すでに夜の闇がすべてを支配していた。
ちらちらとまたたく星と青白い月の光だけがこの世界を見下ろしている。
小さく打ち寄せる波が湖面で星と月の光を反射していた。
海とも思えるほどの巨大な湖を一望する摩天楼が闇を突き刺し立ち上がっている。
これほどまでの高層建築物はかつてなかった。
最上階にはかなげな灯火のまたたき…
低く小さくはあったが、その声は朗々と板敷きの広間全体にしみわたる。
広間の壁面に灯火が揺れ、板敷きの四方にある雪洞が明暗をくっきりとさせていた。
人間五十年
下天のうちを
くらぶれば
夢まぼろしの如くなり…
敦盛の一節を謡いつつ舞う男。
見事な銀の総髪。高く結い上げたもとどり。
鼻筋が通り引き締った口元は、見様によっては酷薄とも思われがちな薄い唇。
獲物を狙う猛禽類の如き爛々とした眼光の先になにがあるのか…
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-01 10:11:28
10901文字
会話率:56%
「婚約破棄するよ、ルージェリッタ」
マキナス王太子殿下が冷たい眼差しで私ーールージェリッタ・エルリアス公爵令嬢へと告げる。
学園の卒業パーティ、その開催の音頭となる始まりの言葉の前に、マキナス殿下は皆の前で朗々と告げた。
「君は教育
と称し、彼女ーーココ嬢をはじめとする平民学生をいじめていただろう」
ーー呆れた。こんな愚か者だとは思いませんでしたわ、マキナス王太子殿下が。
私はマキナス殿下の隣に立つ女子生徒を見やる。ココ・フリーシアダース。令嬢ではない。平民だ。平民の彼女がここに立っているのは、学園が五年前から平民の入学も許したから。
「お言葉ですが、殿下。その子に私は礼儀作法を教えて差し上げただけです」
「礼儀作法……か」
冷ややかな眼差しで王太子は見下す。
「貴族だらけの学園で、堂々と大勢の目の前で、身分の低い平民の彼女に……王太子の婚約者である公爵令嬢の君が真正面から正論で斬ることは、マナー違反ではないのか?」
「それは……」
わからない。王子が言っている意味がわからない。
礼儀作法を教育してやることは公爵令嬢としての優しさだ。
ーーなのに、どうして。なぜ、みんな私を冷たい目で糾弾するの?
◇◇◇
公爵令嬢ざまあです。
平民女も腹黒です。性格が悪い人しか出ません。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-11 16:14:49
7655文字
会話率:40%
「ジョセフィーヌ、聖なる力を失い、新聖女コレットの力を奪おうとした罪で、そなたを辺境の修道院に追放いたす」謁見の間にルーカス第三王子の声が朗々と響き渡る。
「意義あり!」ジョセフィーヌは間髪を入れず意義を唱え、証言を述べる。
「証言一、とあ
る元聖女マデリーン。殿下は十代の聖女しか興味がない。証言ニ、とある元聖女ノエミ。殿下は背が高く、ほっそりしてるのに出るとこ出てるのが好き。証言三、とある元聖女オードリー。殿下は、手は出さない、見てるだけ」
「ええーい、やめーい。不敬罪で追放」
追放された元聖女ジョセフィーヌはさっさと王都に戻って、魚屋で働いてる。そんな中、聖女コレットがルーカス殿下の子を身ごもったという噂が。王国の結界を守るため、元聖女たちは立ち上がった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-09-16 01:19:03
5603文字
会話率:59%
彼女は歌う朗々と、芝居のワンシーンのナレーションのように自分の思いを歌うのだ。登場人物や状況、出来事などはすべて架空です。とりとめもなく浮かんだふんいき。「彼女」の真実は彼女にもわからない。ましてや、別の存在である筆者にもわかるはずもなく。
だから、筆者の憶測でしかなく、それも、いま、この瞬間浮かんで・・・次の瞬間には別の解釈をしているかもしれない・・・そういう、つぶやきです<(_ _)>(*^-^*)いつもお付き合いいただきありがとうございます<(_ _)>(*^-^*)現実の生活は普通に元気にやっております!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-02-10 17:11:14
1098文字
会話率:0%
山東快書(サントウカイショ)中国の山東省に伝わる語り物の一種。民間で発祥し、内容は日常的な会話の言葉で語る。リズム重視なので、朗々と語ってしまう、愉快で覚えやすい。お題は大体身の周り物事で、実になんでもあり。
最終更新:2021-03-07 15:20:12
323文字
会話率:0%
山東快書(サントウカイショ)中国の山東省に伝わる語り物の一種。民間で発祥し、内容は日常的な会話の言葉で語る。リズム重視なので、朗々と語ってしまう、愉快で覚えやすい。お題は大体身の周り物事で、実になんでもあり。
最終更新:2021-03-07 12:27:51
394文字
会話率:0%
山東快書(サントウカイショ)中国の山東省に伝わる語り物の一種。民間で発祥し、内容は日常的な会話の言葉で語る。リズム重視なので、朗々と語ってしまう、愉快で覚えやすい。お題は大体身の周り物事で、実になんでもあり。
最終更新:2021-03-07 10:16:04
226文字
会話率:0%
目の前で白のローブを纏った神官たちが朗々と呪文を唱えると、私たちの体は強い光に包まれていった。この光に包まれるのはこれで2度目だ。今この時と、姉と共にこの異世界に強制的に召喚された、1年前と。
最終更新:2020-05-04 12:00:00
10553文字
会話率:30%
戦国時代のこと。農作業がひと段落した夏場は、戦の時季だった。
ある村でも、戦力の供出が命じられ、召集される前日。皆は戦支度に励んでいた。
その中、村長の声が朗々と村中に響き渡る。
「多大なる益を望む者あらば、とく、我が声の下へ集え」と。
最終更新:2019-08-03 21:00:00
3966文字
会話率:10%
その日、アルドア学園高等部では入学式が行われていた。
主席合格した公爵令嬢アドリアナは堂々とした姿で、朗々と新入生代表として挨拶をする。
そして入学式が終わり、運命の歯車が彼女を巻き込み始める。
―――物語が、再び幕を上げようとしていた。
*悪役令嬢がその未来を覆す、という昨今の流行に乗って書いてみた作品です。
前作ほど『ざまぁ』成分が不足していますが、今後にご期待して頂ければ幸いです。
前々作をお読みでない読者の方は、まずこちらを読んで頂かないと良く分からないと思いますので、こちらからどうぞ。
プロローグに関しましては前作とほぼ同様なので、既に読んでいる読者の方はシリーズ1作目をお読みください。
http://ncode.syosetu.com/n7910ct/折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-06-21 19:00:00
108373文字
会話率:24%
その日、アルドア学園高等部では入学式が行われていた。
主席合格した公爵令嬢アドリアナは堂々とした姿で、朗々と新入生代表として挨拶をする。
そして入学式が終わり、運命の歯車が彼女を巻き込み始める。
―――物語が、再び幕を上げようとしていた。
*悪役令嬢がその未来を覆す、という昨今の流行に乗って書いてみた作品です。
前作ほど『ざまぁ』成分が不足していますが、今後にご期待して頂ければ幸いです。
前作をお読みでない読者の方は、まずこちらを読んで頂かないと良く分からないと思いますので、こちらからどうぞ。
http://ncode.syosetu.com/n7910ct/
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-07-22 18:00:00
9681文字
会話率:21%
腐れ縁を引っ張り帰宅した作家は、勝手に乗り込んだ腐れ縁の自室で寛ぎながら語り出す。
盛大で広大に、少し過大表現しながら。
朗々と、作家は述べる。
『救世主』“達”のことを。
――――とある作家が並べる、『救世主』達の存在。
最終更新:2016-01-11 01:13:13
5959文字
会話率:60%
「初めまして、我らが偉大なる君主(へいか)」
なんのことだかこっちはさっぱりわかりゃしない。
ワレラガ?イダイナルヘーカ?…なに言っちゃってんのこの人たち。
事態が把握出来なくてただぽかーんとする私を置いて、何やら可笑しな格好をした七人の男
の人たちが私の前に進み出てきて、それから何故だか私の足許に跪く…ってはあ?いやいや、何やってんのこの人たち!?ちょっ、え、なに?本当になんなの!?
「貴方はこの世界の創立者、《青天の星・聖女神レヴィナレス》の加護と恩恵の下にお生まれになった類稀なるほど貴重で何物にも代え難い、とても尊い御方だ」
とにかく呆然とするしかない私に向かって、跪く七人のうちの真ん中にいたひとりが頭を垂れたまま、私に語りかけてくる。セイテンノホシ…なんだって?またまた意味のわからない単語が出てきて脳内はこんがらがるばかりだ。目を回すしかない私に、彼は朗々と意味がわからない芝居がかった台詞を続けてから、最後にこう締め括った。
「――貴方はこの世界の帝天(おう)となる」
…いーやだめだ、意味わからん。
※更新に激しくムラがあります。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-10-11 22:44:18
132475文字
会話率:43%
体内に魔力を蓄積していない事であらゆる星から見放された地球。
その地球が発する低レベルな『コンタクト』に初めて耳を傾けた、お馬鹿さんの活動報告を銀河の平穏を守っている銀河警察総合室長が朗々と物語風に語った物語。
最終更新:2012-12-03 20:44:59
8907文字
会話率:50%