冬の帳村と呼ばれる小さな村で生きる十七歳の少女──新奈は、物心付いた時から孤独な日々を過ごしていた。新奈以外の、その村で生きる人たちは、雪が降ると当日の記憶を無くしてしまうからだった。自分と話したことも、一緒に過ごした時間も、雪が降ると全
て忘れられる。そんな孤独な日々を過ごす内に、新奈はそこにあるはずのない白い部屋をみるようになる。
村の中には、この世に生まれてきたことすら親に忘れられてしまった子供達が集められている、妖精たちの庭と呼ばれる児童養護施設があり、新奈は物心付いた頃からその施設で暮らしていた。ある日を境に同じ施設で暮らす新奈の彼女である沙羅、そして友人である湊と共に、施設に対して違和感を抱くようになる。新奈達の胸の中でちいさな芽を出したそれが疑心へと移り変わった時、施設の本当の正体や新奈がみる白い部屋の存在、そしてこの村で起きていた呪いのような現象の秘密が次々と明らかになっていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-27 21:25:15
153328文字
会話率:53%
恋は、視えるものじゃなくて、気づくもの。
失恋から始まったこの物語は、ずっとそばにいてくれた“君”を見つけるための恋だった。
> 「――見えるんだよ。“縁”が」
岡山の片田舎にある、ちょっと地味な公立高校。
恋に不器用な新入生・
綴清雅(つづりせいが)は、「高校で彼女を作る!」という軽い決意と共に入学する。
けれど、一目惚れの告白は速攻で撃沈。落ち込む彼に話しかけてきたのは、
気さくで優しい、だけどどこか静かな空気を持つ少女・美作紗季子(みまさかさきこ)だった。
その日から、彼の“左目”は不思議な力を宿す。
――人と物との“縁”が、光の線となって視えるようになったのだ。
やがて始まる「落とし物探し」の依頼。
嬉しさ、後悔、未練――触れたモノに宿る想いが、清雅の“右目”に過去の記憶を映し始める。
でも、“視える”ことと“わかる”ことは、違った。
見えても届かない想い。
見えなくても感じられる気持ち。
「気づいた時には、君がそばにいた」
視えなくても、大切なものはちゃんとそこにある――。
これは、“縁”が視える力を持った俺が、
“視えること”より“気づけること”の意味を知り、
そして、本当に好きな人に恋をするまでの話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-27 19:40:00
11499文字
会話率:37%
ケモミミと尻尾が生えた種族クリテアが暮らすこことよく似た少し違う世界。
そこにあるとある学園に一人の転校生がやって来た。
転校生の名はフウ、白いトラ族の女の子である。
「ウチはキラキラしたものが好き!」
フウは転校初日にとある
クラスメイトに目を付けた。
彼女の名はイナ、一見目立たないキツネ族の女の子であった。
「キミはもっとキラキラになれる!ウチの目に狂いはない!」
声が大きく明るい性格のフウに絡まれてはじめは怯えるイナだったが交流を重ねるうちにフウに惹かれていくようになる。
「ウチは自分がいいと思ったものを信じる。ただそれだけ」
「こんな人と出会うのは初めて……」
陰と陽、対極にある二人は歩みを同じくしてその先に何を見る……折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-27 11:21:07
16952文字
会話率:34%
灰の降り注ぐ街。
そこにあるプロサッカークラブに所属する少年灰屋英久と街の高校サッカー部に所属する高神刹那との出会い。
それを追うスポーツジャーナリスト志望の少女有後砂月。
そこに関わる町の人々が織りなすドラマ。
街の諍いの代理争いにもな
るサッカー。
ただのサッカーと捉える人もいれば、そこに何かを重ねて想いをこめる人もいる。
様々な思惑の中で暮らし生きていく少年少女たちの物語です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-27 10:32:48
13310文字
会話率:31%
各地にある日帰り温泉。そこは癒しの空間。高級さはないが、ちょっとした贅沢さはある。そこで食べられるよくある料理。体を癒したら胃袋を満たすこともできる。特別じゃないちょっとした贅沢がそこにある。そんな癒しを求めて旅をするオレ、道端了は現代でエ
ルフと会ってしまった。出会った二人は日帰り温泉旅が始める。理由? 幸せと癒しを求める旅人だからさ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-27 08:50:00
71340文字
会話率:51%
佐藤真知子は仕事の疲れを癒す為、大人気のスイーツを買って帰路に就いていた。
甘い幻想に思いを馳せていると、いつの間にか目の前を行き来していた人々は消えていて、
目の前には一風変わったガチャだけがあった。
真知子は不可思議な現象に恐怖し、ガチ
ャから離れようとするが、
そこにある筈のない見えない壁に阻まれてしまう。
脱出するにはガチャを引くしかないと悟った彼女は、怯えながらもガチャを引く。
そこから出たものは"ステータスUPアイテム ATK+3" というアイテムだった。
ステータスUPアイテムを使った彼女は日々の通勤が楽になった。
些細な幸せに気を良くした彼女はどんどんガチャにハマっていく。
────それが、世界の救世主となる行動とも気付かずに。
※カクヨムにも投稿しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-25 20:35:03
588934文字
会話率:21%
《鏡》は写ったものをそのまま写し出す。傷が入れば、鏡像にも傷が入る。
そのことを体現する、合わせ鏡のように空間が幾多も存在し、影響し合う────そんな《鏡》で繋がれた世界。そんな世界に、『滅び』という名の【世界の終焉】が訪れようとしていた。
その世界で生きる、会ったこともない、血の繋がりもない、存在も知らない……だけど何故か瓜二つの妖精二人、ルジェリアとルヴェルザが出会ってから運命の針は動きだす。
様々な種族が混在する未知の世界での出会いと別れを繰り返し、道中での協力者と共に運命を切り開いて、迫り来る強敵に戸惑って、必死に足掻きながら成長していく。
そこにあるのは【終焉】か、【未来】か。『絆』という唯一の繋がりのもとであるかもわからない答えを見つける────そんなとある異世界での物語。
※『★』が付いている話は挿絵を付けています。
※無断転載は許可しません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-22 13:25:41
2157572文字
会話率:51%
『モーアサッテ〜異世界構文経済ニュース〜』あらすじ
異世界と現実の経済が、まさかの構文で接続!?
この番組は、構文で動く異世界アポリアの「魂と祈りの経済」と、我々の現実世界の「AI・通貨・政治」をギャグと風刺と哲学でぶった斬る、時事×SF
構文ニュースバラエティ。
司会を務めるのは──
ドーナル・トランプ:魂の金利も上げ下げ自由な構文自由主義者!
イセカイ・マスク:AIと量子構文を語らせたら異世界随一の技術ヲタ!
そしてゲストには構文術士のノア・ウィンザーと、元バチカンAI技官のヴェロニカが登場!
各回では、異世界で祈りが通貨となり、魂がステーキングされ、涙で為替が動くというカオスな経済事件を、現実世界のニュースやテック動向と照らし合わせて解析。
祈りAIバブル、魂の純度指数、構文クラッシュ、非構造祈り通貨の暴落など、**今そこにある“異世界的リアリティ”**を爆笑と驚愕で届けます!
【免責事項】
この番組はあくまで異世界構文ファンタジー風刺番組であり、登場する通貨「GPC」「魂のMP」「涙指数」などは現実の投資対象ではありません。
アポリア世界への投資・魂ステーキング・記憶通貨の換金などに関しては、あくまで各個人の構文責任と哲学的解釈に基づいて判断してください。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-22 08:38:58
1986文字
会話率:39%
IT企業でコンサルタントとして働いていた私は、
ある日突然、見知らぬ世界で美少女に転生していた!?
ここは、亜熱帯の植物が生い茂る剣と魔法の世界。
ネットもスマホも存在しないのに、
日本語は通じるし、見覚えのある展示場や見慣れた学校の風景
がそこにある。
――元いた世界と、どこかで繋がっている奇妙な世界「ボルディア」。
私が目指すのは、
『元の世界に戻り、かつて自分を救ってくれた彼女を、今度は私が救うこと』。
一歩踏み出す勇気とIT知識を武器に、
世界と自分を再構築する。
これは、再起を賭けたプロジェクト――
『人月心話プロジェクト』
ーーPROJECT NOW BEGINS!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-22 03:58:46
43302文字
会話率:25%
これは最弱の冒険者が、最上級冒険者になり、世界を震撼させる物語。
突如として世界中に現れたダンジョンは、世界のあり方を一変させた。
ダンジョンに出現するモンスターに通常兵器は効かず、
選ばれた人間にだけ倒すことが出来たのだ。
ダンジョンに
選ばれた人間にはステータスが与えられ、
モンスターを倒し、そこにある資源を回収することが出来る。
日本国はこれをより効率的に回収する為に、冒険者ギルドを設立。
民間からも冒険者を募った。
等々力 源志もそんな冒険者を目指す少年だ。
しかし、彼にダンジョンが与えたステータスは、無慈悲な物だった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-21 12:00:00
143070文字
会話率:33%
中学3年の早瀬霞(はやせ かすみ)は毎夜同じ夢を見る。城北門校の制服である紺のブレザーを纏った少女が巨大な龍や鳥と戦っている。そして最後には必ず「あの子を間違った道に行かせないで」と告げられ目が覚める。
謎めき、豪快な夢とは裏腹に霞の現
実はイジメという過酷な日常に心が蝕まれていた。
ある日、シナトと名乗る不思議な女の子に霞はイジメられているところを助けられる。
「私の巫女になれば、あなたの願いを叶えてあげる。人があなたにひれ伏すほどの力を与えてあげる」
女の子の言葉を受け入れたとき、霞は巫女の強大な力を手に入れ新たな世界へと導かれていくことになる。
一方、実菜穂の周りでは、不気味な動画の噂が広まっていた。「呪われた村」忽然と村人が消え、廃村となった地。そこに足を踏み入れた人は帰ることがないという噂。その噂の検証として、面白半分に動画撮影に入ったグループが逃げ惑い最後は断末魔の叫び声を上げて撮影が途切れる動画がサイトに流れていたのだ。
真相を確かめるため、実菜穂たちは「呪われた村」にみなもと足を踏み入れていく。そこで実菜穂とみなもが見たものは・・・・・・
実菜穂、陽向、琴美、そして4人目の巫女、霞を迎え、「呪われた村」に伝わる物語に迫っていく。そのなかで少女たちは巫女として目覚め、神々の戦いに巻き込まれていくことに・・・・・・。
舞台は「呪われた村」そこにある秘密とはなにか、実菜穂たちは無事に帰ることができるのか。
みなものみたまシリーズ第3段。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-18 20:47:37
518195文字
会話率:42%
あらゆる文明は衰退し、世界は荒れ果てた。
『楽園』。『この世の全て』がそこにあるとされる場所も行き方も不明な伝説の地。
冒険者の全てはそこを求めて旅をしており、廃れゆく世界を救うとされる。
時代は大冒険の時代であると共に、レギオンと呼ばれる
機械生命体に人間が支配されている時代。
『楽園』を求めて旅をしていたアピス・クロージャ一行は旅の途中、とある噂を耳にしていた。
『楽園』へと至る為の『ソロモンの匣』が発見された――と。
噂を確かめる為、ヴィオラ大陸の端に位置するドンドルド砂漠のクロッカスと呼ばれる街にまで来ていた。
そこは砂の大地。ありとあらゆるものが砂に吹かれ、『再生』が始まったとされる場所。
案の定、そこは既に噂を聞いた冒険者で溢れかえっていた。
そこで、アピス・クロージャは一人の青年に出会うことになる。
名をアルヴァルト。彼は冒険者という物に興味を抱いていた。アピスとの出会いにより、その興味はより強くなる。
同時期、『ソロモンの匣』を求める一人の冒険者がクロッカスを訪れることになる。
名をセクト。どうしても『ソロモンの匣』が欲しいセクトはクロッカスに住まうある男に会いに行く。
異様な雰囲気を放つその男にセクトはこう言い放つ。
『望む物は――新たな世界』。
そうして、『楽園』を巡る物語は生き物のように動き出す。
これは――とある夢を彼方に抱く者達の約束の物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-17 21:26:01
116191文字
会話率:41%
神にも魔にも見捨てられたような辺境の街。
そこにあるのは、依頼が絶えないのに人手は絶望的な“最強ギルド”と、
どこからどう見てもただの事務員――実はトンデモな過去を持つ「月」。
崩壊寸前のギルドを立て直すため、
教員・料理人・バイトの斡旋
・ついでに魔導師の育成まで!?
次々起こる問題に、今日も月は(わりと真顔で)巻き込まれていく!
これは、戦争上等の国家、差別と偏見まみれの社会、
そしてちょっと(?)面倒な仲間たちと繰り広げる、
ドタバタで平和で壮絶な、ある日常の物語。
「平和って、こういうもんでしょ?」
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-16 08:00:00
47187文字
会話率:46%
言葉なんて理解できない先からそう言われて、ただ、わからないなりに、どうするべきかの感覚は伝わってきて。
しかしどうにもならずにぎゅうっと握る。そこにある確かな感触。
最終更新:2025-06-16 00:50:55
21054文字
会話率:38%
完璧な容姿と成績で男女問わずの胸を貫く美川愛。その完璧さと雰囲気から皆自分には手の届かない存在だと思われ、誰も彼女の友達になろうとはしなかった。 そこにある日一人の男子が彼女の世界に飛び込んでくる。
最終更新:2025-06-15 19:27:09
1963文字
会話率:0%
突如世界中に出現した異空間。そこにあるのは新たなる資源である『アザーライト』。各国は競って新たなる資源を求め調査隊を送り込んだ。。しかしそこに現れた謎の人型兵器の襲撃者によって調査隊は壊滅。新たなる脅威に人々は思った。「降り掛かる火の粉は払
うまで」と。人類の過ちと各々の正義、そして異空間が繰り広げる終焉までの物語。
この作品はpixivにも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-14 23:27:26
74671文字
会話率:40%
モブ令嬢に転生した私は王子様の開くパーティーに来ていた。そこにある料理は前世の日本料理に似ている。
でも、なにか違う。
同じく転生者の王子様はそのことで悩んでいた。
私達は完璧な日本料理を再現するためにパートナーシップを結んだ。
さっそく、
悪役令嬢達の魔の手が料理に――
一緒に危機を乗り越えるうちに、王子様のヒロインになりたくなってきた!
全てを手に入れる物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-14 00:33:01
199182文字
会話率:45%
言えなかったさよならが、唇に残ったまま溶けていく。
返ってこない3本のリップが、私たちの距離をそっと教えてくれた。
空の下、もういない2人は、けれど、約束だけがまだ、透明なままでそこにある。
最終更新:2025-06-09 17:24:10
1118文字
会話率:5%
その宿屋兼酒場は、村の巨木の上にぽつんと建っている。名は「銀竜亭」。
昼は静かでも、夜になると冒険者たちがジョッキを鳴らし、くだらない話で盛り上がる。
ドラゴンの炎も、派手な戦闘シーンも出てこない。
そこにあるのは、ファンタジーのオフタイム
。
これは、そんな“冒険のない時間”を描いた、小さな物語たち。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-07 23:10:00
4485文字
会話率:53%
北アルプス・剱岳の北方稜線。渉は単独で高難度の冬季登攀に挑んでいた。山頂を目前にした時、些細なミスから滑落し、足を負傷する。極限状態の中、彼は亡き父の幻影を見る。「まだ来るな」。渉は満身創痍で自力下山し、麓の美緒の診療所に担ぎ込まれる。
「どうして、そんな危険なことをするんですか?」。美緒のストレートな問いに、渉は答えられない。治療を受けながら、二人の間には見えない壁が存在する。
ある日、渉は実家で父の遺品である古い登山ノートを見つける。そこには、父が最後に目指そうとしていたヒマラヤの未踏峰**「ヴァルガ・ヒマール(標高7800m)」**のスケッチと計画が詳細に記されていた。「神々が最後に遺した聖域」。その一文に、渉の心は奪われる。父が追い求めたものの答えが、そこにあるかもしれない。渉はヴァルガ・ヒマールへの挑戦を決意する。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-07 12:00:00
2358文字
会話率:28%