数百年後の未来。
人類は科学と産業の果てに繁栄を極めながら、なお土地と資源を求めて争い続けていた。
かつて“日本”と呼ばれた島国は、三つの超大国によって分割され、永きにわたる戦争の最前線となる。
北部は、冷徹な軍事国家「ヴォルク連邦」。
東部は、商業と人口力で膨張する「東インド合衆連盟(EIU)」。
南部は、AIと兵器を操る「アメリカ=イベリア同盟(USI)」。
三国の均衡は拮抗し、戦争は終わらないまま300年が過ぎた。
その中で、かつての東京を中心とした無人地帯に人々が流れ込み、
やがてひとつの“国家未満の都市”が自然発生的に生まれた。
その名は——ザイロス。
欲望と暴力が支配する無法都市。
倫理の消えた経済と、カンパニーと呼ばれる企業勢力が血で覇を競う混沌の地。
そして、そんなザイロスの片隅で、ひとりの青年が目を覚ます。
名はノア。
記憶も身元もなく、過去を持たない彼は、
なぜかこの都市に流れ着き、そして——なぜか、“生き延びる術”だけを本能的に知っていた。
彼が何者なのかを知る者はいない。
彼自身すら、その真実を知らない。
けれど、この男の行動が、やがてザイロスの運命を、
そして、世界の最期を静かに変えていくことになる。
今はまだ、誰も知らない。
この物語が、滅びゆく未来に送られた——**最後の残響(Remnant)**であるということを。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-25 00:02:59
244文字
会話率:0%
少し内向的な女子高生リサは、空冥術という未知の力に出会い、夜な夜な光の槍を振るう正義の存在となった。……そんな彼女の力に目を付けたのが、日本国国防軍総合治安部隊——空冥術を軍事的利用しようとする国家機関である。
七年前に巨大な宇宙ナマズ『
アクジキ』に国ごと食べられた日本は、いまや空冥術という魔法のような技術を多用する世界『アーケモス』の一員として発展を遂げていた。
リサはそんなアーケモスの中の日本の女子高生として、規格外の空冥術士へと成長していく。
オーリア帝国から来たふたりの騎士——元騎士フィズナーと神聖騎士ベルディグロウとともに、日本のテロ組織やアーケモスの地下犯罪組織と戦い続けるリサ。彼女の心にはいつも、失踪した姉・ミクラの正義の言葉が残響のように染みついていた。
※ キャラクター紹介サイト: https://sepia-citron-b77.notion.site/NIL-AQ-b6666b9e57ba48c7a6faa53934dd2bab折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-24 19:20:00
412357文字
会話率:44%
黒曜の首輪を喉に巻き、可愛さを貨幣として搾取する帝都アズル=ローに連行された少女たちは、「鎮罪歌姫」として魔力を供出させられる運命にあった。
主人公――黒髪の少女は、同じ鎮罪歌姫である桜井 心愛と密かに結託し、献上式を決裂させようと企む。式
典の最中、封印されていた封龍アルカナドラゴンを解放し、帝国宰相が隠し持つ《可愛性値》の錬金システム“ゼロ/∞プロトコル”を暴く二人。
しかしプロトコルは都市全体を呑みこみ、可愛さの呪いを無限循環させようとする──。
登場人物
主人公黒髪ロング/黒曜リボンで首を締める少女。
激情と破滅欲を抱え、「かわいい」という記号の破壊を願う。
短剣と変質リボンを操り、歌声で魔力を共鳴させる。
相棒 桜井 心愛栗色ポニーテール。
平素は柔らかいが決断は鋭い。
リボンを夜孔雀の羽へ変形させる“リボン羽弓”の使い手。
帝国宰相 黄金面の宰相
可愛さを「税」として徴収し若さを剥奪して生き永らえる支配者。
封龍 アルカナドラゴン
帝都地下に封印されていた黒耀×蒼硝子の巨龍。
女児形影 ドールシェイド
帝国に命を奪われた歴代の鎮罪歌姫の残響。
主人公の歌声に呼応し、合唱隊として戦闘を支援する。
黒紋衛帝都直属の鎧兵部隊
“可愛さ徴税”を暴力的に遂行する騎士団。
漆鎧は少女の魔力で稼働し、内部に幼い顔がのぞく不穏な存在。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-24 02:28:24
20574文字
会話率:20%
銀鈴だけを遺し、少女は緑雨の朝に消えた。
音を喪った世界でただ一人、彼女の“余韻”を追い続ける青年――鐘凪 響。
古びた懐中鈴に導かれ、彼は現実と幻の狭間「湖境」へと踏み出す。
そこは、記憶と感情が音へ変じて漂う異世界。
喪失を忘れられず
にいる者、音を食らう者、声なき風に彷徨う者たち。
そして──「存在しなかった彼女」・鈴原 澪の残響が、深く静かに響いていた。
これは、“音”で繋がる恋と再生の幻想譚。
君の耳がまだ開いているなら──彼女はそこにいる。
登場人物紹介
◆ 鐘凪 響
種別:主人公/鈴職人の家系に生まれた青年
特徴:静謐で観察眼に優れ、妹の死以来、音に対して異常な敏感さを持つ。
武器:懐中鈴──共鳴させることで空気と記憶を震わせ、戦うこともできる。
物語上の役割:「喪った音」を取り戻す旅を続けながら、彼自身の過去と向き合う。
◆ 鈴原 澪
種別:ヒロイン/“哀韻”と呼ばれる特異な歌声を持つ少女
特徴:銀青の髪をサイド編みにまとめた儚げな少女。歌で人の心を震わせるが、その力を恐れ、言葉を選びがち。
衣装:透明なオフショルダーのワンピース。濡れるたびに“声”のように質感が変わる。
物語上の役割:響とともに異世界を旅しながら、自身の存在意義と記憶を探していく。
◆ 鐘凪 奏葉
種別:響の妹(故人)/異界にて“哭帝”として姿を見せる
特徴:生前は響にとっての救い。だが、ある事故をきっかけに命を落とす。異界では「音を憎む存在」として再登場する。
物語上の役割:響の“贖罪”と“前進”を象徴する存在。澪とは対になる“記憶の中の音”。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-16 04:58:49
5152文字
会話率:33%
かつて同じ教室で日々をともに過ごした少女、光月《みつき》を失った主人公が、降り積もる雪のなかで蘇る記憶に翻弄されながら、夜の旧校舎を彷徨う学園ダークファンタジー。
夢と現実の狭間で、月の光を帯びた蝶が示すかのように浮かび上がる光月の面影。
廊下に揺れる静寂や崩れかけた教室の片隅で、主人公は彼女との過去をなぞり続ける。
取り戻せない存在の不在に痛みを抱えつつも、雪に覆われた世界はどこか儚く幻想的で、心の奥底に秘めた想いをかき立てる。
やがて、孤独な夜を駆け抜けるうち、主人公は“喪失”という現実と正面から向き合うことを余儀なくされる。
そして月の光が雪に溶けゆく瞬間、蝶は最後の導きとして主人公の選択を促す――。
喪失から始まる再生の物語が、白い静寂の学園で静かに幕を開ける。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-23 00:33:52
82463文字
会話率:22%
神は死んだ。
巨大な骸は灰と化し、大地を覆い、すべてを呑み込むほどに世界を覆った。
生き残ったのは、灰を喰らう者たち。
解体人と呼ばれ、神の遺骸を掘り返し、生を繋いだ者たち。
その一人の男は、
火を燈す謎の女を伴い、記憶と残響の深奥へ—
—。
男は「火を燈す女」をともに、神の心臓が眠る跡地から還ってきた。
かつて解体人として神の骨を掘り、灰を喰らい、生き延びた日々。両手に感じた「心臓」の重みが、焔の導きとともに消え去る。
「ーーーーーー」
忘れたはずの問いが、胸を刺す。
体の奥で、静かに息づく「何か」が脈を打つ。それは、滅びの残響か、再生の鼓動か。
灰の大地を旅する男と女は、選ばれた記憶と再会する。失われた真実を求め、選ばれた記憶と再会し、失われた真実を求めて歩む——。
残響の成れ果てに、再生の火は灯るのか。
その焔が導くのは、過去か、真実か。それとも運命の断片か。
これは滅びの物語か、それとも再生の序章か。
絶えぬ疑問にいえることはただ一つ。
———「死んだ世界が、もう一度、脈を打とうとしている。」———折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-23 19:03:57
89063文字
会話率:24%
ここで6月まで連載していた「帝都に砲声轟けば…」の延長線上にある現代世界を描いた続編(?)になります。
現実世界から「帝都に砲声轟けば…」の現代世界に迷い込んでしまった主人公である「私」が旅をしながら人々から話を聞いていく物語です。不定期
更新になります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-23 17:00:00
86082文字
会話率:41%
ある日突然終わった世界。生き残った一人の男は人間を、文明を、砂漠と化した世界を元に戻すため、途方もない年月の旅に出る。果たして彼の冒険の結果は報われるのか、それとも──。
最終更新:2025-06-22 22:24:45
5610文字
会話率:70%
これは偽りの、しかし美しい夢に閉じ込められた者たちの物語――
どこまでも広がる空と海、浮かぶ島々、多様な種族が交わる雄大な世界『アルケミア』。
NPCはプレイヤーと見分けがつかないほどの知性を持ち、誰もがこの世界こそが「現実」だと信じて生
きていた。
ある日、全てが変わった。
プレイヤーたちから現実の記憶が霧散し、この仮想世界が唯一の真実となった。
そんな中、僅かに“外の記憶”の残響を抱える者たちがいた。
ステータスが完全ランダムで決まるこの世界で、文字通り「ハズレ値」を引き当てた者たち。
彼らは現実を直視できぬ哀れな『夢迷い人』と嘲笑され、社会の最底辺へと落とされた。
しかし――彼らだけが知っていた。
この世界が“ゲーム”であることを。
閉ざされた檻からの脱出手段が、ただ一つあることを。
罵声と嘲笑に晒されながらも、彼らは動き出す。
脱出への鍵を探す旅路で、出会うのは温もりと絆。
偽りの世界だと知りながら、心に芽生えるのは紛れもない“幸せ”。
最弱のステータスを背負った夢迷い人が、英雄と呼ばれる日は来るのか?
そして、この素敵すぎる夢の終わりに、彼らは何を選ぶのか――
笑いと涙が交錯する、閉ざされたVRMMO世界の決断と成長の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-22 18:00:00
10987文字
会話率:47%
祈ることすら、許されなかった。
異端者とされた青年は、教皇と契約を結ぶ。
――これは、正しさに傷ついた者たちの記録。
「祝福」は神の力、「禁呪」は異端の力。
教会がすべてを支配する世界で、
少年教皇と異端の青年は、ある契約を交わす。
主
と従者。
信頼か、支配か。
共犯か、救済か。
言葉、名前、信仰――すべてに意味がある物語。
静かで深く、じわじわと壊れていく教会の中で、
彼らは何を選び、何を守るのか。
※本作はフィクションです。実在の宗教・信仰とは関係ありません。
※カクヨム・Talesにも掲載中。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-19 20:00:00
37744文字
会話率:29%
耳鳴りが始まったのは、いつからだっただろうか。
否、正確には――耳鳴り「という言葉でしか括れぬ何か」が、僕を蝕み始めた時のことを、僕自身がよく覚えていない。朝の街を歩いていたときか、夕暮れの駅で、誰かの罵声を遠巻きに聞いたときか。あるい
は、それよりずっと前、母の胎内でさえ、既にその「ざらついた残響」は響いていたのではあるまいか。
ヴィジュアルスノウ。
視界に走る白い砂嵐。
目を閉じても、まぶたの裏でさえも消えない雑音の粒子。
それは、ただの病だと医者は言う。脳の誤作動、視覚皮質の異常な興奮。
だが、僕には信じられない。
あれほどに確かな“意味”を持ったノイズが、ただの電気信号の誤作動などで済まされてよいものだろうか?
街を歩けば、人の顔が溶けていく。
電車の窓に映る自分の輪郭さえ、まるで濁った水に描いた炭の絵のように、曖昧で、醜くて、崩れている。
それでも、僕には見えてしまうのだ。
――薄汚い「人間」の姿が。
偽善の笑顔に宿る、打算の軌跡。
親切の裏に潜む、支配の欲望。
恋慕の眼差しの奥でうごめく、破壊への衝動。
そのすべてが、白い砂粒となって視界を侵し、金属音めいた耳鳴りとなって僕を貫いてくる。
これは病か。
それとも――啓示か。
神よ、答えてくれ。
なぜ僕だけが、こんな世界を「見せられて」いるのだ?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-17 22:43:32
1104文字
会話率:3%
大陸の南に「忘れられた王国」と呼ばれる土地がある。
かつて繁栄を極めたその王国は、ある晩の"黒の夜"を境に、世界の記録から姿を消した。
千年後、北方の辺境に住む名もなき少年が、不思議な黒い鍵を拾ったとき、
静かに眠って
いた
古の魔法と大戦の記憶が目覚め始める――
これは、神に見捨てられた世界で、名もなき者たちが紡ぐ、
「終わり」と「始まり」の物語。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-06-17 14:53:11
27310文字
会話率:28%
壮大な第4巻では、ホグワーツが時間のパラドックスと古の預言の重みに揺れる。未来から迫るデジタル黙示録の亡霊が魔法界に影を落とし、忘れられた神話が再び目覚め、時の流れを再構成しようとする。
魔法と科学が交差し、呪文と電子回路が現実の支配権を
巡って激突する。選択は単なる意思表示ではなく、世界の構造そのものに波紋を広げ、運命と自由意志の本質が問われる。
次々と訪れる犠牲と別れの中で、登場人物たちは自らの信念と向き合い、歴史の重圧に抗おうとする。ハリーはその中心に立ち、世界の終焉と再生のはざまで「選ぶ」という行為にすべてを賭ける。
この巻は、希望と責任、宿命と可能性が交差する壮麗な思索の旅である。科学、神話、魔法が織りなす新たな叙事詩の中で、「明日」という名の謎が響き続ける。
運命がすでに決められているように見えても、それに抗う光は確かに存在する。読む者は気づくだろう——選択こそが、未来を切り開く唯一の魔法であることを。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-17 06:00:00
181665文字
会話率:18%
人類は地球を捨て、宇宙に逃れた。
逃げた先には「天使」と呼ばれる脅威がいた。それに対抗すべく育成された戦闘要員たちの中に、澪はいた。
感情の機微に鈍く、どこか人間離れした澪と、明るく真っ直ぐなバディ・朱莉。彼女との日々の中で、澪は「心」とい
う未知の領域を少しずつ知っていく。
残されたものの中に、確かに響いたものがあった。
――これは、“終わった世界”に、たったひとつ残った心の記録。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-16 00:01:13
23684文字
会話率:45%
2025年、東京。大学生・田中翔は、グリム童話のヒロイン――完璧主義の葵(シンデレラ)、元気な茜(赤ずきん)、頭脳明晰な雪乃(白雪姫)、芸術家の蘭(ラプンツェル)、食いしん坊の緑(グレーテル)、ミステリアスな美鈴(眠れる森の美女)――と出会
う。「私たち、絵本のキャラだった」と知り、新たな人生を歩もうとする彼女たち。恋人との幸せな日々――濃厚なキス、寄り添う夜、甘い笑顔――に心温まるが、黒幕クロエが現れ、「私が転生させた。3年後、バトルロワイヤルで負けたヒロインは消滅」と宣言。ルールなしの戦いで愛を守るため、卑怯な策や正々堂々の闘志がぶつかる。絶望の中、雪乃のペンダントが光り、運命が逆転! 六つの愛が闇を打ち砕く、恋とバトルの物語!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-15 15:26:12
1671文字
会話率:10%
主人公アレスは、剣と魔法が息づく世界に生きる青年だ。しかし、あまりにも整然としすぎた世界に違和感を抱き、「この世を作った者」への疑問を募らせる。ある日、古びた寓話から「三つの意思」の存在を知り、真実を探す旅に出る。
この世の真実は何なの
か。神の目的はいったい何なのか…折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-11 19:28:25
17936文字
会話率:24%
一度目は、ただ不思議だった。
二度目で、意味が見えてきた。
三度目で、返したくなった。
この物語は、最初は何も分からなくても、
読み終えたとき、何かが“残ってしまう”かもしれません。
よろしければ、最後まで読んでみてください。、
最終更新:2025-06-11 10:30:07
9062文字
会話率:16%
その声は、誰かを愛していた。
だが、誰を? なぜ?
彼の瞳には、いつも音なき光の波紋が見えた。
それが“残響因子(リフラクト)”であることも、
それがかつて“誰かが生きていた証”であることも、まだ知らなかった。
最終更新:2025-06-07 18:39:58
2562文字
会話率:10%
かつて死んだ人々が『某』という少年に再構築される。某の望みは父の作った虫と機械の融合体〜紫電〜を倒すこと。
再構築された面々が紫電と戦いつつも、かつて失ったものを取り戻す話。
最終更新:2025-06-07 18:23:21
12676文字
会話率:39%
とあるの戦場を越えて、二人は出会い、剣を並べることを選んだ。
目的は違えど、背負うものは似ていた。
だからこそ、惹かれ合い、ぶつかり合い、そして共に歩んでいく。
争いの火種が絶えることはない。
ただ、生き延びるために。
ただ、守るべき何か
を失わないために。
二人は剣を手に取り続ける。
それがたとえ、誰かの過去をなぞるような戦いであっても──
それがたとえ、自らの信念を試される戦場であっても──
戦乱のただ中で織りなされる、ふたりの記録。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-06 20:00:00
25972文字
会話率:29%
名もなき世界にて──
戦は大地だけでなく、魂までも引き裂き、
疫病は死の影のように身を潜め、
飢えは希望の骨を静かにかじり続ける。
そんな地で、十二歳の少年が、ただ一人、歩いている。
信じていたすべては灰となり、
祈るべき神はもういない
。
手を取ってくれる者も、道を示してくれる者もいない。
残っているのは、崩れ果てた残骸と、
一歩進むごとに重くなる問いの残響だけだ。
──なぜ、生き延びなければならないのか?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-06 17:40:22
1514文字
会話率:0%
大学研究者である私が収集した、語られることのなかった怪異の記録。
科学の灯火が照らせぬ“沈黙の領域”に、そっと踏み込んだ者たちの物語。
語ってはいけない言葉、動いた標本、記憶に刻まれた墨痕、残された音の名残。
それらは、私のすぐ傍を通り
過ぎ、記録の中にだけ残された。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
本作は、恐怖の瞬間を演出するのではなく、「語られる」「記録される」ことで浮かび上がる、静かな怪異を描こうと試みました。誰かが話し、誰かが記録し、そして今、あなたがそれを読む。
そうして生まれたその残響が、あなたの中に、ほんの少しでも残ることを願って。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-05 08:00:00
33096文字
会話率:32%