10:20
148712文字
会話率:58%
いつものように、いつもの材料といつもの手順で、運命の三女神は天使の創造を始めた。
しかし産まれて来た天使は ── Alichinoだった。
リミテッドシードと呼ばれる奇跡の素材に、完全体として育つ選ばれし天使の存在。そして誰も語ろうとし
なかった大天使長の秘密。ただそこにいただけで巻き込まれて行くアヴリルとユリエル、その他大勢の仲間たち。
今日もエデンは賑やかで、そして血生臭い事故や事件が顔をのぞかせる。
***
この作品は、アルファポリスにも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-12 11:11:59
86043文字
会話率:76%
僕は、氏族の末席にいる。特に語るべき話はないけれど、特に語ろうとも思わないけれど、大学生の僕は異世界に勇者として招かれた。
本当に下らない話だ、いいや、碌でもない話だと言い直すべきだろうけれど。異世界に呼ばれた勇者は、僕じゃあない。
筈だ、きっと。
然るべき人がいて、それなりにそこそこ良い感じになる話の筈だ。僕さえいなければ、話は拗れず丸く収まった。
僕は、勇者ではない。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-10 22:17:01
364052文字
会話率:49%
戦争が続くセングリッド王国の兵士、トワ・ペアレントは、初陣の戦場で窮地に陥ったところを、一人の赤髪の少女に救われる。彼女の名はノギナ・アンバレット。まるで舞うような剣技で敵を圧倒する謎めいた戦士だった。しかし、彼女は名乗ることもなく戦場から
去り、その存在はトワの心に深く刻まれる。
時は流れ、王が交代したことでセングリッド王国は攻めの戦争を繰り返すようになる。幾度もの戦を経て名を上げるトワだったが、再び戦場で出会ったのはノギナではなく、水色の髪を持つ冷酷な剣士、エリシア・フェルバートだった。彼女は「蒼き死神」と恐れられる敵国の戦士であり、ノギナと互角に渡り合うほどの実力者だった。
トワの目の前で繰り広げられる、ノギナとエリシアの死闘。その戦いの中で、トワはある異常な現象を目撃する。二人は何度も致命傷を負いながらも、まるで時間が巻き戻るかのように蘇り、戦いを続けるのだった。
「あと何回なの?」
「もうすぐかもしれないし、まだ先なのかもしれない」
戦いの合間に交わされる二人の意味深な会話。その真意を知りたくてノギナを追うトワだったが、彼女は多くを語ろうとしない。代わりに、彼はノギナに剣技を教えてほしいと頼み、友達になることを条件に彼女の秘密を追及しないことを約束する。
ノギナと共に剣を学びながら、トワは次第に彼女の謎へと近づいていく。しかし、彼女の宿命はトワの想像を超えた運命へと繋がっていく――。
これは、ノギナを追う青年が、戦場の中で運命に抗い、己の答えを見つけるまでの物語。
剣が交わるたびに、隠された真実が少しずつ明かされていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-27 19:41:12
12712文字
会話率:32%
果てしなく広がる「凪の海」の、その中央にそびえ立つ巨大な世界樹。かつては複数の国が入り乱れていた島国・ウタカミは、血塗られた戦いの末に統一され、軍事産業が国家を支えるほどに発達した。今、誰もが感じている、再び武器が作られ、兵が訓練される理由
を。けれど誰もがそれを語ろうとしない。遠く海の向こうにある何かに備えているのかもしれない、と囁く者がいるだけだ。
下宿屋でひっそりと暮らす少女、鶯蘭(おうらん)は、自分の国を取り巻く重い空気に漠然とした不安を抱えながらも、日々の雑務に追われていた。ところがある夜、研究施設で起こった爆発事故をきっかけに、彼女は気づけば異国の石畳に倒れていた。そこは魔術と剣が息づく中世の面影を残すローゼンバイル。言葉はなぜか通じるのに、その文化や暮らしはウタカミとはまるで違う。
国を守るために軍備を強化するウタカミ。戦の気配を肌で感じつつも真実を知らないローゼンバイル。どちらの世界でも、人々は過去の苦い記憶に囚われながら、新たな戦争を恐れている。鶯蘭は両国の事情を知るただひとりの架け橋となれるのか。それとも、凪の海と世界樹がもたらす結界を越えて、さらなる悲劇が生まれてしまうのか──。
二つの国を隔てる一万キロメートルの海と、揺るぎない結界を巡る冒険が、いま幕を開ける。鶯蘭の小さな行動は、やがて東西の運命に大きく揺さぶりをかけることになるのかもしれない。人々の思惑、秘められた魔術の力、そして胸を締めつけるような切なる願いが交錯する、戦争前夜のファンタジー群像劇。果たして誰が真実を語り、どんな未来が訪れるのか──その一歩を、彼女が踏み出す。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-19 09:16:06
8640文字
会話率:33%
江戸時代初期に、徳川家康の側近として活躍した天海大僧正は、出自を語ろうとせず、百歳を超える長寿であったという。このようなことから、天海=明智光秀説が語られたりするのだが、ここで、天海=空海説を唱えたい。
最終更新:2025-03-17 00:00:00
306文字
会話率:0%
若き天才プロデューサー大和のプロデュースによりシンガーソングライター愛は、デビューを果たし、一躍時の人となる。
そして2人は、恋人関係に。
そんな順風満帆に思えた愛の人生に悲劇が。
愛の新曲披露の日に大和が逮捕されてしまう。それも交
際相手による密告によるものだった。
「私と付き合っていたんじゃないの?私の側でプロデュースするって言ったよね?」
「ごめん。」
真相を語ろうとしない彼。
愛が真実について追い求める先に想像もしなかった結末が待っていた。
その結末とは?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-04 11:29:50
2590文字
会話率:28%
斎藤道三には出家した日饒、日覚という二人の子がいるそうですが、どうにも史料が無くて掴めません。その二人について見付けただけの史料で語ろうとする無謀な企画です。
キーワード:
最終更新:2025-03-01 22:50:00
4801文字
会話率:0%
八歳から十八歳までの十年間。女の生涯において、この十年の持つ意味は大きい。だから語ろう。レガーノス伯爵令嬢リリアネルの、そんな十年間についての物語を。はつ恋と、純愛と、イチゴのショートケーキの話を。
最終更新:2025-03-01 20:06:14
8533文字
会話率:25%
今でも憶えている――
同じ日ばかり繰り返す世界で、彼女が如何に面白おかしく、如何にでたらめで、如何に魅力的なのかを。
その記憶を、物語を、神話を。
この俺、助手役兼語り手が全部主観と偏愛のもとで語り記そう、彼女を殺すその日までのことを
。
そう身構えなくてもいい、別に重い話しじゃない、なんら軽い話しだ。
ぶっちゃけ惚気話だ。
いっそうラブコメと思って気楽に読んでみるのもいいぞ。
さて、どこから語ろうか…そうだな、あれは――
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-26 21:00:00
22923文字
会話率:30%
近代において、自由主義は社会契約説と不可分だった。しかし現代の権利思想の一部は社会契約説抜きに成立していると思われる。これでは、何にでも権利を主張できてしまう。私はそのような議論をしたくないので、まず社会契約説を述べ、その次に政府の理想のあ
り方について語ろうと思う。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-24 16:10:54
2767文字
会話率:0%
橘颯太は、大学四年の秋、カフェで美琴と出会った。静かな空間で読書に没頭する彼女に惹かれ、二人は自然と親しくなっていく。美琴は「忘れたくない記憶と、忘れたほうがいい記憶、どちらを選ぶ?」と問いかける。不思議な言葉を残しながらも、彼女は優しく、
颯太にとってかけがえのない存在になった。
しかし、美琴の過去には謎が多かった。美琴は決して過去を語ろうとせず、やがて彼女の様子は不安定になっていった。ある夜、届いたメッセージは「助けて」。
颯太が美琴の家へ駆けつけた時、彼女は震えながら言った。「私、忘れたくなかった。でも……忘れなきゃいけなかったの。」
彼女の記憶の奥に眠る秘密とは?そして、颯太がたどり着く真実とは——。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-23 07:38:25
19115文字
会話率:31%
教皇「馬に乗るのって動物虐待じゃね?」
中世のヨーロッパ、騎士道の栄光が輝きを放つ時代。しかし、その華やかな表面の裏には、我々の知られざる歴史が存在していた。クロスボウが残酷すぎるとして教会によって禁止されたことは有名であるが、その陰に隠さ
れたもう一つの禁忌があった。それは、騎士たちが馬に乗ることを禁じられたという事実である。なぜこの事実が闇に葬られてしまったのか。今、その真実を語ろう。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-21 14:37:51
11473文字
会話率:33%
中村吉右衛門さんを偲んで鬼平作品について語ろうと思います。
最終更新:2025-02-15 21:18:07
24864文字
会話率:1%
さきほど読んだエッセイにチョココロネについて書いてあった。
ならば語ろうか。
チョココロネに対するこだわりならば、私は誰にも負けない!!
嘘です、そこそこです。まあ……人並です(/ω\)
さあ、これを読んだら――――アナタはチョココロネが
食べたくなるかもしれませんよ?(*´艸`)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-08 12:44:19
2097文字
会話率:0%
探偵の佐幸輝夜(さゆきかぐや)という女性は、毎回奇妙な物に出くわす。
自らを怪異と称するのっぺらぼうの市松(いちまつ)は、望みがありながらも輝夜を守るも、ある日輝夜に顔を見られる。
のっぺらぼうのはずの顔には、亡き母親の顔が映っていた――そ
の後市松が輝夜の命と顔を奪おうと狙っている事実が判明するも、情がわいた市松は一族を裏切り輝夜を命がけで守る。
輝夜もまた母親の顔を盗んで殺した市松を許し、市松の苦悩を知る。
市松は人間の顔が欲しいと願い、ケサランパサランを使い叶えるも、輝夜がその後死んだ行為によって願いをなかった行いとする。
世界線はそうして輝夜が生きていた軸と戻り、相も変わらず怪異と過ごしていたが、輝夜にはとんでもない隠れた美学があった。
輝夜の美学を知った市松は、輝夜をただの人間に戻したがる。そうでないと、輝夜はきっと人間の輪から外れる。
『そう、それなら貴方は今まで気狂いな偽善を貫いてきたのね』
輝夜の美学に惚れ込んだ者達は輝夜に傾倒していき、まるで信仰のような恋模様も出来上がっていく。
恋心を殺し、味方になった怪異や市松は、輝夜の美学をねじ伏せようとするも、輝夜の友達は告げた。
「行動力がありすぎる善だと思っておけばいいじゃないか。真っ当な善なんてない。狂気なんだよ、善人は」
果たして狂っているのは輝夜か、周りか、それとも人間か。
善について語ろう。これは善とは何かを、吟味し続ける話だ。
何処まで人は犠牲になれるのか、何処まで人は善に狂っていられるのか。
人のために動く心や助けたいと感じる気持ちは、何処までが偽善で善なのか。本心を偽ってでも助けるのは偽善なのか。
その答えが見つかったとき、初めて輝夜は正常となるのかもしれない――。
※一部残酷・暴力表現が出てきます。某所にも載せてます。
※短編集ではありますが、話数が多いため連載にさせて頂きます。
ネット小説大賞第九回、十回 一次通過作品。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-07 22:10:00
311146文字
会話率:43%