碇二亜《イカリニア》は人間が嫌いだった。
笑っているだけで何となく進む日常も嫌いで、媚びを売れば何とかなってしまっていた歪な職場も嫌いで、喧嘩が絶えない家族も嫌いだった。
そんな彼女の唯一の趣味が、乙女ゲームの悪役令嬢が主人公を苛め
る所を見る事。
悪役令嬢が主人公をいびる部分だけゆっくりと堪能し、主人公が恋をしそうになったら未読スキップボタンを押し、選択肢はなるべく主人公が誰ともくっつかないように操作し、万が一悪役令嬢が痛い目を見るようになったらプレイをやめるなんていうプレイで、日常の憂さを払っていた。
とある日曜日、朝から酒を飲みそんな事をしていた彼女は、母と父の喧嘩の声が聞こえプレイ中のゲームを止め、仲裁に入る。
唯一大好きだった母に教えられた紅茶、そのティーカップが父によって割られていく居間で、彼女は凶刃に走ろうとする母を止めに入ろうと、鋭利な破片を拾い自分の首元に当てブラフで二人の冷静さを取り戻させようとするが、酒に酔っていたのもあり転んだ拍子に結果として自害してしまう。
目が覚めると、そこはプレイを止めたままだった乙女ゲームの世界。
悪役令嬢の記憶を持ったまま、先の展開も知らぬまま、彼女は『レイジニア』として紅茶のカップをゲームの主人公『ウェヌ』の前で持っている状態だった。
勢いのまま主人公を部屋から追い出すが、すぐにいつも自分のしていた事を思い出す。
――彼女にとってのバッドエンドは何だろうか。
全部のフラグを折ったなら、彼女は不幸になる。
その勘を信じ、彼女はウェヌに言い寄る男性の好意を壊す事を決意する。
『もし魔物に襲われる所を救われるならば私が代わりに魔物を倒せばいい』
『もし執事に慕われるならば執事の失態を見せつけてやればいい』
そんな事をした結果、彼女自身がウェヌに好かれる事も知らず、レイジニアは奔走を始めた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-21 21:10:38
59254文字
会話率:33%
数学的な図形に関する話しです。
最終更新:2023-12-30 13:19:50
772文字
会話率:0%
ギャラリー猫田で出会ったハンドメイド作家のみーさんとよしちゃんは、アラフォー女子で独身同士。
ある日よしちゃんはみーさんの家にお茶を飲みにく。するとそこには大きなカップ棚があり、ズラリとティーカップが並べられていたのだった……。
始めて目に
するアンティークカップとおいしい紅茶に魅了されるよしちゃん。
みーさんがよしちゃんを、ティーカップとお茶の沼に落としていく物語です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-26 14:17:34
3848文字
会話率:48%
Roll Croll que Rule 外伝
本編主人公『ティーカップ・フィーセン』が
半人前になるまでの2年間の話。
最終更新:2023-10-15 17:00:00
8150文字
会話率:32%
18歳になっても婚約者が決まっていない「馬鹿力のゴリラ令嬢」メリッサは、今日も王宮で婚約者に出来そうな令息を探していた。けれども、唯一見つけた条件に合う令息はもう婚約者が居て、今日も決めることは出来なさそうだった。
そんな時「もう我慢の
限界ですわ! ジェイク・ゴリアテレス、お前との婚約を破棄するわ!」という声が響いて、驚いたメリッサはつい力が入ってしまってティーカップをバキバキに砕いてしまい……。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-30 14:07:44
7271文字
会話率:41%
どうということもない日常がほしい。
素朴なものがほしい。
未来を信じた決意が望んだ未来を遠ざけた。身近にあった手放せないものまで遠退いて闇に沈んだ。
同じテーブルで、ティーカップやオーバルプレートに向かえたら、それだけでよか
った。
たったそれだけのことに、手が届かない。
それでも手を伸ばしてゆく。
……あの決意は、間違いじゃなかった。
そう信じたから。
今もそうだと、信じているから。
――――――――――――――――――
※文体・台詞の癖が強いかも知れません。ご理解・ご了承ください。
更新:不定期の水曜から土曜に一頁ずつを予定。
完結:五頁を予定。
関連作品:前作「破綻の日常」「幸福の踏台」「冥姫の断凍」「破滅の怨恨(連載中)「水面の木の葉(連載中)」
――――――――――――――――――
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-26 06:00:00
91257文字
会話率:61%
アリージェインとマリアベルは双子であった。しかし、王国一番の美女と名高いマリアベルに比べ、その劣化版と言われるアリージェインはふわふわの白っぽい金髪を揶揄って〈綿ぼこり〉と蔑まれていた。そんなある日、アリージェインは父親から会ったこともない
相手との結婚を命令されて、そのまま馬車に乗せられたのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-15 07:00:00
8411文字
会話率:28%
バディものではないかも知れませんが、一応バディものということにして・・。ある一家の人々を巡る物語です。
最終更新:2023-04-08 17:04:08
11066文字
会話率:31%
お菓子作りのプティおばさんは、月に一度、街へお菓子を売りにいきます。そこでとても素敵な出会いがありました。その後、雪の舞う綺麗な星空の夜に起きた、不思議な出来事とは――。みんなの笑顔が一番の幸せ、です。
最終更新:2022-12-21 04:32:42
3280文字
会話率:35%
私はあの日、婚約破棄された令嬢の元を訪ねた。
彼女は春の日差し差し込むサロンで、ティーカップを傾けながら笑った。
「あら、まさか貴方が客人だとは」
「それで、なんの御用向き?」
私は問う。あの日の婚約破棄の真実を。
最終更新:2022-07-27 21:09:46
5776文字
会話率:37%
凄く回るアトラクション。(※重複投稿しています)2023.5.17 簡易チェック
最終更新:2022-07-22 23:00:00
290文字
会話率:100%
事の発端はスプリングホリデーで社交界シーズン真っ只中の為、王都の邸宅で過ごしていた時のこと。
毎年スプリングホリデー時は幼なじみのヴォルフは暇人なのか、よく我が家に連絡も入れずに訪問してくる。最初は注意していたけど聞く耳持たないしもう無
視している。
そんな彼といつものように応接室でティータイムを楽しんでいる時、まさに今この時私は全てを思い出した。
こことは違う――そう、前世の記憶を………
そして、あることに気づき持っていたティーカップを落とした。
ガチャンッと音を立てて割れる音が聞こえた気がした。
なんて事だ。そんなまさか……
ぽかーんと口を開け呆然とする私を見てヴォルフは怪訝な目を向け、そんな彼の手を私はむんずと掴み立ち上がる。
「レイ!片付けてちょうだい!あと、今からヴォルフを大事な話があるから誰も通さないように!!」
「畏まりましたお嬢様」
「…は?いきなりなんだ……ておい!待てって!!」
ヴォルフは私が無言で手を繋いだまま歩き出したことに慌てながらも私に着いてくる。
侯爵令嬢らしからぬ大股で兎に角早く執務室にと急ぎ、扉をバン!と開きヴォルフを先に入れ閉める。
何故いきなりここに連れ出されたか分からない、といった表情の彼に私は言った。
「―――私、思い出したの…今から話すことは他言無用よ!」
そして、この日を境に私の人生は激変するのであった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-02-16 00:11:11
69987文字
会話率:51%
蒼司は現在、恋人の優子と絶賛喧嘩中だ。そんな蒼司は、優子から「良い茶葉が手に入ったから、紅茶を飲みに来ませんか?」と誘われる。
優子が単にお茶会に誘うわけがない。何か裏がある筈だ。例えば紅茶に睡眠薬が仕込まれているとか、何か仕掛けてくる筈だ
。優子への疑念が消えない蒼司は、互いのティーカップをこっそり交換することで対策を練る。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-02-08 12:00:00
5184文字
会話率:22%
佐和子は思い出のティーカップで紅茶を飲んでいた。本当はペアだけれど、今はひとつしかなくて…。
最終更新:2021-10-05 18:44:43
1875文字
会話率:41%
リリアーネは王室に仕える使用人の一人だ。そして、リリアーネのお世話をする担当は次期皇帝の地位が約束されているレオ・リグネロス王太子。だが、そのレオは政略結婚によって、性根の腐った悪役令嬢と政略結婚させられそうになっていた。レオはどうにかして
婚約を阻止しようとするも、なかなかうまくいかず……。そこでリリアーネは余りにも不憫なレオを見かねて、ティーカップを持って彼の部屋へ。優しく相談に乗ってあげていたら気付けばリリアーネはレオの心を射止めていた。
そして舞台は変わり、悪役令嬢とリリアーネとの全面対決がはじまる…。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-10 18:08:20
5080文字
会話率:48%
孤独な画家、深山譲治。彼には一つの趣味がある。骨董、器を集めること。数は少ない。彼は自分に触れた茶碗が笑った様な気がする物だけしか集めない。ある日、近くの公園の市で不思議な老人にティーカップをもらう。朝起きてミルクティーを淹れるのが深山のル
ーティンだ。さて、箱を開けてみると──?
(この作品はpixivにも掲載しています)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-03 12:03:00
79076文字
会話率:33%
十九世紀後半の英国。警察官の友人に頼まれリチャード・チェンバーは、とある地方から流出する、ティーカップの調査に向かった。
雨が降る蒸気機関車の中で、美貌の案内人・メアリー・ベネットと出会う。
英国紳士であり続けようとするリチャードと
、淑女扱いを要求するメアリー。
一つの事件が紳士と淑女を出会わせ、その奇妙な縁が、次の事件へと繋がる。
妖精に愛された皮肉屋エクソシストと、怪力ツンデレ人形。
奇妙な二人がバディを組んで、化け物や、組織と死闘を繰り広げる。謎が謎を呼ぶサスペンスホラーバトル。
義務付けられた紳士──The Obliged Gentleman(ジ・オブライジド・ジェントルマン)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-04-22 18:00:00
169457文字
会話率:52%
「今日から側妃を迎える」十代で即位した若き国王アルフォンス = フロストがローナ王妃にそう告げた。「左様ですか」ティーカップを手にしたまま素っ気ない態度で王妃が応える。「流石の陛下も我慢できなくなったのかしら…」「うむ、やはり嫉妬はしてくれ
ないのだな」「申し訳ありません」残念そうな国王に他所行きの笑顔で応える王女だった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-03-10 00:44:24
1517文字
会話率:56%
割とありふれた日常。
サラリーマンの隙間です。
最終更新:2021-02-06 02:31:39
200文字
会話率:0%
Sucre fonduはフランス語で「溶けた砂糖」だそうです。
ティーカップの側にちょこんと置いてある、一見しっかりしてそうで、実はさらさら溶けていく頼りない様を表現しました。
にじもしくはさんじのお菓子のお供にどうぞ、、
最終更新:2020-12-11 11:55:50
1953文字
会話率:13%