ただの取材旅行で訪れたつもりが、二年前にここで起こった真紀子氏の不審死、———あるいは未解決事件———について、調べることになるとは。
その悲劇が起こったのは、主人兼光氏の不在中であり、その時この島にいたのは、現在もこの館に泊まっている長男
俊典とその妻子真希と美香、次男の隆平に専属医の小山内咲、使用人三名と雪子氏。彼女の遺体には外傷や毒物反応が一切無かった。右腕の付け根には、火事の中俊典によって運ばれた際に付いたと見られる焦げ跡が残っていたと云うが、死因は依然不明である。しかし、ここからどのように犯人を探すのか。主人の懇願と私的興味に負けて先生は依頼を引き受けたものの、真相を突き止めるための策はあるのだろうか。そもそも、犯人は外部の人間で、今頃本土のどこかで何食わぬ顔で生きている可能性だってある。と云うか、その可能性の方が高いように思う。もしそうであったなら、いくら身を粉にして証拠を探したとしても、徒労以外の何でもない。ゴールのない迷路を右往左往するようなものである。
しかし、夕食前にご主人が云いかけた言葉が気になる。ご主人は、真紀子氏を殺した犯人が今ここに居ると云うような口振りだったが、彼には何かしらの———現在この島にいる人間の中に犯人がいると云う証拠———或いは、その犯人を見つけ出す手がかりでも持っているのだろうか。
夕食の席でのあの様子だと、ご主人はそれを家族にも教えていない。
明日からは、あくまで表向きは小説執筆のための取材として、容疑者でもある各人に二年前の事件について尋ねることになるのだろう—————
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-18 00:35:42
66654文字
会話率:51%
梅雨に差し込んだ六月のある日。小説家岸辺の元に、一人の少年が訪ねてきた。
彼が持ってきたのは、実際の体験を元に描いたと云う犯人当て小説。彼の提案に乗り、犯人当てに臨む岸辺だったが、読み進める内に、徐々に違和感を感じ始める。
最終更新:2024-06-30 20:48:13
45594文字
会話率:47%
日本海に浮かぶ無人島、青藍島。その島には、かつてこの島に住んでいた両親を焼き殺して喰らったという、悪魔に取り憑かれた狂人の噂があった・・・そんな島の頂上に聳える奇妙な館を訪れた元同級生六人を突如として襲う明確な殺意・・・外界と途絶された絶海
の孤島で次々と行われる不可解な見立て殺人・・・六人は迎えが来るまでの四日間を生き残ることができるのか・・・?そして、新米小説家岸辺は犯人を見つけることができるのか・・・?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-25 23:28:08
102004文字
会話率:43%
誰もが一つ能力を神から与えられる世界。ある者は冒険者として世界の果てを旅し、またある者は国に仕え、名誉を求めた。しかし、タルバという男はそんな欲がさらさらなかった。
昔は向上心に燃える若き冒険者であったが、十数年の時は彼に現実の厳しさを刻み
込んだ。
そんな彼は隠遁生活を目指し、家を建て穏やかな生活に満足感を得ていた。
そんなある日、彼のもとに人が訪れる。その出会いを契機に彼の人生は変化させていく。
※勘違い系を意識して書く予定です
※チートなし、恋愛要素を極力減らす予定です
※設定が曖昧で至らぬ点があるかと思いますが、ご承知のほどよろしくお願いいたします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-04 01:00:00
604138文字
会話率:32%
世界から忌み嫌われた一族の生き残り、フェーデはエングリーズ王国にて錬金術師として生活していた。
魔法が生活の基盤にあり、魔法と錬金術を駆使して便利で豊かな生活を送っていた。日々の仕事に忙殺されながらもありふれたよくある平民としての幸せを享受
していた。
ある日、他国から連続殺人犯が逃亡したという知らせが入る。それがフェーデを一変させる出来事となるのだった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-13 21:00:00
58362文字
会話率:17%
異世界フォルミアに招聘され、世界を救うための英雄となった大学生の霜上一郎は世界を救ったことからその役割から解放され、ついに日本へと帰還することになった。
数々の危険を共に乗り越えた仲間と別れ、生まれ故郷日本へと帰還すると数年の歳月が経過して
いた。
ひとまずかつての日常に戻るべく普通の生活を試みるが、そこには思わぬ罠があった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-12 05:17:29
6764文字
会話率:11%
地球滅亡まで残り5年。
そんな絶滅の岸辺に立たされた人類が選択したのは、仮想空間上に創造された異世界への”移住”だった。
創造された数多くの仮想空間のうちの一つ《サンタ・マリア》はMMORPG風の世界観を模した異世界で、他の仮想空間のその
例に漏れずその世界には”死”という概念が存在しなかった――
故郷の惑星を離れ、人類達が新たに築き上げていく文明の1ページ目。
永遠の生を与えられた人類が、世界によりその生の意味を問われていく、近未来SFファンタジー。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-21 17:27:06
13568文字
会話率:30%
世界に存在しない区画、『第零番地区(ゼロ・ゾーン)』。
ここでは、“世界に属さない人たち”が暮らしており、現実世界とは対をなす「場所」として、巨大な機械都市が建設されていた。
ゼロ・ゾーンは、現実世界の“片割れ”であると言われる
場所であり、また、過去と未来の交差点でもあった。
現実は、たった一つの選択によって生まれ、一つの時間の先につながっていく。
私たちが暮らしている「現在」とは、事象の地平面において1つの確率が収束した姿であり、時空の揺らぎが閉じた状態でもある。
ただし、世界には“裏のチャンネル”と呼ばれる場所が存在していた。
その場所は、まだ「現在」が「現実」に到達していない場所であり、また、過去と未来が“動き続けている場所”でもあった。
現在にたどり着けていない、あらゆる可能性の集う場所。
「ゼロ・ゾーン」とは、すなわち、“そうならなかったという時間”が集まる場所のことを指していた。
「A」であり、「B」であるもの。
それでいて、現実ではないもの。
私たちは普段の生活の中で、何気ない選択を取ることがあるだろう。
しかしその選択は、たった1つの時間と空間の岸辺に辿り着き、決して変わることのない「結果」へと結びつく。
——もし、あの時ああしていたら…
長門高校に通っていた赤木ユウタは、突如として街中に現れた謎の球体に吸い込まれる。
暗闇に包まれた視界の中で、走馬灯のような目まぐるしい景色が頭の中に駆け巡った後、得体の知れない化け物が、自分を襲おうとしていることに気づいて…折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-11 23:21:44
2376文字
会話率:2%
戦地へ向かう1人の青年は、18歳の歳に空軍に入隊したばかりの若者だった。
彼には「夢」があった。
真夏のグラウンドに鳴いたサイレン。
飛行機雲の彼方に見た、青の群像。
空に飛び立った彼は、靄に沈む世界の岸辺で、1人の少女と出会う
。
彼女は彼が出会うべき「運命の人」だった。
水平線の海の向こうに、「霧の世界」と呼ばれる場所がある。
未来と過去を結ぶその時空の揺らぎの彼方に、2人が見たものとは——?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-23 22:07:28
5289文字
会話率:20%
ベテラン俳優の緒方健三と妻の岸辺さくらは児童養護施設吉永学園で、戸田百合乃と言う幼女と出会い、彼女を引き取る決意をするが、妻のさくらが病で倒れ、引き取りを辞退する。それでも、さくらは、百合乃に「いつか病気が治ったら迎えに行く」と手紙を送り、
2人の文通が始まる。13年後、さくらは逝ってしまう。その5年後、ある人気格闘ゲームを原作としたアクション映画の悪役に健三は抜擢される。そして、そのヒロインとして抜擢された女優、吉永百合乃は、かつて彼らが引き取ろうとした、美しく成長した戸田百合乃だった。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-07-16 21:14:42
3369文字
会話率:41%
大学で民俗学のゼミに所属する新堂。ある日、准教授がビーバーの剥製を購入し、そして異変が起こる。剥製が消えたのだ。時を同じくして発生する事故……水路の死体は一体何が原因なのか。謎が深まり、やがて新堂は怪異に呑み込まれていく……。
2024年
創元ホラー長編賞 最終選考作品折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-10 21:02:12
73810文字
会話率:53%
一人の選ばれし転生者が駄々をこねた。
「無理。戻して。転生なんてしたくない」
しかし是が非でも次の場所には向かってもらわなくてはならない。
駄々こねし一人の人間を説得する為、転生が良いものだと理解させる為、食事を通して「転生する」ことを理解
してもらおうとする一柱の神。
転生者が自分で作るお粗末ご飯を食べながら「転生する」を三途の川の岸辺で理解させられるモグモグ日常(?)ストーリー。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-13 17:00:00
11228文字
会話率:35%
ある日、凪子の恋人が左耳をケガして帰宅した。恋人は勇気をもって告白。満月の夜のはかは人間の姿をしているが、自分の正体は黒猫なのだと。傷は魔法猫チェシャーキャットに噛まれたもの。その後、人間の姿でいられる時間が短くなり、ただの黒猫に。代わりに
不死身となった黒猫は、凪子が生涯を終えるまでよりそう。そして、凪子の死後、時をかける黒猫(シャノアール)となるが……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-29 01:58:32
3132文字
会話率:44%
孤独なアトリエで師匠の死を受け入れる岸辺。
真っ白なキャンパスの前で呆然しているとスマホに着信が届く。
それはかつての親友・海野からだった。
懐かしい過去の思い出が彼を筆を握らせる。
青春を遡りながら描かれるのは、なんの絵になるのだろうか
。
未知の創造に挑戦する画家、過去と未来が交わる瞬間に起きる事件。
これはとある画家の未来へ続く物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-13 20:53:23
28017文字
会話率:45%
このタイトルも、かつて使ってた気がしないでもない。
だが、それでも、確認は、しない。
それがこの秋葉竹の、絶対に譲ることのできないポリシーだから、だ。
な〜んちゃって。
あえて、誰かっていうと、ちょっと岸辺露伴先生を意識しているかな?
キーワード:
最終更新:2023-11-23 15:41:29
273文字
会話率:0%
明治時代の小説家・国木田独歩(1871年~1908年)の1895年の北海道来訪について、あちこち歩き、あれこれ調べ、なんだかんだ考えてみました。
※noteにも重複投稿しています。
最終更新:2023-11-17 21:00:00
5882文字
会話率:18%
撮り鉄とは何者なのか?
最終更新:2023-08-20 22:25:37
690文字
会話率:0%
余はLine証券に相当な資金を投じた。
その一部をここに記す。
モバスペと併載予定。
一部記事はYoutubeに掲載
最終更新:2023-05-08 12:00:00
1900文字
会話率:0%
岸辺緑の雑記。
モバスペと併載予定。
最終更新:2023-04-13 21:16:44
3132文字
会話率:0%
人々とともに特殊な能力を持つ獣が住まう世界。崩壊の危機を乗り越えた王国の上を流れるのは、平穏と呼ぶべき時間だった。王都にある湖の岸辺。大切な者たちとそれぞれ眺める花火の彩―『聖獣の庭、あるいは忘却曲線』のささやかな後日談。
最終更新:2023-08-15 19:40:51
3451文字
会話率:52%
赤いトマト君は、トマトに顔がついた、握り拳くらいの大きさの奇妙な置物です。
ある双子の住む家に置かれています。
双子のうちの女の子は、家に来る友達にトマト君のことを自慢しますが、友達は皆、トマト君の奇妙な存在感に敬遠しがちです。
そんな
トマト君は実は志高き置物で、自分も誰かの役に立ちたいといつも考えています。
けれども、自分は女の子にとって大好きな存在であり、誇りであることを知り、それ以降は自分も誇りを持って生きていくことを決めたのでした。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-03 06:51:01
1348文字
会話率:29%
道路沿いに咲く一輪のタンポポの花を見つけた女の子は、その花を大変可愛がりました。
しかし、花は綿毛となり、お別れのときがやってきます。
種たちは皆、その女の子のことを忘れることなく、次の春になりまた花を咲かせて綿毛となって飛ばされていきま
した。
その種たちもまた、女の子のことを忘れませんでした。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-03 06:34:35
430文字
会話率:0%
作品テーマは『ルッキズム』です。
複雑に価値観が多様化する現代社会において『見た目の違い』をテーマにすることは非常に意義深く、またこの時代を生きる一人の物書きの端くれとして『未来への責任を果たす』ことだとも思い、微力ながらも筆を取った次第
です。
私はこの作品をマジメに書きました。
いつもふざけた作品ばかりで恐縮ですが、たまにはマジメな作品も書くのです。
これは、日本に存在する『ある怪異』、そしてそれにまつわる『青春』の物語でもあると同時に、現代の病理でもあるルッキズムについて鋭く切り込んだ怪作であると、僭越ながら自負させて頂いております。
登場するキャラクターや単語などは、実際の人物団体等とは一切関係ございません。
どうぞ、ご了承の上ご一読のほどお願い申し上げます。
また、作中の一部表現に暴力的な表現がありますがあくまでも小説のなかの『ひとつの表現』であり、けして暴力を助長する意図のあるものではないことを、ここに付記させて頂きます。
2023/03/26 作者より
※作中の一部表現にジョジョの第三部・第四部・第五部、及びカレカノ9巻の重大なネタバレを含みます。未読の方はご注意願います。
『ジョジョ』と『カレカノ』を既読の方のみこの作品をお読みくださいますよう、作者として伏してお願い申し上げます。
※今作『うちの蜜柑……』のタイトルの発音は、かの名作『岸辺露伴……』と一緒です。
読者の皆様に置かれましては、そういった諸々の事情をご理解ご承知おきの上でご一読頂けますことを、作者として切に願って已みません。
※ここまで読んで頂きまして、有難うございます。
……勿論、全部フリです。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-26 21:51:21
11122文字
会話率:25%
暗く冷たい川底で目覚めたヴァネッサ・ロワイエ男爵令嬢。
彼女は自分がなぜこんな場所に居るのか、なぜ水中で息もしないで動けるのかが解らなかった。
ゆっくりとしか動けない体、感情がすっぽり抜け落ちた心。
疑念を持ちながらも彼女は夕暮れの
岸辺に上陸し、王立ダンスホールを目指す。
まるで何かに呼ばれるかのように。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-17 15:35:45
4701文字
会話率:16%
1964年、中井英夫ミステリ長編「虚無への供物」と1977年、山田太一脚本のTVドラマ「岸辺のアルバム」の比較と考察。
最終更新:2022-10-16 13:10:01
7151文字
会話率:0%
僕はだまって海の方へ歩き出したんだ。
彼女を一人、岸辺に残したままで。
公式企画『夏のホラー2022』[お題:ラジオ]への参加作品です。
最終更新:2022-07-07 00:00:00
2396文字
会話率:19%
川を眺め、木々を眺め、季節を感じ、収穫をして。人はやがてどこへ行くのかと、思いを巡らせる。風が吹き、雲が行き、新緑の葉の合間から、木の葉が滑り落ちた。
最終更新:2022-06-13 07:09:14
523文字
会話率:0%
時の流れを感じるときは、時の流れに流れているようで、知らぬ間に、待ち人になっている。時々は疲れて、その岸辺にいても、ずっといるのは、危ない。こんどは、知らぬ間に流されて、姿、形もない。
最終更新:2020-11-09 20:10:48
243文字
会話率:0%
面白い話をしないと王様から殺されてしまう。そんな危機を乗り越えるため、百合マイスターは毎晩百合の話をして王様を満足させます。
1話1百合形式で進めていきます。いろんなジャンルの百合短編作品を書いていきたいと思っています。何か好きな百合のジ
ャンルがあったらコメントで教えてください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-13 22:43:34
9045文字
会話率:40%