下道寺一家の清次郎が新免の弥助に惨殺される。清次郎の子分の四辻の捨松は、仇を取るため、単身、殴り込む。捨松は、荒戸の伴造達を退けるが、弥助を逃し、また、自身も重傷を負う。
重傷を負った捨松は、音吉という商人に救われる。音吉は、武州秋霜村の
浅巳家の手代であった。浅巳家は武蔵有数の豪農であった。
九年前
浅巳家の長男の嘉一郎が家を出て、上州でその日暮らしをしていた。そのときに、地域の顔役である四辻の捨松と知り合っていた。
八州廻り同心の佐々木が会いに来る。佐々木は、浅巳家大番頭の伊助に嘉一郎の消息を探すように頼まれていた。家に戻る気のない嘉一郎に、佐々木はお絹という小料理屋の女将を紹介する。お絹は、凄腕の元隠密であった。
梅雨の晴れた日に、嘉一郎は、遊女のおえんと出会う。数週間後、おえんの労咳が悪化し、余命が僅かであると医師から宣告される。
嘉一郎は、おえんを身請けし、旅に出る。故郷に思い出の地があり、そこを嘉一郎に見せたいと希望したためであった。
嘉一郎とおえんは、三人の無宿人に襲われるが、同行していたお絹が撃退する。翌日、捨松が現れ、蓮華寺の安五郎一味が、嘉一郎を追っていると知らされる。安五郎一味は、嘉一郎を人質にして、浅巳家を強請ろうとしていた。思い出の地を目前にして、安五郎一味に追いつかれる。捨松とお絹は奮戦するが、絶体絶命となる。そこに、秋霜村から援軍が現れ、安五郎一味を撃退する。
現在
浅巳家の長女のお琴が弥助に捕らわれる。捨松は単身、お琴を救いに向かう折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-06-25 11:27:43
27107文字
会話率:39%
明治四十五年七月、北海道十勝地方。那波農場の陽子、香苗姉妹と柘植は半矢(手負い)のヒグマを仕留めた。その直後、ヒグマ手負いにした佐伯農場の士郎とその仲間と、陽子が揉め事をおこす。陽子は、士郎たちを殴り倒すが、近くにいた酒井組にからまれる。そ
の場は、幌母警察署長の岸川が仲裁に入り、事なきを得る。
西山農園の次男が賭博にはまり、酒井組から多額の借金を背負った。隣家の那波農場の主の那波玄平(陽子、香苗の父)は、西山から相談を受けていた。酒井組とズブズブの関係にあった岸川署長が間に入ったが、話し合いは不調に終わる。
そんなとき、酒井組はガトリング砲を手に入れる。西山に侮られていると感じていた、酒井と岸川はガトリング砲で脅しを掛けた。いざ射撃が始まると、想定以上の破壊力をコントロールできず、西山家の四名と偶然居合わせた、那波玄平を射殺してしまう。
那波農場の使用人の小野喜助は、その直後に酒井組に斬りこみ、命を落とす。
那波農場の使用人は酒井組に降伏するが、陽子、香苗姉妹と柘植は、アマックの森に逃げ込む。また、使用人の瀬尾は札幌に向かう。札幌には、玄平の姐のユキと妹のアキが住んでいた。
アマックの森には、那波姉妹に縁のあるオオカミ犬がいた。酒井組による、山狩りが行われたが、オオカミ犬の助けもあり、那波姉妹と柘植は撃退する。
那波アキ、ユキが幌母駅に到着すると酒井組が待ち受けていた。しかし、遊女の乱心があり、混乱の中、アキとユキは那波農場に到着する。
また、長倉と沢野の二人が助っ人として付いてきていた。
陽子と香苗は釧路に向かう。釧路には、アキとユキのなじみの武器商人がいて、ガトリング砲に対抗できる武器の確保のためだった。
しかし、武器商人は。酒井組の協力者により、拉致されていた。陽子と柘植は武器商人の手下の十蔵と協力し合い、キヌを助け出す。
陽子と柘植は、キヌから武器を受け取り、幌母に向かう。
幌母では早瀬副署長とその背後にいる勢力に、岸川署長と酒井組が追い詰められていた。酒井組は陸軍から横流しを受けており。早瀬副署長はその内偵のため派遣されていた。
岸川と酒井は潮時と思い、幌母町を出て行こうとするが、その前に那波家との抗争の決着をつけようとする。
札幌からの警察隊が到着する日の早朝、酒井組はガトリング砲で那波農場に攻撃を開始する。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-06-25 11:17:51
51861文字
会話率:31%
とある事情で聖剣エクスカリバーに選ばれた侍、正八(しょうや)は聖剣を追ってブリテンから日本にやってきた美麗の騎士、ランスロットとともに江戸の町で化け物退治の仕事をしていた。
だが、金と女にだらしがない正八はある日、それを見かねたランスロ
ットに住まいである長屋から叩き出されてしまう。
「貴様の分の夕餉はないと思え!」
その言葉をこれ幸いにと吉原に繰り出した正八だったが、吉原の街角で奇妙な遊女に声をかけられる。
時を同じくしてランスロットも、日本の霊的守護を司る大陰陽師、安倍晴明から吉原に巣食うあやかしの話を聞いていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-05-14 18:43:18
14287文字
会話率:43%
あれは、細い月が浮かぶ夜。
偶然を装った必然の出会いに、柚月は禁断の恋へと堕ちていく。
柚月一華(ゆづき いちげ)。
彼は、政府転覆を狙った組織「開世隊(かいせいたい)」お抱えの人斬りだった。
紆余曲折を経て、今は政府の宰相、雪原麟太郎(
ゆきはら りんたろう)の小姓をしている。
開世隊との戦が終わり、平穏な日々が続く中、柚月の中にだんだんと、だが確実に、自覚され大きくなってく、罪の重さ。
「俺は所詮、人斬りだ」
そう思いながら、止められない椿への思い。
その椿もまた、人斬り。
それも、柚月を殺そうとしていた人物だというのに。
――好きだ。
いやもう、めっちゃ好き。
好きがだだ洩れている。
そんな椿も、表向きは雪原の世話係。
忙しい雪原について、ずっと城に泊まり込んでいた。
それが、雪原が「本宅に帰る」と言うので、椿は久しぶりに柚月が住む雪原の別宅に帰ってきた。
椿自身気づいてはいないが、足どり軽く。
椿もまた、柚月に会えるのを楽しみにしていたのだ。
だが、もじもじすれ違う二人。
おまけに、椿と仲良さげに話す男まで現れて⁉
さらに、二人の主人雪原は、柚月を遊郭に連れて行き、自分の馴染みだという遊女、白峯(しらみね)と契りを交わすよう柚月に迫る。
柚月と椿。
二人の恋は、前途多難。
幕が開け、渡りを経て、嵐の予兆が訪れるまでの、ほんの隙間の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-14 10:08:23
28016文字
会話率:16%
街道沿いに立つ、非合法の遊女屋でもある旅籠の養女として引き取られた「私」は、ずいぶんと長く虐げられ、醜女と言われながら、朝から晩まで下働きをして暮らしていた。
そんな自分の名を呼んでくれるのは、年にたった一度。桜のころに秘密裏に届けられる
誰かからの文(ふみ)だけ。
慈しみにあふれ、毎年一通ずつ増えてゆくそれらを心の拠り所に生きてきたが、ある日、とうとう養母に戒められた禁を破ってしまった。外の客に顔を見られたのだ。
「私」の運命は。
まさか、このまま──?
五千字弱の和風短編。ひとの子の乙女と、いつかのときに約束を交わした「文の君」との物語です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-03-21 12:51:23
4498文字
会話率:15%
その昔、陰陽師と呼ばれる代物がいた。
忍びに使え、暴君に使え、遊女屋に使え、詐欺師に使え、何もしない者がいた。
時は遡り、令和となる現時代で人知れず森で屋敷暮らす青年の下に、五人の来訪者が顔を隠して屋敷に上がり込む。
真相がわからず、混乱す
る青年に唐突に訪れる不幸は来訪者を思わぬ展開へと呑み込む。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-03-07 10:15:37
7750文字
会話率:43%
自身の将来に悩む一人の遊女のほのかな恋心をのぞいてみよう。
最終更新:2022-02-20 18:59:04
420文字
会話率:25%
☆家紋武範様主催『知略企画』参加作品です。
夜見世が始まる頃の楼閣。ヒュルルル。身を切る冷たいからっ風が、死神が笛吹く様に音を立てて隙間から入り込んだ、もう数刻もすれば夜見世が始まる頃の楼閣。
ひとときの話。
廻し部屋の遊女
達が大部屋で火鉢の側で輪になり、今夜辺りは降るかもしれない、こんな日にお茶引きはやだねぇと、声高に話すのが廊下に漏れている。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-01-18 19:21:34
4772文字
会話率:30%
牡丹、それは、ははさまの名前、それしか知らない。その名を与えられて、吉原で産まれ育った。ははさまの様に上客を捉える様にと言われて大きくなった
外に出たい、大門の外に、いちにちでもいい、外で息をしてみたい。
最終更新:2020-01-30 20:00:50
7516文字
会話率:28%
ジャカジャカ ジャカジャカ べ、ベベンベン!三味線を掻き回す様な音色、吉原の夜が始まる。
兵庫と呼ばれる花魁がいた。かつては吉原一の
座についていた、しかし今は病に伏せ、納戸で静かに、その時を待っている。
最終更新:2019-02-03 09:35:54
4301文字
会話率:24%
なろうラジオ大賞3出品作品「お味噌汁」
かつて貿易会社のオランダ人商館長として江戸時代の日本の出島を訪れたハンス。そこで出会った玉紀という遊女との恋物語。
最終更新:2021-12-26 21:16:39
999文字
会話率:19%
主人公ザントは遊女屋に居残り用心棒をしている。
彼のもとには日々トラブルが巻き起こり、それをそつなくいなしつつ、それなりに面白い毎日を送っていたわけであるが……。
小さな出来事の積み重ねが、やがて大きな事件を呼び込み、
本人の意思に反して
、そのしがない一用心棒は見る見るうちに世界の中心へ。
しまいには、世界を救ってしまうのかもしれない。
というお話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-12-03 20:02:05
36393文字
会話率:34%
心中が夢だと言う高校生の愛美は、演劇部の公演で、近松門左衛門作『心中天網島』の遊女小春を演じることになる。
最終更新:2021-09-17 21:27:48
4733文字
会話率:63%
遊郭内の設定になっています。
1人の遊女があるお客に語っている内容となっています。
アメーバブログ、FC2のブログにも投稿しております。
最終更新:2021-09-11 00:17:12
504文字
会話率:0%
江戸の遊女と大店の若旦那、その悲しき愛の顛末と、其を見つめる烏の物語
最終更新:2021-09-08 22:19:43
1203文字
会話率:12%
花魁だった前世の記憶を持つ男子高校生・青原啓介は軽音部に所属し平凡な日々を送っていた。ある日ネットに上げた歌と演奏の動画をきっかけに大学生と会うことに。その大学生は前世で愛した武士の生まれ変わりで……
前世で武士だった剣道大学生×前世で
花魁(遊女)だった男子高校生
男女カプが転生してBLになっています。書きたいシーンだけ書いたネタメモです
作者のHPにも掲載しています。
これです→https://plus.fm-p.jp/u/asagiriragu
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-05 21:46:14
1910文字
会話率:30%
気づいたら周りは着物を着た人達ばかり。川の水を覗けば、そこには小さな子供が…え、私っ!?
流れ着いたのは綺羅びやかな町、吉原だった。あれ?でも見れば格子の中にいるのは男の人のような―。
まだ年端もいかない私をそんな不思議な場所で拾ってくれ
たのは『天月妓楼』という妓楼のおやじさまだった。
連れて来られたのは男ばかりがいる廓。どうやら此処では、男が遊女ならぬ遊男というものをしているらしい。そして私は野菊と言う名前を与えられ、女と言うことを客には隠して下働きをすることに。
何故か花魁教育もされるが、私は男じゃない!!そんな女に対しての手練手管なんて学びたく無いわ!!
しかし、私は16になった時に一緒に育ってきた美男仲間達を見て気づく。ここが『夢見る男遊廓~一夜を共に~』の世界であることを。自分の事を思い出せないのに何故かそのゲームをやっていた事を思い出したのだ。。
野菊はその乙女ゲームにおいての悪役だった。男達に近づく主人公の恋の邪魔をして、あげく殺そうともする手段を選ばない女。そんな女だから最後には主人公達から地獄の制裁を受けるのだが…
そんなのいやぁぁぁあああ!私、邪魔しません。仲間のことは兄のような、戦友のような感じにしか思っていません!!陰からこっそり応援する所存です。
※2018/1/25 本編完結。番外編を更新していきます。
※2018/2/10 『隅でいいです。構わないでくださいよ』
アリアンローズ様より第4巻書籍発売予定です。
※2018/2/5 フロースコミック(KADOKAWA)よりコミカライズ第1巻発売予定。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-12 20:35:42
456404文字
会話率:38%
榮都(えど)の町に突如現れた舞巫女「紅(べに)」。
彼女の正体は神、遊女、そしてモノノケの魂が1つとなり、人として生まれ変わった存在だった。
紅が新たに生きる場所として選んだのは榮都で一番の芝居小屋「鼓吹座」。
私は舞う、3つの生を生き
なおすために。
その思いを胸に、紅は今日も舞台に立つ。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-14 22:45:46
34313文字
会話率:27%
行方不明になった、小間使いの竹を探すため、千代は男装して吉原へと訪れた。彼女はそこで、一段と美しい遊女に目を奪われてしまう。そしてなんと、その遊女は男である事が分かった。ひょんなことから、竹を探しつつもその遊女?の元へ通うようになった千代は
、吉原の奇怪な事件に巻き込まれていく__。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-02 21:09:36
84165文字
会話率:50%
素間の命を受けた庄助は、伊勢の鬼門を守る、金剛證寺を訪れる。三八は金剛證寺の坊主だ。三つで八つを知る三八は、素間が頼みとする手先の一人でもある。
三八から、太兵が会っていた相手の居所を聞いた庄助は、和尚の付け髪を預かって寺を出る。山門を出た
庄助は、付け髪のおかげで階段を滑り落ちる。
腰をやられた庄助は、乞食興行に出るが、降り出した雨にひとり取り残される。
猫のお玉と戻った小屋で、庄助は付け髪様に酒を供える。庄助が、山門の階段から転げ落ちた原因は、付け髪に絡まっていた針にあると理解したからだ。遊女の髪でできた付け髪は、庄助を守ってくれたらしい。
勘違いで、庄助の小屋に乗り込んできた母から、美代の神隠しを知る。拝田の若衆として、捜索に加わりたいが、体重く起き上がれない庄助は苛立ちを感じる。
そこに現れたは、愛しい美月で、庄助は美月に手を引かれて小屋を出る。
いよいよ美月と、と心躍る庄助は、いきなり襲いかかった狐に捕まった。
乳母のおねう、おこうに白装束を着せられた庄助は、付け髷を付けられて御師邸に向う羽目となる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-22 22:22:12
21103文字
会話率:27%
舞台は大江戸吉原。
用心棒・弥市良は、遊郭『有賀屋』を根城にする快活な浪人だ。
ある日、元遊女の「おつる」が身投げをした水死体で見つかった。
嫁入り直前の彼女が何故身投げをしなければならなかったのか。
許嫁は何処にいるのか。
戸惑う弥市良と
仲間たちは、おつるの許嫁を探していくうちに妙な事に気付く……。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-09 17:00:00
49149文字
会話率:54%
三崎島の玉洗いの港で”沖の遊女”として働くお千代の物語です。
自由に生きようとする彼女には様々な試練が待ち受けています。
捨て去った過去、遊女としての現在、そしてこれからの未来。
さて、お千代はどんな道を歩んで行くのでしょうか―――――。
※偶数日の20時に更新予定です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-03-06 20:00:00
312712文字
会話率:32%
「きりりしゃん」とは……
引き締まったさま。きちんとしたさま。きちっと整ったさまの女(ひと)を言う。
花風は、この頃、吉原の「呼び出し」として有名な遊女。
呼び出しは、江戸初期の高尾太夫や吉野太夫などと同じく 、江戸後期の吉原では
、最高の位である花魁である。
彼女には、年季明けを前に、ある密かな、小さな願いがあった。
だが、江戸時代の世の中では、その願いは有名な花魁だからこそ、大変な困難がともなっている。
ところが、ある男との出会いから、彼女の目の前に大きな道筋が光ったのだ。
そして、それは意外な方向に、大きく展開していく。
そんな中、果たして彼女の小さな野望と結末は……?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-02-28 14:00:00
43931文字
会話率:43%