地方の農業関連企業で農薬研究開発部門の研究員として働いていた神之 十碧(カミノ トア)は、開発中だった農薬を運悪く高濃度で吸い込み死亡してしまう。さらに転生先で屑親に売られてしまったトアは、エルズマート国お抱えの暗殺者ギルドで、殺し屋として
育てられる。逃げることも死ぬこともできず、20年もの間 殺し屋稼業を続けた結果、『常闇の殺戮者』の二つ名を持つ最悪の殺戮者となっていた。しかし国内で勃発した覇権争いに巻き込まれ、さらには自らが属する組織の裏切りにあい、トアは瀕死の重傷を負ってしまう。
今際の際で自らの運命を呪うトア。もしまた生まれ変わるのなら、今度は平和な世界でモフモフに囲まれて暮らしたいと願った。しかし死を覚悟した直後、ちんまりとしたおかしな人物が彼の命を救った。その人物の名はポンチョ。彼は過去にトアが他国の貴族から救い出した、それはそれはモフモフとしたヤブイヌ族の可愛い可愛い獣人だった。
闇の鎖によって繋がれ続けた魔の手から逃れ、ポンチョとともに東の果てへと移り住んだトアは、これまでの時間を取り戻すように、人として当たり前の生活を目指して奔走する。しかしなぜか彼の前に現れるのは、とにかく終始『もふもふ』した者たちばかり。不思議とどうして、あふれるばかりの風変わりなモフモフたちが集まってくる彼らのモフモフライフを、どうぞ御覧ください……。
これは運命に翻弄された最強最悪な常闇殺戮者が、新たな人生をもふもふモフモフし、もふもふモフモフし続ける物語です。
※少しのダークと沢山の可愛いをメインにした物語にしていく予定です!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 16:22:04
172719文字
会話率:47%
古びた木造アパートの屋上。主人公は、天高く昇る満月を見上げながら、高校時代から忘れられない「高嶺の花」――透き通る白い肌と吸い込まれるような青い瞳を持つ彼女を想っていた。彼女はいつも人々の中心にいて、平凡な自分には手の届かない存在。卒業して
数年経った今も、あの時一歩踏み出せなかった後悔が、夜ごと彼を窓辺へと誘っていた。
しかし今夜、満月の光の中に、彼女の姿が重なって見えた気がする。心臓が大きく跳ねる中、月の光が生き物のように揺らめき始め、細い螺旋を描きながら一点に集まっていく。微かに聞こえる鈴のような澄んだ旋律と共に、光の中心からぼんやりとした人影がゆっくりと、しかし確かな輪郭を伴って現れた。
それは信じられないほど美しい女性だった。月光を吸い込み微かに輝く銀色の長い髪、風もないのにふわりと宙に浮く純白の衣。そして何よりも、その瞳の色は、あの日の彼女と同じ深く澄んだ青色をしていた。儚げな微笑みと憂いを秘めた眼差しは、まさに彼が心の中で想い続けてきた彼女の面影そのもの。「月のプリンセス」としか言いようのないその存在に、彼は夢なのか幻なのかと混乱しながらも、抗いようのない力で見入っていた。
プリンセスは、確かに彼と目が合い、その表情には誰にも理解されない深い孤独が滲み出ているように感じられた。まるで「誰かに気づいてほしい」と願っているかのように、彼女は静かに右手を差し伸べる。その指先から放たれる淡い光が、彼の胸に触れる錯覚に囚われるほど、彼女の存在は鮮烈だった。
夜風が運ぶ甘く澄んだ香りと共に、満月の中に見た幻影は、彼の心に深く刻まれる。それは、届かないと分かっていても手を伸ばさずにはいられない、眩いほどの憧れの象徴。そして、彼がずっと忘れられずにいた、大切な人の面影だった。
彼はただ、手を伸ばしたまま、夜空の光を見つめ続けた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-19 18:00:19
1532文字
会話率:0%
気を扱えない『無才』の弟子凛は、門派一の才を持つ婚約者の快斗から、修行の妨げになる『災い』だと濡れ衣を着せられ、破門・追放されてしまう。
婚約者からも見捨てられ、行くあてもなく彷徨う彼女がたどり着いたのは、あらゆる生命を蝕む『瘴気の谷』。
そこは、生者が決して足を踏み入れられない死の大地のはずだった。
しかし、凛にとってその場所は、なぜか心地の良い安らぎの地。彼女の身体は、気を弾くのではなく、瘴気を吸い込み、清浄な『精気』へと変える、唯一無二の浄化の力を持っていたのだ。
谷の奥で出会った謎の薬師・暁と共に、自らの真の能力に目覚めていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-18 20:55:41
7051文字
会話率:29%
その男は暗く黒くどこまでも深く染め上げられた外套に身体をすっぽり隠していた。
頭巾から見え隠れする双眸の瞳もやはり黒曜石のように黒く、左腕の鱗籠手は黒鋼で背中の両手剣の刀身、柄、全てが黒鋼だ。
幾重もの剣戟のなか白刃を受け流し叩き返してきた
籠手。その傷跡は死合う相手に幾度も死を呼び込んだことを伺わせた。槍襖を食い破るよりも多く首を跳ねたであろう黒鋼の大剣は切先から柄まで鋭く、黒光の珠が滑り落ちた。
世界はあまりにも曖昧で境界線が朧げとなった。
リードランを放浪するアッシュ・グラントは空を眺めそんなことを考えた。
今日この日を迎えるまでの出来事がそう思わせたのだ。それは昨日のことでもあったし、気が遠くなるほど昔の話でもあった。アッシュ・グラントの名を含む英雄譚は幾つかあったが、その始まりは百年以上も前になる。だから決定的にコレがといえる譚はなかった。いやどちらかと云えば、それを考えることが面倒だったのかもしれない。ただ漠然と曖昧さと朧げさを頭の片隅に置いておければ良かった。
今は行方をくらました友を探しダフロイトへ到着をしたばかりだ。
そちらに力を注ぐべきなのだ。
だから息を大きく吸い込み、アッシュ・グラントはダフロイトの南大門を静かにくぐった。
※本編は文字数が多いので本当にお時間あるときに是非。
※本作は、残酷描写|暴力描写|性描写 がございます。
これらが苦手な方はお気をつけください。
※本作は「カクヨム」「Nola」へも同様のものを投稿しております折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-25 16:04:03
1089355文字
会話率:31%
深夜、海沿いの駐車場に車を停めた「おれ」は、人知れず地下に存在する違法なアンダーグラウンドスペースへと足を踏み入れる。
そこは、MARIAという名のドラッグに浸る者たちが集う異世界。
鬱屈とした現実から逃れるように、主人公は煙に身を委ね、孤
独な魂たちと無言の交感を重ねる。
中でも若く美しい少女との接触は、彼に一時の陶酔と奇妙な親密さをもたらすが、やがて彼女の顔が亡き恋人・紗季に変わり、幻覚が現実を侵す。
紗季の命日にこの幻を見るという皮肉に打ちのめされ、主人公は逃げるように夜の海へと向かう。
濃いニコチンの煙を吸い込みながら、彼は静かに己の喪失と絶望を噛み締める。
海へ投げ捨てたタバコの火が消えるように、人の命もまた儚いものだと悟りながら――。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-24 19:43:10
3744文字
会話率:3%
我々は、終わりなき螺旋を登るように
戦争への石段を踏み続けている
到来を祈ってやまぬその足音が
皮肉にも歴史のリズムを刻む
戦争よ
おまえは鋼の味がする
避雷針のごとく暴力を吸い込み
その代償に稲妻で大地を焼く
しかしその灰
の中から
不器用な希望の双葉が
陽光を求めて震えるのだ
矛盾という名の錘を胸に抱え
我々は
「叫ぶ」と
「憎む」と
「渇望」と
そして最後の硝子が割れる音と共に
「戦え」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-11 14:36:03
12548文字
会話率:30%
超人気Red♪Tuberのオナキンは動画のネタ探しのために渋谷のロフトの雑貨コーナーへと向かう。そこで見つけた異世界ものの本を開くとその本は周りのものを吸い込み始めオナキンも吸い込まれてしまう。その後気付いたときにはオナキンは異世界の草原に
立っていた…折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-24 21:34:01
3310文字
会話率:59%
罪玉
突如、世界の中心の上空に現れた巨大な漆黒の物体。
更に、各大陸、各地域に小規模の同じような物体が出現した。
そしてその漆黒の物体は次々と人類を吸い込みその過程で吸い込まれた者の肉体は醜く崩れ去り、肉体が徐々に崩れ去り骨と化してい
く者は須らく阿鼻叫喚の苦しみを味わっていた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-21 16:26:07
4484文字
会話率:46%
食事中、世界が口内に吸い込まれる。
何もかもが渦になって入り込む、というよりも多彩な色のあるこの世界が白色に塗り替えられていく。世界の表面の色をそぎ落としていくかのように白が露わになっていった、元ある色が白色だったかのように。
椅子に
座っていた筈だったが、背もたれを吸い込んだ私はその背を支える物までが消え、次に座面も吸い込み、消えた。背の支えを失い後ろにつんのめり、そうして座面まで失った体は後ろに倒れ、頭を強く打った。
次に目を覚ましたときには白い世界が広がっていた。
辺りを見渡し確認すればテーブルに椅子、何かを測定するかのような数字のあるデジタル式の時計のような物のある一室に居た。どうやら頭を強く打った事により記憶が曖昧になっているようで、少しずつ思い出しながらもひとつずつこの状況を整理していく。
私は誰でここは何処なのか、記憶を辿るもそれすらも怪しい。
私すらも怪しく、その世界も怪しい、おかしい。
そうしてその白い世界で一人の女性と出会った。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-28 13:18:22
8954文字
会話率:32%
ある月曜日。桃璃律火(とうり りつか)はビルとビルの狭間に奇妙な黒い穴を見つける。
不審に思い、路地裏の穴に近寄った律火。すると突然、穴が律火の体を吸い込み始める。
気が付くと律火はさっきの路地裏に倒れていた。
起き上がった律火はすぐに異常
に気づく。
周りがやけに静かだ。
街の喧騒は嘘のように消え、世界に佇むのは律火ただひとり。周囲には誰一人として存在しない。
不安と恐怖と混乱の中、静寂に包まれた街を人を探してさまよう律火。
その最中、律火は見たこともない怪物と遭遇する。
襲い来る怪物。しかし少女には戦う術などなかった。
なんの変哲もない月曜日。桃璃律火は命を落とした。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-02-22 11:00:00
134846文字
会話率:47%
絶望freaksのスピンオフ
人妻レイラ視点で書かれてます
カイリと別れ レズビアンと同棲し
鳥籠に飼われる事が趣味だったのに
それは間違いであったと気づくまで
傷だらけの硝子細工のように割れかけ
また 真綿のように悪夢を吸い込み
そして
鋼のように全てを遮り
様々な絶望感を味わいながら
消えて逝く悪夢が乗り移った天使みたいな
生き様を書きました折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-01-06 01:11:33
4309文字
会話率:0%
※書籍化準備中
※毎週水曜更新!
聖女を幾人も輩出した名門エルロン家の長女、リアナは父親が運営しているギルドに所属している。
彼女には生まれつき右手に悪魔の刻印が刻まれており、それが原因で聖女にはなれず冷遇され続けいた。
リアナの父のギルド
はパワースポットと呼ばれており、何故か所属している魔法士の力が上がると有名で、多くの依頼を受けている。
「せっかくのパワースポットも穢れた血が邪魔をして評判を下げる」
リアナは妹のティナが聖女としてギルド入りをするのと同時に勘当され追放されてしまう。
途方に暮れながら隣国まで仕事を探しに行った彼女。
そこで宮廷鑑定士だと名乗る青年エルヴィン出会い、右手の刻印が精霊たちの魔力を吸い込み周囲に分け与えているという事実が判明する。
「自然界の精霊たちから永続的に魔力を吸収出来るなんて、実質的に“魔力が無限”にあるってことだよ。とんでもない逸材だ。リアナなら最高の精霊魔術士になれる」
なんとパワースポットの正体はリアナだった。
新しい才能をスカウトする仕事をしているというエルヴィンはさっそく彼女を王立ギルドに紹介。
無限の魔力を他人に分け与えることが出来る彼女の存在は隣国で大きな注目を集めることになる。
一方、パワースポットではなくなった両親のギルドは次々と依頼を失敗して信用がガタ落ちになっていた。
※アルファポリス様でも掲載しております。
※日間総合ランキング3位(12/24の朝と昼)を獲得しました。ありがとうございます!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-08-24 12:00:00
177092文字
会話率:44%
宇宙に興味を持つ、読書好きな6年生の菜穂と、4歳の颯太の兄弟は、ある日、昔使われていたロケットの発射台がよく見える公園に遊びにいった。すると、突然、黒く大きい何かが周りのものを吸い込みながら、近づいてきた。それは、ブラックホールだった。2人
は、その中へ飲み込まれていった。中には、地球では、存在するはずがないと言われていた生物と、街があった。その世界は、太陽が燃え尽きることによって、滅びようとしていた。そんなの止めるしかない! 2人の冒険と挑戦が始まる!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-13 19:26:58
18570文字
会話率:43%
セカイ系の小説です。
「天気の子」や「君の名は。」が好きな方は、とても楽しめると思います。
高校生の少女「ウミ」と少年「ユウ」の試練と恋愛の物語です。
※毎日、午前11時更新予定です。お昼ごはんでも食べながらお楽しみください。
※お気に入
り(ブックマークに追加)にしていただくと、更新通知が飛びますので便利です。
----------あらすじ---------
ある夏の日、島の中心に存在する活火山「人形山」が、数百年ぶりに噴火した。その火山礫の中に、夜になると黄色く発光する石が複数確認された。この石は「燐光石」と呼ばれ、数百年前の噴火の時にも同様に地表に降ったのだという。言い伝えによると、燐光石の光には非常に強力な毒が含まれており、野放図にすると島全体が住めない土地になってしまう、という。島の住民の半数は、本土への移住を余儀なくされた。そこで、島の神社を勤める古杜家の伝統に従い、ウミが浄化の巫女として選ばれ、ユウは人形山に降り注いだ燐光石を収集してウミに届ける役割を担う事になった。ウミは、燐光石を唇に当て呼吸をすると、その光を吸い込み、無毒化する能力を有していた。
数百年前の噴火時、どのように浄化を行い、最終的に浄化の巫女はどうなったのか、という充分な資料がないまま、燐光石の毒素が人体にどのような影響があるか解らない中、燐光石の浄化作業は続けられた。
ウミの体調は、最初こそ問題がなかったが、毒素の影響か、夜になると体が発光するようになり、やがて咳や嘔吐を伴うようになった。そして…。
伝統と国家機密のはざまで、ウミとユウは、無事に燐光石の浄化を完了することができるのか…。
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ちなみに…物語を最後まで読んだあとに、2つの付記を読むと、物語に対する見方がいっきに変わると思いますよ…。
また、小説内には一切解説をしていないですが、登場人物のすべての名前には意味があります。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-01-06 22:00:00
156594文字
会話率:48%
「─ 醜い嫉妬を丸出しにするなっ!」
学園のカフェテリアに響いた怒声に、高みの見物を決め込んでいた私は、続く波乱の予感に、見物を取りやめて足を突っ込むことを決心する。
そして息を吸い込み、渦中の集団へと声をかける。
「ご機嫌麗しゅうございま
す、皆様!」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-12-08 14:00:00
17973文字
会話率:43%
人口が減少の一途を辿り、取り残された廃墟が目立つ日本の昨今。そんな人々の想いだけを残した瓦礫の中で、故人の思念を吸い込み奇怪な力を得た妖者が生まれた。植物に似たそれらは、やがて怪華(かいげ)と呼ばれ、他の生物に様々な影響を及ぼした。
一方で
、その妖者に人生を狂わされた青年がいた。彼の幼き頃の記憶は、恐らく怪華によりくり抜かれていた。名前も分からない。そんな彼を救い、トキワという名を与えたのが怪華を専門とする研究家、天草多々良(あまくさたたら)だった。
10年の時が経ち、トキワは自ら怪華に関する事件の現場に赴く“先生”となり、天草の娘、咲(さき)と共に、怪華に、そして人々の想いに深く関わっていく。自らの幼少期の記憶を取り戻す為にも。
トキワたちの、神妙不可思議な旅が始まった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-06 20:20:36
73230文字
会話率:66%
後悔とは泡のように浮かんで、消える。
不思議な空間にいた、猫のようなそいつ。一面に広がる水面らしきものから、生まれる泡。
そいつが泡をパイプで吸い込み、また吐きだす。
そいつは言った。
「消える前に覗いてみるかい?」
泡に映った、様々な
人の後悔。次々と生まれ、弾けて消える。
そんな儚い泡を抱いて、人は進む。
後悔とは泡のように浮かんで、消えるのだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-07-11 22:05:32
5327文字
会話率:18%
封印の破壊神が毒属性の神に遊ばれる……。そんなお話。
最終更新:2017-08-23 09:05:16
2406文字
会話率:11%
世界に穴が空いた。
穴は全てを吸い込み始めた。
魔石を持つ少年は、唯一人、世界の崩壊を防ぐ力がある。
少年は、悩む。
叫ぶ少女を背に、少年は空を走る。
最終更新:2017-04-15 02:52:31
1644文字
会話率:17%
幼い頃、よく白いたんぽぽの茎を手折り、頬を膨らませて胸いっぱいに春の空気を吸い込み、その息を吹きかけました。時期が早かったのか、全く親から離れない子どもの種たちもいました。今思うとかなり残酷なことをしていますが、あの頃はこうして遊んだりしま
した。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-03-15 01:32:12
779文字
会話率:0%