京都下鴨神社参道脇にあるレトロ喫茶を買い取った古書店店主。箒木保《ははきぎたもつ》。
彼の裏の顔はは本からかけられた縛りの呪いを解いてあげる呪術師でもある。
今日もトートバッグにハードカバー小説を詰め込んだ女子大生がひとり、呪いを解きに
来る…折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-03 12:59:31
2363文字
会話率:32%
雨宿りのために駆け込んだ喫茶店は、レトロを絵に描いたような独特な雰囲気の空間だった。珈琲に付いてきた琥珀糖を齧る私の耳がとらえた不可思議な音。咀嚼音らしきその音を立てていたのは、男らしくも女らしくもない人物だった。彼が食べているのは、どうや
ら私の食べている琥珀糖とは違うものらしい。彼の姿に魅せられて、拘りのない私の価値観は脆く崩れた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-11 15:23:53
5620文字
会話率:25%