大人気アイドルのライブで知り合った彼女は、俺の目の前で『喰われた』。
たった独りでチケットを手にやってきた、人気急上昇中のアイドルグループ〖Muse!〗の結成1周年記念ライブ。そこで俺は、そのチケットを見て話しかけてきた女子高生風の女の
子と知り合った。
お互い同じライブをぼっちで見に来た同士ってことで名前も名乗り合わぬまま仲良くなり、席が違うから一旦は別れたけれど、ライブ終わりに姿を見かけて再び声をかけた。今見たライブの感動を語り合いたい彼女に促されるまま歩き出したその時、言いようのない不安感に襲われる。
「おい、君!」
「えっ?」
彼女が振り返った瞬間、さらにその向こうから現れた大きな口だけの異形の怪物が襲いかかり、彼女の脇腹を食いちぎった!
「いたい……わたし、死ぬの……?」
どう見ても致命傷だった。ひと目見てもう助からないと分かってしまう。
「死にたくない、か」
そこへ突然現れた黒づくめの謎の男。
男は言う。「“人形”として浅ましく生きるか、人として尊厳をもって死ぬか、最期に選べ」と。
そして男の背後に現れた6人の人影。それは先程までステージで躍動していた〖Muse!〗のメンバーたちだった⸺!
彼女たちは何者なのか。あの化物は何なのか。
訳も分からないまま拉致された俺は、彼女たちの“マスター”として、共に戦いつつひとつ屋根の下で彼女たちと共同生活を送ることに!?
◆スクエアエニックス様より2017〜2021年に配信されていたスマートフォン用タップアクションRPG『プロジェクト東京ドールズ』の二次創作として書いていた未発表作品を下敷きに、作者独自の世界観と設定で新たに再構成したオリジナル小説になります。
設定の一部を二次創作から流用しているため若干似通った部分がありますが、盗作等ではありません。ただしなろう運営及びスクエニ様よりご指摘を頂いた場合には削除するかも知れません。
◆作者の作品は特に断りなき場合、基本的に同一の世界観に基づいています。どの作品も独立しているのでそれぞれ単品でもお楽しみ頂けますが、合わせて読めば二倍楽しいです。多分。
◆この物語はフィクションであり、実在の人物、団体、企業、国家などとは無関係です。また法令違反や暴力行為を推奨するものではありません。
◆なろう限定公開となります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-10 19:00:00
321713文字
会話率:50%
魂を奪われ魔物に喰われた公爵令嬢は、最強の英雄に入れ替わり復讐を遂げる。
フィスカ王国はもともと弱小国だったが、この100年間で強大な国へと変貌を遂げた。その変化は、軍神の寵愛を受け、戦に勝ち続ける魔術と戦術の才能を持つイグニティス家と、
精霊の加護を受けて国に豊穣をもたらすアネスファル家の二大貴族の台頭によるものである。
二大貴族の力の増大に伴い、王家は形骸化し、国の実質的な支配者となったのはイグニティス家とアネスファル家であった。そんな中、イグニティス家のピレ(スフィレピアレイ)とアネスファル家のモモ(モリエール)の婚約話が持ち上がった。
ピレとモモが結婚し、二大貴族が結びつくことによって新たな王家が誕生することを恐れた現王家は、禁忌である魔の力に手を出した。サキュバスと契約を結び、ピレを洗脳して第三王子の虜にした。
かくして、ピレは第三王子との婚約を強く望み、実質人質として王宮での生活を始めた。初めは魔法がいつか解けることを恐れた王家はピレを大切に扱ったが、サキュバスの呪縛が永遠に魂を蝕むことを知ると、次第に彼女をぞんざいに扱うようになった。
家族や王家が知らぬ間に、ピレの魂はサキュバスに蝕まれ、やがて消滅してしまった。この悲劇を憐れんだイグニティス家の軍神ニグリールは、死後の世界、戦死者の館に赴き、初代イグニティス公爵アラールリリィにピレの運命を告げた。
ピレの悲劇と、かつて勝利に導いた王家の裏切りを知ったアラールリリィは怒りに身を燃やし、ニグリールの力で自らの魂をピレに捧げた。これにより、ピレの抜け殻となった身体はリリィの魂で復活し、彼女は王家への復讐を誓った。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-10 17:51:13
18765文字
会話率:45%
猟師の父親が「歪」に喰われた。熊に襲われたなら諦めもついたが、魑魅魍魎に近い存在に殺された。父の猟師仲間の対応もおかしい。千鶴は衝動的に猟銃を抱えて山に入る。母も幼い頃に事故で亡くし、千鶴は一人きりだった。飼い犬の三郎の制止も聞かず足を進め
るがとうとう動けなくなった千鶴が山の中で出会ったのは…白くて大きな…猫?
※いいえ、虎です。
仇討ちがしたい世話焼きな娘と、山神様の御遣いと思われる、白い獣が心を通わせる異世界和風ファンタジー。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-19 12:00:00
111300文字
会話率:24%
バケモノに喰われた晃は、何故かバケモノになっていることに気付く。どういう状況なのか、全く判らない晃。そこに、リサーチを名乗る自称、深宇宙探査船の人工知能が現れる。リサーチによれば、喰われた晃は、バケモノの一部機能の制御装置として採用されたが
、直ぐにバケモノ自体の意志に昇格したと言う。意味が判らない。何をしても良いらしい。バケモノの平常運転と同じように、世界を喰らう?それとも、世界を征服する?星間戦争でもおこす?色々リサーチに聞かれたが、どれも嫌なので、そう言うと。リサーチは、我儘だ。じゃあ何するの?相当暇になるけど。元の身体でも再現して、生前の生活に復帰しますか?と言う。え?生き返ることが出来るの?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-25 20:35:25
95784文字
会話率:38%
「あの日、俺は枯れた。彼女の死と共に」
世界は赤い瘴気に蝕まれ、わずかに残った人間は『移動植物園』と呼ばれる巨大な箱庭の中で生きていた。
中枢機関である『温室』で瘴気について研究していたギルバートは、とある事件によって右足を喪い、精神
の均衡を崩し大学の非常勤講師として自棄的な生活をしていた。そんなある日、再び『温室』へ召喚されることとなる。
そこにいたのは、ひとりの幼い『植物人』――三年前に妻のエレナと共に蟲に喰われたアイビーだった。
唯一瘴気に適応し、巨大化した蟲は人間にとって脅威であり、植物人は瘴気を無毒化できることから文字通り世界の希望だ。人間はその植物人と契約し、蟲の殲滅と大地の浄化を目指していた。
全てを喪った男と幼い植物人は、やがてひとつの選択を迫られることとなる。
喪失と再起の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-15 23:22:31
94411文字
会話率:47%
――『一日の大半を、自分の守りたい人と過ごす。』
いつまでも続くと思っていた日常は、突如現れた異形の化け物に奪われた。彼女に傷はない、ただ眠るように……か細い息をしながら意識を失っていたのだ。理由も分からない、治す方法なんてあるわけがなかっ
た。
だが、突然の来訪者がそれを教えてくれた。他人の夢を喰らう「夢喰い」の存在、それに夢を喰われた人間は意識を失うこと。……そして、夢を喰った「夢喰い」が死ねば、夢を喰われた人間は目覚めるという事。
気づけば俺は笑っていた。かつて彼女に最低と言われた「金獅子」としてではなく、彼女を守りたいと願った結果、笑っていた。
――これは夢を喰い、夢を悔い続ける悪夢を喰らう、一人の『破苦』の物語――
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-05 11:23:00
66669文字
会話率:58%
夏の終わりを感じる少し涼しかった日の事。高校2年生の高梨樹は夏休み終了後の気怠い気持ちのまま学校へと登校した。
やる気になれない授業が始まる前、騒がしい集団へと目を向けるとそこにいたのはウルフカットの美少女だった。その美少女に高梨は惹かれて
しまう。
つまらないと思っていた学校生活に彩りが生まれてゆくが…折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-02-18 15:00:02
855文字
会話率:10%
次々と狼に喰われたような遺体が見つかる事件を追っていた草野克則警部。
祖父が危篤だと連絡をもらい、急いで病院に向かっていた大神満。2人が出会ったのは、狼村だった。
狼村に誘われた16人の中に潜む2人の人狼。
人狼の正体を暴き出し、事件は解
決するのか?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-10-02 21:36:57
78760文字
会話率:49%
「雑用係モルド・ベーカー、本日をもってお前をこのパーティーから追放する」
「私も賛成に決まっています。私、あなたのことが嫌いでしたから」
「……えっ?」
A級冒険者パーティー【革命の風】に所属していた青年は突如としてSSSランクダンジョ
ンの奥地で追放を命じられる。メンバー全員と幼馴染の【聖女】ティナに裏切られたのだと思い、意気消沈していたモルドだったが……
「はぁ……あんなの嘘に決まってるじゃないですか」
「嘘!? あのゴミを見るような目が!?」
前日に追放の実行を伝えられたため、ティナは急いで様々な根回しをしてくれていたそうだった。メンバーのもう一人、レイラとも落ち合い三人でパーティーを離脱するつもりとのこと。
「だからまずはこのダンジョンから抜け出しましょう」
しかし、二人を突如イレギュラーが襲った。上級冒険者を殺す死神と呼ばれる魔物【彷徨う赤き鎧】に襲撃を受けた二人。圧倒的な力の差。ティナはモルドを庇って死んでしまう。ティナは持っていた転移結晶を手渡し、
「どうか生きて、幸せに……」
そう言って、息を引き取った。
さらに死神の驚異的な一撃で、モルドたちが立っていた橋が崩壊を始める。モルドはダンジョンの『深層』に落とされるのだった。
モルドが目を覚ますと、そこは深層だった。しかし、地面に叩きつかれ血だらけになっていたはずの体は完治している。モルドは疑問に思いながらも、ティナを失った喪失感を抱えつつ探索を始めた。そして……喰われた。兎型の魔物に足を食い千切られ、巨人のような魔物に体中を棍棒で滅多打ちにされ、大量のムカデのような魔物に体を這い回られ、突き破られ、喰われた。……しかし、そこで意識を手放した先で、
「ようやく会えました」
モルドの精神世界のような場所で、彼は最愛の幼馴染と再会する。彼女は「生きて幸せになってほしい」という呪いをかけたのだという。心撃たれたモルドは宣言する。
「俺がお前を生き返らせてやる。絶対の、絶対の……絶対にだ!」
青年は【聖女の呪い】を抱えながら、喰らう。時には自身の身を削りながら、喰らい続け、成長し続け……いずれ最強へと至る。
一方、実はモルドの驚異的な指示で成り立っていた【革命の風】はダンジョンの中層ですら歯が立たなくなっていき、「最低最悪のパーティー」として没落していくのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-06-05 17:05:18
25703文字
会話率:28%
外見も性格もブサイクな主人公が報われる話。
最終更新:2022-06-04 21:22:15
6148文字
会話率:36%
荒れ果てた大地に立つ、荒廃した教会に住むシスター"サーベイ"はある日、現れた竜を討伐すると竜に喰われていた1人の少年"サドラ"と出会う。サドラの正体はいずれ世界を滅ぼす者を殺す為に選定された勇者であ
った。
サーベイは竜に喰われたサドラの面倒を見ているとある日サドラから「俺と一緒に、世界を救いませんか?」と話を持ちかけられる。最初は断ったサーベイだったがサドラの心を知り、共に救世の旅をすることに。
これは世界を救う物語。
勇者とシスターの、冒険の話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-05-20 01:06:54
13481文字
会話率:26%
平穏な日常は、突如として終わった。
死者が歩き回り、生者を喰らい、喰われた死者が動き出す。
空想が現実に変わる中、秋川紅葉は高校へと避難。助けが来るまで、自力で生き延びようとする。
果たしてこの惨劇が、自分達の周りだけで留まるかも分からない
まま――――
※ゾンビものです。私の好きなゾンビ要素を盛り込んだ作品となっております。
※全三十話。毎日夜九時投稿予定。
※『カクヨム』『ハーメルン』にも投稿しています折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-30 21:00:00
143832文字
会話率:33%
この世界には悪魔【イニティウム】と呼ばれる存在がいる
それはいつの時代からいるのかもわからず人の心を喰らうことで自分の心を埋める化物だ
そして心を喰われた者は深い眠りに落ち目を覚ますことはない
人に仇なす悪魔に対して世界各国に対悪魔組織が結
成されるなか日本で組織された対悪魔組織を人々は畏因会と呼んだ
これは復讐の為に畏因会に入会した双葉リゲルと人の為に生きて死ぬことを誓った青年兼合昴の2人が出会い、相棒となり、そして別れるまでの物語だ折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-02-28 16:59:45
42023文字
会話率:92%
ある日!!!森の中!!!女の子!!!結婚!!!
訳 たぬき追いかけて森の中に入ったら女の子がいて喰われたと思ったらなんやかんやで結婚して楽しく暮らす少年の話。
最終更新:2022-02-23 17:07:12
6652文字
会話率:56%
書籍版2巻は2018年10/16(火)発売です。
詳細はマイページ内(作者名のリンク/[作者マイページ]から)の[活動報告]にて御確認ください。
1巻の情報も合わせて掲載しています。ラフ画像などもあります。
飛賀春人は就寝中に異世界の魔物
によって魂の半分を喰われ瀕死の状態となる。
その危機を救ったのは異世界の女神ベリルベルだった。
15才のハルト・ヒガとして生まれ変わり生き長らえたものの、これが原因で飛賀春人の存在が元の世界から消滅。
やむなく異世界で生きていくことになったハルトは自由気ままに生きる道を選んだ。
ぼっち脱出を目標にたった1人での建国から始める異世界ライフ。
女神様の息子って? 魔法が暴走して姿やレベルが? 最初の国民は人間じゃない?
そしていつの間にか奥さんがいっぱいに?
これは女神とトラブルに愛された男が異世界で趣味に走ったり、たまに無双したりする物語である。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-11-06 06:00:00
6289734文字
会話率:31%
竜に喰われてしまった妻の心を取り戻しに行く話
ちょっと痛いところがあるのでR15にしています
文化の日記念
(恋愛要素はちょい薄めながら、なくもない)
最終更新:2021-11-03 09:00:00
4688文字
会話率:11%
知人の強強絵師の腕が、夢の中で鬼に喰われたらしい。
男は、旧知の専門家に相談することにした。
ホラー要素は薄目です。
最終更新:2021-08-12 17:39:14
9314文字
会話率:59%
作者が8月2日 朝
5:10までに見た夢の内容をメッセージに記憶して、コピペした。
200歳のおばあちゃんが、
海の上の島?自身の家で、ハウス広い
ワニたちと暮らす 言葉を交わし
ワニは話せないが
意思疎通できる 操る
なぜか、ワニ、
虎、猿もいて
一番 ワニ多い
みんな おばあちゃんを喰わない
襲われない
人間、迷い人、お客さんも
おばあちゃんがいれば、
喰われない 指示出す
作者の私はちなみにアホな男のせいで
猿二匹に喰われ殺されました。
その後、その猿はワニに喰われ
復讐で、猿の親ゴリラモンスターが
ワニと戦う。
今でも、私が喰われて殺されたシーン
の記憶あります。
少し痛みあり。夢で。
水上船アトラクション
斧で窓割る 肝試し
割れたら虎に入られ
食われる
絶対に割れないように
当たり前だが。
猿や虎も水中泳げたため
おそらく突然変異。
タイプ。
おばあちゃん
青い服で、少しふくよかな体型
水上 海を泳ぐ
中には潜れないかも
中には潜っていなかったため
海の上に顔出して
泳いでいたので
歩くの遅いが
突然、早く回避したりできる
元女優さんらしい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-02 06:01:06
800文字
会話率:0%
明日から春休み。
13歳の少年・晃が、育ての母である白虎・白露と修行をしていた。
そこに突然現れた『禍(まが)』に、白露が喰われた!
「京都の安倍家に行きなさい!」
白露の言葉に従い京都に行った晃は、『霊玉守護者(たまもり)』と呼ばれる仲
間に出会う。
仲間と共に修行に励む中で明らかになる、仲間の過去。隠していた気持ち。
仲間をあたため励まし、心を溶かす晃。
五人の『霊力守護者(たまもり)』で、再び『禍』を封印するためにレベルアップを図る!
少年達が過去と向き合ったり友情を深めたり修行に励むお話です。
※初投稿の『霊玉守護者顚末奇譚』の、説明部分をごっそりのぞいた改稿版です。
お話は変えていません。
※お話は完結しています。
完結まで毎日投稿します。
※このお話はフィクションです。
お話のなかに登場する個人名・団体名などは全て架空のものであり、実在のものとは関係ありません。
※実在の地名・名称が出てきますが、違う世界の同じ名前の場所として楽しんでいただけると幸いです。
※実在の歴史や人物・事件・事故をモチーフにしている場面があります。
あくまでフィクションであり、実在のものとは一切関係ありません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-29 19:00:00
175488文字
会話率:23%
ボクの名は、ルティ。
ボクは今……。
「はぁはぁっ…ごめん、皆ごめんっ!」
ボクは今、死の恐怖に負けて逃げていた。
生死共にした仲間達を囮にして。
『死にたくない』……そう思って逃げ出した。
◆
今から一時間前の話
ボク達は冒険者ギルドの依頼を受け、カノン大森林の奥にある湿地帯に沈んだ魔法王国フィルシャーナの遺跡周辺で魔物狩りをしていた。
遺跡の名は『|湖岸都市《こがんとし》フールーン』。
フールーンは魔法王国時代、湖に浮かぶ水上都市だったらしい。
王国の滅亡と共に機能を失い、今では遺跡の大部分を湿地帯に飲み込まれ、沼の底に沈んでいた。
そしてクエスト中に突然……
あまりにも突然……
…………………………仲間の一人の頭が消えた。
「え??」
ボクは一瞬理解ができなかった。
でもすぐに分かった。
…………喰われたんだ。音もなく背後から襲ってきた魔物に。
仲間の死はあっけなかった。
千切れた首からピンク色の肉が見えた。
と、同時に肉から深紅の血が吹き出した。
ここで初めて気づいた。
ボク達が、魔獣の大群に囲まれていることを…
仲間は、すぐに武器を手に取って応戦した。
(み、皆の援護をしなきゃ!)
そう思い、ボクは魔術を行使しようとした……が、次の瞬間、ボクの心は黒く塗りつぶされた。
……そう、真っ黒に。
……心が……………………恐怖に塗りつぶされた。
気づいたら…………ボクは……ボクは逃げ出していた。
死への恐怖に負けて………仲間達を置いて…………
逃げ続けたボクは、大森林の外縁部まで来たところて足を止めた。
心臓が口から飛び出そうな程疲れはて、その場に倒れ込んだ。
「ご、ごめんよアレン、コーク………………エリー……」
ボクは懺悔した。
置き去りにした仲間達の名を口にして。
そして、慰めるかのように両手で自分の体を包み込んだ
ただ、震えていた。震えるしかでかなかった。
「村に戻らなきゃ。た、助けを……」
ボクは震える体を叱咤し、最後の力を振り絞り立ち上がった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-22 08:01:38
5401文字
会話率:19%