輝鑑読みの講談師、語るに曰く――。
時は太陽暦に直して二千百四十二年。但馬に稀代の英傑が生まれようとしていた。
男の名は、垣屋続成。彼はのちに大陸の皇帝にまで上り詰める伝説の大英雄であった。
だが、その続成とて当初から英傑であったわけでは
ない。彼もまた、幼少から無敵の軍神というわけではなかった。
だがそれでも、彼は最強と言いうる名将であった。
今宵は、彼の前半生を彩る一級史料を紐解いてみたいと思う。
その、書の名は「輝鑑」。自叙伝に近い体裁を取ったその書は、公的記録であると同時に、一級史料に相応しいだけの確たる反証を受け止められる名著である。何せ、ツッコミどころが物語という体裁を取ったことと続成特有の方言は多少なりとも誇張されているのではないかというところだけであったというのだから、推して知るべしである。
そしてこの輝鑑に乗せられた垣屋続成の前半生は、おおよそ現在の我々からは知る術のない、波乱に満ちたものであった。齢八十を超え、畳の上で死したとは到底思えない、危難の連続であった。
それでは皆様、お立ち会い。初代富良東皇帝にして、かの伝説の聖君の一生を語ろうぞ!
〽とざい とーざい これに口上を勤めまするは神前成潔なる者にて候 とざい とーざい……
※当作品は、ノベルアッププラスにて一度完結した物語の改訂版です。
※当作品は、本HP[小説家になろう]の他にKADOKAWA様のHP[カクヨム]にて同時掲載されております。
※当作品は、だいぶ前(だいたい7年以上は前)に公開した、「播州公書記」という作品の正統進化版と位置付けております。「播州公書記」は一度なろうさんを退会した関係上閲覧できませんが、よしなに。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-01 04:30:00
145762文字
会話率:58%
新聞記者の青年、大久保隆は森に出かけた際、地獄にも似た体験をする。その地獄とは異形の何十メートルもある怪物に襲われるというものだった。だが、そこに一つの光に包まれた巨人が舞い降り、化け物を仕留めていったのであった。
その5年後、隆は記者とし
て取材中に1人の剣道部の中学生、結城淳と出会う。
この出会いが隆の平凡な人生を怪物と共に大きく狂わせていく。怪物の正体とは?巨人の正体は?様々な陰謀が渦巻く歪んだ世界で隆は生き延びることはできるか?
過去に掲載していた「巨人たちの肖像」が装いも新たに再登場。新規シナリオを軸に再構成!複雑だった時系列を1つにまとめることでより読みやすいものになりました!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-04-14 16:14:06
3615文字
会話率:18%