あんった、本当に支えない屑ねぇ」
「えっ、し、しかし……こちらの書類はしっかりとチェックもしまして……」
「様式間違ってる。最近入った楠さんはちゃんとできるのに、なんであんたはできないの?」
「そ、それは……そのぉ……」
30も半
ばに入ろうかという、バーコードハゲの中年男性がだらだらと汗をかきながら口の中でモゴモゴと釈明の声を漏らした。まるで蝿の羽音のように小さく不愉快な声だ。
「何か言いたいならはっきり喋りなさいよ。このハゲ」
先程から中年男性を罵倒している女子高生にも見える少女は、彼の上司である一橋凛ひとつばし りんである。「はぁ」と大きくため息をつくと腰にまで伸ばした長髪が艷やかに波打った。よく手入れされたその髪は、それを維持できるだけの財力と余裕がある事を示している。
「うっ、へ、へへっ、す、すいません」
一回り以上は年齢が下の少女に罵倒されていると言うのに。バーコードハゲはニヤけながら謝罪した。その憤るでもなくヘラヘラとした態度が、少女に嫌悪感を覚えさせた。
「キモッ……」
思わず口から本音が出るのも致し方なしである。
ーーーーーーーーーーー
だが! 上っ面ではヘラヘラしていてもバーコードハゲの内心もそうであるわけではない!!!
「あ”あ”あぁぁ嗚呼嗚呼あ!!!! キチガイゲェェァァーーージマァアアAAAっxXXXX!!!! ギェェヤァァァァアギュラヤァァァ11!!!!」
ど田舎にある自宅へ帰るなり、バーコードハゲが吠えた!!!!
社会で溜めたストレスやキチガイゲージが爆発するまえに大発散! 仕事終わりのサラリーマンには最早常識なぞ必要ない! 己の本能アガペーその他なんやらが命ずるままに行動あるのみ!
立ちはだかるパワハラ上司! ぐぅの音も出ない正論! 恐ろしいまでの己の無能! だが、人生に降りかかるありとあらゆる苦難なぞ、キチガイになれば関係ないのである!!
この物語は童貞・ハゲ・低年収の年齢=彼女いない歴のオッサンが織りなすハードボイルドコメディである!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-09-02 15:56:51
10726文字
会話率:41%
ひとつの帝国が、大部分を領有する世界。
ただ、帝国とは異なる様式の生活を営む草原だけが、その領有外にあった。
そして、人と宇宙を超えた存在がしろしめす無色界。
無色界と、人間・宇宙をつなぐ高色界。
それは、本来、人間とは関わりを持たな
い世界のはずだった。
が、高色界を理解し、やがて、その認識が無色界に至る人間が誕生した。
草原のチャガタイ。
帝国のイワン。
そして、思索者パウロ。
神々の物語が始まる。
そして、英雄たちの物語がそれに続くであろう。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-08-26 03:17:52
31897文字
会話率:26%
シンガポールには温泉が一つだけある。そこには静かに赤煉瓦の建物がぽつねんと佇んでいる。それはシンガポールの残る日本軍の残した遺構だ。だが、この建物の様式は時代を二十年近く先駆けている。誰がこの建物を設計したのか?その特殊な意匠の建物は静かに
語る。
ショートストーリー・シンガポール 最終選考委員会特別賞作品折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-06-26 00:27:55
5731文字
会話率:59%
生きるスタイルというのは、人の数だけ存在する。
日常を生きる彼らにも、非日常を生きる彼らにも、生活様式、つまりライフスタイルというものがある。
彼は生き汚く。
彼女は正しく。
彼女は怪しく。
彼女は、眠そうに。
『病』に蝕まれながら、狂いな
がらも、彼らは、生きている。
同作者の前作「病夢とあんぱん」の続編となります。前作にも目を通していただけると、幸いです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-06-24 15:00:00
213961文字
会話率:33%
「ねえ、偽物の勇者さん。私と一緒に本当の勇者になってみない?」
僕、秋月 一翔(あきつき かずと)が目を覚ますと、そこは異世界の王宮だった。魔物と人とが争うこの世界の救世主として呼ばれたものの、現代日本人の僕が魔法に長けているわけもなく
、聖剣を振り回せるはずもない。王様を落胆させてしまった僕はとりあえず様式美として、王宮に仕える勇者を偽るのだが……もう心が痛すぎる!昼、街を歩いてみたところ聞こえてきた歓声の数々に責任の重さと罪悪感をぷちぷちと刺激された僕は、偽勇者としての使命と劣等感との間で板挟みになる。
でもそんな時、僕の目の前に昼間あった不思議な少女が現れた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-06-11 22:53:31
29814文字
会話率:34%
悪役令嬢の妹がお馬鹿な姉のために奔走する話。
最終更新:2018-05-05 18:24:09
9524文字
会話率:53%
これは飛空艇、あるいは航空艦と呼ばれる空飛ぶ船が行き交う世界のお話。
元軍人の商人、ディムロ・エフレクテリは商売のため、いつものように空飛ぶ輸送船で気の置けない仲間達と荷物を運ぶ仕事に出発します。
しかし、出発して間もなく、船の貨物室
に隠れていた女の子を見つけ、なんだかヤバそうな話を聞いてから彼の数奇な運命の歯車が回り始めます。
行く先々で出あう、時には大きく、時には小さな問題を、その二人を含めた仲間達4人が中心となって、一人は戦いで、一人はゴニョゴニョで、一人は商売で、一人は癒し?で、力を合わせながら解決していきます。
それはもしかしたら、大きな陰謀を打ち砕く手がかりとなっていくかもしれません。
いつか必ず報われると信じて、売ったり買ったり、銃を撃ったり撃たれたり、罠に嵌めたり嵌められたりするドタバタ劇の開幕です!
※現在、私用により更新が遅くなりがちになっております。申し訳ありませんm(_ _)m
◆◇◆【エクストラヴァガンザとは(Wikipediaより引用)】
エクストラバガンザ (英語: extravaganza) は、文学または音楽作品、あるいはミュージカルの作品で、様式や構造に囚われず自由であることを特徴とし、特に19世紀イギリスの文脈におけるバーレスク、パントマイム、ミュージックホール、パロディなどの要素が盛り込まれたもののこと。また、より広い意味では、手の込んだ、大掛かりで贅沢な舞台芸能の上演形態を指すこともある。
この用語は、ジェームズ・プランチェが19世紀のイギリスにおいて流行させた、ある種の演劇を指して用いられた。プランチェは、この言葉を「詩的な主題についての滑稽な扱い (the whimsical treatment of a poetical subject)」と説明していた。
(中略)
この用語は、イタリア語において「浪費」ないし「贅沢」を意味する「extravaganza」、ないし「stravaganza」に由来するとされる。英語では、18世紀半ばに奇矯な行動を指す言葉として用いられるようになり、その後、18世紀末にはファンタジー的内容の舞台を指すようになった。◆◇◆折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-03-16 20:41:21
222427文字
会話率:44%
源岩月院は、山平家の私邸(重要文化財指定)です。院内の見学料は500円。見学時間は10時から17時まで。日曜日・祝日休館。
岩月山を含めた広大な敷地には、平安時代の寝殿造り、室町時代の主殿造、また書院造などが現存しており、日本の建築様式
の変遷を一度に概観できます。また、多くの庭園なども楽しむことができます。ホームページ開設準備中。月の平均見学者四名。
古の日本の建築様式を保持し続けてきた源岩月院。その源岩月院に、風が吹き込んでいた。新しい風が吹いている。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-02-05 17:47:57
21268文字
会話率:26%
勇者一行の一員として旅を続けていたデルフィナだったが、将軍との戦闘中に呪いを受けてしまう。衝撃と光に目を瞑り、次に目を開けたときには――なんと全く見知らぬ場所に。目の前に立つ褐色の肌の男を見上げ、それから見慣れない様式の部屋にぐるり視線をや
る。いろいろあっさり受け入れてしまった彼女と、気の良い青年の始まりのはなし。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-01-17 01:13:35
17140文字
会話率:37%
広大な宇宙に存在する一つの惑星。
その世界ではあらゆる生物が生息し魔法を扱う。
特に人という種族は他種族よりも大きく繁栄をし、日常的に魔法を使い生活を送っている。
様々な生活様式がある中、困っている人々の依頼を聞き受けそれを斡旋する施設であ
るギルドが存在しており、その依頼をこなす人々もまた存在している。
彼らは古今東西に駆り出され、治安を保ち、また好奇心の赴くままに行動する自由な人達という意味を込めて冒険者と呼ばれ頼られる。
冒険者は武器を持ち、時に獣を討ち、時に未開の地の探索に乗り出たり、ありとあらゆる魔法を駆使して依頼をこなすのだ。
そんな冒険者の中に一際特殊な魔法を扱う青年がいた。
華奢で、丸みを帯びた幼めな顔立ち、二重の瞼はぱちくりと大きく、髪も伸ばしっぱなしで男には到底見えない青年『ロッド』が扱う魔法は俗に『犠牲魔法』と呼ばれる魔法使いの間では禁忌とされる魔法である。
そんな彼の冒険者としての活躍を描く物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-12-19 14:11:27
84743文字
会話率:40%
人々の生活様式が変化しても、昔と変わらぬものに癒される人がいることは変わることがないであろう。
最終更新:2017-11-11 13:00:00
1383文字
会話率:0%
世にも珍しい二刀流使いの剣豪・阿里は、ある日謎の声に呼ばれ、生活様式の全く違う異世界に迷い込む。剣と魔法が支配する土地を、刀二本で歩き抜く異世界冒険ファンタジー。
最終更新:2017-08-15 23:43:19
4764文字
会話率:31%
この話には6つのエピソードがあり、各エピソードごとに登場人物が変動します。
シリーズとして統一されている点は
『頭の上にミカンを乗せた、とある少女が出てくる物語』
ってくらいです。
おかしな話が続く中、一種の様式美然とした確かな要素
が一つだけ。
『ミカンは裏切らない』
それだけです。
まとめると、分からないを楽しみたいあなたにオススメする変な話です。
※この作品はカクヨムでも連載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-02-13 01:03:56
272101文字
会話率:43%
無資格整体を営む市川宗氏にはもう一つの顔がある。
祓い屋、という名の相談所だ。
天皇が現人神として顕現し二千年余。
独自の文化様式に至った日本皇国は、現世と幽世の狭間で今日も平和に混沌としている。
そこに暮らす人々のお話。
最終更新:2016-12-08 02:11:41
3274文字
会話率:53%
喪失のアウトランド(梗概) 藤 達哉
圭彦は大学の医学部に籍を置いていたが、人間の身体と精神の関係に興味を覚え、大学院で精神病理学を専攻する。世界でおこる様ざまな悲劇や事件は人間の欲望や利己心によって惹き起される。そこで、人間の精神
をコントロールできる薬品ができれば、人間の思考や行動様式を一変させ、世界に安寧が訪れ平和になる、と彼は考えた。大学院を卒業し大学の講師となった彼は研究に精励し、ついに人間の心から様ざまな欲望を消し去り、幸せをもたらす薬品を完成させ、ニルバーナZと名づける。
その驚くべき薬効に大学は注目し、そして賞賛の声を送った。
彼の両親は離婚していた。母親は愛欲のもつれから交際相手を刺殺し、その出来事は圭彦の心の癒しようのない深い傷になっていた。
他者が触れようがないその生々しい記憶が、ニルバーナZ開発の抑えがたい動機となっていた。
圭彦が恋人の絢子の協力で、医学部長の席を争っていた野心溢れる上司の教授にその薬を?ませる。すると、彼は人格が変わり、円満な性格になり、権力欲や名誉欲を消失していく。しかし、薬の副作用で鬱状態になり、彼は人生に絶望し自殺を図る。
理想の薬のはずが、皮肉なことに予想だにしなかった副作用で怖ろしい悲劇が生まれてしまった。
目指していた理想とは裏腹な結果に、圭彦は大きなショックを受ける。
薬の副作用が信じられない圭彦は、つぎに綾子に薬を?ませるが、彼女も精神の不安を訴える。
圭彦はもはや自身で薬を?み、自ら薬効を試すほかないと思い、薬を服用することを決意する。
ある夜、彼はニルバーナZを服用して眠りに落ちる。しかし、翌朝、絢子からの電話で彼は意外な事実を知る。
(了)
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-09-26 20:15:39
18984文字
会話率:56%
科学の発展とともに進みすぎた文明が100年前に滅んだ世界。だがそこには既に新しい文明とともに歩みだす人類の姿があった。
科学文明から魔法文明へと変わり、生活様式も「自然との共生」が絶対とされている。
主人公 月神千流も「魔法」を扱う才能に突
如目覚め、戸惑いながらも幼馴染の美兎奈にかっこいい姿を見せるべく奮闘する。
小難しく長い設定を作品の中で語るのは後々にして、学園モノから展開していくガッツリ王道系です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-07-08 21:33:28
6103文字
会話率:47%
三十年前に起こった大崩落、それと共に壊滅した都市より溢れ出した魔物――世界を滅ぼす災厄を、人は《奈落の渦》と呼んでいた。徐々に疲弊し、追い詰められてゆく人々。けれど、その中で変わらず己を貫く者達が存在していた。破滅を願う戦士と女神を信奉する
聖女、そして反骨の意志を持つ少年と誇り高き意志を持つ少女。彼らはただ、貫かねばならない己が願いの為に戦い続ける。それは、世界の破滅と真実へと挑む、戦士たちの物語。 ◇ 『Blade Blaze Online -太陽を抱く蒼穹-』(http://ncode.syosetu.com/n1792bm/)と同時連載しております。こちらも合わせてご覧ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-06-08 07:00:00
700520文字
会話率:30%
月下紋次郎は大手宅配便の配達社員。配達中に怪しい荷物を見つけた。
その荷物はスマホだった。スマホによって、異世界に飛ばされた紋次郎たち。
そこは初めて見るファンタジー世界だった、空は不気味に変化し、人々は奇妙な服を身につけ、今まで見たことが
ない様式の家に住んでいた。
そこへ謎の男の襲撃により、紋次郎たちは、若い女と知り合い、ファンタジー世界へと足を踏み出すことになる。
紋次郎たちは元の世界に帰るために動き始めるが、持ち前のお人好しと揉め事好き。
いけ好かない権力者たちに喧嘩を売り、困っている人(主に女性)たちを助け、無事元の世界へ帰るための挑戦が始まる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-02-18 13:05:11
12871文字
会話率:46%
四天王が死んだ。その報せに激震する魔王。それも通常ありえない短期間に行われた所行であった。そんな馬鹿なと魔王は詳細を求めた。忠実な僕が言うには確認しただけでもなんと、勇者が十人居るとのこと。魔王は頭痛を覚えながらも、魔王として前に出ることを
決意した。これは真剣に勇者達と向き合おうとする魔王の常在戦場の物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-01-13 07:00:00
5932文字
会話率:52%
津田俊治は図書部の副部長であった。であった、というのも部長である川本四季が受験を名目に図書室へと訪れなくなり、全ての仕事を津田に押し付けたために津田が実質的な部長になってしまったからである。以前からかなりの部分で仕事を押し付けられていたはず
なのだから、特段変わることもないのだが、津田には不満に思われた。「せめて一言くれればいいのに、あの人は……」人格破綻の美青年と有能な副部長、その他大勢のキワモノ後輩たちによって大正様式の図書館で繰り広げられる、ひねた高校生たちの、ひねた青春劇。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-01-04 09:15:03
6413文字
会話率:43%