アデリーヌがあまり興味の無い貴族家や王家のあれこれをここまで覚えているのには理由がある。端的に言ってしまえば、アデリーヌの副官であった男が不相応にもレティシア嬢に心を寄せていたからだ。
年に数度、王城でほんの少し顔を合わせるだけ。特にレテ
ィシア嬢から特別な想いを感じさせる何かがあったわけでもない。ただ、毎回顔を合わせる。
手紙のやり取りをするでもなく、贈り物をするでもない。オレンジの木が並ぶ中庭から廊下に差し込む柔らかな陽射し。その光の中で、侍女を引き連れた美しい令嬢と、適切な距離を保ちながらもとろけるような眼差しを注ぐ北壁の騎士。
一幅の絵を眺めるように、アデリーヌはよくそれを眺めていた。用事が終わればすぐに立ち去らなければならないというのに、声をかけるのを戸惑うほど完成された美しさと穏やかな時間がそこにはあった。
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本作品の結末がハッピーエンドかバッドエンドかは、読者様のお心に任せます。作者はそれなりに幸福な結末だと思いますが、苦手な要素のある方はご注意ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-01 11:29:29
29895文字
会話率:43%
私、ユリア・ソート伯爵令嬢は、三十歳の嫁き遅れになりました。
病身の母と歳の離れた妹がいたので、その世話に明け暮れて婚期を逃したのです。
それでも、四十歳超えの男との縁談が舞い込んできました。
相手は、貴族令嬢を妻に迎えて箔を付けたいと思う
平民の商人でした。
それでも財力はありましたから、その男と婚約して以降、私の生活は一変しました。
連日、贈り物をもらい、夜毎、舞踏会へと参加するようになりました。
新しく手に入れた何着ものドレスを取り替えて、大きな姿見の鏡の前で、クルクルと舞う日々が始まったのです。
すると、なんでも欲しがる、歳の離れた妹が、「その結婚を私が!」と言いだしました。
さらに、婚約者である商人の方も心変わりして、若い娘の方が良いとばかりに、妹とのことを「真実の愛」と称して、私との婚約を破棄したのです!
やがて、妹がその商人と盛大な結婚式を挙げ、勝ち誇りました。
それから半年、病弱だったお母様が亡くなった後ーー。
母の葬式に顔を出した妹夫妻が、厚かましくも、私を屋敷から追い出そうとしました。
それに対し、私は真実を打ち明けたのです……。
※ざまぁ系のストーリーです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-26 12:10:00
14109文字
会話率:14%
私は並行世界の旅をする。
魔法がありふれた世界。
獣人がいるような世界。
電気が発明される前の世界。
はたまた、イギリスにはビッグベンがあり、日本には東京タワーがあるような、そんな私が生まれた世界と何も違いのわからない世界。
様々な並行世界
を旅をして、出会いや別れを経験し、己の使命を果たす。
これは金色の髪を持つ女性である、レイラ=フォードの旅路を記した物語だ。
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当作品単体でも楽しめる内容ですが、以下の作品をご覧いただくとより一層お楽しみいただけます。
-前日譚-
サイアイ -PSYI-
https://kakuyomu.jp/works/16817330648039257647
-後日談-
ある美漢/恨み感
https://kakuyomu.jp/works/16817330648080249845
-外伝-
未来からの贈り物
https://kakuyomu.jp/works/16817330648666331680折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-22 20:47:38
226072文字
会話率:48%
寒空の下、俺は凍死しようとする少女ミライと出会う。
”彼女”を助けられなかった未来、そして助けることができた過去……。
何度助けても彼女は死んでしまう。
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本作『未来からの贈り物』は下記作品の外伝的作品です。
単体でも成立はし
ておりまうが『サイアイ』をご覧いただけると、よりお楽しみ頂けると思います。
-本編Ep1-
サイアイ -PSYI-
https://kakuyomu.jp/works/16817330648039257647
-本編Ep2-
金色の旅路
https://kakuyomu.jp/works/16817330651333512682
-本編Ep3-
ある美漢/恨み感
https://kakuyomu.jp/works/16817330648080249845
この作品は「pixiv」にも掲載しています。(pixivが初出)
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17347908折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-01 08:00:00
6159文字
会話率:36%
「善意を持っている者を見分けられないほど暗愚でもないのに、どうしてお前はここまで来ちゃったんだ!」
「愛してくれる人が間抜けで役立たずなのなら、こうもなるでしょっ!」
こうなるべきではなかった。
愛したいと、愛してもらいたいと、近
づいたはずだった。
時は大不況の最中、貧困と格差、絶望と対立が社会を渦巻く。
辛うじて平均賃金で一人暮らしの生活を繋ぎ止めている少女・伊予。
ある日、運命でも何でもない最悪の出会いで彼女は青年・千雪と知り合った。
博識、ユーモアと優しさを持ち合わせた彼だが、何故か伊予に一目惚れしたかのようにアプローチしてくる。
千雪への返事を有耶無耶にしながらも成り行きに身を任せる伊予は、そんな彼の素顔をまだ知らなかった。
人に、この世ならざる様々な超常能力を、授けてくれる夢境「虚空」。
その力に魅せられ、虚空を棲み処とした世捨て人たち「使徒」。
千雪の正体は、互いに睨み合う使徒のうち、その威名よりも色恋な二枚目性格の割に、最も実力者の一人とされた訳あり者。
時同じく、虚空の力に無限な渇きを持つ秘密結社「魔女」が伊予に接触。
千雪と深い確執を持つ魔女たちだが、その存在を目にした伊予の中で、魔女への拭えない憧れが目覚めてしまう。
そう、優しくしてくれる千雪なのに、恩を仇で返すと自覚しつつも伊予はどことなく彼に辟易を感じて止まない。
そして、混沌極まりないこの状況の中、伊予の下に、虚空からの贈り物が訪れる…
★本作に分岐シナリオとマルチエンディングが含まれる
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-22 04:00:00
17784文字
会話率:25%
高校二年の佐藤悠太は、親の再婚で突然「六つ子の姉妹」と同居することに。熱血な紅音、クールな蒼、明るい柚、優しい碧、ミステリアスな菫、純粋な雪――六人六色の個性がぶつかり合い、悠太の日常は騒がしくも温かいものに変わる。文化祭を前に、六人が「告
白する」と宣言し、悠太は一日で全員とデートすることに。それぞれのデートで、彼女たちの意外な過去や本音が明らかになり、絆が深まっていく。文化祭の夜、六人から「色」にちなんだ贈り物と共に告白を受けた悠太は、「みんなが大事」と答え、家族としての新たな一歩を踏み出す。夜空に花火が響き、六色のビートが心を満たした。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-21 13:30:46
2105文字
会話率:0%
塩化ビニルモノマーで出来た怪獣。近在の浜辺で拾った犬の下顎骨。
セミの抜け殻。それと対となるように集められるたくさんの虫の亡骸。
到底八歳の少女が好まぬようはそれらを愛でる彼女は、いつもいつだってそれだけで満ち足りているように見える。
さりとて『|ギフテッド《神からの贈り物》』を生まれ付き得てしまった彼女の孤独感は誰にも分からない。
彼女に興味のない父。彼女に関心を持たぬ母。如何にも相容れぬクラスメイトたち。
そんなひとりぼっちの彼女を。どうしても惹き付けてやまぬモノがいる。
彼女はそのモノを見付けてから、恋心と云うものを知らずして、尚、そのモノに恋をしていた。そう、近在の邸宅に設えられた一体の異形なる石像に。
彼女のように逸脱するものはただ弾かれ、『いじめ』と呼ばわれる暴言や暴力を受ける。そうして彼女、いやさ小夜子と云う名の少女に転機が訪れる。
ある日石像へと歩み寄り、二人だけの密約を交わしたその夜、小夜子に夢にまで見た使者が訪れて、彼女の未だ小さな体へと手を添わせ、小夜子をまるで冷たく、しかし何故か温度を感じさせぬ世界へと誘《いざな》わせる。
「助けるから、助けてと云ったろう?」
そのモノはそう発して、小夜子を今まで感じたことのない世界へと攫って行く。 待っていたのは何処までも青い洞に据え置かれた石くれと石礫ばかりの静謐な世界。
彼は云う。「この世界は美しい世界であった」と。そうしてそれを小夜子に取り戻してもらいたいと。
果たして小さな小夜子に彼らの地を取り戻すことは出来るのであろうか。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-19 21:56:42
172334文字
会話率:26%
領主さまの三人の娘は、お金がなくて困っていました。そんなある日、王さまが「孫娘の十歳の誕生日のために、珍しい品物を持って来た者に金塊を授ける」というお触れを出しました。姉妹たちは贈り物にふさわしい物を探しに出かけますが……。
ひだまり童話館
様の第37回企画「開館10周年記念祭」 に参加させていただきました。
お題は『10の話』ですが、他に「3」「めでたい」「くるくる」「のんびり」「もこもこ」「たぷたぷ」「ピカピカ」「つんつん」「もじゃもじゃ」と、計10種類使っています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-19 12:33:37
5218文字
会話率:36%
春が近づく日々のワクワクを書いた詩です。
春を連想する言葉を散りばめるのが楽しかったです。
最終更新:2025-03-16 00:11:24
210文字
会話率:0%
サンタ苦労す、なんちゃって。
キーワード:
最終更新:2025-03-13 01:07:51
358文字
会話率:6%
太古の中国の一国、蓮。そこを治めている皇帝、蓮舫と天界から人間界へと迷い混んだ一人の天使、雪陽。この二人の甘く、ほろ苦い恋愛物語。
最終更新:2025-03-10 22:10:38
5910文字
会話率:55%
太古の中国の一国、蓮。そこを治めている皇帝、蓮舫と天界から人間界へと迷い混んだ一人の天使、雪陽。この二人の甘く、ほろ苦い恋愛物語。
最終更新:2025-02-27 00:40:45
1667文字
会話率:56%
「ルシナお姉さまよりも私のことが好きだと言うのだから、仕方がないじゃない」
なんでも欲しがるわがままな妹に婚約者を奪われた私、ルシナ・アルベール。
事業に失敗続きの父に加えて、義母と妹の散財。おかげでわが家は没落寸前。
そんな時、ア
ルベール家に手を差し伸べてきたのは若き実業家の男、グレン。交換条件は私との結婚。
「この結婚には裏があるはずよ」
怪しむ私の前に現れたのはスラッとした高身長に、金髪碧眼の端正な顔立ちの男性。内心、ときめいてしまった私。
だが、参加した舞踏会で彼の愛人と思わしき女性からけん制され、挙句には彼と友人の会話を聞いてしまった。
「お嬢さまはお嬢さまらしく、綺麗な鳥かごにいるのがお似合いだ。せめて大事にしてやるさ」
平民出身の彼が欲しているのは身分。彼は貴族社会に進出したいがために、私を選んだのだ。
……上手い話は、そう転がっているわけではないわね。
それならいっそ、政略結婚だと思って割り切るわ!!
我が家の借金を払ってくれてありがとうございます!
将来的に離婚したいのなら、私は田舎に引っ込みましょう!! 愛人がいるもよし!!
だけど隠し子だけは事前に言ってくださいね。
「私たち、白い結婚にしません?」
「――ふざけるな」
彼に切り出したが、バッサリ拒絶された初夜。
それになぜか結婚後もドレスに装飾品、山のような贈り物。
どうした、旦那さま。借金を払ってくれただけで十分です。もう贈り物は結構ですから。
そして最近、妹と一緒にいるのを見かけたのですが。
あなたも妹がいいって言い出すのかしら?
元婚約者のように――。
※他サイト様でも掲載してます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-10 19:45:57
136839文字
会話率:38%
神々と人々が営みを続ける、古代。地上から消えた都市イリオンにほど近いイーデー山で、羊飼いを営むパリスは、ある日、三人の女神から「最も美しい女神へ・・・」と記された黄金の林檎を誰に与えるか、選択を迫られる。女神達は、それぞれの権能に従った贈
り物を提示し、パリスから選ばれるように画策をする。パリスは逡巡しながらも、提示された代価の中から、一柱の女神を選んで黄金の林檎を渡した。その選択が、イリオンを滅ぼすとも知らずに・・・。
神々と人が分かれて壮絶な戦争へと発展した、トロイア戦争を、滅びゆくイリオンとその王子パリスの視点で描く。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-09 18:10:00
335647文字
会話率:39%
その贈り物には、秘められた想いがあった。
アルマ王国の第一王子、サミュエルは婚約者選びに悩んでいた。
その中のひとりシャイナ国のライナ王女は、サミュエルの誕生日に毎年、贈り物を送っていたが、サミュエルはその贈り物に興味を持てず、そのまま捨
ててしまっていた。
サミュエルの弟、第二王子サイラスはそのことを知り、捨てられていた贈り物を拾って大切に育てているうちに、ライナ王女に恋心を抱くようになる。
そしてサミュエルはサイラスの気持ちをよそに、ついに婚約者を決定する。
お読みいただければ幸いです。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-09 11:31:24
7980文字
会話率:47%
あったかいを贈りましょう。きっとあなたも大切な人を、あたためてあげられると思うから。
✳︎✳︎✳︎
3歳のミーちゃんのパパとママは、どうやら喧嘩中。寒い寒い冬の日のことでした。
✳︎✳︎✳︎
この作品は、Kobitoさま主催の『ほっこり童話
集』企画に、参加しております。以前、童話で投稿したものを改稿し、キミと話ができたならのお話と合体させました。どちらも短くして二部構成(子ども向け童話/パパママ向け童話)にしてみました。三つつのお話はどちらも、主人公ミーちゃんとパパママ、三人家族のお話です。お読みいただければ、幸いです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-10-09 17:07:13
6888文字
会話率:38%
ある冬の寒い朝のこと。いつもにぎやなかなはずのリビングが、今朝はとても静かなのです。
しーん。
ミーちゃんのパパとママ。いったいどうしたのでしょうか?
✳︎✳︎✳︎
こんな寒い冬の日は、あったかいをおくりましょう。
「冬の童話祭2020」参
加です。
✳︎✳︎✳︎
このお話の続き、「きみとはなしができたなら『お風呂にどぼん』」もあります。お時間ありましたら、お読みいただければ幸いです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-01-06 09:12:24
3623文字
会話率:43%
赤い花束を贈ろう
君からの贈り物に感謝をして
君に出会って私の世界は色付いた
彼女に出会って幸せの日々を過ごしていた彼の物語。
少し不器用だけれどとても彼女のことが大好き。
彼のそんなところが大好きな彼女。
そんな2人の物語。
最終更新:2025-03-04 23:55:06
3957文字
会話率:30%
卒業式のシーズンに雪が降ると、思い出します
最終更新:2025-03-04 17:30:27
940文字
会話率:0%
彼女に【プロポーズ】して成功した僕は、突然の事故で死んでしまったんだ。
でも、あっちの世界で天使になることが出来た。
死んでしまったけど、フィアンセに未練が残ってた僕。
つい、天使の仕事の合間にフィアンセの様子を……。
そこで、僕
が見てしまったフィアンセに僕は……折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-01 21:20:00
16430文字
会話率:29%
- 聖夜の贈り物- 懐かしい部屋- 繋がった記憶- 母への想い- 温かな夜
最終更新:2025-03-01 09:30:21
2111文字
会話率:25%
地球ぽい世界の地球ぽい仮想空間が舞台です。特定の主人公はまだいませんがなんとかなるでしょう。ジャンルがファンタジーなのは「明日って近未来だっけ?」とか思ったからです。とりあえずファンタジーにしとけばいいや感で攻めます。
最終更新:2025-03-01 02:09:58
5873文字
会話率:20%
西暦2120年、人類はさほど進歩していなかった。
それは、「神」と呼ばれる怪物達による文明のリセットが起きたためだった。
そして、現代。その神に抗うべく、装甲を纏い空を駆け巡る少女達の姿があった。
その名を「メタルガールズ」と言う。
最終更新:2025-02-28 17:30:00
44449文字
会話率:39%
底辺スキルのせいで、人生狂わされた俺。
奴隷として扱われることになった俺は王宮に旅立とうとするが、村の幼馴染から絶対帰ってきてと言われ、死ぬこともできない。
そんな俺の異世界生活が始まった。
最終更新:2025-01-29 20:36:48
3055文字
会話率:28%
山本大介の頂き物でごさいます。
素敵な贈り物うれしかバイ。
最終更新:2025-02-26 05:00:00
1678文字
会話率:8%