「かんぱーい!」
「おー」
とある一軒家の居間。天井に向かって掲げたグラスに入ったビールを一気に飲み干していく二人。縁側を通って、開けっ放しの窓から心地よい風が流れ込み、蚊取り線香がほのかに香る。「家を買ったから、都合のいい日に遊びに来
いよ」と誘われ、この夜、彼は手土産にビールを持ってやってきたのだった。
「ははは! どうだ? 中古にしては、いい家だろう?」友人が彼に訊ねた。
「ははは、何回聞くんだよ。はいはい、いい家だよ。広くて昔ながらの感じで、まあ、サザエさんの家みたいだけどな」
「いいじゃないか。国民的な一家だろ?」
「まあな。でも大丈夫か? 結婚する予定もないのに、一軒家なんて買っちゃって。しかも坂の上だしな」
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最終更新:2024-09-07 11:00:00
2251文字
会話率:90%
民間人向けの月旅行が実現し、それから少し経った後のことである。
月に行ったある旅行者が、月の石を手土産に地球に持ち帰り、周囲の人々に配った。もちろん、旅行会社は想定済みで、それを売り文句にしていた。
だが、月の石には作物の成長を促進す
る効果があることがわかったのだ。
民間人向けの月旅行が解禁される前も、月の石は宇宙飛行士の手によってたびたび地球に持ち帰られ分析されていたが、有害でもなければ特にこれといった利もないと、研究者たちの間でいつしか興味が薄れていた。(月の次は火星だ、金星だ、と他に目が向けられていることもあった)しかし今回、月の石を土産に持ち帰った旅行者のうち、農業を営むある男が自分の畑にそれを撒いたことで、その効果が明らかになったのだ。
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最終更新:2024-07-03 11:00:00
1217文字
会話率:0%
「親父……」
ボソッと、呟いてみても親父が死んだ実感は未だわかない。まだ生きているみたいだ、とまでは思わないが不思議な感じだ。多分、思っていたよりも葬式の準備が忙しいせいだろう。
……まあ、それはそれで気が紛れていいんだ。きっと。明日
は通夜。親父をこの部屋から運び出さなければならない。親父も慣れ親しんだ我が家を離れるのは寂しいだろうが、仕方がない。
……それにしても通夜前に結構、人が訪ねて来るものだ。中には手土産、新巻鮭を渡してきた人がいて目を丸くしたもんだが、色々な人から俺が知らない親父の話を聞けてよかった。
……この人も今、親父の遺体の前で手を合わせ、どんな思い出に浸っているのだろうか。あとで聞いてみたいな……なんて、ああ、こっちもしんみりしてくる。……あ、そう言えばこの人、親父とどこで知り合ったかまだ聞いてなかったな。仕事関係か? 親父は昔から職を転々としてたからな。世話になったりしたりっていう知り合いも多いんだろう。それか学生時代の友人か、いや、歳は親父より少し下かな。
と、彼が和室に敷かれた布団の中の父親に向かって手を合わせる男の背中をジッと見つめた時だった。
男が振り返り、彼にニコッと微笑み、言った。
「……さてと、よし! じゃあ、あんたの親父さんの首を持ち帰っていいかな?」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-03 11:00:00
5000文字
会話率:56%
この世で最もつまらない手土産
最終更新:2024-07-29 21:19:34
3272文字
会話率:17%
英国の若きわんこ系イケメン青年×気難しくも男前なおっさん塗師。
山ノ中漆器を作る中年塗師の幸正克己。
人嫌いな彼が漆芸館で塗りの実演をしていると、その塗りを一目見て英国の若き青年ライナスは克己の元で漆器を学びたいと懇願してくる。
絶対に
嫌だと拒んでいたが、ライナスの手土産に惹かれて少しだけ教えることにする克己。
どうせすぐに嫌になってやめるだろう。
明るいライナスには、漆黒と向き合い続けることは耐えられないだろうから――と思っていたのに。
「カツミさん、アナタはワタシのミューズです!」
「おっさんにミューズはないだろ……っ!」
愛などいらぬ!が信条の中年塗師が英国青年と出会って仲を深めていくコメディBL。男前おっさん×伝統工芸×田舎ライフBL。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-28 23:16:11
126305文字
会話率:44%
「今日の議題は、惑星間交流樹立のために初めて訪れる地球という惑星へ持っていく手土産についてだ。地球と友好関係を結ぶためには、どのような手土産を持っていけばいいかをみんなで考えよう」
最終更新:2024-07-20 22:10:00
2119文字
会話率:68%
出戻りした勇者の手土産により現実世界においても魔法が身近なものとなった。研究が進み、異世界の行き来が自由になるも、とある事件がきっかけで彼らとの関係は悪化してしまう。
異世界の貴重な素材を密輸する運び屋として働いていた楠瑞希は、幼馴染
で科学者の生田真綾の誘いで教師をすることに。そこにいたのは魔法界から追放された才能溢れる問題児たち、教え子たちの成長を見守る過程で彼は、二つの世界を揺らがす大いなる陰謀に巻き込まれていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-20 15:07:43
157882文字
会話率:46%
白井すず 32歳 保育士 子供大好き
幼い頃、両親をなくし、東京下町に住む祖父母に育てられた。祖父は大工の棟梁。拳と手土産を持たせれば丸くおさまるという持論を持つ祖父。この祖父をうまくあしらうことができる祖母。2人とも祭が大好き。近所の人た
ちも同じような持論の持ち主たち。みんなで話し合い、みんなで子育てをする、そんな環境で育った私。
憧れはクレヨン〇〇の紅サソリ団や俺たち〇〇の明美に憧れる、特にロングスカート。高齢の祖父母が亡くなり、近所の人に助けられ、念願の保育士になった私。
その私が転生?侯爵令嬢?お決まりのここはどこ?私は誰?の状態。初っ端から、目の前の男に婚約破棄宣言。受けて立つ!
それからのドタバタ?ラブコメディ?シリアスもあるかもしれない折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-09 06:00:00
46246文字
会話率:62%
死体を操る死体魔術と、ゴーレムを生み出すゴーレム魔術が存在するプリシィア王国。
十年ぶりに国に帰還したエメロッテ・レーンは、国外で開発された新式ゴーレムを手土産に新たな生活と亡き父の家名復興を目論み、父の盟友にして叔父のドリジャール・セルジ
ュゲイルを頼る。
高名な死体魔術師を弟に持つドリジャールはプリシィア王国の高位軍人。苛烈な激情家の多いセルジュゲイル一族でも知られた「狂犬」と恐れられた男だが、エメロッテを迎え入れようとした矢先、彼女の乗っている船を狙うゾンビ軍団に襲われる。
実はプリシィアではゴーレム魔術を推進する気風が流れ、風下に立つ死体魔術師による騒乱の兆しが密かに現れつつあった。最新式ゴーレムとその製造に精通したエメロッテの命を狙う魔手に、ドリジャールは立ち向かう。
果たしてドリジャールはエメロッテを守れるのか。そしてエメロッテは自分の居場所をプリシィアに見出せるのか。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-27 20:27:58
120724文字
会話率:49%
あたしには弟子がいる。草魔法を操るやばい弟子だ。その弟子のせいで集落が全滅すると訴えられたので冤罪を晴らしにあたしと弟子は山奥に行くことに。手土産は植物向け栄養剤。ホントは怖い草魔法の魔女と弟子の穏便とは言えない日常の話。
最終更新:2024-03-06 09:24:29
2230文字
会話率:3%
手土産にケーキを買って
最終更新:2024-03-01 11:32:28
347文字
会話率:0%
孫の顔を見に手土産を持って遊びに行く。
孫に好かれんが為の手土産。
なろうラジオ大賞5 参加です。
最終更新:2023-12-31 09:42:36
468文字
会話率:15%
事故によって記憶喪失となり、新しい出来事も記憶できない僕。そんな僕の前にあらわれた怪しい見舞い客が、手土産にカメラを置いていく。
「これで撮った写真は忘れずに記憶することができる。ただし、10枚のみだが」
果たして僕をなにを撮り、記
憶するのだろう。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-15 18:49:38
12907文字
会話率:60%
大学三年の夏休み。『僕』は実家に帰省する際、地元に近い地域に住む親戚から、そこの祭への誘いを受けた。ならば手土産に、と道中にある道の駅でスイカを買っていると、初老の男性に話し掛けられる。聞けば、親戚の住む地域へはスイカをまるごと持っていか
ない方がいい、と言うが――――。
※解釈はご自由にスタイルなので、解釈の固定を防ぐため、感想への返信はできません。ご了承ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-18 20:59:52
1185文字
会話率:9%
ある日突然、我が家に自らを「魔王」と名乗る黒くて禍々しいのが訪ねてきました。手土産の蕎麦を差し出しながら「魔王」はこう言ったのです。「本日より隣人となるが故、挨拶に参じた」
それなりの田舎町に住み着いた魔王と隣の女の子の、普通なんだか普
通じゃないんだかよくわからないご近所ゆるゆる物語。更新もゆるゆる不定期です。(※個人サイトからの転載です)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-31 19:02:06
233907文字
会話率:42%
露国と中国の華々しい門出の陰で日本国首相はうまい棒と見せかけて必勝しゃもじとランプを手土産に宇ナチ国訪問という難題を煙に巻いた。宇ナチ国訪問とマスクやロケット打ち上げをテーマにした小咄です。
(同じようなのツイッターに投稿済み)
最終更新:2023-03-23 22:40:36
520文字
会話率:100%
拝啓、婚約者さま。お元気でしょうか?
最後にお会いしたのは、私の卒業式でしたでしょうか。結婚式も来年となり、色々とご相談したく屋敷に行ってみたのですが、大変な領地に派遣されていましたね。
手紙もまったくなく、もしかして長期派遣にかこつけ
て、浮気でも? とチラリと考えたら、昼寝が出来なくなりました。
父は王宮に行ったっきりなので領地の仕事は、私一人でやっております。実をいうと少しバカで可愛い弟が、仕事を手伝ってくれていたのですが……最近ポカをしてしまい、どこか僻地へと鍛え直しに行かされました。
代わりに補佐役の方に手伝ってもらう様になりましたが、あまりにも突然でしたので、すぐに弟ほどの仕事量は任せられず、悲しい事にティータイムの回数までもが少なくなりました。
婚約者さま。貴方に会えなくなり早半年が経とうとしています。
そろそろお顔も拝見したくなりましたので、お暇を見つけ次第、そちらに行ってもよろしいですか? もちろん、手土産をお持ち致します。
なるべくすぐに向かいますので、お待ち下さいませ。
ただ、先触れより私の方が早く着きそうなので、突然の来訪になりますが驚かない下さいね?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-02-05 18:00:00
21182文字
会話率:26%
よそものは、よそものらしくしてろだと?
上段じゃあない!
最終更新:2023-01-14 07:00:00
474文字
会話率:0%
誰よりも愛しているとあなたに伝えたい。
遂にベガスに、そして東アジアに一つの礎石を立てたベガスアーツ。そしてスラム河漢も本格的に動き出す。その中でも自由人ファクト。ファクトの手土産は過去と未来を繋いでいく。
アンドロイドに人類と同等の人権
はあるのか。人間はどこに向かうのか。その答えを私たちは得ることができるのか。
※この物語は
『ZEROミッシングリンクⅣ』の続きになり、Ⅴに続きます。
小説の流れはⅠⅡⅢⅣⅤの順です。作者ページからお入りください。
『ZEROミッシングリンクⅠ 始まりの音』が、最初の章です。小説を分けていますが、全部同じ話です。
※この物語は第三者視点に加え、その時の場面ごとのメインキャラで視点が変わることがあります。
※主人公たち以外の描写が多い、半群像劇です。
※ストーリーの大半は人間関係です。バトルなどではありません。
※聖書や聖書物語を読んでいると、より分かりやすいお話となります。でも雑教気味です。なんちゃってです。
説明くさいところも多いのです。辛い方は端折ってお読みください(..)
世界観は疑似近未来の地球と似た星です。実際の世界やその動向とは全く関係がありません。完全なフィクションです。「カクヨム」「ノベルアップ+」にも掲載予定です。
※誤字脱字が非常に多いです。申し訳ないです…。数日にかけて修正します(すみません)
ゆったり気長に更新していきます。緩い設定もありますが、そこも温かい目(&生温かい目)で見守っていただけたらと思います。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-10-22 21:20:57
422592文字
会話率:48%
7月7日、今日は俺がデビュー当初から推しているアイドル 榎本 李梨沙の誕生日であり、彼女の夢である武道館ライブの日だ。
俺はもちろん今日あったバイトは休みを入れ、
彼女を祝う為このライブに参戦した。
やはり李梨沙は最高だ!
・・
・ん?重大発表?
「私、芸能界を引退します!」
・・・え?
えぇぇぇぇぇえええええええええ・・・
俺は夜通し泣いた。泣きまくった。
そして推し引退の翌日、インターホンが鳴り玄関をあけると、俺を睨みつけた絶世の美女もとい
推しが・・・いた。
「・・・隣に越してきたので、よろしく」
そう言って俺は彼女に、
手土産であろうタオルを顔面に投げつけられた。
・・・いや、何で俺嫌われてんの。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-07-28 22:15:34
76920文字
会話率:45%
恋人は酷い放浪癖の持ち主で、何時も世界を旅している。綺麗な世界を見る為に。
偶に戻ると綺麗な手土産一つ寄越して去っていく。
あぁ、またお前は……。
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
最終更新:2022-07-20 18:50:37
939文字
会話率:45%
剣一つで国を興した剣聖一家スクアロス家。
三男ロード・スクアロスは幼少期から「殺してもいい打ち込まれ役」として、
剣聖と弟子達の剣を受け続け、守る剣に関しては世界最強の腕を持っていた。
だが、金属アレルギーで剣を握れず、甘い性格のロードは
出来損ない扱い。
連れてこられた罪人を殺すことが出来ず。家から追放される。
失意の中、出会ったのはスクアロス家を倒して名を上げようとする女剣豪、レイナ・バーンズ。
ロードの首を手土産にスクアロス家に乗り込む、と息巻く彼女に木剣で圧勝。
「私の師匠になる権利をやろうっ」
と一番弟子に押しかけられ、レイナと共に用心棒の依頼や悪代官を成敗しつつ、
自信と実力を高めていく。
一方のスクアロス家はロードを失ったことで、稽古中に怪我人が続出。
長男の片目が潰れ、王家との婚約が破棄される事態となり、
スクアロス家の栄光に陰りが見え始める。
「眼が潰れる原因を作ったのはロード」と逆恨みされ、
追手が差し向けられたロード達。
次男を返り討ちにし、エルフの国に逃げ込むもスクアロス家の大軍が迫る。
ロードは世界樹の木で作られた、最強の木剣「ミストルティン」で立ち向かい勇戦力闘。
長男を討ち取り一度は大軍を退けるも、後がない状態。
そんな時、レイナは自らの身分を明かし、自分が王国家を出奔した姫であると話す。
戦いを止める条件として、「レイナの身柄をスクアロス家に引き渡し、父と結婚させる。」
という話が持ち上がり、レイナは話を受け入れる。
「レイナを守れない剣に何の意味が有る」とミストルティンを折り、
泣き叫ぶロードだが、彼の元に集った仲間たちと共に戦う決意をする。
その時、ミストルティンは再生し、更に強靭な木剣となっていた。
嫁入り道中で、ロードはレイナを奪還。
仲間たちと小さな砦に立て籠り、最後の決戦に挑む。
スクアロス家の軍勢が波の如く押し寄せるが、
迷いを断ち切り、愛の為に戦うロードは鬼神の如く屍の山を築き、軍勢を寄せ付けない。
父の憎しみが頂点に達する中、王国軍とエルフ軍が救援に駆けつけ戦況は逆転
ロードは父を倒し、因縁を決着させる。
全てにケリをつけたロードはレイナと結婚。
王家を継いだロードの治世は、スクアロス家を遥かに超える繁栄を見せ。
剣を持たずとも生きられる時代を築き、「最強にして、最後の剣聖」として歴史に名を残すのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-07-03 12:03:01
37130文字
会話率:32%