幼い頃の病がもとで白髪になった王女エステリーゼは、政略結婚の駒として嫁いだ先で、一夜のうちに離縁を告げられた。
その一年半後、彼女に舞い込んだのは、国内最南端の島を治める伯爵に、書生として厄介にならないかという話だった。
だが、新たな主人は
、今まで接したことのない種類の人物で……
己の誇りと純情(!)をかけて島を襲う大小の危機に立ち向かう、王女と伯爵の物語。
*この作品はアメーバブログ『*Aurora Luce**』
(https://ameblo.jp/moon-of-the-dawn/)にも掲載しています。ブログの方がストーリーは先行しています。ブログ独自の機能を使ったエピソードは割愛したり、この機会に加筆修正したものをこちらに掲載しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-23 18:05:40
213816文字
会話率:29%
ドイツが第二次世界大戦に勝利した世界で、1950年ヒトラーは核実験が帰るところで空港で狙撃される。何とか一命は取り留めたものの・・・
最終更新:2024-11-19 08:00:00
33203文字
会話率:75%
宮廷に勤め始めて三ヶ月目の文官であるエミリアン・ブラントームは非常に葛藤していた。
エミリアンは公文書を作成する文官として取り立てられたのだが、配属された部署の空気が何だか殺伐としていたのである。
その理由は二、三日も働けばよくわかった。
配属された部署は貴族の婚姻に関する書類の発行を主に担当しており、最近は激務が続いていたのだ。
それと言うのも、昨今貴族家の婚約が破棄されたり他家と結び直されたりというのが頻発していて、この部署では大量の書類の書き直しを余儀なくされているからである。
貴族の婚約破棄が相次いでいるとある国。
その裏側で、余波を浴び、憂える宮廷勤めの人々の短いお話。
※拙作『憂える貴族子息達』と同じ世界観ですが、厳密な続編ではありません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-13 21:28:47
10018文字
会話率:37%
白の魔女が創ったオルレニ王国では、国民全員の十七歳の誕生日に『ちょっと良い能力』がお祝いに貰える。
侯爵令嬢リディアは『恋愛指数』を見ることが出来る能力だった。
「え……嘘でしょう。私に冷たい婚約者の恋愛指数が最高値って、どういうことな
の!?」
これまでは、むしろ自分に冷たい態度の婚約者レンブラントのことが、好きだと思っていたリディア。
その時に初めて彼が誰かに取られるかもしれないと焦りを感じ、浮気調査に乗り出すことになったのだが……。
※完結まで毎日投稿です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-11 19:10:00
61869文字
会話率:30%
シーナの姉は世界的に有名な女優、アンジェラ・ブラントだ。シーナはいつだって「彼女とお近づきになる為のツール」であり、「彼女の付属品の一部」だった。しかしそれも仕方のないこと。美しく魅力的なアンジェラを好きにならないひとなんていない、シーナ自
身がアンジェラを愛しているように。
そんな中、叔父の紹介で遠い国での仕事を引き受けることになったシーナ。アンジェラの妹という肩書のなくなった彼女の新たな生活が始まった。
架空の国のお話ですが、現代のひと昔前をイメージして書きましたので現代恋愛のジャンルにしました。
ゆる設定、ざまぁなし。すれ違いというよりは思い込みストーリーです。この作品ではかっこいい男性を「見目麗しい」ではなく「ハンサム」と表現しています(この注意書きで雰囲気を察して頂けると良いのですが…)。
じゃないと感じる方はブラウザバックをお願いいたします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-30 19:00:00
61254文字
会話率:47%
調停機関である浮き船ガーランドは敵対する玄街に先制攻撃を受け、ミセンキッタ領国首都テネ城市にて宣戦布告を行う。ガーランド女王マリラ・ヴォーの懐刀、カレナード・レブラントは領国主テッサ・ララークノを補佐し、全面戦争の矢面に立つ。彼女はテッサの
代わりに拉致され、玄街の都に監禁される。戦乱の果てに女王とカレナードは何を得て何を失うのか。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-03 12:01:46
248627文字
会話率:52%
ガーランドとは花冠。それを戴くは残酷な不死女王マリラ・ヴォー。
二度の瓦解を経た未来の北米大陸を舞台に、不可解な女王に翻弄されつつも体当たりを繰り返す少年が現れる。少年の名はカレナード・レブラント。困ったことに彼は「男の娘」だった(え?)
(この作品はカクヨムでも連載中です)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-11 07:07:12
340555文字
会話率:52%
前世とそのまた前世――魔女として処刑された五〇年前と、侯爵家の女主人として生きた一五〇年前の記憶を持って生まれたエルメリア・ロッシュは、リブラント侯爵家が子息ユスツィート・ケリーとの婚約の解消を望んでいた。
前世の罪を忘れられない。前々
世の恋を忘れられない。
〝過去〟の苦い経験を引きずっている彼女にとって、彼が自分ではない誰かと恋に落ちることは決定事項だったのだ。
しかし当のユスツィートにその気がないこと――運命とも呼ぶべき出会いを果たし、恋をしたとしても、それをなかったことにするつもりでいることを彼女は知らない。
婚約を解消するための唯一絶対の条件。
それは、エルメリアが自身の幸福のために望むこと。
自責の念に囚われるあまり不幸こそを求める彼女を彼は認めない。
どうあっても幸せになりたくないというのであれば一生を掛けてでも確実に、必ず幸せにしてみせる。
婚約者として紹介されたその日。その場で。
拒絶された彼が抱く感情は愛と定義付けられながら復讐心にも近く。
ただ、エルメリアに惚れ込んでいることだけは間違いがなかった。
一五〇年前から抱き続けてきた恋心に終止符を打つと同時。
記憶を有したまま生まれ変わった原因を知り、自らもまたユスツィートを愛していることを自覚せざるを得なくなったエルメリアは契約している精霊から、そんな婚約解消の条件を聞かされ考えを改めることになる。
ユスツィートには幸せになってもらいたい。
そのために必要なこととは。
非正式だった婚約を正式なものへと変えることを受け入れた彼女は悩みながらも決意する。
もしもこの選択が過ちに変わるならその時は。
彼を傷付け、不幸に落とすことを“最後の罪”としよう。
魅了の魔法を受けてなおユスツィートの愛は揺らがない。
ならばもう求められていることを認める以外にない。
侯爵家に生まれた令嬢らしい傲慢さと素直さを亡国の教会で培った純朴さで覆い、忌むべき名を持って生まれた少女という殻の中に押し込めていた彼女は愛する者の願いを叶えるため、自らの幸福に手を伸ばす。
これはそういう話だ。
※他投稿サイトでも掲載中折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-02 12:00:00
101368文字
会話率:31%
ブラントン侯爵家の次女マリアが巻き込まれたちょっとしたエピソード。
王国ディグラーシェを舞台にした短編シリーズの一作目です。
最終更新:2024-07-22 15:01:16
4582文字
会話率:47%
自由を愛する風の騎士レオニス・ヴァンデルは、ルーセントで古代の予言書を手に入れるための旅に出る。彼はエルダンウッドで狩人のティアナ・グレイウィンド、地のエレメンタルの力を持つ戦士ガレス・ブラントと出会い、共に闇の勢力の陰謀を阻止することを
決意する。
彼らは星の魔法を使うリリア・スターグロウ、空賊のリーダートリス・シルバースカイと共に、飛行船でスカイハーバーから嵐の平原を巡る冒険を始める。レオニスはルーセントの大賢者エリオス・ラディアンの助言を受けながら、風の騎士団の元リーダーダリウス・ストームセイバーから重要なアドバイスを受ける。
一方、闇の魔法使いモルドレッド・シャドウスティル、闇の刺客シルヴィア・ナイトウィスプ、闇の風の力を操る戦士ヴォルガス・ストームブリンガーが彼らの行く手を阻む。レオニスは仲間たちと共に、闇の勢力との激しい戦いに挑む中で、風のエレメンタルの真の力を解き放ち、予言書に記された運命と向き合うことになる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-18 17:04:31
16080文字
会話率:24%
遠い昔の親友との約束を果たすために何百年も装置を作り続けるレンブラント。身に覚えのないままに大病の息子を授かって育てるシングルマザーのケイティ。
人ならざる力を持つ魔物にして大魔法使いのレンブラントは逃げ出した装置のパーツを追って三百年ぶり
に街へ出る。だけどパーツは見つからず、一文無しのレンブラントは食事が出来ず餓えていた。そこへ魔物の大好物の魂を持つケイティが通りかかり…
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-13 16:30:00
60841文字
会話率:54%
いつかの時代、どこかの世界。多くの未知が人々を突き動かしていた。
そこで生きる者たちは時に生活のため、時に探求心から命の危険にも立ち向かっていた。そんな者たちの安全を保証するのが武力行使限定の何でも屋、≪荒場屋≫。
これは、とある荒場屋集
団に属する男、ブラント・ルースランドの冒険と戦いの物語である。
多くに語られる英雄譚や、伝記と異なる点は、彼が望んでこの世に生を受けたわけではないこと、いつも嘆きながら陰鬱に言葉を吐いていたこと、そも彼はこの世界の人間ではないこと、であろうか。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-07 15:57:54
34041文字
会話率:18%
「アイシャ・レンブラント!お前は今日でクビだ!」
無能な上司から荒唐無稽かつ理不尽かつ意味不明な解雇を言い渡された、若い魔法薬師『アイシャ・レンブラント』。
勤めていた王国を去り、故郷の町へ向かおうとするがその道中の森の中、傷付いた下
級騎士『レオン・ガングニール』と出逢う。
怪我を負って衰弱していたレオンに、アイシャはその場で魔法薬を作り上げ、彼の一命を取り留める。
その二年後、帰郷したアイシャは実家で小さな魔法薬売りを営み、ささやかに繁盛していた。
そこへ、かつて自分が助けたレオンが、騎士団長に昇格して現れ……?
「アイシャ・レンブラント。俺と、結婚してくれ」
※この作品は、楠 結依様の『騎士団長ヒーロー企画』への参加作品です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-22 00:00:00
21147文字
会話率:42%
ガルスール国には忘れ去られた第三王女が存在する。
身分は低いが美しく聡明だった女性官吏を見初めた王が無理矢理召し上げ作った王女。幼い頃にその母親が亡くなってからは王妃によって王宮の離れに閉じ込められ、今となっては王宮の使用人でさえ第三王女の
顔を知る者はほとんどいなかった。
…………そんな忘れられた第三王女オリヴィア・ティア・ガルスールは、実は顔を知られていないのをいい事に、探し当てた隠し通路から離れを抜け出しては王宮図書館の蔵書を読み尽くす日々を過ごしていた。そんなオリヴィアに、ある日隣国の王弟レンブラントとの政略結婚の話が持ち上がる。レンブラントはオリヴィアにある契約を持ちかけてきて……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-23 13:04:00
11581文字
会話率:36%
伯爵令嬢ラルカ・ラプルペは王女エルミラに仕える十八歳の少女。人形のような愛らしい見た目をした彼女は、はじめ侍女として働いていたものの、やがてその能力が見出され、文官として働くことに。
けれど、ラルカはある日、領地に住んでいる姉メイシュ
から、王宮の華である侍女に戻ること、また早急に結婚をし、仕事自体を辞めることを命じられてしまう。
(わたくしは仕事を続けたい! 結婚なんてしたくない! 自由な生活を送りたい!)
一人思い悩んでいたラルカは、エルミラのお遣いに行った先で、侯爵令息であり王太子の近衛騎士を務めるブラント・ソルディンと出会う。
ひょんなことから、自身が結婚について悩んでいることを打ち明けたところ、ブラントがラルカに『僕と婚約しよう』と提案する。
彼もまた、親族から結婚を急かされて困っているというのだ。
互いの利害が完全に一致。
二人はいずれ解消するという約束で、仮初の婚約を結ぶ。
けれど、言いつけどおりに婚約者を作ったというのに、ラルカは姉メイシュの束縛が解けきらず、きせかえ人形のような生活を余儀なくされる。
「家においで」
そんなラルカに、ブラントが優しく手を差し伸べる。
そこから、二人の甘い偽装婚約生活が始まって――――?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-10 12:00:00
110210文字
会話率:30%
【※ご注意】
この小説は、第一部『ユリア・ジークリンデ (1) 〜遥かなる亡国姫〜』の続編となる物語です。
約千年前に役目を終え、亡国となった小国家ヴァルブルクがあった地──旧ヴァルブルク領。
その地が故郷であり、ヒルデブラ
ント王国の英雄として名が残されているユリア・ジークリンデは、戦争を共に駆け抜けた星霊アイオーンと縁の深い現代人たちとともに、ヴァルブルクの地で起きた事件を解決することができた。
ユリアとアイオーンは、その事件で友であるテオドルスと約千年を越えた再会を果たし、ともに現代で人生を歩むことになった。
その後、ユリアたちは、ヒルデブラント王国の女王から『極秘部隊』の一員となってほしいと頼まれる。それは、警察組織では対処できない、あるいは世間から隠したほうがいいと思われる事件を担当するで組織であった。ユリアたち八人は、組織の中でも独立した特務チームとして他国の事件を調べることとなった。
ユリアたちが任務のために向かうことになった国は『アヴァル』と呼ばれる小国だった。古の時代に、神々が作ったという聖杯が国のどこかに眠っているとされている。聖杯を題材とした伝承や伝説は、現代にも語り継がれており、創作の題材としても愛されている。
その聖杯と思しきものが、つい最近になって地下遺跡の中で発見されたとのことだ。しかし、それは伝説とは似ても似つかない呪いの遺物であった。それを発見した当時の調査隊が聖杯に触れると、聖杯は遺跡を破壊し、触れた者が精神に異常をきたした。聖杯が人を拒んだがゆえに、調査隊は遺物の回収を諦めたという。
その後、再び聖杯の存在を確認にいくと、それは忽然と姿を消していたという。持ち去られたのか、はたまた聖杯がひとりでに動いたのか。そもそも、その聖杯と思しき遺物は、なぜ害を振りまくのか。なぜ、地下遺跡に安置されていたのか。残されたのは、謎のみであった。
聖杯は沈黙する。しかし、誰にも聞こえることのない声を上げていた。その声は『死神』を呼び、そして『死神』は、ユリアと出会ってしまう。
『死神』の正体は何か。そして、聖杯の声の主は誰なのか。
これらの謎は、はたして──。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-07 10:12:44
267475文字
会話率:48%
「あれほど断ったのに寄こすとはな。レディ、きみも災難だったな。こんな怪物公爵に嫁がされて。だが、安心しろ。おれは妻を迎えるつもりはない。迷惑なだけだ。それは、きみも同じだろう? というわけだ。帰ってくれていい」
「怪物公爵」ことローマン・ガ
イスラーは、薄幸の公爵令嬢ミサ・ブラントミュラーに言い放った。
ミサが姉の身代わりでローマンに嫁ぎにやって来た初対面の場で。
幼い頃から家族に蔑まれ虐げられ虐待され続けてきたミサに行く所はない。なんでもする。どんなことでもするからということでお情けで使用人として雇ってもらう。
一生懸命働くミサ。ローマンはそんなミサにしだいに惹かれていく。
ドアマットヒロインがしあわせになる王道の物語。
※ハッピーエンド確約。微ざまぁあり。ゆるゆる設定ご容赦願います。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-19 19:25:08
39732文字
会話率:35%
全二話分 連続投稿後完結いたします。
典型的な婚約破棄もののざまぁ展開(ラスト近く)です。
なんのひねりもございません。
時間つぶしにサクッとゆるっとお読みいただければ幸いです。
ミヤ・ラインハートは子爵令嬢。
その日、パーティーの場
で幼馴染の婚約者トーマス・ミラー公爵子息から婚約破棄を言い渡される。
トーマスは、あろうことかその場であらたな婚約発表をする。
その相手は、ミヤの友人サリーナ・レンブラント公爵令嬢である。
好奇の目にさらされ、いたたまれなくなるミヤ。
彼女は前年に父を亡くし、叔父夫婦に屋敷を奪われてしまった。
もう間もなく、そこを立ち退かねばならない。
失意の中ですごすうち、ある青年たちに出会う。
キラキラ輝く美しい青年とその仲間で、仲間の一人が暑さに倒れたところを、ミヤは快く助けるのである。
以降、ミヤのもとに通うイケメン青年レイ・ガレット。
二人ですごす親密な時間は、ミヤにとって唯一の救いとなる。
そんなある日、元婚約者のトーマスから、結婚の日取りを発表するパーティーへの招待状が舞い込んだ。しかも、恋人や婚約者、伴侶を伴ってきてくれという。
そのことを知ったレイは、婚約者のふりをしようかとミヤにもちかける。
そして、ミヤの運命をかえるパーティーの日がやってきた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-10-24 22:30:25
11225文字
会話率:25%
リル・フィオレ王国王位継承戦争は、すでに5年の月日が経過していた。国王ヘルブラントに従うリニは、王の妹リシャナの教育係に選ばれる。戦争を勝ち抜くためとはいえ、少女を戦場に出すことに葛藤しながらも、リシャナは才能を示し、リニはそんな彼女にひか
れていく。
二人の前に立ちはだかるのは戦争と身分差。この戦争は終結するのか。
『北壁の女王』のリシャナが「北壁の女王」に至るまでの話。
*いつも通りゆるっと更新。
*今回は月水金の週3回更新とします。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-19 08:00:00
156445文字
会話率:55%
その世界には特別な力が存在する。火の力、風の力、水の力、地の力。生まれてくる時に備わっているその力を、人間は当たり前のように様に使う事ができた。
その力の強さはステータスとなり、人間の格を大きく左右する。力の強い者は平民でも優遇され、力の弱
い者は貴族でも冷遇された。その為、貴族などの高い地位の者はその力の強い子供を産む為に政略結婚も当たり前の世界だった。
十八年前、ある貴族の家に女の子が生まれた。名前はカスミラ。彼女は地の属性に「芽」が不足した状態で生まれた「土」の属性と判定された。それは無能力者を意味する。その彼女に家族は冷たく接した。
そんな彼女は家の体裁を保つ為、義務とされている学校に通っている。能力至上主義のそこでの生活も、彼女にとっては辛いものだった。教師は扱いが分からず、生徒達には陰口を叩かれる。それでも勉強も仕事もしっかりとこなし、助けを求めてきた人間には優しく接する彼女に手を差し伸べたのは、この国の王子サンブラント、成績優秀者のガーベラ、教師のレンデスト。やがて周囲の助けと彼女の努力が実を結ぶ。
これって遺伝子が反応しているのかな。
そんな事を思うほど彼女に引き寄せられる、四人の友情と恋の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-30 20:37:46
218557文字
会話率:63%
「アレクシス様は将来わたし以外の女性と浮気をして、わたしを捨てるから、今のうちに別れてください」。クラリス・ブラントームは重要な話があると婚約者アレクシス・ルヴェリエを呼び出して、面と向かってそう宣った。アレクシスは面食らうが、クラリスは今
から二年後に、アレクシスがクラリスを裏切り、ウィージェニー王女と浮気をすることを知っていた。そして、クラリスはウィージェニーの放った暗殺者によって命を落とすのだ。
クラリスには二年後の未来の記憶があった。というか、ウィージェニーの放った暗殺者によって命を落とした直後、二年前に戻って来ていたのだ。何が起こったのかわからないが、二年後で同じように殺されるのはまっぴらである。裏切られて傷つくのも、もう嫌だ。だから大好きなアレクシスと別れることを選択したのだ。
しかし当然のことながら、アレクシスは納得してくれない。それどころか、今まで見せたこともないくらいのほの暗い表情で別れないと宣言する。
「いい加減にしろ。いいか、俺は絶対に別れない。絶対に逃がさないからな。俺から逃げるなら、地獄の果てまで追いかけてやる‼」
傷つきたくないクラリスは、何とかしてアレクシスと別れようと考えるも、彼への恋心もなかなか消えてくれなくて――
どうすれば嫌いになれるの……
葛藤するクラリス。
このままでは同じ未来を迎えてしまう――
そう不安がるクラリス。けれども二人の関係は、記憶とは少し違う展開を迎えていく……。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-03 20:00:00
156079文字
会話率:34%
十六歳の貴族の少年エルム・オーランドは、異文化交流のために留学していたブリューテ国の学校で、隣国であるロテュルス王国の実家から緊急の手紙を受け取った。その手紙に記されていたのは、エルムの双子の姉であるリーリエが自殺未遂をしたという内容で―
―!?
帰国後、エルムはリーリエが自殺を試みた原因が彼女の婚約者であるオーティス・レンブラントの浮気癖とその周囲の令嬢たちによる嫌がらせであることを知る。エルムはオーティスとリーリエの婚約を解消すべきだと主張するが、相手は格上の侯爵家であり、なおかつ領内で起こった水害について先方から支援を受けていたため、オーランド伯爵家側からは婚約解消を言い出しにくい状態にあった。それを踏まえ、エルムはリーリエのふりをして、オーティスと交流し、先方から婚約解消を申し出てもらえるよう仕向けるため動き出すが――!
※当作品は「カクヨム」においても同様の内容を掲載しています折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-10 07:13:51
24188文字
会話率:46%