これは、勇者に育てられた少年の英雄譚。
そして、勇者と呼ばれた女の、復讐と贖罪の物語。
十年ほど前のこと。近隣にダンジョンがあるため迷宮都市と呼ばれるリンゲックの町に、勇者の異名を持つ女冒険者がいた。彼女は桜のエンブレムから「桜花(おうか
)の剣士」とも、また孤児の少年を養子として育てていたことから「子連れ勇者」とも呼ばれていた。
そんな勇者は数々の活躍ののち、王国に仕えるでもなく、誰かに嫁ぐでもなく、息子と一緒に田舎で暮らすため去っていった。
数年後……
リンゲックに、桜のエンブレムの剣士が現れた。勇者が育てていた幼児が、たくましき若武者となって帰ってきたのである。
母直伝の剣技、圧倒的な強さ。周囲が放っておくわけがない。少年の周りには、冒険者から王族までがそれぞれの思いを抱いて集い、彼もまた、それに応えるかのように無双してゆく。
やがて運命の歯車は動きだす。王位をめぐる内乱、そして魔王の影。自分の出生の秘密、そして勇者である母の過去を知ったとき、少年はいかなる決断を下すのか……
【追記】
物語の舞台は迷宮都市と呼ばれていますが、バトルが中心でダンジョンの描写は少ないものになると思います。動画配信やステータスオープン、ゲーム的な意味でのスキルはありません。なお、別作品の短編集「元ギルドマスターの手記」と同一世界、同一時間軸のお話です。両方に登場する人物が複数います。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-07 17:35:26
189673文字
会話率:45%
BL転生小説。美形×平凡。
その小説は無料で読める小説サイトに掲載されていた。不可解なことに題名がずっと「無題」のままで、説明文も「完結」としか書かれていなかった。そのせいで閲覧数はほぼなく最後のほうにあった。それにどうたどり着いたのかは覚
えてない。気付いた時にはそれを読んでいた。内容は主人公が領地拡大を図る傲慢な王の息子に捕虜として囚われ、そこで非道な扱いを受けたが主人公の仲間たちが彼を助け出し、数年後主人公は傲慢な王と妃、そして子供たちを皆殺しにしその国を滅ぼすという話だった。ありきたり過ぎてすぐ忘れてしまうような内容の小説だった。だが、どういうわけかその内容が俺の頭の隅に残り続けていた。そして今。俺はその小説の中にいる。傲慢な王の子供の一人として……。どうせ主人公に殺される運命だ。少しぐらいわがままを言ってもいいだろ? なぁ? 神様よ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-07 15:45:03
14837文字
会話率:12%
天才子役として活躍した俺、夏目凛は、母親の死によって芸能界を引退した。
その数年後。俺は『読者モデル』の代役をお願いされ、妹のために今回だけ引き受けることにした。
すると発売された『読者モデル』の表紙が俺の写真だった。
「………
え?なんで俺が『読モ』の表紙を飾ってんだ?」
これは、色々あって芸能界に復帰することになった俺が、世の女性たちを虜にする物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-07 12:10:15
221290文字
会話率:50%
虚無と倦怠、惰性の海に沈みながら、たった一人でダンジョンに潜り続ける少年がいた。
そんな少年に、声をかける男がいた。
どうやら少年のことをずっと観察していたらしく、気になっていたらしい。そしてその男はこう言った。
「お前、ウチで仕事やらね
ぇか」
そうして流されるまま、少年は男の世話になる。
男の元で仕事を熟すうち、少年の瞳の色も幾分マシになっていった。
荒事ばかりのその仕事が、しかし、かつて何も護れなかった少年に生きる意味を与えていた。
数年後、少年に新たな任務が与えられる。
それはとある令嬢の護衛。安全が確保されるまでの間、共に学園へ通い護衛する。
少年は二つ返事で仕事を引き受ける。特に変わりのない、いつもどおりの仕事だと。
だが上司である男は言った。
「ちなみに女子校だから。お前女装してメイドね」
こうして、少年の苦難の日々が幕を開けた。
なお、本作はカクヨム様、ネオページ様でも公開されております折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-07 12:00:00
159612文字
会話率:41%
確かに、彼女は異常だったのだろう。
彼女の胸の内には、何をしても満たされない虚無感しかなかった。
幼い彼女が唯一笑って居られたのは、何かを壊した時だけだった。
そんな彼女の興味が、境界鬼と呼ばれる外敵へと向けられたのは自然なことだったのかも
しれない。
数年後、日本で唯一の感応力者のために設立された学園。
そこには16歳となった彼女の姿があった。
彼女は進み続ける。まだ見ぬ未知を壊すまで。
仕事の都合により不定期更新の予定です。
本作はカクヨム様でも投稿しております。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-24 12:00:00
406867文字
会話率:37%
九十過ぎで穏やかな生涯を終えたはずの元・爺さんは、死後に迷い込んだ謎の白い空間で、神様らしき男女の痴話喧嘩に遭遇する。
その痴話喧嘩の巻き添えを食らい、本来なら元の世界で輪廻転生するはずが、魂に“余計なもん”を付けられ、異世界の輪廻転
生の輪に放り込まれ、赤ん坊として生まれ変わる羽目になってしまった。
新たな名は、岩村レイ。
だが、彼には厄介な力が宿っていた。
そのひとつが性別転換――目覚めたら男、次の日には女、また男。
親は最初こそ慌てふためいたが、次第に「息子でも娘でも可愛い!」と開き直り、着せ替え人形にされる日々。
それでもレイは何とか順応し、成長していった。
そして十数年後。
幼馴染の水沢アキラと共に、中学生になりパイロット科へ入学することになる。
しかし、入学早々待っていたのは、軍隊仕込みの厳格な教官たちと、メインパイロットとサブパイロットに振り分けられる現実だった。
「岩村、メインだ」
「水沢、サブだ」
レイはメインに、アキラはサブに選ばれる。
悔しがるかと思いきや、アキラは笑って言う。
「レイがメインなら、私がサブについた方が安心でしょ?」
そう言って支え合える仲間がいる。
魂に“余計なもん”を背負った元・爺さんの、異世界での新たな戦いが今、始まる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-07 12:00:00
533328文字
会話率:35%
プライド伯爵令嬢、ユースティティアは僅か二歳で大病を患い入院を余儀なくされた。悲しみにくれる伯爵夫人は、遠縁の少女を娘代わりに可愛がっていた。
数年後、全快した娘が屋敷に戻ってきた時。
喜ぶ伯爵夫人。
伯爵夫人を慕う少女。
静観する伯爵。
三者三様の想いが交差する。
歪な家族の形。
「この家族ごっこはいつまで続けるおつもりですか?お父様」
「お人形遊びはいい加減卒業なさってください、お母様」
「家族?いいえ、貴方は他所の子です」
ユースティティアは、そんな家族の形に呆れていた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-07 12:00:00
105066文字
会話率:37%
大国月星にはタビスと呼ばれる神官がいる。女神の代行者と言われ、その言葉は時に王の言葉すら覆す存在だ。
当代のタビスは女神の声すら聞こえないのにタビスと呼ばれる矛盾に悩み、旅に出る。
道中出遭った不思議な男に道を示されて数年後。魔物や自身の生
い立ち、王や国、タビスの意味と向き合わねばならなくなった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-07 08:00:00
436301文字
会話率:34%
——星降る日——
大きな星、光一条。
文明は滅ぼんだ。
卓上に上がる人類。
飲食用具は席のものへ。
——数年後——
もはや世界は別のもの。
新世界へようこそ。
閉ざされた自由。
外は血染めの大地。
立ち向かえぬ大自然。
踏み歩くならば核心
を示せ。
——『生きるため』ならば——折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-07 06:20:00
101509文字
会話率:46%
白凪雪(しろなゆき)は高校時代、唯一の親友で幼馴染の羽澄陽葵(はすみひなた)と絶交してしまう。
クラスで他者との触れ合いを好まない雪と、クラスの中心的人物である陽葵による価値観のすれ違いが原因だった。
そして、お互いに素直になれないま
ま時間だけが過ぎてしまう。
数年後、社会人になった雪は高校の同窓会に参加する。
久しぶりの再会にどこか胸を躍らせていた雪だったが、そこで陽葵の訃報を知らされる。
その経緯は分からず、ただ陽葵が雪に伝えたい思いがあった事だけを知る。
雪は強い後悔に苛まれ、失意の中眠りにつく。
すると次に目を覚ますと高校時代に時間が巻き戻っていた。
陽葵は何を伝えようとしていたのか、その身に何があったのか。
それを知るために、雪はかつての幼馴染との縁を繋ぐために動き出す。
※他サイトでも掲載中です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-06 21:10:00
8433文字
会話率:33%
日本の裏社会を牛耳っていた巨大極道組織『青龍会』
その組織の会長を務めていた男『久我隆也』は、気が付くと名も知らぬ子供の奴隷として異世界に転生していた。
魔法やスキルと言ったものが存在する世界でどちらも使えない「無能」として転生した
隆也は
当たり前のように人が死ぬ過酷な奴隷生活を驚異的な精神力で耐え続けた。
それから数年後、その過酷な環境を耐え続け成長した隆也は、他の奴隷達を巻き込みその環境からの脱走を試みる。
無事外の世界へと逃げ出した隆也は、奴隷の環境を生き抜き手に入れた驚異的なステータスと前世の経験を活かして異世界を堪能、そして蝕んでいく。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-06 21:02:16
569844文字
会話率:43%
主人公アクトには、人の持つ隠された才能を見抜き、育てる才能があった。
しかしそれに気づかない無知なギルドマスターによって追放されてしまう。
数年後、アクトは自分のギルド【天与の原石】を作り、ギルドマスターの地位についていた。
彼はギル
ド構成員たちを次から次へと追放していく。
「鍛冶スキルなど冒険者ギルドに不要だ。出ていけ。鍛冶師ギルドの副支部長のポストを用意しておいたから、そこでせいぜい頑張るんだな」
「ありがとうございます! この御恩は忘れません!」
「(なんでこいつ感謝してるんだ?)」
【天与の原石】は、自分の秘めた才能に気づかず、理不尽に追放されてしまった弱者たちを集めたギルドだった。
アクトは彼らを育成し、弱者でなくなった彼らにふさわしい職場を用意してから、追放していたのだ。
しかしやっぱり新しい職場よりも、アクトのギルドのほうが良いといって、出て行った者たちが次から次へと戻ってこようとする。
「今更帰ってきたいだと? まだ早い。おまえ達はまだそこで頑張れる」
アクトは元ギルドメンバーたちを時に励まし、時に彼らの新生活を邪魔するくそ上司たちに制裁を与えて行く。
弱者を救済し、さらにアフターケアも抜群のアクトのギルドは、より大きく成長していくのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-06 20:33:14
512979文字
会話率:49%
「嘘だ…こんな…」
灰色の石壁に覆われた薄暗く肌寒い部屋の中、僕の目の前に置かれた巨大な水晶珠に映し出されるのは、人の住む街が破壊しつくされた「地球」
炎から逃げ惑う群集。襲い掛かる異形の怪物。応戦する各国の軍隊。
怪物に降り注ぐ弾幕
はにわか雨のごとくぱらぱらと弾き返され、怪物たちの怒りを増すばかり。
そして、既存の兵器では傷ひとつ付けられぬ怪物に向けられたのは諸刃の剣。
怪物が占拠した街に落とされた光の玉がすべてを焼き尽くすところで映像が途切れる。
「預言書」が見せた数年後の未来。僕は自分の産まれた世界を犠牲にして異世界(ここ)を救ったという。
僕は叫んだ。
「こんな結末は望んでいない!」
光を発しなくなった水晶球のそばに佇んでいた小さな人影が動く。
「落ち着け小僧!あれはわしが最初からヒントをすべて教え、必要な物を渡したら何故かああなってしまったという「もしもの世界」の話じゃ」
真っ黒なゴスロリ服に身を包んだ少女がそう答えた…。右目を光らせて。
「だから、ヒントは与えないことにしたのじゃ。小僧、すまぬ…」
ドスンと鈍い音と同時に頭に強い衝撃を感じ、僕の意識は遠のいていく。
「記憶を消させてもらうぞ」
---
週末の昼下がり、ファストフード店からの帰りに運転していた車ごと異世界へと呼び出された僕。
目の前に広がるのは灰色の石畳、そして見たことも無い巨大な西洋風の城。人影の無い王宮の中庭でハンバーガーを食べようと包みを開いていたとき、突然目の前に現れた女の子。
彼女は自分を「糧」として食べてほしいと言い出した。
そして自分の命と引き換えにこの世界を救ってと懇願する。
謎の「預言書」が絶対的な力を持つ王国で、魔導具もろくに使えないおよそ勇者らしからぬ主人公がいろんな女の子に振り回されながら、最悪の結果にならない道をノーヒントで探しつつ、異世界を満喫します。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-06 19:00:00
4828048文字
会話率:34%
母親からネグレクトを受けている蒼は、自分のことを『おれ』と言っている小学一年生の女の子。
夜の仕事をしている母親が、女の子である蒼に嫉妬してしまうから。男の子らしく振る舞うことを強いられた。
そんな蒼はある日、『ひなた』という名前の可愛い
女の子と出会う。
いじめられているところを助けた蒼にひなたが言う。
「あおちゃんはぼくのヒーローだ」と。
蒼はひなたのヒーローでいようと誓う。
そして、神様を信じない蒼は願う。
『わたしにも現れないかな…。わたしを救ってくれる、ヒーロー』
ひなたと過ごす時間だけは心地よかった。
だけど、蒼がひなたと一緒にいられたのはわずかなものだった。
数年後、二人は再会する。
彼らにとっての『ヒーロー』は、それぞれ形を変えてーー
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-04-06 15:00:00
74300文字
会話率:31%
魔族は長きに渡り、人族との戦争を続けていた。400年前に締結された停戦協定により、領地を分ける壁が建設され、現在では冷戦状態が続いている。
幼い頃、壁に空いた穴から人族の領地へと足を踏み入れた魔族の王子、シラーフェは、美しい花畑に立つ少女
と出会う。
魔族と人族が分かり合える世界を夢見る少女に、シラーフェを恋をした
しかし、二人は決して結ばれない……
数年後、聖女となった彼女の隣にいたのは異世界から召喚された勇者であった
己の立場を理解したシラーフェは、魔王として二人に立ちはだかると決める
すべては彼女が夢見、自分が共に願った世界を実現させるため折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-06 14:54:19
330476文字
会話率:33%
あなたは物を忘れたことがありますか?
それがとても大切な物なら、きっとあなたは必死になって探すでしょう。
別になくてもいい物なら、きっとあなたは探すことなく忘れ、いつの日か思い出すこともないでしょう。
数年後...数十年後でもいいでし
ょう。
そんな “忘れ物” が帰ってきたら......
あなたはどうするのでしょうね?
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-04-06 08:00:00
4743文字
会話率:22%
かつて全ての魔術師や種族、人々から恐れられた史上最強の魔女がいた…名はメリッサ・エリヴェーラ
彼女は世界を滅ぼす程の強大な力をもっていたが、突如失踪してしまう
そして数年後、一般人として暮らしていたメリッサは街へ出かけるが、これが彼女の平穏
な日常が崩れることになる…折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-06 07:00:00
56807文字
会話率:62%
ミーアは猫の女王の二人の娘の一人として生まれたが、王女に選ばれなかったため、捨てられてしまう。
貴族猫は猫と人間の姿を併せ持ち、寿命も長いが、捨てられ猫姫は、そのままただの猫に変化するはずだった。
ところが、親切なおじいさんに拾われ、
偶然が重なって、人間の女の子として生きることになった。
数年後にミーアが貴族の家の養女になった頃、猫の国が彼女の存在に気付き、貴族猫として再び迎え入れられることになる。そして、人間界と、猫世界での生活が始まる。
ほのぼのタッチの話です。猫の宰相曰く 『我々は人間ではない。そんなに野蛮ではないのだ』 そうです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-05 20:00:00
138580文字
会話率:34%
生まれたダンジョンが滅ぼされて野良となった魔物、ニア。彼は当てのない放浪の中で錬金術に出会う。その奥深さに魅了され、自らも錬金術師を志すのだった。
数年後、人間の町の片隅で細々と生計を立てるニアに、転機が訪れる。町の近郊に現れたダンジョン討
伐のために訪れた女騎士に、その実力が疑われ始めてしまうのだ。
魔物だとバレないよう、目立たず研究だけしたいニアの奮闘と、それでも彼を放っておいてくれない周囲との、町を、国を救う物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-05 08:00:00
809284文字
会話率:43%
前魔王の息子であるラクスは、己の種族である淫魔に抵抗を感じていた。無自覚な魔力に酔っただけの愛と忠誠に辟易していたためである。
そんな日々の中で、ラクスは自分の魅了に惑わされない少女、エリシアと出会う。魔力ではなく、自分を見て友人になっ
てくれた存在にラクスは喜び――数年後、二人の関係は恋人へと形を変えていた。魔王候補となったエリシアのため、ラクスは共に試験に臨むが――折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-08-09 20:00:00
84802文字
会話率:47%
——獣狩(ししがり)。それは化獣(ばけもの)を狩り、その糧を得る狩人たちのことである。
彼らは化獣の命を重んじ、敬愛した上で狩りに臨む気高き狩人であり、その疾風迅雷の戦いぶりに人々は敬意と畏怖を抱いていた。
時は常闇暦八七一年。
かつて栄えた文明が一夜にして消え去った「厄災」からおよそ九世紀が経ち、彼の神楽大陸ではかつての神の教えを中心に、復興が進められていた。
金属禁忌という神の教え——神闇道・常闇之神社では一切の金属が禁じられ、代わりに天然物や化獣素材を用い、人々は不自由なく暮らしていた。
ある寒村で起きた惨劇から十数年後、禁呪をその身に宿す青年・蕾花はある冬の夜、雪の積もる幻冬峠で行き倒れる。
「坊やがこんなとこで死んでんじゃねえよ」——そう言いながら通りがかった龍人の女・潤花は彼を見捨てては置けず、山道脇の朽ちた小屋で蕾花を介抱してやることに。
目覚めた蕾花は潤花にどこか、強い信念と熱を感じながらも突き放そうとする。しかしそこに化獣の咆哮が木霊し、彼らは一時共闘することに。
紆余曲折を経て蕾花は己を付け狙う者たち——「禁呪院」の追手を振り払うための力を磨き、そして糧を得るために潤花の勧めで獣狩となるのだった。
「泡沫の里へ行く」——蕾花は常闇之神社総本社が建立される、霊天山の山腹にある泡沫の里へ向かうことを望む。
その理由は、常闇様自身に問うためであった。
——なぜ、俺なのか。……と。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-05 07:10:02
3652文字
会話率:40%
辺境に暮らす開拓民の娘エイナは、幼いころに父親を亡くし、母は行方不明となったため、叔母の家に引き取られて育てられていた。
ある時、エイナが暮らす村にオークが出現し、大切な家畜に被害が出た。
村人たちはオークに対処するため、辺境に暮らす変わり
者の女召喚士を招へいすることを決め、その負担を話し合うため寄り合いが行われたのだが……。
「幻獣召喚士」の数年後の世界を舞台に、少女の成長と冒険を描く新たなストーリー。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-05 07:01:29
1679869文字
会話率:26%