明治中期。
いまだ幕末の昏さを残す、帝都郊外。
瑞香は町外れの、小さな貸本屋のひとり娘。
生まれつき身体が弱い彼女は、店番をしながら少しずつ物語を綴り続けてきた。
あるとき、憧れの作家に送った原稿が文芸同人誌に掲載されることになった。
あ
あ、冬には、あの文士さまと、同じところに……。
だが、彼女は知っていた。
身体は秋までもたないと、医者が言っていることを。
生きたい。生きていたい。
はじめて心から願う彼女に、父親はある決断をした。
瓦斯灯がほのかに照らす明治の夜を。
巨大な月が運命を削りだす、激動の時代を。
そのあやかしは、生まれ出でて、跳んだ。
ねえ、あたしの喉を噛み切っておくれよ。
あんたの肝を喰ろうてやるからさぁ。
*完結済、最終話投稿済です。
*毎日正午に更新。
*最終回は2024/7/2となります。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-02 12:00:00
103123文字
会話率:39%
野盗に占領された山里。前触れなく訪れた奇妙な旅人二人。
奇異な出で立ちなれど、見目麗しい白い少女と黒い少女。
野盗たちは勇んで群がり、そして――〝喰われた〟
人外の少女らは告げる。
ヒトはみな我らが家畜。
産ませ、殖やさせ、永劫に喰らう
。
案ずるなかれ。我らがもはや主であるならば、我らが家畜を愛でぬ謂れがありましょうや?
無駄に喰わず、殺さず、いたぶらず。
されど、あえて拒むというならば――魔女はどこか?
異形による異形の魔女狩り。
姿持つ大罪、白き《貪食》が蹂躙する暗黒異聞。
・ かつて4万字の短編としてひとまとめで投稿してあった同名作品を、小間切れにして再投稿した作品です。内容には手を加えていません。
・ Webより以前に自主発行同人誌に掲載しています。発行を主導した団体の規約上、著作権その他の権利は作者が有しています。
・ 他サイト:青空文庫 http://slib.net/36704
☆ ちゃ畜様よりご提供いただいたイラストを掲載させて頂いております。計3枚。場所は第1,3,4部分(2020.11.21/ちゃ畜 on Titter:@700074FI72VBcF9)
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-11-22 15:36:25
37840文字
会話率:39%
艦隊建造のための思考シュミレーションです。小説ではありません。
今回のお題は、「大和」級戦艦とその系譜を大量計画するに至った「海軍補充計画」です。
日本帝国海軍が計画した「海軍補充計画」とその延長線上にある超空母、超戦艦を中心にした艦
隊建設計画です。
この気宇壮大な計画について、多少ファンタジーを交えつつ軽く考えてみたいと思います。
なお、ここで数字としてあげる資料の多くは、取り上げた当人にとっても二次資料、三次資料になります。
だから、あまりこれをソースにしたりしないようにして下さい。これはあくまで、娯楽としての思考シュミレーションの一環に過ぎません。
(なお、私どもが製作した同人誌からの転載になります。イラスト、図版は掲載しません。)
なお、「小説家になろう」転載に際して、同人誌に掲載していたイラスト、図面はありません。
また同誌は2006年12月に発行した同人誌を元にしています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-09-14 06:00:00
85080文字
会話率:3%
ドリーマー。それは夢を現実に映す人々の総称。
空想が息づくこの世界で、特にそれが色濃く現れる「霧の街」マグラドにて唯一探偵業を営む男がいた。
その名はバジル・グライド。そして、彼に憑き沿う幽霊少女アノン。探偵見習いコニー・二コル。
これはそ
んな三人組が織りなす、人の夢を巡る物語。
※コミティアで出店した同人誌に掲載した作品です。不定期で掲載予定です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-10 23:50:22
66171文字
会話率:32%
短歌同人誌に掲載する予定が消えたので放出。
意味不明ですが一応小説です。
キーワード:
最終更新:2018-09-05 15:37:18
3993文字
会話率:0%
1993年9月発刊の同人誌に掲載し15年後に僕の本拠地たるmixiに出した原稿の再録で、この『封魔の城塞アルデガン幻想記』が拙作『封魔の城塞アルデガン』の設定が生まれた経緯を記したものです。
最終更新:2018-08-26 13:01:26
3650文字
会話率:0%
1993年9月発刊の同人誌に掲載し15年後に僕の本拠地たるmixiに出した原稿の再録で、うち『ダンジョンキッド顛末記』は機能の限られたツールを使いながら初めてRPGを自作した喜びのレポートです。
最終更新:2018-08-26 12:54:47
2617文字
会話率:0%
地方の大学に進学した僕は、年上の女の先輩に出会った。
彼女が口にする言の葉は、その薄くつややかな唇とひと続きのように、美しい。
季節は秋。残暑が息を引き取って、木の葉が寂しく鳴く季節。
地上をまさに射んとする弓張り月が夜空に浮かぶ中、僕ら
は今、和歌を詠んでいる。
**********
※「月が綺麗ですね」「死んでもいいわ」という言葉が明治時代初期にどのような文化的素地に基づいて生まれた表現なのかを意識すると読みやすいと思います。
肌寒くなってきたので、秋っぽい小説を書こうと意識しました。大学が忙しく最近は夜遅く帰路につくことが多いのですが、ある夜何気なく空を見上げたら綺麗な満月が煌々と照っていたのを見て、着想を得ました。
ただこの掌編に登場する月は満月ではありません(笑)
「月はくまなきを見るものかは」という有名な徒然草の一節のオマージュとして、あえて弓張り月を使ってみました。
2016年10月23日のコミティアにて、知人の同人誌に掲載しました。
カクヨム様にも掲載しております。https://kakuyomu.jp/works/1177354054881929536折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-10-22 12:57:39
3288文字
会話率:21%
忠信は貿易で財を成した資産家の屋敷で執事をしているが、第一次世界大戦後の戦後恐慌で家は没落し、破産により屋敷は人手に渡ってしまった。かつての使用人仲間から、仕えていた屋敷の令嬢が行方知れずになっていると聞く。先代の執事であった亡き父との確執
、高慢で奔放な娘・喜代乃への愛情に忠信の心は揺れ動く。大正八年から十年の東京が舞台。(文芸同人誌に掲載した六部構成の修正版です)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-07-04 18:22:01
46810文字
会話率:27%
国境の町ティファナで、カードゲームのカモにされている男を見かけた巽幸星は、彼らに近づき、勝負を仕掛けることにしたのだが……。
GREE日記にてひねもすのたり名義で掲載。
樹莉亜個人サークル『無計画生産事業部』にて無料配布した同人誌に掲載
。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-03-06 12:00:00
7614文字
会話率:51%
ニューオーリンズの酒場で出会ったカッツという男。巽を一目で気に入ったらしい彼はある「頼みごと」をするのだが……。
樹莉亜個人サークル『無計画生産事業部』にて無料配布した同人誌に掲載。
GREE日記にてひねもすのたり名義にて掲載。
ウェブ
リブログ『無計画生産事業部電子支部』にて掲載。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-02-27 12:00:00
12338文字
会話率:46%
その世界では誰もが生まれたときに卵を持っていて、自らの魔力を与える事で孵し、守護獣としていた。
というような世界で「僕」ことユートは通常15歳に孵す卵を10歳で孵してしまう。
待望の守護獣の孵化はうれしいけれど、異例な故に面倒もあるわけで。
ユートと守護獣はどんな道を歩むのか?
ペットと歩むゆったり録です。
完結しました。
ご愛読ありがとうございます。
書きたくなったので番外編でミーナと守護獣にちょっと触れた話を書きました。
こちらです→ http://ncode.syosetu.com/n4120by/
5/15の朝九時ごろ、大盲獣とペタンとユートがどんなふれあいをしたかに触れた話を追加。
補足の話なので外伝としてではなく本編の一部として投稿します。
Pixivで開催されているミライショウセツ大賞に応募する為に、Pixivにも投稿しました。
あちらで公開しているのは数字をアラビア数字から漢数字になおしたり、同人誌に掲載するに当たって少し調整を施した修正版になります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-05-15 09:15:02
98831文字
会話率:39%
筒見すみれは、田舎で暮らす高校2年生。彼女には1つの秘密があった。――人間の姿をして暮らす、妖怪であること。
その秘密を彼女は守り続けてきた。しかしある朝、人間の姿に戻れなくなってしまう。
やむを得ず、自宅療養生活をするすみれ。誰とも
会わず、ひっそりと生きる。そんな彼女の心を支えていたのは――。
(以前同人誌に掲載した作品の転載です)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-02-14 21:14:41
11893文字
会話率:25%
通勤帰りの地下鉄の中で、男子高校生の態度に腹を立て、朝から虫の居所が悪かったのでつい手が出てしまい、その高校生のほおを平手ではたいてしまった中年男のショートショート。
最終更新:2011-06-19 01:53:29
1965文字
会話率:32%