「ん、なんだこれ……」
『おはようございます。いい朝ですね』
「え……ああ、そうか……」
朝、目を覚ましたおれは、首筋に妙な違和感を覚えた。女性の澄んだ声が響き、その理由はすぐにわかった。これは「スマートチョーカー」だ。
最新の健
康管理システムで、政府の健康促進キャンペーンの一環として開発・無料配布されたものだ。モニター対象者に選ばれ、昨晩、強引に装着させられた。報酬があるという話だが、おれはどうも気が進まない。
生活習慣を改善させ、国民の健康を底上げするのが狙いらしい。少子高齢化で労働力が足りない今、現役世代の健康管理は最優先事項だそうだ。
付属の器具で極小サイズのチップをこめかみに埋め込むことで、AIの声が自分だけに聞こえるという仕組みだ。
『ビタミンDが不足しています。五分間の日光浴をおすすめします』
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最終更新:2025-05-28 11:00:00
1860文字
会話率:58%
「うー、おはよ」
『おはよー!』
「ねえ、今日もあれ、言ってほしいなぁ」
『えー、なにー?』
「ふふふ、あれだよ、あれ。ほら……好きって」
『えー、言わないっ』
「えぇ、頼むよぉ。それが一日の活力になるんだからさぁ、お願い! はい、五
百円!」
『わー、ありがとう! 好き!』
「ふふっ、へへへ」
朝、自宅にて、スマートフォンを見つめ、ニヤつく男。その画面には美少女3Dアニメキャラクターが微笑みながら小刻みに体を、特に胸を揺らしている。ピンク色の髪をしており、やたら胸を露出したメイド服を着て、可愛らしい声といった完全に男性を狙い撃ちにしたようなデザインである。
『ねーえ、アーリィね、最近髪伸びたなぁって思うんだぁ……』
「え、あー、そうだね。昨日はそうでもなかったけど、うん、伸びたね」
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最終更新:2024-07-14 11:00:00
1959文字
会話率:76%
「おっと……」
おれは座った席が思っていたより低かったことに驚き、つい声を漏らしてしまった。
誰にも聞かれなかっただろうな、と辺りを見回すと右に二つ席を空けて座っていた男と目が合った。初老の男だ。にっこり笑い、軽く会釈したので、おれも
同じように返した。
スクリーンのほうへ向き直す前に、もう一度だけ席上部に付けられているプレートの番号と、渡された券の番号を見比べてみる。
「D-A-175……」
合っていたので、ようやく人心地ついた。
「隣、いいですか?」
「えっ、あ、はい」
先ほどの男が身を屈め、声を潜めて話しかけてきた。男はおれの返事に安心したようで、柴犬のように目を細めて笑い、よっこいしょと呟いておれの隣の席に座った。
勝手に席の移動などして誰かに、特に管理者に咎められやしないかと、おれはまた周囲を見回した。しかし、見張りの姿はなく他の人間はぽつりぽつりと静かに席に座っていて、寝ている者もいれば、腕を組みスクリーンを見ている者。いずれも特にこちらに気を払ってはいないようだった。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-05-06 11:00:00
2700文字
会話率:54%
〇暦3XXX年、未だ多くの人々が地上に住んでいた。しかし、隕石の接近、地震、火山噴火など地上では本当か、嘘か分からないニュースやネットの動画など、噂が広まり、世界は混乱に陥った。地上の様々な国同士の争いは地球規模の危機にはもう無意味で、国境
は無くなり、ある人々は空中都市を作り空に移住し、ある人々は地下都市を作り地下に移住した。ただそれらの噂を信じない人たちや無力な人々は地上に残り今までの生活を送った。
都市を作るには大量の資源が必要で、空中都市と地下都市はそれぞれの街をつくるために地上の資源を奪い合った。それゆえ、お互いの都市は対立関係にあって、今も地上で奪い合いを続けている。地上の人たちは大多数がそもそもなす術がなかった人たちだったため、その争いや資源を取られることすら止める事ができなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
空中都市は空飛ぶ未来への方舟、「エターナルアーク」。通称エターク。地下都市は希望の新天地、「ニューエイジグランド」。通称ニューラ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-28 08:59:34
38964文字
会話率:36%
私の幼馴染である宮代昴の、精神(こころ)だけが消えた。
しかも、消えた先では、別の行方不明事件も起きているみたい。おまけに彼の姿は、五歳の女の子だっていうから笑えないよ――!
私が楽しみにしていた、成年を控えた魔法使いの弟子たちの
デビュタント。
同じ会場では、一族や他家の魔法使いにとって大事なスピーチやレセプションが行われるため、本当に今日は特別な一日。
そんな一日を成功させるため、レセプション会場の警備に当たっていたはずの彼は「仕事中の事故」により、その身だけを残して消えてしまった。
私に、「またあとで」の言伝だけを残したまま。
このお話は、そんな彼が私こと、小鳥の元へ戻るまでの物語。
昴は戻ってくれば、主人公(ヒーロー)なんだから、頑張って!
※カクヨムにも掲載中折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-27 23:37:23
108468文字
会話率:29%
ルーラ王国王都【レンハイム】
そこには一人の眉目秀麗な奇術師が居た。
彼の名前はロレンツォ。
音楽院を中退して奇術の道を志すも、できることと言えば帽子から鳩を出したり、コインを移動させたりと多くの人が見飽きたようなものだった。
ある夜、彼
は街を散歩してる中で庭園でピアノを演奏する美しい女性を見つける。
女性が弾く曲はルカトーニのピアノソナタ第十一番別名——〝月夜の悪魔〟。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-27 21:37:33
12571文字
会話率:39%
心の刃「イマジナリ・ブレイド」を持つ者は「ホルダー」と呼ばれ、その特異な能力故に社会から監視され、時に犯罪者予備軍として扱われる、近未来の日本。
過去のトラウマからホルダーであることを隠し、孤独に生きる女子高生・真加理冴矢は、ある事件に巻き
込まれたことをきっかけに、空想犯罪対応局「S.W.O.R.D」の女性捜査官・弦木真琴と出会う。
その数年後、S.W.O.R.Dの正式な隊員となった真加理は、指導役である弦木と共に新たな事件を追いかける。それは、解決不可能な「空想犯罪」。不可視の刃による連続殺人事件。そこに秘められた忌まわしい過去――
少女の刃が、隠された真実を暴き出す。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-27 13:00:00
106267文字
会話率:36%
普通のサラリーマン加藤浩平は気が付くと知らない場所に転移していた。
しかしひょんなことからここが慣れ親しんだVRゲームの世界であることに気が付く。
DRD(ダイブイン・リアル・ダンジョン)それはダンジョンが存在する現代日本を舞台にした
ゲ
ームであり、意識をVR世界に飛ばすフルダイブシステムを採用したゲーム、その第一弾である。
そんなゲーム世界に転移した加藤はリアルとなったゲーム世界をゲーム本来の主人公や仲間達と共に攻略していく……しかしこの時の加藤はこれが事件の幕開けになるとは思いもしなかったのです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-26 08:00:00
558775文字
会話率:18%
──まずは信用する。それがシエル・グラントのモットー。
難民差別が当たり前に横行する星、ゼーレスに移住してきた難民の少女シエルは、家族やその知人からの多大な援助を受け、難民でありながら高校に通うことができる『特別編入生』の身分を与えられる。
そのため、シエルは高校でどれだけ悪質な嫌がらせを受けても、皆の努力を無駄にしないため、憎しみを押し殺し、笑顔を浮かべ続けていた。そうした行いが、いつか自分たちとゼーレス人がわかり合うことに繋がる──そう信じて、シエルは耐え続けるのだ。例えどれだけ嫌われていても、どれだけ嫌いな相手でも、まずは信用して手を伸ばす。差し伸べた手を拒まれても、明日明後日──そうやってきたのだから。
しかし、そんなある日──シエルは、故郷の惑星を取り戻す方法の存在を知る。この星で故郷に想いを馳せるのは反逆に値する。故郷を取り戻そうなどと奔走すれば、『特別編入生』の立場の剥奪は免れない。それどころか、普通の人間としての生活にすら戻れない。
原住民からの非道な虐め行為に、ずっと本音を飲み込んで耐え続け、懸命に彼らに歩み寄ろうとしていたシエルは──今まで自分がして来た努力と理想の間で葛藤する。
苦悩の末──シエルが下した決断とは……。
これは、ほんの小さな──信頼の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-25 10:47:39
41976文字
会話率:51%
10年前、異世界からやってきた謎のゆるキャラ生命体ダンポンによってダンジョン生み出され、ダンジョンが日常の中に入り込んだ日本。
高校生の壱野泰良は友だちに誘われて大阪梅田駅のダンジョンに行く
しかし、そこは大勢の人で溢れていて、まともに魔
物を倒すことができるような状況ではなかった。
手に入ったのはわずかな経験値と、何が入っているか、どうやったら空くかわからないD缶という缶詰のみ。
家に帰って自分専用のダンジョンが欲しいと思っていたら、突然D缶が開いた。
中に入っていたのはスキルを覚えることができる飴玉。
泰良はその飴玉でスキルを覚え、最強のダンジョン探索者になるべくダンジョンに潜っていく。
※ダンジョン配信要素は3章からの予定。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-25 01:07:17
1106462文字
会話率:35%
自身の風貌に無頓着な美少年松本・ヨハン・貝紫は気が付くと異世界に転移されていた。その世界で伝わる神の言葉を、その美声で響かせながら世界を救う長編ファンタジー! の予定。
最終更新:2025-05-24 18:36:20
133813文字
会話率:52%
様々な種族の住むティアイドラ大陸。そこで外の世界を夢見て、一族の下を離れた一人の女性がいた。ただ、彼女はオークと呼ばれる種族の女性だった。
種族に対する偏見、個人的な思惑や陰謀、文化や風習の違いに翻弄されながらも種族の壁を越えて愛しあう
人を見つけていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-10-24 18:54:28
27089文字
会話率:52%
王は彷徨い続け、少年と出会う。
黒く、蝕み、喰らう王の名を呼べ。
対異能犯罪者特殊部隊BLACK D.O.G
数年前に噂になった信憑性のない都市伝説。
少数精鋭でそのメンバー構成が隊長と副隊長以外は孤児だったとまことしやかにささやかれて
いる。
「嘘か誠かわからない新聞記事のせいで俺らは普通に戻ることになった……
普通じゃないのに?
何も知らない奴らのせいで俺は…俺たちは……」
これは、普通にあこがれた少年たちの物語である。
カタラレヌ・クロニクルシリーズ第三弾(仮)(予定)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-22 23:48:46
101661文字
会話率:44%
真実の歴史を探求しつつも、
歴史の隠し味を堪能して、
歴史から学ぶ。
第一章は「第二次大戦」。
最終更新:2025-05-18 21:27:56
12608文字
会話率:0%
元々は地球に住んでいる、中高一貫の学校の生徒だった。なのに、突如地面に現れた魔法陣によりよく分からない所に転移させられた。
そこで、地球で培った知識や個人の特性を元に6人で共に頑張って行く。
元々は最低ランクEだったが、E、D、C、B、A、
S、SS級と段々上がっていく。
6人の当初の目標はS級ランクに上がること。それからSS級ランクに上がっていくために行ったこと、努力したこと。など様々な努力を暖かい目でご覧ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-18 20:48:08
3025文字
会話率:65%
『セカンド·アース』バーチャル空間でもうひとつの人生を。建築――あなたの想像したすべてを形にできます。交流――あなたと誰かを隔てる障壁は何一つありません。冒険――望むのであればあなたは武器を取り、勇者のように(期間限定、不定期開催イベント)
。さあ、アカウント一つで自由な世界へ。
選ばれた実力者のみが参加を許される高難易度RPGイベントが開催される。自分を変えたい――その一心で参加したクロイツは十分な知識や装備もないまま冒険の旅へ出た。運命を壊した先に待ち受ける結末とは。
*突然更新折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-18 20:00:00
97520文字
会話率:47%
加筆修正版をKindleにて販売中!
誕生日の夜。ルシウスは夢の中で、女神のように美しい女が助けを求める声を聞いた。
僕が彼女を助けなければ――。
決意を胸に、ルシウスは全てを捨て彼女を探す旅に出る。
女を探し求める中、有力情報
を得る見返りにルシウスは、一人の青年と魔物討伐へと赴くことに。姿を見せぬ厄介な敵。そして、その先でルシウスが知る真実は……?
夢の女、勇者、魔女、そして光の力。ルシウスは大いなる過去の因縁に、否応なく巻き込まれていく――。
※自サイトにて公開中
加筆修正版販売ページ
https://amzn.asia/d/dIM7v8D折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-17 18:25:27
51925文字
会話率:48%
大いなる力を持つことは幸せか? 大いなる力を振りかざすことは幸せか? そして大いなる力を自覚することは幸せなのか?
冒険者のランクを表す等級は魔物の危険度毎に振り分けられた討伐レベルと同一され、それらは以下に分類される。
害獣程度の討伐
レベルDなら等級D
一般人複数人の殺害が可能な討伐レベルCなら等級C
下位の冒険者の殺害が予想される討伐レベルBなら等級B
複数人の冒険者でも歯が立たない討伐レベルAなら等級A
そして伝説級の魔物である討伐レベルSなら等級Sである。
ある日、のどかなドーメルの街を訪れた等級Aの冒険者のアーランクルと等級Dのガルシア。
そして彼らの前に現れた等級Sであり転移者を名乗る少年リクト。
大いなる力を持つ者同士が邂逅した時、彼らの運命は大きく歪む。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-16 20:00:00
21214文字
会話率:46%
かつて、海に沈む無人島の地下で極秘に稼働していた研究施設「D13号」──
そこは、世界の裏側で異界と接触するために築かれた“記録外の適応施設”だった。
音を失い、時間が乱れ、言葉が消える。
その異常空間で進められていたのは、選ばれし適応者
たちによる人類の進化実験だった。
ナズナの物語の始まりでもあり、物語の中核を担う施設の解説記録折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-16 13:49:24
1602文字
会話率:0%
このドアを開けようとするあなたは誰ですか?
名前を聞くのではありません。
あなたは誰ですか?
最終更新:2025-05-15 20:28:49
3638文字
会話率:40%
人類が滅亡した地球で暮らすアンドロイド2人 。
少女イブと女型掃除ロボ-エイド。
今日もゆる~く、百合~っと新人類になるべく暮らしている。
「日常系ディストピア百合アンドロイド物語」
『そして、人類は再定義された』の後日譚的
雰囲気改変ス
ピンオフ
短めの短編集みたいな感じをイメージしてます
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-14 18:00:37
6067文字
会話率:66%
冒険者を育てる学校ーーその中でも落ちこぼれと呼ばれるDクラスに所属するラント。
Dクラスで冒険者になれる人はいないとまで言われている中、彼は夢の冒険者になれるのか?
最終更新:2025-05-14 12:52:13
8910文字
会話率:35%
深夜、残業帰りのサラリーマンの中年が、橋の上に座り込んでいる女子高生らしき少女の存在に気付く。中年は不審に思いながらも少女を通り過ぎるが、橋を通過した所で橋の入口に戻ってしまう。少女は物理的に触れることができない幽霊のようであり、少女の向
いている方向には赤黒く染まった藁人形が釘で打ちつけられていた。そこで、中年がとった行動は……?
―――小説家になろうサイトのホラージャンルでは初……かもしれないマルチエンディング形式を採用し、作中に簡単な選択肢を用意しました。もし自分がこのような状況に遭遇したらどうするか? ちょっとした頭の体操にでもなれば幸いです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-14 12:30:08
31532文字
会話率:32%
日本の昭和時代を彷彿させる、個人が魔法のような『異能』に目覚める異世界に転生した主人公の警察官が、霊媒師ギャルねーちゃんの助けを受けて自らの冤罪(詳細は本編を参照!)を晴らす話。
この話は、漫画 ハコヅメ~交番女子の逆襲~ の作者:泰
三子先生のインタビュー記事、「警察はしょうもない人たちが頑張っている」からインスピレーションを受けて出来上がったものです。警察とは関わりの無い一般人の妄想につき、決して真に受けないようにしてお楽しみください。……こんな話になってしまい、先生および警察関係者様には謹んでお詫び申し上げます。
※警察官上層部による不正や汚職といった話とは関係ありません。もっと下らない(と言ったら失礼かもしれませんが)、人の根源的な欲求をテーマにした話になります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-08-27 07:05:13
38427文字
会話率:54%
異世界に召喚された勇者(詳細は本編参照!!)と現地住民に振り回されて悲鳴を上げながら、童顔ショタリーマン(合法)が24時間で世界を救い翌日には出社してくる話。※三人称視点です。
最終更新:2020-05-04 00:23:32
207272文字
会話率:54%