崑巍山脈が中央を走る大陸の東で繁栄を謳歌する鳳国に待望の春が到来した。厳しい冬を越えての春の祭りは鳳の民が一年で最も心待ちにする行事なだけに毎年大層な賑わいを見せるが、加えて今年は青年王鷲皇翼の王妃選定の儀式「花選び」が執り行われるとあっ
て、盛り上がり方にも異様な熱が籠もる。
ところが「花選び」当日、皇翼が、候補五人の花姫ではなくずっと片思いをしていた一歳年長の父方の従姉姫鷹竜花に跪いて花を捧げた事から王宮は大混乱に陥る。竜花は絶世の美貌、国一番の頭脳、卓抜した武術の腕と、あらゆる才能に秀で「鳳の至宝」とも、王の近衛羽林軍の無敗の姫将軍「白百合の戦乙女」とも称えられる才溢れる人物だったが、その父親にして皇翼の叔父に当たる翅元の悪行によって花姫候補の選から洩れていたのだ。
この求婚劇は各方面に波紋を広げた。皇翼に対して一切恋愛感情を抱いていなかった竜花が激怒したのは勿論の事、花姫ではない姫に求婚という前代未聞の事態に重臣達は断固反対した。一方、以前から花姫達の王妃としての資質に不満を持っていた者達は皇翼の決断を歓迎し、この機に是非とも竜花立后をと動き出した。
王宮内で様々な思惑が入り乱れる中、竜花も破談に向けて動き出す中、何者かが竜花に刺客を放つ。毒矢は護衛の兵に当たり、その兵も一命を取り止めたが、この後更に事態は大きく動く。竜花立后による粛清を恐れた翅元達が反乱を起こしたのである。
内乱より御家騒動の方が傷は浅いと考え翅元を討っ収束を図ろうとする竜花は、鳳には竜花個人こそが必要だとする皇翼に王宮に軟禁されるが、家人の協力で脱出を果たし一路反乱軍の本陣を目指す。一方竜花に逃げられ大混乱の王宮では鷹家家宰により驚愕の事実が次々と明かされていく。皇翼の求婚により起こるであろう事を正確に洞察していた竜花は、花姫選定の不正、暗殺未遂事件の犯人を一網打尽にする算段を整えていたのである――。
弟としか思われていない国王が、天下無敵の従姉に意を決して求婚した事から始まる一大騒動。青年王の想いは届くのか。重臣達の動きは。美貌の女将軍の決断は――?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-28 07:00:00
146751文字
会話率:27%
好意を寄せていたシングルマザーの元上司を悪く言った役員達を殴り、バイト先をクビになってしまった大学生・蛇原研介。
生活資金の為、ロボットアニメ『賢者ロボ』のブルーレイBOXを売却するべきか?――を悩んでいた彼は交通事故で頭を強打。
二十歳の
若さで永遠に瞼を閉じた。
そして、彼が暮らしていたのとは別の世界。
人知を超えた生き物達が跋扈し、法はあっても、満足に機能しない。
『力』が何よりも、ものを言う大陸。
暴漢達の毒矢に倒れた母親が娘を守り、導いてくれる『賢き人』の助けを願った時、夜空が裂け、鋼鉄の巨人が舞い降りた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-09 16:51:50
81179文字
会話率:25%
中原の強国に圧され、西の辺境の貧しい国だった秦。
旧体依然とした貴族の権益への皇室と政治への介入により、君主を中心とした中央集権国家への道程には程遠く、民も貧しさに苦しんでいた。
そんな中、時の君主・献公は魏との戦の最中に毒矢を受けて亡くな
ってしまう。
若くして後事を託された孝公(嬴渠梁)には、秦を列強に負けない豊かな国にする夢があった。 折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-30 21:30:55
354900文字
会話率:30%
雨ばっかりの森で一人で暮らしていたルディア。
ある日イタチのような不思議な生き物キューと一緒にキノコ採りへ出かけたら、
川辺で泥だらけで倒れている男を発見する。
背中には毒矢。完全に訳アリの男。
自分の身の安全を考えるならこのまま見捨てるべ
きだが…
これは不思議な力を持つ明るく食いしん坊なルディアと、
流れ着いた異国の青年の、
追って追われて進んでいく、泣いたり笑ったりの物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-10-29 19:01:22
511475文字
会話率:41%
森の上空を飛んでいた竜のルシーダは、突然何かに傷付けられた。人間の姿になって森へ落下した彼女は、落ちたその場から離れようとしたが、そのまま倒れてしまう。そこへ旅をしている魔法使いのグラージオが通りかかり、ルシーダを助けた。
ドラゴンハンター
に狙われ、毒矢を受けたらしいと知ったふたりは、解毒薬を求めて村や街へと向かう。どうにか解毒薬に必要なものがわかったが、それは火山と氷雪山にしかないものだった。
火山で解毒薬に必要な素材を手に入れ、氷雪山へ向かうが、ルシーダは次第に力を失ってゆく。そこへルシーダを狙ったドラゴンハンターが現れ、毒矢をつがえて彼女を狙い…。
全十五回
(3の倍数日は短編を投稿しているのでお休みします)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-09-17 19:00:00
84854文字
会話率:34%
これは普通の御家人の物語である。
神話の時代、神武天皇が東征《とうせい》したとき、東国は|従わない者《エミシ》と呼ばれる民が支配していた。この一大勢力に対して神武天皇は毒矢を放った。すると毒矢は無数の矢雨となりふりそそぎ、敵対者
はすべて死体の山と化した。この無数の屍《かばね》が積み重なって蔵《くら》のようになった。
この死が横たわる地を屍蔵《かばねくら》と呼び、それがなまったのが鎌倉《かまくら》である。
鎌倉幕府はその神話の上に築かれた。
――鎌倉、その語源のひとつ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-08-15 19:25:59
394976文字
会話率:42%
大陸ではヴァムドールとザムザードという二大大国の間で戦争が続いていた。ヴァムドールには不敗を誇る隻眼の戦士がいた。その男が戦った戦場には無数の屍の山が築かれ、それを目の当たりにした者達は口々に云う。その姿は、かつて世界を滅ぼしたと言われる悪
魔『ニケヴァディアス』のようだと・・・。一方、戦場から程なく離れた村に住む薬師の娘ユアは、貧しいながらも平穏に暮らしていた。しかし、父の失踪と母の病死が続き、孤独に苛まれる毎日を過ごしているうちに、生きる気力を失ってしまった。そんな時、一本足の鷲に導かれるように入った森の中で、負傷した兵士を見つける。毒矢を受けたと思われる兵士を自分の知識を活かして介抱するユア。そうしているうちに自分のやるべきことを見いだしていく・・・。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-23 20:04:04
462381文字
会話率:43%
前回「ただの毒舌?」で自問自答をしているうちに、知らず知らずのうちに背負っていた罪悪感に気づきました。そんなに、自分を痛めつけなくていいんだよ。自問自答からの自分への慰めと励ましです。身近な人からの心理攻撃って、攻撃する側も、される側も、人
間関係が近すぎて、判別しにくいのが悩みです?今回の個人的お悩み?も、そこから派生する無用な罪悪感・・・そこから自由になり始めているのかな?一足飛びに解決するとは思わないようにしています。弱さも矛盾もまるっと自分自身ですからね<(_ _)>(*^-^*)お付き合いいただきありがとうございます<(_ _)>(*^-^*)現実の生活は元気でやっております<(_ _)>(*^-^*)個人的人間関係における個人的解釈ですので、すべての対人関係に当てはまるとは限らない点にご注意いただけますと助かります<(_ _)>(*^-^*)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-10-01 08:57:14
2451文字
会話率:87%
セインス・クロームは、騎士の子だが、セインスが13歳の時に、親は戦で戦死。
その戦で、援軍にきたはずの味方に、殺されそうになるが、なんとか生き残り身分を隠しながら、自分を鍛え直す旅に出る。
ある日、戦中に毒矢を額に受けてしまい、10日寝込
む。
その時、ベッドの上で散々考えた事を実行し、兵として強くなっていく。
両親を殺した相手に復讐するために。
神が存在し、魔法が存在する世界。
エルフやドワーフ、獣人もいます。
主人公最強ではありません。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-28 07:00:00
147916文字
会話率:41%
塔の上のラプンツェルは引きこもりです──そんな噂がまことしやかに囁かれていたハークレン王国の第四王女の噂──は、事実であった。
…引きこもりでも、ハイスペックな彼女の元を連日様々な人が訪れますが──いつだって“居留守”を使われて誰も本人と会
ったことはない──そう、親ですらも。
…10年前から塔に引きこもった頃から。
「パパが来たよ!」
バンッ!と扉を開けたその先は──壁だった。
シーン…。
静まり返った行き止まりの部屋…“今日も”許可は得られなかったようだ。
「…くっ、いつまでも根に持ってないで出て来てくれよ…っ!?」
ヒュンヒュンッ
「…!?あっぶな…っ!?ちょ、殺す気か…っ!?パパ、頑張ったのに…っ!」
風切り音と共に頬を掠めるは毒矢…当たると、“なぜかくしゃみが止まらなくなる”ものが鏃に塗り込まれてあるのだ。
矢自体も鉄製で…場所が悪ければ──死ぬ。
殺傷力は愛情の裏返し──なら、良いのだが。
かわした地面に次の罠が──トリモチからの頭上落下する金盥…徹底的に殺る気だ。
「い゛っ゛──っ!?」
…空しくガインッ!
鈍い音と痛みに蹲る一国の王。
…今日も今日とて王女は父を拒絶している──
これはそんな父娘(おやこ)の攻防物語かもしれない──
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-25 00:00:00
19896文字
会話率:38%
「うぐっ!」
シオンの太ももに矢が突き刺さったが、俺の足を止めるほどのダメージは負わされなかった。
木の陰に隠れ、次の攻撃から身を守る。
先ほどまでは敵の場所が分からなかったが、今は矢が振ってきた方角に絞り敵を索敵する。
発見することに成功
し、敵の2射目が放たれる前に太もものわけない痛みを無視して標準を正確に合わせトリガーを引く。
敵は脳天を突かれ後ろにのけぞり、動かなくなった。
シオンは敵の死亡を再確認し、自分の負傷部位を確認する。
推測通り、矢はそれほど深くない。
矢が飛んできたときは、時代劇を見ているのかと疑った。
弓道以外の矢を見ることになるとは、受けることになるとはと、シオンは少し自嘲気味な笑みをこぼした。
時代背景の古い武器は殺傷威力が弱い。
だがあたり何処によっては死んでいたなと他人事のように思った。
とりあえず矢を抜こうとしたが、太ももにぐさっと入り込んでいて皮膚がえぐれてしまう。
刺さったままにするか無理やり抜くか試案して、もっていたナイフで矢を短くカットしようとした。
(あれ、歯の付け根が合わない。)
シオンはガクガクと自分の口が痙攣していることに気づいた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-07-26 03:00:53
9708文字
会話率:23%
戦いに敗れたサララン=ファーネ帝国の老宰相は皇家の血を絶やさぬため、【姫騎士】たるナティナ第二皇女殿下に敵中突破を果たして生き延びるようにと懇願した。ナティナは包囲網を突破するため、果敢に戦うも、脇腹に毒矢を受けて昏倒した。
そして瀕死
のナティナを気まぐれで救ったのは、【魔王】たるネフィスであった。助けた理由としては、ナティナの顔が好みであったからだ。
しかしながら、鍛え上げられた【姫騎士】の肉体は、色気がなくて趣味ではなかった。そこでネフィスは配下のマッド錬金術師であるイゴールに、ナティナの治療と肉体改造を命じたのであった。
生まれ変わったナティナは、ネフィス好みの美少女になっていた。
さて当初の目論見通りに、元【姫騎士】と【魔王】の『らぶらぶ話』と成るや否や!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-06-01 14:25:27
9062文字
会話率:31%
草加部鈴鹿25歳OLは、突然異世界の勇者として召還された。同時に召喚された100人の同期勇者と研修に励み、弓使い科として優秀な成績を収めて卒業。薬師学を副専攻していた彼女は毒矢使いとなる。だが「後ろから毒矢打たれるとか普通に怖い」とパーティ
から外され、弓使いなのにソロプレイを強いられることに。
そんな彼女が偶然、大金を手にいれた。
「よし、奴隷を買おう」
思いつきで奴隷市へ向かう彼女。だが購入した犬耳獣人は訳あり没落貴族で…?
※なろう系王道異世界転移ものを目指しています。逆ハーレム的な要素を多分に含む予定です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-03-15 14:59:11
61856文字
会話率:40%
ゴールドラッシュに沸き、戦乱の予感に震える、17世紀半ばの蝦夷地北海道。孤独なハンター久蔵は、金掘りたちに追われる和人の女を助ける。その女が何者なのかも、これから始まる凄惨な戦いについても知らないままに。
火縄銃と毒矢と蛮刀と、大自然の猛威
が交錯するアクションもの。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-06-18 17:00:00
18002文字
会話率:36%
王として生まれた人間は、全ての他者を弄び、王として生まれた人間は、世界の為に自分を殺す。そして王を狙う一筋の毒矢は、標的を愛し己を呪い、全てを見通す観察者だけが、その結末を知っている。 『救世主』と『魔王』が出会う物語。
最終更新:2013-03-17 15:20:29
57858文字
会話率:48%
嘆く王と賢者のワンシーン
モチーフは釈尊とその弟子の問答「毒矢の譬え」
最終更新:2012-06-09 00:43:00
1026文字
会話率:20%