「あきは、どうして医者になりたいの?」
夢の中で再会した初恋の彼に、そう問いかけられた。
もう忘れたはずの記憶、しまいこんできた想いが、胸の奥で静かに揺れはじめる。
医師として、母として、誰かのために生きてきた日々。
でも、本当に私はこの
道を選びたかったのか。
誰にも言えなかった“迷い”や“本音”が、夢の中の彼との会話でほどけていく。
“夢”と“現実”の狭間で、あきは静かに過去と向き合いながら、
少しずつ、自分の声を取り戻していく――
これは、かつて誰かを本気で想ったことのあるすべての人へ贈る、
やさしくて、どこか切ない、再生の物語。
過去の迷いや、置き去りにしてきた気持ちに、
そっと光が差しこむような物語。
読み終えたあと、
忘れていた“あの頃の自分”にやさしく手を伸ばしたくなる。
そして、今からの人生を、
自分らしく歩いていこうと思える。
そんな一冊になれたら嬉しいです。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-15 20:00:00
4659文字
会話率:8%
「すべての童話には、隠された物語がある。」
かつて広く知られた“赤ずきん”、“シンデレラ”、“人魚姫”——
その名作たちの裏には、未だ語られていない秘密が隠されていた。
ある図書館に集められた、7つの童話。それらは単なる物語ではなく、ひと
りの少女が忘れた記憶そのものであった。
“記憶の欠片”として各童話の登場人物が生き、彼女は過去と向き合うために旅を始める。
赤ずきんが通った森はもうなく、泡にならなかった人魚姫は新たな使命を持っている。
誰も知らない“物語の真実”を探し、忘れられた物語たちが語り始める。
そこには、最も大切な“希望”が隠されていた——
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-15 07:00:00
100936文字
会話率:40%
とある山奥、遭難してしまった男は巨大な屋敷を見つける。
そこにいた住人、優しい女性に手を差し伸べられ助かったと安堵するが……。
それは数日にわたる鬼ごっこの始まりだった。
出口の無い、発情に満ちた屋敷で男は自分の過去と向き合う事になる。
※こちらはノクターンノベルズ(小説家になろうR-18)で連載している成人向け版からR-18要素を省いたものとなっています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-14 20:49:16
25795文字
会話率:39%
聖女として帝国から送り込まれながらも、癒しの力を持たぬ「偽聖女」と罵られ、婚約者である王太子により無慈悲に追放されたアリスティア。行き着いたのは、人類域の外、誰もが忌む「異端の地」キャレドナ。
すべてを失った彼女に、差し伸べられた温もり。そ
れはこの地を統べる氷雪の魔王・グラキエスのものだった。
冷酷と恐れられる存在が、彼女の名を呼び、優しく微笑む。「君以上に大切なものなんてない」
氷の魔王と、追放された聖女。絶望の果てで出逢った二人の心は、ゆっくりと、でも確かに重なっていく――
だがそんな彼女のもとに、かつて自分を切り捨てた王太子が、軍を率いて迫る。その目的は――「追放した聖女」の行方。
新たな愛にすがるのか、過去と向き合うのか。アリスティアの運命は、いま再び動き出す。
これは、愛を知らなかった聖女が、異端の地で真実の心に出会う物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-13 21:56:40
21689文字
会話率:36%
「現世」と「幽世」、二つの世界が交わるとき——。あなたは、どちらを選びますか?
死を迎えた者と選ばれし者だけが辿り着く異界、幽世(かくりよ)。
冴え渡る月の下、選ばれた者だけが渡るその地で、ひとりの女性が過去と向き合う。
「私は、ここ
で生きていた——?」
現世の人生をごくごく平凡に生きてきた瞳子。だが、幽世の人々は彼女を知っていた。
繰り返し呼ばれる名「卯兎(うと)」。
龍神たちが統べるこの世界で、彼女は何者だったのか?
そして、瞳子が選ぶ未来とは——。
これは、現世と幽世をつなぐ、月夜の囁きの物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-13 13:00:00
159420文字
会話率:51%
物の化身が見える青年が勤める、探し物屋の話です。現代ファンタジーです。
宵ノ三番地という名の探し物屋がある。
濁った翡翠の瞳を持つオッドアイの青年、瀬々市愛。彼は店長代理で、特殊な力を持ち、物に宿る思いが化身として見えるという。
愛の
幼なじみで歌舞伎の家に生まれた青年、御木立多々羅。彼は愛のお世話係だ。
持ち主を思うネックレス、隠された結婚指輪、黒い影を纏う禍つものなど、それらの思いを聞き、物達の思いに寄り添いつつ、彼らと人との絆を深めていく。
瀬々市の家族、時の喫茶店、恋する高校生、オルゴールの少女、宵の三番地の用心棒達、零番地の壮夜。
多々羅の隣で、愛は自分の過去と向き合う決意をする。
彼らと共に過ごす、愛と多々羅、探し物屋のお話です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-13 12:18:18
226341文字
会話率:47%
28歳のOL・高梨沙織は、広告代理店の企画部で締め切りに追われる日々。恋愛を諦め、仕事に没頭する彼女の前に、ミステリアスな同僚・神崎悠真が現れる。海外から異動してきた彼の穏やかな笑顔と、胸に響く言葉。資料室での偶然の会話や、プロジェクトの危
機を共に乗り越える中で、沙織の心に小さな光が差し込む。
神崎の持つ十字架のチャームや「光はいつもそこにある」という言葉に、沙織は彼の過去と向き合うきっかけを見出す。仕事偏重だった自分、忘れていた優しさ、そして愛の意味――。オフィスの片隅で始まる二人の物語は、互いの心を癒し、赦し合う奇跡へと繋がっていく。
果たして、沙織は神崎との出会いを通じて本当の自分を取り戻せるのか? 静かな祈りのように紡がれる、運命のオフィスラブストーリー。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-12 07:26:08
3279文字
会話率:32%
——春、夜桜の下で、誰かが「また来てね」と言った。
忘れられた約束。忘れられなかった誰か。
それは、やさしさと寂しさが宿る一本の桜の妖(あやかし)との再会だった。
吉野山に咲き誇る千本桜。
その裏手で、誰ともなく昏睡に陥る怪異が続いて
いた。
調査に訪れたのは、冥府庁・調査課の黒野アイリと、その相棒・神崎イサナ。
だが神崎には、かつてこの地で“誰か”と出会った記憶があった——
ほんの小さな約束、胸の奥に残った声。
そして今、あの桜の下で、すべてが静かに呼び起こされていく。
これは、過去と向き合うために“さよなら”を言いに行く物語。
*
冥府庁シリーズの短編です。
凸凹バディの調査官コンビ——冷静沈着な女性調査官・黒野アイリと、陽気で直感型な新人・神崎イサナのやりとりも注目ポイント。
幻想×感情×和風ミステリ・ライトノベル。
・シリーズ初読の方も単体で読めます
・「静けさの中にあるドラマ」「しっとりした空気感」が好きな方におすすめです折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-11 21:20:00
11250文字
会話率:27%
(小田原三部作・第一作)
かつて天文学者を志しながら、現在は地方自治体の観光課で働く〈私〉は、ある日、商店街の裏手に佇む小さな靴修理店で、片足だけ異様に長い革靴と出会う。それは「インド足」と呼ばれた先天奇形を持つ人物の遺品であり、なぜか極
端に精巧な機械仕掛けが施されていた。
靴の持ち主は、昭和初期に実在したとされる曲芸師「道化のアサノ」。彼は戦後の混乱の中で姿を消し、ただ“片足の奇跡”として語られるだけの都市伝説と化していた。〈私〉は記録と噂を追い、小田原の山間部、かつての劇場跡、廃墟となった療養所へと足を運ぶ。そこに残されていたのは、「足を直すことで人生を失った男」の足跡と、周囲の人々が“道化”に投影した歪んだ希望と嘲笑だった。
調査の最中、〈私〉自身もまた、幼少期に足の手術を受けたことを隠してきた過去と向き合うことになる。人間の「左右の不均衡」、身体と社会との摩擦、笑われる側と笑う側との境界。それは常に入れ替わり、揺らぎながら続いていくのだった。
最後に〈私〉は、道化が自らに施した“靴”の改造を解読するが、その中に封じられていたのは、破壊でも復讐でもない、ただ「歩く」という行為への執念だった。
――奇形と正常、道化と正気、希望と嘲笑のあわいに生まれた、もうひとつの歩行論。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-04-11 17:36:43
541文字
会話率:0%
“天才であること”は、彼にとって呪いだった。
雷に打たれたあの日、彼の中に“それ”は目覚めた。
両親を失い、愛も導きもなく生きてきた少年ライアスは、偶然の事件から王立魔法学院に特例入学することになる。
常人には扱えない雷の魔法。
圧倒的
な魔力量と直感的理解力。
それでも彼は、それを誇るどころか、誰にも見せようとしなかった。
「お前、なぜそんなに魔法が上手いんだ?」
かつての天才魔導士の問いかけが、彼の心を揺らす。
――これは、“心を閉ざした魔法の天才”が、
初めて誰かに認められ、過去と向き合うまでの物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-10 10:48:47
1563文字
会話率:22%
世界樹が息づく広大な森エルドラの奥深く。光を司る一族の末裔である若き竜リリは、一族の過去と向き合うための孤独な試練の日々を送っていた。人間との関わりを禁じられながらも、外の世界への憧れと好奇心を胸に秘める彼女は、ある日、森の中で打ち捨てられ
た人間の赤ん坊を発見する。
衰弱し、泥に汚れたその赤子は、しかし、生まれたばかりとは思えぬ不思議なほど理知的で、静かな観察者の瞳をしていた。迷いながらも、見捨てることができなかったリリは、"ユウ"と名付け(られることになる)その赤ん坊を自身の住処へ連れ帰り、献身的に世話を始める。
言葉も通じず、種族も異なる、銀翼の竜と秘密を抱えた赤ん坊。世界樹の囁きと風の歌が響く森で始まった二人の奇妙な共同生活は、やがて静かに動き出す世界の大きな流れと、忘れられた古の盟約へと繋がっていく――。これは、孤独な竜と異質な魂を持つ赤ん坊が、唯一無二の絆を育み、自らの運命を切り開いていく物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-08 09:00:00
15818文字
会話率:26%
水を操る神官ミキ・ソーマは、助産の名手でもあった。
春直前のベビーラッシュで多忙な中のある日、彼女の赴任地であるフロア開拓村に二人の旅人が訪れる。分娩で手が離せないミキに代わり、旅人たちは突然の陣痛に襲われた妊婦を介抱し、前触れもなく姿
を消してしまう。
時を同じくして、村で火薬の盗難が発生。旅人に嫌疑が向く。同日に発生した崖の崩落との関連を疑ったミキは、崖の麓の禁域へと足を運ぶと、そこには村を出たはずの旅人の一人、エレクトラの姿が。
エレクトラの保護を境に、村に侵入する謎の刺客たち。神官を次々と無力化する彼らの手は、遂にエレクトラへと及ぶ――
が、エレクトラの内に宿ったものが、刺客を返り討ちにする。
その力の源は、禁域に封じられた吸血鬼。エレクトラの身体を借りて蘇ったその名は、アルフレッド・ヴァルケル。
吸血鬼討伐に乗り出すミキへ、アルフレッドがエレクトラの口を借り、衝撃的な一言を告げた。
「この女、孕んでるぞ」
胎児の命を優先するミキ。胎児を人質にし、己の完全復活を目論むアルフレッド。対立する二人は奇妙な同盟を結ぶ。やがて、エレクトラの出自の謎を追い、自らの過去と向き合うとも知らずに。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-04 19:13:45
154619文字
会話率:34%
従者フランは諦念のあまりに死出の巡礼の旅路を歩むファルネイア図書館の学徒であった主に仕えている。
今日の宿はある修道院。そこで起こった失踪事件。
その解決のためには主が捨て去った過去と向き合う必要があり……。
筆者作の他作品「学徒
同盟」のエピローグ的作品ですが、読まなくても楽しめる作品になっている、んじゃないかと。
不定期投稿です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-29 17:36:04
4376文字
会話率:39%
「あの時、俺は救えなかった。でも——この“学校”ならきっと」
幼馴染の全てを奪い、クラスメイトを守れなかった。過去の後悔と贖罪を抱える少年・青葉春人。
仮想現実に作られた学園で過ごすうちに、彼は己の過去と向き合うことになる。
これは、現実
には存在しない、幻の青春を求めた少年少女たちの物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-20 16:52:56
3073文字
会話率:31%
学校に通うことを無意味だと感じていた陽は、ある日学校の二大美少女である秋実真凛が恋に敗れる姿を目撃する。
立ち去る真凛の表情に思うところがあった陽は後を追い、屋上で彼女と話をすることに。
そして、陽は彼女にある約束をした。
このことをきっ
かけに、二人は行動を共にするようになる。
学校にいる時は真凛から誘いを受け、休日は約束を守るために二人で旅行へと行くことに。
その中で真凛は陽の秘密に気付き、陽もまた過去と向き合うことになるのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-25 01:14:07
193106文字
会話率:37%
「私、立派なバディになりますっ!」
神籬悠真、17歳。ひょんなことから私立王鳳学園に入学した彼を待っていたのは、世話焼き上手な後輩と美人で近寄りがたい幼馴染だった。果たして悠真の望む日常とは?少年少女は自らの過去と向き合う。
最終更新:2025-02-24 18:35:59
15763文字
会話率:42%
『水面に映る光』は、障がいを持つ姉妹が水泳を通じて成長し、自分たちの可能性を切り開いていく感動の物語です。
主人公・御影美保と妹の百合子は、幼い頃から下肢に麻痺を抱え、車椅子での生活を送っていました。そんな二人に母・安江は厳しくも愛情深い
言葉をかけ、水泳を習わせることを決意します。指導にあたったのは、スポーツ少年団「ATACK」を率いる隆介おじさん。彼は姉妹を特別扱いせず、他の子どもたちと同じように接し、「水の中では皆平等だ」と教えます。最初は戸惑いながらも、水中で自由に動ける喜びを知った姉妹は、次第に水泳に夢中になり、努力を重ねるようになりました。
やがて二人は全国障がい者水泳競技大会に挑戦することを決意し、厳しい練習に励みます。その姿を見た父・総一郎は、これまで娘たちと向き合うことができなかった自分を悔い、初めて彼女たちの前に立つ決意をします。全国大会の会場で、総一郎は娘たちの勇姿を目の当たりにし、これまで言えなかった「頑張れ」という言葉をようやく口にします。
本作は、障がいを持ちながらも自分の限界に挑み、人生を切り開いていく姉妹の姿を描くとともに、家族の愛と絆、そして過去と向き合う勇気の大切さを伝える感動の一作です。水面に映る光のように、希望と成長の輝きを放つ姉妹の物語は、多くの人の心に深く響くことでしょう。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-02-23 21:23:21
3485文字
会話率:19%
かつて、世界を恐怖に陥れた悪の組織「シャドウ」。その首領、黒曜(こくよう)は、冷酷無比なカリスマ性と圧倒的な力で人々を絶望に突き落としていた。しかし、正義のヒーロー「フレイム」との壮絶な戦いの末、黒曜は命を落とす。
だが、彼の物語は終わって
いなかった。
黒曜は、なんとフレイムの息子、ユキとして転生したのだ。
宿敵の息子として生まれ変わった黒曜は、戸惑いながらも新たな人生を歩み始める。かつて自分が否定した「正義」の意味を深く理解していく中で、ユキの心には葛藤が生まれる。過去の自分の罪、そしてフレイムの息子としての責務。二つの間で揺れ動くユキは、真のヒーローとは何かを模索し始める。
そんな中、シャドウの残党がユキの前に現れる。彼らは黒曜の力を利用しようとユキに近づき、その過去を暴こうとする。ユキは、過去の自分との決別を迫られる。
そして、ユキはフレイム二世として、人々のために戦うことを決意する。だが、その道のりは険しい。人々は、フレイムの息子であるユキに期待する一方で、黒曜の生まれ変わりであるという疑念を抱いていた。
そんな中、ユキは、シャドウの新たな首領、「ナイトメア」と対峙する。ナイトメアは、黒曜の思想をさらに過激にした男だった。彼は、力で世界を支配しようとしていた。
ユキは、ナイトメアとの戦いの中で、自分の過去と向き合う。黒曜の記憶、フレイムの教え、そしてユキ自身の心がぶつかり合い、葛藤を生み出す。
果たして、ユキは過去の自分を乗り越え、真のヒーローとして成長することができるのか?
正義と悪、過去と未来、そして何よりも「自分自身」との戦いを描く、壮大な物語が今、幕を開ける。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-06 22:09:29
1744文字
会話率:19%
皇帝の伯爵家、そこの一人娘ジゼルには前世の記憶があった。彼女はかつて、とある王国の女王だった。しかし民のためを思って働き続けた彼女は民に裏切られ、処刑されてしまったのだ。そうして、赤子として生まれ変わった。
他人のために頑張って頑張った
結果が、あの無惨な最期だった。その事実に打ちのめされた彼女は、これからは自分の生きたいように、自由に生きてやるのだと決意する。
ジゼルは前世から憧れていた魔法を学び、ちょっと過保護な両親の愛をいっぱいに受け、すくすくと成長していった。
やがて六歳になった彼女は、貴族の子女が通う学園に入学した。そして年齢も立場も異なる友人たちと一緒に、にぎやかで楽しい日々を過ごしていた。その友人たちの中に、しれっと皇帝までもが混ざっていたけれど。
前世の苦しみを忘れ、幸せいっぱいに生きるジゼル。しかしある日、彼女はとある事件に巻き込まれる。その中で、彼女は否応なしに過去と向き合うことになるのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-03 12:05:23
217077文字
会話率:34%
近代国家として成長を続けるアウスリゼ。その輝かしい姿の裏側には、知られざる陰がある。
国家に反逆した罪により、一人の男が処刑された。この事実は公にはされず、暗い歴史の一部として葬り去られた。
その処刑は、男の家族にとって重く苦しい記憶
となり、特に末弟のテオフィルに深い傷を残す。
彼は何も為せなかった過去を思い出し、悔恨の中で立ち止まっていた。
「知っている? 真冬でも、逃げ水ってあるんだよ」
逃げ水のように手の届かない、幸せだったころの記憶に心を閉ざしたテオフィル。
そんな彼に手を差し伸べたのは、精神科医のレヴィだった。彼もまた、過去に囚われ続ける人間であり、テオフィルの痛みの中に、自分と同じ色を見た。
そしてテオフィルを助けようとする過程で、レヴィ自身も、自分の過去と向き合うことになる。
※こちらは『 喪女は、不幸系推しの笑顔が見たい ~よって、幸せシナリオに改変します! ※ただし、所持金はゼロで身分証なしスタートとする。~』( https://ncode.syosetu.com/n8210hv/ )の続編ですが、この作品単体でも読めるようにしてあります
※イラストが挿入されることがあるため、苦手な方は自衛してください折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-31 07:00:00
163869文字
会話率:34%