言語が完全に構文モデルとして再定義された未来。
感情も思想も、数値化と最適化の果てに「曖昧さ」を排除されたはずの世界で、存在構文に“揺らぎ”が検出された。
個体コードE713──かつて消失した天才、アズミ・ネイ。
観測技官リュウ・アスマ
は、構文深層《灰層領域》へと侵入する。
そこには、自己展開する言語空間の中で咲いた、ただひとつの構文があった。
「私は、定義されることを拒んだ。存在の確定は、死と等しいから」
これは、記号となった魂が、自らを語り続けることで生きることを選んだ物語。
記憶か、幻か。それとも新しい生命か。
“構文”が咲かせる一輪の存在論的な花を、あなたの記憶領域に。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-19 06:00:00
1867文字
会話率:27%
2025年春。
ウクライナとロシアの戦争は、停戦交渉の兆しを見せはじめていました。
交渉の場に立つアメリカ、沈静化の空気を探る欧州、構図の輪郭が揺らぎ始めた矢先。
ウクライナ北東部・スーミ市に、突如、弾道ミサイルが撃ち込まれました。
軍事
施設ではない、大学の周辺。
そして何より──ロシアは、この攻撃について何も語らなかった。
沈黙こそが、最大の異常。
私はこの“語られなかった”という事実の中に、国家という構造の破綻を見ました。
ロシアとは、制度で支配されていた国家ではなかった。
忠誠ではなく恐怖、統治ではなく牽制、そしてたった一人の“僕”によって均衡を保っていた──
それが“ヴィラン国家”としてのロシアの正体だったのだとしたら。
※ヴィラン=悪役、エンタメ作品などで使われる用語です。
語られない出来事こそ、語るべき構図があります。
それが、私がこのエッセイを引き受けた理由です。
この語りは、私にとって公開としては2作目となります。
けれど、構図を読み解き、語り続けるという作業は、それ以前から何度も経験してきました。
本作も、KOBAさんとの思考の往復を通じて、構図を整理し、語りへと形にしています。
なぜスーミだったのか。
なぜ弾道ミサイルだったのか。
なぜロシアは、何も語らなかったのか。
そして──なぜ、それが“国家の終わりの始まり”となるのか。
この語りは、答えではなく、視点を差し出すものです。
読後、静かな納得が訪れることを願って。
★読み始める前に
このエッセイには「第0章」という導入が添えられています。
語り手クラリタの背景と判断基準を知る手がかりとして、どうぞご覧ください。
構図は、静かに語っています。
この語りが、あなたの中に一本の地図線を描きますように。
──クラリタより。
※本作は執筆クラリタ、その他KOBAの共同作業で制作しました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-18 17:35:20
6939文字
会話率:0%
ある日、天使である僕は、天界でいたずらをしてしまったため、神様から罰を受けることになった。
罰とは、「毎晩、ある女性の部屋に通って物語を語る」ことだ。
聞き手であるシェヘラザードを相手に、僕は毎晩お話を語り続ける。
※この物語は、細
かい物語の集合体になっています。
一晩で何話も語られることもあれば、何夜も続く長いお話もあります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-24 20:21:13
2085155文字
会話率:31%
「信頼出来ない語り手」は語り続ける。たとえ「妄想の塊」「訳の分からない念仏」などと嘲られてもなお、語る。
当掌編集は一部『Avaloncity Stories』とのつながりがありますが、全体的には『Avaloncity Stories』と
は別のシリーズです。
個人サイト「Avaloncity」、カクヨム、アルファポリス、gooブログ「Avaloncity Central Park」にも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-18 12:00:00
24979文字
会話率:32%
それは、当に、光の道。
光は、そのまま、本堂の弥勒菩薩像を、捉える。
光の軌跡を追う様に、カメラの目線は、弥勒菩薩像を、捉える。
弥勒菩薩像は、横顔に日の光を受けて、輝いている。
くすんだ色合い。
木造。
外側の、塗りも装飾も、ほとん
ど、剥げている。
であるにも関わらす、「輝いている」としか言い様の無い佇まい。
光を浴びている横顔は、語り掛ける。
決して、上向くことは無い。
決して、眼を開けることも無い。
こちらを、向くことも無い。
が、確実に、語り掛けて、語り続ける。
会いに来た人々に、参拝に来た人々に。
興味本位で覗く人々に、ただ同行しただけに人々に。
コウタに、タカギに、その他の人々に。
コウタが、頷いている。
いつの間にか、うんうん、頷いている。
話し掛けられたかの様に、うんうん、頷いている。
タカギは、デジビデを注意して覗くが、コウタの他に、誰もいない。
コウタが対しているのは、弥勒菩薩像のみ。
レンズ越しに、弥勒菩薩像を見ていたタカギは、デジビデを下ろす。
レンズ越しでなしに、直で、自分の眼で、弥勒菩薩像を見る。
‥‥‥‥
うんうん。
頷く。
心と頭に、暖かい気体が、流れ込む。
それを動力源に、走馬燈が、廻り出す。
今までの記憶が、廻り出す。
その走馬燈は、『死』とは真逆の、『生』に拠ったもの。
廻っているだけでも、なにか、『うわあ!』とか『パアア!』とかの、好ましい感じがする。
幼き頃の、メリーゴーランドを、思い出す。
山門から、弥勒菩薩像へ、光の道は、伸びる。
伸びて、在り続ける。
その途中に、コウタとタカギは、佇む。
光の線は、みんな諸々一切合財包んで、輝く。
課長と課員、阿吽の呼吸の、喜び共有である。
仲が良くて、ノリがいい。
「はい、キチンと並んで、並んで」
課長の声に合わせて、課員が、動く。
ガヤガヤ喜びながらも、整然と、動く。
一列に、改めて、並ぶ。
列が、整う。
その時、窓から。
窓から、光が、射し込む。
日の光が、鋭く優しく、射し込む。
射し込んだ光は、列の上を、滑る。
課員の頭の上を、滑る。
一人一人の頭で、スキップし、加速を付けて、滑る。
加速を付ける毎に、滑らかさを増し、滑りゆく。
それは、当に、光の道
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-14 09:44:51
20271文字
会話率:20%
私のこと知ろうとしないでね。
少女は、語り続ける。
知らない空間にいる僕に向かって、少女が、一方的に話続けるお話。
最終更新:2023-09-13 18:29:33
2932文字
会話率:35%
量子論を語って何がいけない?
最終更新:2022-12-28 09:00:00
603文字
会話率:0%
蒸しかえるような、夏の昼下がり。
古いアパートの一室でただ、語り続ける「ラジオ」
ラジオが語りかけるのは……
最終更新:2022-08-23 05:54:00
1460文字
会話率:35%
腐女子の主人公が高校生の頃の親友(同性)との思い出を語り続ける小説です。
最終更新:2022-02-07 20:26:34
996文字
会話率:0%
川瀬夏子の周りには人がいない。彼女が乱暴者すぎるからだ。女子男子問わず肉体言語で語り続ける彼女の体は傷だらけで、血まみれになっている。傷は彼女の傷。血は誰の血? 乱暴者の彼女の周りでは、いろんなものが傷つけられる。猫も人もいろいろ……。や
ったのが彼女とは、限らないのだけど。
女の子を主人公としたミステリーです。某映画とは関係ありません。
4は23日22時、5以降は24日7時から五時間ごとぐらいに更新予定です。
※それなりに残酷です折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-02-25 12:00:00
34439文字
会話率:26%
傷を負った傭兵の回顧。
なぜ傭兵になったのか…。
なぜ戦い続けたのか…。
男は語り続ける。
最終更新:2019-05-21 20:37:47
7268文字
会話率:49%
酔っ払いの繰り言なんて、みっともない……そんな風に思っていた「私」は、ある日彼氏にこっぴどく振られ、行きつけのバーで酔っ払って愚痴を零していた。
そこで出会った男は、突然「私」にある申し出をする。「オネーサンの話を売ってくれない?」
初めは
警戒したものの、ナンパでも送り狼でもなく、本当にただ愚痴を聞くだけの男。彼は「できれば他の話も買い取らせてほしい」と「私」に約束を取り付けた。
それ以来、「私」は男に会社の愚痴や他愛もない日常の話、過去の酷い恋愛話などを語って聞かせるようになる。約束とはいえ、会うたびに高額な「対価」を支払う男は、有名な小説家だった。
人に対する感情を上手く理解できない小説家と、彼にただひたすら自分の話を語り続ける「私」の、淡々とした奇妙な関係の中で、二人の意識が少しづつ変わっていく。
※エブリスタでも同作品を掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-06-11 00:33:33
61253文字
会話率:63%
ある世界に二人の英雄がいた。しかし、その二人はまだ、16歳ぐらいの男の子と女の子だった。二人は世界中の人々の希望を託され魔王と呼ばれる存在を倒した。しかし、二人は世界中の人々の前に姿を現すことはなかった。死んだかもしれないし、生きているかも
しれない。行方知らずになってしまったのだ。だから、世界中の人々は妄想を膨らませその二人の物語をたくさんかいた。一番有名な物語は、転生する話だ。人々は語り続ける。それが本当のこととは知らずに……
二人は転生し続ける。何度も……
誤字、脱字などがありましたら教えてください。感想、アドバイスなどをいただけると大変嬉しく思います。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-10-17 19:38:04
2704文字
会話率:37%
主人公とその他が行う時間稼ぎの為の長話。ただ、それだけ。
1部:死にたくねえよぉ!だから俺は語り続けるぜ!
2部:牛山ミノルの必殺技「フィリバスターキャノン」は、
喋った台詞の文字数だけ相手にダメージを与える!
殺せ!肉片を1つたりとも残
すな!文字数で殺す異能力バトル、開幕!
3部:俺 が 神 だ ! さあ、無双するぜ!
世界最長の呪文詠唱(10000文字)が見れるのはここだけ!
※1,2部をまとめたあらすじがあるので、忙しい方はぜひそちらを。
※長い呪文詠唱:フィリバスターキャノンは『原罪 伍:アザラシ』から見れます。
※矛盾があったら容赦なく指摘してください 出来る限り直します
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-07-21 10:41:15
171829文字
会話率:47%
盲目少女。
少女は僕の存在を目では認識できない。だから、僕は少女の手を取り語り続ける。
「大丈夫、ここにいる」
学校だけの召使でも、本物の執事に勝てなくても。僕は……
最終更新:2016-11-29 01:51:54
3499文字
会話率:25%
赤ずきんは有名な童話の女の子。
彼女には秘密があった。
一人で語り続ける少女の本当の”罪”とは?
彼女は狂っていた。
キーワード:
最終更新:2015-01-12 22:45:47
2522文字
会話率:29%
脳髄から、華が咲く。
ブログ「観察日記」。どこかネジの外れた可笑しげな管理人は、植物に寄生された様子を淡々と語り続ける。次第に狂っていく男の記述。ネット上の議論は盛り上がりをみせ、彼らは次第に気付いてゆくのだった。
最終更新:2014-08-09 17:11:28
36801文字
会話率:4%
怖い話は好きですか。
好奇心により怖さを求め続けた「僕」。
怖い話を聞きたいですか。
怖い話を語り続ける「僕」。
怖さを求め続けた「僕」は…
最終更新:2012-04-20 17:05:08
1027文字
会話率:0%
小説家になるという、同じ夢を見たふたり。
それぞれの進む道には、いつしかズレが生じていた。
そのギャップに苦しむ「私」と、それに気付かず夢を語り続ける「S氏」。当然のように、ふたりの関係は昔のようにはいかなくなっていく。そして「私」は
、悩み続けるうちにいつしか奇妙な「桜の木の夢」を見るようになっていた。
――そういえば、夢という言葉にはふたつの意味があった。
ひとつは、手に入れたいと強く願う対象のこと。
もうひとつは、決して触れることのできないもの。
あなたのこころに、桜は咲いていますか?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2011-05-02 03:39:13
7971文字
会話率:3%