街の片隅、ベンチに座る少女が、何かをかじっていた。
「ん?これ、フランスパン……じゃないよね?」
「ガリッ!ガリッ!むしゃむしゃ、むしゃむしゃ!」
黒い木製の、立派な魔法の杖をかじる少女。
硬いし、まずいし、全然おいしくない。なのに
――
少女のお腹はギュルルルと鳴りっぱなしだった。
「魔力の源はカロリー……でも、ぺこぺこで魔力も切れそう……!」
そう、彼女は魔女っ子令嬢――レミィ・ルミナ。
しかし今は、腹ぺこなただの少女。しかも杖かじる危ないやつ。
「空飛ぶ鳥もジューシーお肉に見えてきた……これは……魔女っ子ピンチ……!!」
ベンチで震えるその手は、再び杖をかじろうとする。
が――
「ダメだっ!もう限界っ!」
ルミナは杖を掲げ、叫んだ。
「集え、肉汁とパンの精霊たち……カロリーの力、今ここに!!お腹ペコペコお肉パン召喚!!」
ギラギラ、バチバチ、ド派手な魔法エフェクト!
空に巨大な魔法陣が現れ――
「ゴォォォォォン!!」
\ドンッ!!/
そして。
静かな街の通りに、突如現れたのは――
「マジカルミートバーガー」と書かれた、ハンバーガーショップ。
香ばしい肉とパンの香りが、路地に広がる。
「え……うそ……なんか、やばいもの召喚しちゃったっぽい……?」
魔法、暴走しすぎ!
でも、ルミナの目はキラキラと輝き、口元にはよだれが垂れていた。
「おにく……おにくぅ……」
涎をぽたぽた垂らしながら、ふらふらと店へと吸い寄せられていく少女。
その小さな口元には、まだ杖の木くずがくっついたままだ。
――そして、扉が開いたその瞬間。
ルミナは、ふらりと崩れ落ちるように、ぱたりと倒れたのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-17 12:10:00
110825文字
会話率:46%
「おお、ユウよ! 死んでしまうとはなにごとだ!」
少女、ユウは天界で神様と謁見していた。
「ちがうよ神様。また“死ねなかった”んだってば」
「わかっとるわ、このボケが。何回おなじ失敗を繰り返すんじゃ。現世に身体を残したまま、魂だけでこ
こへ来ても成仏できんと言うとろうが」
ユウはなくした身体を探してすでに十回以上、転生をくり返している。
目的は成仏すること。
そのためには本当の身体をみつけ『きちんと死んでから』天界にくる必要があったのだ。
身体を持たず、時空を超越して定期的に現れ問題をおこす彼女は、地上の人々から『時をかける大悪霊・ユウ』として恐れられていた。
そして、ついに最後の転生がはじまる。
ユウが降り立った新しい世界、そこは誰もいない静かな街。
彼女以外に人の姿はなく、鳥や動物たちすら存在しない空っぽの街の空にひとり漂っていた。
背中を確認しても翼などない。
それでも意のままに空を飛ぶことができ、大抵のものはすり抜けられる。
「これって――幽霊ってやつだよね? ねぇ! ねぇってば!?」
ちょっとおバカな幽霊『憂』と、小生意気な女子中学生霊能力者『彩葉』が織りなすドタバタ“スピリチュアル”ファンタジーです。
楽しんでいただければうれしいです!
※カクヨムさんにも投稿させて頂いております。
■彼女がヒトでなくなるその前に ~自身が誰かのコピーだと知ったとき、彼女は人権を失い『モノ』になる~
https://ncode.syosetu.com/n0277jb/
別作品です。こちらも是非、チェックしてみてください(現在、第2章まで完結済み)。
アメリカ、アリゾナ州を舞台にした近未来SFです。
SFといっても、難しい専門用語がでまくるような内容ではないです。
海外ドラマのようなクライム・サスペンス物として楽しんでいただければと思います。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-12 10:20:00
35090文字
会話率:39%
パン屋で働く少年クレージュは、かつての戦場で拾われ育った孤児。
剣を学びながら、静かな街で“普通”の日常を生きていた。
だがある日、店を訪れたひとりの少女――
正体を隠した王女リシェルとの出会いが、少年の運命を変えていく。
魔の存在が息
づくこの世界で、
人族、エルフ、獣人、魔族、竜人……多様な種族が暮らす六つの王国とひとつの中立都市。
その大地に、再び“異界の脅威”が忍び寄る中――
少年と少女は、まだ知らぬ未来へと一歩ずつ歩み始める。
これは、優しさと強さを胸に、世界の真実へ迫る若き冒険者たちの物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-07 10:25:05
9656文字
会話率:46%
高校時代、静かな街の喫茶店で出会った澪と遼。
二人は少しずつ心を通わせ、やがてかけがえのない存在になっていく。
しかしある日、遼は何も告げずに姿を消した。残されたのは、彼の筆跡だけが残る手紙と、「探してほしい」というわずかな言葉。
遼の痕
跡を追いながら、澪は彼が抱えていた過去と、守り続けた“もう一つの命”の存在を知る。
それは、遼が「伝えることのできなかった優しさ」であり、「自分よりも誰かを思う強さ」だった。
風の中に散りばめられた言葉、届かなかった手紙、記憶の海辺。
さよならの意味を探しながら、澪は“前を向いて生きること”の意味に辿りついていく。
——これは、「さよなら」を越えて想いが残る、
切なくも優しい再生の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-07 00:52:16
10792文字
会話率:20%
ディオゴはいつもゴールを決めることを夢見ていた。
──まさか、自分自身が「ゴール」になるとは思いもしなかった。
マサレロスの静かな街角から、アンフィールドの歓声へと駆け抜けた少年。
ボールを追いかけただけの少年が、やがて何百万もの心に足跡
を残す存在となった。
それは、闘い、愛、犠牲、そして栄光に満ちた旅路。
だが同時に──言葉にならない沈黙や、見えない傷、そしてあまりにも早く訪れた運命の物語でもある。
止まらない世界の中で、ディオゴは全力で生き、心のすべてで愛し、情熱のために一秒たりとも無駄にしなかった。
これは、ただのサッカー選手の話ではない。
これは、ひとりの息子であり、夫であり、父親であった男の物語──
そして、最後に決めたゴール。
それは、彼を愛した人々の心に永遠に刻まれるものだった。
「誰かが、ボールを夢見るかぎり──
ディオゴの光は、決して消えることはない。」
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-04 10:53:33
555文字
会話率:3%
都会の喧騒に疲れ、心機一転を図るために静かな街へ引っ越してきた増田将之。新しい生活を始めたばかりのある日、道に迷った彼は偶然『もふもふカフェ』に辿り着く。そこは、動物たちとの触れ合いをテーマにした隠れ家風のカフェだった。店主の武藤美優香は
動物好きで、優しさあふれる女性。カフェでは、もふもふな生き物たちとゆったり過ごせる癒しの時間が流れている。将之はその温かさに心を打たれ、カフェの常連となることを決意する。
カフェには個性豊かなスタッフが揃っている。無口で行動で示すタイプの原田広孝、変化を楽しむ竹中味夏、感謝されると素直に喜ぶ原拓麻、柔軟な対応が得意な田島幸華、冷静に目標を追い続ける高村佑佳、敵を許さない気の強い清水田涼楓。それぞれが動物たちと深い絆を持ち、日々を大切に過ごしている。
順調に思えたカフェ経営だったが、近隣で犬猫の迷子事件が多発し、スタッフ総出で捜索を開始。将之も協力し、スタッフと共に動物を探す中で、美優香との距離が縮まっていく。しかし、さらなる問題が発生する。ライバル店が出現し、経営危機に直面する『もふもふカフェ』。さらに、幸華の卒業や冬の大雪による停電、経済的な困難など、数々の試練が訪れる。
それでも、スタッフたちは動物たちと共に困難に立ち向かい、将之も次第にカフェの一員として成長していく。動物たちの純粋な愛情が、人と人、人と動物を繋ぎ、地域全体に温かさをもたらしていくのだった。
やがて、将之と美優香はお互いに惹かれ合い、カフェが地域に根付き、皆が支え合う理想の場所へと変わっていく。動物と人が織りなす、優しさと癒しに満ちた日々が、今日も『もふもふカフェ』で続いていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-03 07:10:00
40554文字
会話率:43%
16世紀。病は神の試練とされ、瀉血と祈祷が“医療の最先端”だった。科学も理性も、神の前では沈黙する時代──
そんな国の静かな街で、信仰に篤く勤勉な地主が重い病に伏せる。そこへ現れたのは、神を語らず、奇跡も起こさないひとりの医者。
彼は「救う
」と言った。ただ、誰の許しも得ずに。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-22 20:17:23
12829文字
会話率:68%
月曜日とは残酷だ。否応なく「日常」を突きつけてくる。
変わらない朝、静かな街、少しだけ違和感のある日常。
「僕」は、いつも通り目を覚ます。
だけど、その朝から――世界は少しずつ、ずれていく。
これは、当たり前だったはずの時間の隙間の物語
。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-21 21:58:30
1266文字
会話率:0%
星明町という静かな街に住む普通の会社員、羊ヶ丘 衣奈。
彼女の日常は平凡だったが、周囲に秘密にしている非凡なことが2つあった。
ひとつは、ケモナー(悪役であれば尚良い)であること。
そしてもうひとつは、悪の組織の手先だったオオカミ怪人ウルフ
ガルム・シェイドランナーが同居していること。
ちょっと?口の悪いオオカミ怪人と、それを甘やかすケモナー女性の、持ちつ持たれつ日常で非日常なラブコメディー。
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カクヨム、Pixivでも公開しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-17 18:25:27
63647文字
会話率:42%
ある雨の日、静かな街角の喫茶店で出会った、少し不思議な少年。
人の心が読めるらしい彼との出会いは、心を閉ざしがちだった千歳の世界を、ゆっくりと変えていく。
優しい紅茶の香りと、お天気雨の中に響くベルの音。
少しずつ惹かれ合うふたりの間に、過
去と夢の記憶がにじみ始める——
これは、まだ言葉にならない想いと、“見えない痛み”をめぐる物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-07 16:44:40
5862文字
会話率:32%
「私」は思いを寄せる人が後輩と付き合い始めたと聞き、衝撃を受けると同時に思い悩む。
ある日自室で寝落ちた「私」は、目が覚めると青い光の降り注ぐ静かな街にいた。
見上げれば、巨大な鯨が空を泳いでいる。
物言わぬ鯨はどんな想いをも受
け止める。
日常の隣にそっと佇む「非日常」の物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-06 15:14:16
2000文字
会話率:8%
静かな街で暮らす主人公は、ある日から街の人々にわずかな違和感を覚え始める。親しげな笑顔、何気ない会話──その裏に潜む得体の知れない「何か」。変わりゆく日常の中、次第に孤立していく主人公は、やがて恐ろしい真実の片鱗に触れる。
見慣れた世界が少
しずつ崩れ、誰も信用できなくなる中、主人公は逃げるべきなのか、それとも真実に立ち向かうべきなのか。だが、その選択肢さえすでに奪われているのかもしれない……。
日常が侵されていく恐怖と見えない敵への不安が交錯する物語。あなたは最後まで、自分自身を信じることができるだろうか?
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短編なので少しでも興味が湧いたらスキマ時間に是非見ていってください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-15 16:00:00
2952文字
会話率:15%
主人公の望月翔平は、静かな街で小さな喫茶店「キャット・シェルター」のマスターとして穏やかな生活を送っていた。ある雨の夜、翔平は店の裏で怪我をした黒猫を助ける。その猫は数日後に姿を消すが、しばらくして「玲奈」と名乗る謎めいた女性が現れ、喫茶店
で働くことを希望する。玲奈は猫のような身軽さとしなやかさを持ち、彼女の言葉や行動にはどこか秘密が隠されているように感じられたが、翔平は深く詮索しなかった。
ある日、街では怪盗「ブラックキャット」が話題となり、玲奈が怪盗なのではないかと翔平は疑念を抱くが、彼女を信じる気持ちも強かった。そんな中、玲奈が夜な夜な出かける姿を目撃した翔平は、彼女の後を追い、玲奈が古い倉庫で怪盗として活動していることを知ってしまう。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-15 16:11:12
11835文字
会話率:39%
車内で子供の甲高い声が響き渡る。
突如、女は力が抜けた様に壁に凭れた。
隣を歩いている時、何一つ彼女から話さなかった。
ただ静かに道を歩いた。
将来の嫁は、静寂の住人であると分かった初デートだった。
注意事項1
起承転結はありません。
短
編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
一番怖いのは、その事に無頓着なところかと。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-08 21:06:07
1119文字
会話率:28%
私、夜中に散歩するのが趣味なんですよ……
気持ちいいですよね?誰もいない静かな街をあれこれ思索を巡らせながら歩くのって。
……でもね夜中の街が好きなのって人だけとは限りませんよね?
特に人気のない公園とか……
ほら、あなたの後ろにも……
最終更新:2023-07-03 00:13:05
1887文字
会話率:2%
それは、小さな頃の夏休みをもう一度味わうことができる街。
温かくて、穏やかで、とても静かな街。
その街には、魔女が住んでいた――。
街にやってきた仕事疲れのOL『ソラ』と、魔女『ナツ』のひと夏の物語。
最終更新:2021-11-20 20:00:00
2429文字
会話率:54%
今年の春はいつもと違う。僕は静かな街を駆ける。超短編。
最終更新:2020-05-25 01:40:47
259文字
会話率:0%
様変わりした、街の風景
キーワード:
最終更新:2020-03-03 20:21:36
200文字
会話率:0%
人々が寝静まったころ。
誰の影も見えない夜の街。
そんな静かな街を横目に「奴ら」は動き出す。
人々は奴らを妖怪、幽霊、化け物と呼んで
恐れ、時代によって様々な対処法で撃退してきた…
そんな逸話がある。
最終更新:2019-12-17 03:45:30
1568文字
会話率:54%
そこは灰の街。
灰を被った静かな街。
誰もが訪れる街。
誰もが去っていく街。
私たちが出会う街。
最終更新:2019-11-09 22:54:40
4355文字
会話率:31%