若き気鋭の女流幻想小説家、御陵彬《みささぎ・あきら》は小説を書くことに関しては天才的だったが、私生活はちょっと残念な女性だった。担当編集者、黒野戒十《くろの・かいと》から次回作として苦手としていたホラー物の連載執筆を薦められた彼女は、連載に
挿絵を描くことになった怪奇画家の青年、草壁鞍馬《くさかべ・くらま》との顔合わせに緊張しながら臨む。鞍馬から「しょうけら」というお題を得た彬はさっそく帰宅後からそのお題に取り組むのだが、その夜から彼女は二十四時間常に付き纏う何者かの視線と気配に悩まされ始める。
女性作家と怪奇画家のタッグで怪異を《産み》《封じる》物語。――あるいは、子供のように愛の奇跡を信じた男の物語。
ファンタジーやホラーの要素が出てくるまで少し……かなり? かかりますが、お付き合い頂けると嬉しいです。
小野セージの作品はスターシステムを採用しています。また作中の怪異知識は創作も多分に含まれます。エブリスタさん、ノベルアップ+さん、カクヨムさんにも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-23 17:37:58
108516文字
会話率:34%
習作と実験(のつもりだった)短編ですので、ふわっと読み飛ばしていただければと思います。ジャンルはその他ですが、そういうホラーと思って読むのが一番分かりやすいかもしれません。キーワードの「幻想小説」が正しいのかどうかは分かりません。
最終更新:2023-04-18 21:00:00
8781文字
会話率:13%
恐くない?ホラー。
遺品整理のバイトをしている大学生の由利健人。先輩に誘われるまま、事故物件の部屋の遺品整理の手伝いに。殺人事件があったらしいその部屋には、殺害されたらしい女の血痕と数本の骨しか残ていなかったらしい。
その部屋で見かけ
た珍しい胡蝶蘭を持ち帰った由利は、ある朝、自分の隣に翼のある幼女が寝ているのに気がつく。二人の奇妙な共同生活が始まる。彼女は本当に天使なのか?
幻想小説、都市伝説、世にも奇妙な物語等、お好きな方よろしくお願いします。
須永朝彦作品のオマージュ、本歌取り的なお話しになっています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-05 10:16:19
13486文字
会話率:50%
弟が家を売ったと聞き、私は長く帰ってなかった故郷を訪れる。かつて住んでいたその家を、もう一度見ておこうと考えたのだ。懐かしい町並みを歩いて行くと、何十年とやりとりのなかった幼なじみが、いまは工務店のあとをつぎ、働いているのを見かける。だが
、記憶をたどってみると、ありえない事実に気づき——。
ノスタルジックなホラーです。お楽しみください。
しいなここみ様の「冬のホラー企画」に参加しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-01-18 10:00:00
2911文字
会話率:2%
わたしの夢の中に出てくる、青い屋根の離れ。年末実家に帰省したとき、兄弟で話をしていて、弟も同じ夢をみていることが分かる。いったい、その離れはなんなのか。手がかりがないか、母にも聞いてみるが——。
どこにもたどりつかない話です。お楽しみくだ
さい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-01-04 09:38:51
4452文字
会話率:48%
妻が、お遍路さんに行きたいと言い出した。わたしは妻に連れられて、八十八カ所の霊場巡りの旅に出る。だが、旅を続けるにつれて、わたしと妻の回りには——。
(物語の必要上、かならずしも現実のお遍路さんには即していません。ご了承下さい)
最終更新:2022-12-20 06:00:00
5540文字
会話率:19%
――私はもう、神さまになんか何も祈らない。
小さな魔女サディの冒険。
児童文学風幻想小説。
幼くして両親を亡くし、伯母の家でこき使われていた不幸な少女・サディは、その家も追い出され、「人食い魔女」と恐れられるフレイヤの家に向かうことに。
やがて彼女は歴史の大きな流れに呑み込まれていきます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-08-05 21:14:10
65441文字
会話率:41%
進路に悩んでいた女子高生・桜子は、催眠術による前世療法を受けた。催眠中に彼女が見たものは、明治期にテロリストとして生きる己の姿だった。
人は運命に流されるまま生きるのかと問いかける幻想小説。
最終更新:2022-05-04 08:26:55
100673文字
会話率:56%
近代詩人・萩原朔太郎の詩「猫」をモチーフにした短編小説です。
この作品は、「pixiv」にも掲載しています。
最終更新:2022-04-06 22:08:26
1885文字
会話率:28%
近代詩人・萩原朔太郎の詩「贈物にそへて」をモチーフにした短編小説です。
この作品は、「pixiv」にも掲載しています。
最終更新:2022-03-14 20:25:29
1418文字
会話率:8%
白い花束がぎゅっと集まって、冷たい兎が生まれました。
それは水墨画のような、時が止まったような世界でのことでした。
※解釈はご自由にスタイルなので、解釈の固定を防ぐため、感想への返信はできません。ご了承ください。
最終更新:2021-12-20 05:00:51
4744文字
会話率:16%
深い森の沼のほとりの、村の風習と少年。幻想小説です。
(2019年3月26日文学フリマ東京頒布【単片帳 イチ】収録)
最終更新:2021-11-09 01:32:43
3143文字
会話率:15%
雨宿りのために駆け込んだ喫茶店は、レトロを絵に描いたような独特な雰囲気の空間だった。珈琲に付いてきた琥珀糖を齧る私の耳がとらえた不可思議な音。咀嚼音らしきその音を立てていたのは、男らしくも女らしくもない人物だった。彼が食べているのは、どうや
ら私の食べている琥珀糖とは違うものらしい。彼の姿に魅せられて、拘りのない私の価値観は脆く崩れた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-11 15:23:53
5620文字
会話率:25%
炎天下の登り坂で死にかけていた「私」は、坂道の途中にある骨董店の店主に助けられる。店内で涼んでいると、展示されていた古道具のアクアリウムにどうしようもなく心惹かれた。呼び起こされる遠い青春時代の記憶。アクアリウムをきっかけに、「私」は実らな
かった初恋の少女の想いに触れる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-08-30 21:03:02
9579文字
会話率:28%
誕生日の寒い夜、T氏は馴染みの宝石商から血のように赤い柘榴石を買う。どうやらそれは長年待ち望んだある人物・K伯爵との面会に必要な品物であるらしい。K伯爵が待つ館からの迎えを待つT氏の許へ、夜空を駆けて天馬がやって来る。柘榴石を通じて結ばれる
T氏とK伯爵との関係性とは——。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-02-24 20:42:04
10439文字
会話率:23%
陰を背負っている人の心に、鬼は棲む。
人は時に病み、昏い心に鬼が棲む。
昔、祖母に聞かなかったか?
あの秘密の電話番号。
納屋に眠っている黒電話は、もう線がつながっていないけど、
こんな時にだけは通ぢるんだよ、あの過去の世界、泡世の世界へ。
鬼やらいたちを呼ぼう。
彼らは人知れず、やってくる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-06 23:08:07
552文字
会話率:0%
悠久の日々よ、永久に。
夏になると、あの線路の脇に、電車に轢かれた子供が赤い西陣織の着物で舞っている。
お寺は、蝉の声がシャワシャワと。
お賽銭匣の影に祟りという文字が浮かんで。
季節は巡り、またこの季節。
待っていたよ、とあの神社の階段で
彼が微笑む。
狐の青年が、夏祭りの夕暮れ時に、現れる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-29 17:33:34
557文字
会話率:0%
夏の予感。
むわりとした熱風に、舌をまく地蔵菩薩。
焼かれた道路を裸足で歩こうとして、灼熱地獄。
川で泳いでいたら、深みに、なぜか蛍石が堕ちていた。
カワセミと川鮎の極彩色。虫網に引っかかる揚羽蝶。
遠い昔の記憶に、時々逢いたくなる。
今夜
も酎ハイで郷愁的に浸りながら、銭湯に通うのだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-23 15:43:31
557文字
会話率:0%
女子高生、葛城カナと売れない幻想作家秦太一は全く別々の場所から、美女が凶器を持った変質者を一撃で粉砕する、と言う衝撃的な現場を目撃する。カナは部活を辞め美女に弟子入りを志願する。一方、秦太一は小説の締め切りに頭を悩ませ、気分転換に出た公園で
美女と再会する・・・折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-22 15:12:51
92726文字
会話率:57%
アスファルトが焦げ付くような真夏日。隆志はかつて母親と撮った写真を頼りに、両親のねむる霊園へ向かう。
あまりの暑さに倒れかける隆志を救ったのは、年若く、赤子を女性だった。
最終更新:2021-08-15 19:00:00
6865文字
会話率:38%
夢の論理に統べられた世界での冒険譚だが、夢による創世と云う幻想小説ならではのモチーフが、何処か形而上的な香りを漂わせる仕方で語られる。
二部構成になっているのは、そこで一旦執筆を中断し、もう少し続けられそうだと云う理由で後日後の部分を
書き足したからだそうで、そう言われてみれば確かに何となく雰囲気が異なる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-15 17:29:50
9665文字
会話率:0%
黒森は仮に〈暗黒寓話〉シリーズと名付けた、架空の国々を舞台にした作品を時々書いているが、これもそのひとつ。大抵はグロテスクな笑いに満ちており、滑稽な中に何処か物悲しい感じを漂わせていないでもない。尚、この話に登場する「矮人《わいじん》」は
、怪奇幻想小説の愛好家であればお察しの通りアーサー・マッケンの"the Little People"を平井呈一が訳した「矮人《こびと》」から取ったものだが、完全に真似た訳では勿論なく、色々と書き散らしている内に、ラヴクラフトや千一夜物語の食屍鬼《グール》、それに人類学や民俗学の方面から得た様々な原型的イメージがごっちゃになってしまったらしい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2011-03-21 13:46:25
20505文字
会話率:0%
染み渡るような群青もて、幻想の虚空のなかへ
包括惑星の管轄者は話し合う。伝聞する『群青圏』とはなんであるのか。それはどのようなものであるのかと。
※幻想小説風味の掌編です。内容というよりか読後感重視のものとなっております。
意味不明と
感じた方、正常な感覚です。
※所々、筆者の主義主張がでてきますが考証の余地のあるものではありません。筆者は馬鹿だからです。
※本作は用法用量を守って読了されたとしても創作物の効用を保証しない可能性があります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-21 10:01:05
3983文字
会話率:43%
私が作業場で絵を描いていると、入り込んでくる子供がいた。
最終更新:2021-05-31 23:06:27
3861文字
会話率:0%
イデアの森にてホーホーと鳴くフクロウ。彼らはやってきた侵略者、ハトと歌で戦う。EDMのハトと、アカペラのフクロウ。さて、戦いの行き先は……
最終更新:2021-05-27 23:25:55
5978文字
会話率:32%
Dの街に降り立った男。その男は、Dの街という物語を壊すためだけに生まれた。本来あるはずだった物語が、語られることなく消えていく……。
最終更新:2020-08-15 22:00:01
2984文字
会話率:0%
「生きてる鳥の頭を食べるとね、背中から翼が生えてくるの。知らなかった?」
最終更新:2021-04-09 22:16:28
5522文字
会話率:26%
去年の春に警察官として配属された、若き警官は、それからの毎日を監視室での業務に費やしていた。最初は国家に貢献する名誉な仕事だと受け止めていた彼も、次第に自分のしていることが一般庶民への背信ではないかとの疑いを持つようになる。
ある日、
勤務時間内に、私服姿でホストクラブに出入りする数人の同僚の不正行為を発見するに至り、それを上司に報告するが、そのことが原因で、先輩や同僚から不審の目で見られるようになる。これにより、彼の組織への嫌悪感は決定的なものになる。警察という組織の腐敗というテーマよりも、むしろ、社会全体における犯罪と正義の境界と疑念をひとつの作品にまとめました。よろしくお願いいたします。
この作品は完全なフィクションです。登場する組織、個人名、店舗名は全て架空のものです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-04-09 04:14:59
86019文字
会話率:59%
とある夜、宮廷において、最大の権力を握るといわれるアレンシア伯爵が、従者も伴わずに下街の片隅にある民家を訪れる。その家に住む古物商は黒魔術師のような風采の不気味な男であった。伯爵はかつて魔族によって創られたといわれる、人知を超えた魔筆を買
い求めることで、自分の半生における微かな傷を修復したいと申し出る。つまり、人の道を外して、新たな運命に書き換えたいと申し出たのだ。しかし、今現在の持ち主であるはずの、その家の古物商はとの対話は、まったく思うように進まない……。そのうちに、暗がりの中から、正体不明の声が響いてくる……。
運命(宿命)論をテーマにした、ホラー作品です。当初はシンプルな短編にしたいと思っていたのですが、思った以上に入り組んだものになってしまいました。よろしくお願いいたします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-11-24 17:08:51
40916文字
会話率:56%
竹やぶに現金一億円の入った鞄が遺棄されるという風変わりな事件が、ワイドショーを賑わせていた。庶民は皆、この目新しい珍事に注目していた。私は自分の職務や生活を尊厳する立場から、この問題の一切を無視する。しかし、ある朝、この私自身も自宅近くの
ゴミ捨て場において、札束の詰まったトランクを五つ発見することになる。警察に届ければ、幾分かのお礼はもらえるだろうが、自分の家族のプライバシーが世間に晒されることになってしまう。かといって、このまま数億円の大金を見限って、知らんふりを決め込むのも悔いが残る。自分の個人情報を守るために金欲を捨てるか、それとも、大金を着服して悪徳に身を染めるか。私は数日感の熟慮の結果、これを警察に届ける決心を固めるのだが……。
六億円という大金の入った、悪霊のようなトランクに翻弄され続ける、主人公の一週間の様子を描きました。
よろしくお願いします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-06-13 04:19:43
132251文字
会話率:56%
「僕」は、自宅のベランダで山羊少女を見つけるが……。
最終更新:2021-03-30 23:59:11
1308文字
会話率:0%